SCP-5197

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アイテム番号: SCP-5197 Level 4/5197
オブジェクトクラス: Keter Classified

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[データ削除済]にいる1体のSCP-5197-2個体

特別収容プロトコル: 財団エージェントは、SCP-5197の出現予測日における農村部での有毒ガス流出の報告を監視しなければなりません。SCP-5197の出現を調査する財団機動部隊は、ホスゲン曝露を防ぐため、自己完結型呼吸装置を備えた完全密閉型防護装備を着用することが義務付けられています。到着後、機動部隊は区域を隔離し、民間人を避難させます。爆発が報告されている場合、時空の安定性が確認されるまで職員による出現区域への立ち入りは禁止されています。そうでない場合、財団エージェントは即座に全てのSCP-5197-1実例及びSCP-5197-2個体の回収に対応します。

SCP-5197-1実例は、いかなる人間の居住地や財団施設からも少なくとも50km以上離れた専用タイプ-M危険物品収容施設に収容する必要があります。SCP-5197-1は到着後、この施設から持ち出すことはできません。全ての実験は現地で実施される必要があります。現在、エリア-███がSCP-5197-1収容施設として指定されています。

説明: SCP-5197は、暗い金属光沢を有する大型の扁球状物体です。単一のSCP-5197実例は通常夜間において、271日ごとに定期的に出現します。しかし、正確な出現位置の予測は困難であることが判明しています。また、SCP-5197の物質は地球の大気と反応して大量のホスゲンガス1を生成するため、直接的な分析も困難です。一つのSCP-5197実例は、崩壊する(通常は出現から4時間以内)までに、最大で2.4km3のホスゲンを生成することがあります。

周囲の破片及び写真証拠の分析によると、各SCP-5197の直径は33.7m、高さは約8mであることが示されています。各実例の側面には特有の装飾的な記号列が刻まれていますが、出現直後にこれらは消失し、写真分析からもその意味や目的についての洞察は得られていません。各SCP-5197には、必ず5個のSCP-5197-1実例及び8体のSCP-5197-2個体が含まれています。

SCP-5197-1実例は、骨と化学的かつ構造的に類似した物質で構成される円筒状の物体です。X線検査及びその他の分析手法により、これらの物体は中空であることが示唆されていますが、SCP-5197-1は損傷時に炸裂し、爆発と同時に局所的な時空間の不安定化を引き起こします。これにより、半径0.6~1.3kmの範囲内にガンマクラス異常領域2が形成されます。これまで、SCP-5197の出現のうち7%においてSCP-5197-1の爆発が確認されています。

SCP-5197-2は、平均して高さ5.3m、全長6.1mの大型四足歩行生物です。背部からは最大42本の筋肉包骨格が突出しており、その機能は不明ですが、付属肢の数は個体の大きさに直接相関します。頭部には3つの開口部が確認でき、最大のものは人間の女性の悲鳴に類似した発声を行います。左右に位置する2つの小さな開口部は、一部の爬虫類に見られる赤外線感知器官と構造的に類似しています。SCP-5197-2は、財団機動部隊との遭遇時において非常に不規則な振る舞いを見せます。個体は敏捷で、突然の急速な動きに対して激しく反応します。ホスゲン曝露の影響により、SCP-5197-2個体は出現後12時間以上生存することはありません。

補遺: 2020年6月30日23時34分、ルイジアナ州オンブル・ルージュにおいてSCP-5197実例が出現しました。従来の事例とは異なり、出現時に全てのSCP-5197-1の個体が爆発し、町の大部分が即座に破壊されました。特筆すべき点として、このインシデントでは従来の出現時と比較して130%多くのホスゲンが生成されました。オンブル・ルージュは、本インシデントの隠蔽のため、全ての公的記録から抹消されています。

翌朝3時10分、O5-1は不明な送信者から[データ削除済]を通じて、以下の通信を受信しました。

[通信開始]

O5-1: こちらO5-1。あなたの身元を――

不明な人物: ご挨拶申し上げます。私がお話ししているのは、オフィブ=アンOfiv-Un様でよろしいでしょうか?

<長い間が生じる>

O5-1: 一体誰だ。

不明な人物: 私はウブサオ=イコヴィUbthao-Ykoviです。辺境開拓部門を代表して参りました。

O5-1: どうやってここに接続した?これは保護された通信だ。

不明な人物: 最新の物資輸送に関する件でご連絡いたしました。輸送船がエンジン故障により緊急着陸を余儀なくされました。残念ながら、船体および全貨物は失われました。

O5-1: そんな話は聞いていない…… 待て…… <くぐもった音声> ███████博士を呼べ。

不明な人物: 契約条件に基づき、代替物資を発送いたします。次のNl'toth期間内に到着予定です。

O5-1: 契約?何の契約だ?

不明な人物: 我々の記録によると、貴方か前任者が、周期27824のMkanon月8日に、Nk'kaddi決議Akh-7639第12条に基づき、燃料カプセルと家畜の二重周期配送を申請しているようです。あなたの世界がクラス3以下である限り、配送の資格は維持されます。

O5-1: あなたは、これらの……「配送」がどれほどの被害をもたらしているか理解しているのか?

不明な人物: わかりません、お客様。

O5-1: あの爆弾は町ごと消滅させているのだぞ。それにホスゲンのことも忘れてはならない。大気中にあれほどのホスゲンを放出した場合、どれだけの生態系被害が出るか分かっているのか?このままでは我々の生態系が不安定化しかねない。

不明な人物: やはり、理解できません。プログラムからの撤退を希望されているのですか?

O5-1: 何であれ、送るのをやめろ。

不明な人物: かしこまりました。それでは、Cth-43およびUr-89の書類を地域局に提出すれば、貴惑星はプログラムから撤退となります。また、今周期ではNk-33の提出がまだですので、そちらも必要です。

O5-1: 何だと—

不明ま人物: さらなる質問がある場合は、地域局にご連絡ください。それでは、オフィブ=アンOfiv-Un様、失礼いたします。

O5-1: ダメだ、待て、やめろ

[通信終了]

当該実体との連絡を再度確立する全ての試みは失敗しました。

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