アイテム番号: SCP-5161
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-5161を収容する試みは、その広範囲に及ぶ異常性によって妨げられています。主な収容活動は、世界的な心理/医療記録データベース内に報告されたSCP-5161に関する症状を記録するためにプログラムされた財団のウェブクローラーを通じての管理です。
SCP-5161の異常性に曝露した人物が調査され、確認された場合、財団に保護されます。記憶喪失治療がSCP-5161による継続的な影響を防ぐことが判明しているため、被影響者は適切な治療の後に解放されます。
説明: SCP-5161はヒトが繰り返し経験する夢です。年間5000件を超えるSCP-5161が報告されていると推定され、被影響者に決定的な共通点はみられません。夢は約3分間続きますが、SCP-5161の被影響者は体感約3-6時間経過したと報告します。
いずれの場合も、SCP-5161において、その夢を見た人は夢の中で完全に水中に沈みます。水中は黄色く濁っていて、底が見えないと報告されています。
被影響者はSCP-5161を1-2週間毎日、レム睡眠に入った時に経験します。最初の症状に続き、SCP-5161は回数を重ねるごとに明晰になっていきます。1-2週間の期間中、夢は被影響者にとってますます現実的になっていきます。それに加え、被影響者は彼らの夢に関連した異常な現象を経験します。多くの場合、彼らの肺に少量の塩水が出現したり、身体上に出現した物質が皮膚を突き刺します。
1-2週間の期間中、被影響者の夢には資料5161-Aに記載された以下のような変化や異常が追加されていきます。
資料5161-A
ステージ#1 夢を見ている間、被影響者は自分が動くことができず、同じ場所に留まっていると気づきます。水中に自分以外の存在がいるように感じることがあります。
ステージ#2 夢を見ている間、被影響者は自分の動きを制御できるようになりますが、異なる方向にしか泳ぐことができません。どれだけ泳いでも水面や水底を見つけることはできません。被影響者は低確率で遠くに小さな物体が浮いているように見えることを報告します。水が濁っているため、これらの物体を識別することは困難です。
ステージ#3 SCP-5161の期間中、被影響者は物理的な刺激を受けたことを報告します。被影響者は自身の周囲に水があるように感じることができるようになり、それを非常に冷たく汚れていると表現します。また、息を止める必要がないにも関わらず、被影響者は息が切れることを恐れて息を止める必要があると感じることがあります。この段階で、皮膚に何かが刺すような感覚があったと報告することもあります。
ステージ#4 被影響者は夢の中で窒息やそれに似た感覚を経験します。被影響者は高い確率で水面に到達するために上へ上へと泳ごうとします。
少量の黄色い海水が被影響者の肺の中に出現します。被験者はステージ2で説明したものと同様に、泳いでいる間、遠くの水域全体に複数の物体が広がっていることに気づく場合があります。
ステージ#5 水面に向かって泳ごうとしている間、被影響者は遠くに浮かんでいる物体が増加していることに気づきます。この数は被影響者が視認していない場所で増加します。これらは、釣り糸に繋がれた金属製の釣り針であることが視覚的に確認できるまで被影響者に接近し続けます。
被影響者が泳ぎ続けるうちに、釣り針の数が増加し、接近してきます。釣り針は、十分接近するとやがて被影響者の身体を突き刺し始め、被影響者を上向きに引っ張ります。もがこうとすると、更に多くの釣り針が出現し、次々に皮膚を突き刺します。その結果、被影響者の身体はほぼ完全に釣り針に覆われます。しばらくして、まだ視力が残っている被影響者は、水面や頭上の日光が見えると報告します。
これらの釣り針から自分自身を外すことができれば、被影響者は覚醒します。それ以降、被影響者がSCP-5161を体験することはありません。
夢が終わるまでにそうすることができなかった被影響者は、突如消失します。その後、被影響者の身体があった位置に覆い被さるように薄い塩水の層が出現し、落下します。