SCP-5159
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アイテム番号: SCP-5159

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-5159の現保持者 (旧指定D-9921) はサイト-22の標準ヒト型実体収容セルに収容します。自傷を防止するため、当該保持者は常に拘束下に置かれます。

SCP-5159の現保持者から過去の情報を引き出す目的で尋問を実施する場合は、必須となる睡眠妨害処置の後に保持者の長期的健康を保つため、医療職員を待機させる必要があります。

説明: SCP-5159はオー・バロン・アル・バリッチという個人名称です。生物に適切に割り当てられた場合、当該生物は共通の異常性を示すようになります。異常性には以下が挙げられますが、これらに限りません。

  • オー・バロン・アル・バリッチ以外の名前で呼称することができなくなります。それ以外の名前で呼称しようとした人物は重度の窒息を引き起こし、試みを続けると最終的に意識を失います。
  • 身体の再生能力が増大します。これは保持者によって程度が異なりますが、四肢全体や、脳の一部の再生が促進される様子が幾度も観測されています。
  • 大半の身体的脅威に対しては、受動的な確率異常が保持者を保護します。SCP-5159の保持者に向けて発射される銃は一様に詰まり、配置された手榴弾は爆発せず、機械的手段で攻撃しようとしても大抵は使用時に突如として故障します。
  • 上述した確率異常では不十分な場合、霊的実体群が出現して身体的脅威から保持者を保護します。出現する実体は身長が高く、6本の脚・6本の腕・6つの目を有した概ねヒト型の外見を呈しています。実体群は剣や槍といった中世の武器を用いて身体的脅威を攻撃し、その脅威が無力化した時点で消失します。
  • 一種の共有記憶として、保持者はそれまでのSCP-5159保持者の記憶を想起できます。これは主に無意識化でのみ発生しますが、保持者が重度の酩酊や睡眠不足といった意識障害の状態にある場合は、より深く鮮明に記憶を想起できます (前者では想起した情報の伝達能力に支障が出るため、尋問を実施する際は後者の方法を用いることが決定されています)。
  • 永続的かつ強迫的な自己終了衝動に駆られます。

これまでのところ、SCP-5159を他者に移す唯一の方法は、現保持者がオー・バロン・アル・バリッチの名称を特定の他者に授ける旨を発声することだと判明しています。これを実行すると、全ての異常効果が元の保持者から失われ、また新たな保持者を取り巻いて発生するようになります。

この継承過程に従わずに他者をオー・バロン・アル・バリッチとして指定するよう試みても、異常現象は発生しません。加えて実験により、SCP-5159を 他者 他のヒトに移す場合の有効範囲は3 mまでと判明しています。


インタビュー5159-1

質問者: グッドフェロー博士
回答者: オー・バロン・アル・バリッチ (旧指定D-9921)

オー・バロン・アル・バリッチを48時間覚醒させた上で、口頭での説明を明快に保たせるために覚醒剤を投与しました。その後、最も古い記憶を想起するよう対象に質問しました。

<ログ開始>

オー・バロン・アル・バリッチ: 俺の一番古い記憶?

グッドフェロー博士: ええ、その通りです。

オー・バロン・アル・バリッチ: そうだな、その…… 今すぐ思い出せってなると難しいな、分かるだろ? ちょっと目を休ませてくれないか? 頼むよ。

(グッドフェロー博士が首を横に振る。)

グッドフェロー博士: 申し訳ありませんが、今すぐには無理です。ただ、このインタビューが済めばいくらでも休んで構いませんよ。どうでしょうか?

オー・バロン・アル・バリッチ: そりゃまあ、いい…… とは思う。最善は尽くすつもりだ。

グッドフェロー博士: (微笑んで) 聞きたいのは先ほどのことだけです。

オー・バロン・アル・バリッチ: 俺の一番古い記憶は…… たぶん、俺がガキだった頃のやつだと思う。これは、なんか、争った時か? ああいや、真剣なやつとかじゃなくて、こう — ただの子供の喧嘩だよ、分かるか?

グッドフェロー博士: それはいつの話です? 何年ですか?

オー・バロン・アル・バリッチ: 1892年頃か……? いや、違うな…… よく分からない。すまない、本当に。

グッドフェロー博士: 大丈夫ですよ。それとよろしければ、そこがどこなのか教えていただけますか? あなたの家族は当時何処で暮らしていたのですか?

オー・バロン・アル・バリッチ: シリアのダマスカスだ — けど俺は孤児だった、俺は — 俺は孤児院にいた。そこには他にも子供がいて、俺はその中の一人で……

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: (ゆっくりと) いや。違う、すまん、間違えた。俺は、俺はシリアに行ったこともないし、それに — それに、孤児でもない。これは……

(オー・バロン・アル・バリッチが使用済の覚醒剤に目を向ける。彼が拘束に抵抗し始める。)

オー・バロン・アル・バリッチ: あのシリンジに何を入れやがった?! いったい — いったい俺に何をした?! いっ、嫌だ、やめろ!

グッドフェロー博士: (オー・バロン・アル・バリッチが抗議する中でも聞こえるよう大声で) オー・バロン・アル・バリッチ、これについては既に説明しています。オー・バロン —

オー・バロン・アル・バリッチ: 助けて! 誰か助けてくれ!

グッドフェロー博士: サー、お願いします、どうか —

(オー・バロン・アル・バリッチがもがいて悲鳴を上げ始める。)

オー・バロン・アル・バリッチ: 皮膚が! この皮膚が、こいつが — 俺を抑えつけてる! 何とか — 何とかしねえと!

(この時点でオー・バロン・アル・バリッチが舌を嚥下しようとし、鎮痛剤を打つ必要性が生じたため、インタビューが打ち切られた。)

<ログ終了>


インタビュー5159-2

質問者: グッドフェロー博士
回答者: オー・バロン・アル・バリッチ (旧指定D-9921)

前回のインタビューの後、自傷の試みを遅らせる狙いで、オー・バロン・アル・バリッチに2週間のカウンセリングを受けさせました。インタビューに向けて、オー・バロン・アル・バリッチを48時間覚醒させた上で、口頭での説明を明快に保たせるために覚醒剤を投与しました。

<ログ開始>
グッドフェロー博士: ごきげんよう、オー・バロン・アル・バリッチ。気分はいかがですか?

オー・バロン・アル・バリッチ: 俺、その、二度とやりたくない。前にやったあれな? 俺の言ってること、分かるか?

グッドフェロー博士: よく分かりません。少し時間を取って、自分の考えをまとめてみてはいかがでしょう?

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: (息を吐いて) OK。分かった。この前の、あれ — 思い出せるかって尋ねてきただろ。それが嫌だった。なんというか…… 何かを思い出して、同じ — 同じ場所で別の何かを思い出すとな、そいつらが、こう、擦り合うんだよ。というか、衝突するんだ。自動車事故みたいに。それが嫌だった。

グッドフェロー博士: よく分かりました。快適でいられるよう最善は尽くしますが、恐れながら、いずれはあなたの記憶の話に戻らなければなりませんよ。

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: (静かに) OK。

グッドフェロー博士: ですが、すぐに取り掛かる必要はありません。まず尋ねたいのは…… そうですね、前回のインタビューの終わりに起こったことにしましょう。自分を傷つけようとしましたよね? 覚えていますか?

(オー・バロン・アル・バリッチが頷く。)

グッドフェロー博士: 前にも幾度か自傷を試みていたと聞いていますが、本当ですか?

オー・バロン・アル・バリッチ: ああ。

グッドフェロー博士: 理由をお尋ねしてもよろしいですか?

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: その、さ…… 今までに、やっちゃいけないことをやったことはあるか? こう、犯罪とか、そういうのをさ。ガキの頃に万引きとか、そういうのをやったことは?

グッドフェロー博士: そうですね、"やっちゃいけないこと" というのはだいぶ漠然とした言い方ですが…… (含み笑い) ええ、私にもそういう時があったと思います。

オー・バロン・アル・バリッチ: そしてそこには…… 罪悪感がある。こう — ひどく蝕んでくる感覚が。それは — 分かるだろ、だから — 正しくしたいから、やるんだ — 何かを。何かをやる必要が — 正しい行いをする必要がある。そんな感じだ。

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: 意味分かんねえよな。

グッドフェロー博士: いえいえ、大丈夫です。よく分かりましたよ。自分の所業の埋め合わせをしないといけないように感じるのですね。そのお気持ちは分かります。

オー・バロン・アル・バリッチ: 俺…… ああ。その通りだ。俺が持ってるこれは、自分のじゃない。返すのは至極当然のことだ。

グッドフェロー博士: ですが、自らを傷つけたところで成し遂げられはしませんよ。もし我々を手助けしていただけたなら、こちらはあなたが正しいことをする手助けをします。

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: もう一度思い出してほしいってことだろ?

グッドフェロー博士: ええ。一番古い記憶をお願いします。

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: (静かに) 寒い。あ、いや — 記憶の中でな。俺は血を流してて、失血死しかけてるから、でも傷口が塞がりつつある。今そうなってるみたいに。俺は兵士だ。剣を持ってる。

グッドフェロー博士: それはいつの話です? 場所は分かりますか?

オー・バロン・アル・バリッチ: 空が…… 空がまだ若かった頃だ。なんていうか、縁がぼやけてるのか? 場所についても同じで、こう、水を掛けられた文字みたいだ。滲んでるっていうのか? 幸せだ。

グッドフェロー博士: 記憶の中で?

オー・バロン・アル・バリッチ: (忍び笑い) ああ。俺は…… 俺はそいつを捕らえた。近くの部下は全員死んだ — 幽霊だ、そいつには幽霊がいた、大群だ — それでもそいつを捕らえた。そいつにこれを授けてもらった、名前を。俺はそいつに刃を突き刺して、ついにそいつは言葉を叫び始めた、そうなって当然だ、汚らわしい奴はそうなって当然なんだ、俺はそいつの頭を切り落とした。

(沈黙。)

グッドフェロー博士: (静かに) な…… なるほど。(声量を上げて) それで、先ほどから呼んでいる "そいつ" というのは何ですか? 姿は見えますか?

オー・バロン・アル・バリッチ: こいつは…… ひどい、ひどい奴だ、怪物だ。俺の近くに幽霊どもが来て — 多すぎる脚 — 多すぎる目、ムカつく目だ — 俺を見るその目が嫌いだ。俺は…… 俺はそいつらを一掃した。

グッドフェロー博士: それで、その人は…… 貴方は次にどうしましたか? その生物は、埋葬だけはしておいたのですか?

オー・バロン・アル・バリッチ: 俺たちはそいつを焼いた。何も無くなるまで焼いた、残された俺たちの一部 — 俺の部下 — そして……

グッドフェロー博士: そして?

オー・バロン・アル・バリッチ: (静かに) 何をしないといけないかは分かってる — さっき、俺がさっき言ったような、至極当然のこと。炎が俺を必要としてる。俺は — 俺は走ってる、部下が掴んで止めようとするけど足が速すぎた、そして俺は跳んで、身体が燃えて、死にたくて、死にたくなくて叫び声を上げる、だってそうしないと全部が無に帰すと分かっていたからで、真っ先に思い浮かんだ奴がいて、それで……

(オー・バロン・アル・バリッチが息を切らし、喘ぎ始める。)

グッドフェロー博士: どうか、そう自分を酷使しないでください。

(沈黙。オー・バロン・アル・バリッチが重々しく呼吸を続ける。)

オー・バロン・アル・バリッチ: それで目を覚ます。俺はどこかに…… 別のどこか、海の向こうにいる。俺は少女で、この少女で、父さんが戦いから戻って来るのを待ちわびてる。窓の外を見てる — 外がとても美しい。ここはとても美しい。

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: 頭が痛い。ここで…… ここでやめてもいいか?

グッドフェロー博士: もちろんです。よく頑張りましたね、サー。

<ログ終了>


インタビュー5159-3

質問者: グッドフェロー博士
回答者: オー・バロン・アル・バリッチ (旧指定D-9921)

前回のインタビューで概ね肯定的な結果が得られたため、次回のインタビューは可及的速やかに実施されることが決定されました。対象の健康を維持するため、インタビューは1週間後に実施されました。オー・バロン・アル・バリッチを48時間覚醒させた上で、明晰さを保たせるために覚醒剤を投与しました。

<ログ開始>
グッドフェロー博士: ごきげんよう、オー・バロン・アル・バリッチ。調子は —

オー・バロン・アル・バリッチ: (割り込んで) 盗人どもが。

グッドフェロー博士: はい?

オー・バロン・アル・バリッチ: お前らは全員盗人だ。俺もそうだ。俺がここに連れてこられて、お前らがここに連れてきた老人に名前を渡せた時、あれは — お前らが貯め込んだ盗人どもが。こいつはお前らのためのもんじゃない。

(沈黙。)

グッドフェロー博士: どうやら、自分でも色々と思い出しているようですね。

オー・バロン・アル・バリッチ: ああ、まあ…… そうだ。こいつはお前らのためのもんじゃない、お前らは全員盗人だ、お前らが何もかも盗んだ、何もかもを。俺たちは、お前らのためにこいつを作ったんじゃない。

(グッドフェロー博士が座ったまま背筋を伸ばす。)

グッドフェロー博士: 私たちのために作ったのではない? ということは、その名は作られたものなのですね? 作った経緯は覚えていますか?

オー・バロン・アル・バリッチ: ああ。俺は…… 俺たちは…… お前に話すべきじゃない。お前に話す義理は無い。

グッドフェロー博士: 残念ながら、このインタビューで望む結果が得られなければ、貴方に就寝は許可されませんよ。

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: カスどもが。そうだな…… ほんの少しだけ、お前が満足するだけな、それでいいよな? すまん、失礼をかけるつもりはないんだ。ただ思い出したんだよ。お前らが、クズどもが何をしたのか思い出したんだ、まっぴらごめんなんだよ。

グッドフェロー博士: あなたは先程、SCP-5159は私たちのために作ったのではないとおっしゃっていました。では誰のために作ったのですか?

オー・バロン・アル・バリッチ: 何? 俺は…… 俺たちは山々の麓に住んで、住んでいた、いや、住んでいる。俺たちは妖精の鍛冶屋だった…… 上に住む者たちの名を鍛造していた。戦いのための名、宮廷のための名。帽子のように、あるいは鎧のように。俺たちは世界がこれまで目にした中で最も素晴らしい存在だった。そしてこれからも。

グッドフェロー博士: オー・バロン・アル・バリッチとはどういう名前なのですか?

(沈黙。)

グッドフェロー博士: サー?

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: (静かに) 何もかもが燃えた。お前たちの、お前たちの空の王者が…… お前たちが何もかもを奪った。いや、違うそうじゃない、失われた、全部無くなったんだ、何もかも……

グッドフェロー博士: 私の声が聞こえていますか?

オー・バロン・アル・バリッチ: (叫んで) 聞こえてるに決まってんだろ! ここにいんだぞ! 今この場所に!

グッドフェロー博士: その名前をどう作ったのかをおっしゃっていたところでしたね。

オー・バロン・アル・バリッチ: ただの思い付きだったんだ。名前、王にふさわしい名前、いつかまた皆を一つに纏めるための。いつの日か。とても、いや、遥かに長い時を越えて。俺たちはその仕事に身を投じ、そして — 何百という単位で、俺たちの血がその雄大さを形作っている。

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: 返してやらねえと、俺に、彼らに、俺たちに。

グッドフェロー博士: どうするつもりなのですか?

オー・バロン・アル・バリッチ: こいつは間違った形、間違った皮膚だ、俺は…… 俺たちが俺たちにしたことを償わないといけない。この形を処分しないと。

グッドフェロー博士: なるほど。では、どのようにしてその名は、その…… 間違った皮膚の中に至ったのでしょうか?

オー・バロン・アル・バリッチ: 俺は — 俺たちはこれと、国が無くなった時に残されたものと一緒に彷徨った。俺はその名を持って、待っていた — こいつを持つべき者が現れるのを待っていた、俺が…… 俺が死にゆくまで。時間が俺の命を奪わんとしていた。俺はこいつを送り出した、誰か強い奴と一緒に — そして俺は、家令を送り出した、それを見守ってもらうために、それが正しいものを見つけ出せるように…… そしてお前たちが盗んだ。そいつを切り伏せて盗んだんだ、他の全てと同じように。

(沈黙。)

グッドフェロー博士: "家令" とやらに言及したのはこれが初めてですね。あなたが彼を送り出したのですか? そうして送り出した時、彼には何と言い残しましたか?

オー・バロン・アル・バリッチ: 俺は…… 俺たちは必ず戻って来ると言った。いつの日か、俺たちの幸せが再びやってくると。風が雨になり、雪になるように、必ず。

グッドフェロー博士: (静かに) 素敵な言い回しですね。

オー・バロン・アル・バリッチ: (唾を吐いて) お前に向けたんじゃないんだよ、人間風情が。

(グッドフェロー博士が身を乗り出し、オー・バロン・アル・バリッチの拘束された腕に手を載せる。オー・バロン・アル・バリッチがそれを見下ろす。)

オー・バロン・アル・バリッチ: (困惑して) 何を……

グッドフェロー博士: 聞いてください。私は貴方を助けるためにいます。私は — 我々全員が貴方を助けるためにいます。ご理解いただけましたか?

(沈黙。)

オー・バロン・アル・バリッチ: (静かに) 分かった。

(グッドフェロー博士が手をどけて立ち上がる。)

グッドフェロー博士: 私は間もなく転任しますが、お話を聞かせていただき誠にありがとうございました。心から感謝しています。早速お休みください。

オー・バロン・アル・バリッチ: でも俺…… この皮膚とか、頭が…… 頭痛くて…… すまん……

グッドフェロー博士: 大丈夫です — このインタビューの最初のほうですが、やや失礼な態度を取られていましたね。(微笑む) 許しますよ。

(グッドフェロー博士がチャンバーを退出する。)

<ログ終了>


インシデント5159-1

インタビュー5159-3から3日後の2021/06/21、SCP-5159の保持者が収容セルの拘束下で顔を上げ、最も近い監視カメラを凝視して、以下のように発言しました。

「この名は俺のものではない。グッドフェロー博士、お前にオー・バロン・アル・バリッチの名を授ける。」

その後、当該人物 (以下、D-9921) を取り巻く異常現象が全て停止したことが観測されました。

この事象直後、新たなSCP-5159保持者を特定して拘束するよう職員が動員されたものの、サイト-22や、彼が移送されたであろう場所にも問題の人物は発見されませんでした。調査を進めた結果、サイト-22のスタッフの主張とは裏腹に、ロビン・グッドフェロー博士なる人物の雇用記録は財団システム上に確認できませんでした。

D-9921をこれ以上拘束する理由は存在しないため、記憶処理を実施した上で一般社会に解放しました。新たにオー・バロン・アル・バリッチとなった人物を特定する取り組みは、現在のところ実を結んでいません。

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