
SCP-5198-Aの表紙1
アイテム番号: SCP-5198
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-5198-Aの最後の1冊は、サイト-59の長期収容ロッカーに保管されています — その他の実例は全て破棄されました。SCP-5198-Aの異常性の原因を特定するため、内容の調査が進められています。研究申請はサイト管理官 ネイスミスに提出してください。出願者はCHEESE2で90パーセンタイルのスコアを有する必要があります。
収容された全7体のSCP-5198-B個体は、サイト-59で薬物による昏睡状態に保たれています。異常な悪夢に苛まれる可能性を排除するために、10%に希釈した獏血清 (bakuserum) を毎日点滴投与します。各個体のSCP-5198-Cの安全な切除・単離は現時点で実行不可能であり、更なる研究は保留されています。
説明: SCP-5198-Aは“その忌々しい甲羅を脱げ!”と題されたハードカバーの自己啓発書です。著者や出版社の名前は記載されておらず、内容は502ページ分の“Lorem Ipsum”ダミーテキストのように見えます。
不安障害、鬱病、心的外傷後ストレス障害、その他類似の精神疾患を有する人間がSCP-5198-Aを読もうとすると、その人物はSCP-5198-B個体になります。影響者は文字を書く能力を (筆記・タイピング共に) 制御できなくなります。更に、SCP-5198-B個体は幻聴、鮮明な悪夢、偏頭痛、パニック発作を報告しています (これらの症状の既往歴がある人物は、SCP-5198-Aへの曝露後に重症化を報告しています) 。
SCP-5198-Cは各SCP-5198-B個体の右手にある黒いマークです。見た目はSCP-5198-Aの表紙に掲載されたものと同じカメのシルエットに類似します。このマークがSCP-5198-A曝露の影響の根源だと推測されています。
SCP-5198-Cを手術などで除去しようと試みると、そのホストであるSCP-5198-B個体は極度に激しい頭痛を起こします。除去プロセス中に麻酔をかけられているSCP-5198-B個体は覚醒します。
現時点でのSCP-5198-C除去成功例は、拘束され、あらゆる副作用に耐えることを志願した元SCP-5198-B-8のみです。除去後、SCP-5198-B-8は脳溢血で死亡しました。
補遺: 以下の文書はSCP-5198-B-2 (収容以前の本名はジェームズ・サザーランド、ウィスコンシン州ケノーシャ在住) のノートパソコンから発見されました。
ジミー! 会えて嬉しいよ。自己紹介したいが、私には名前が無い。実在すらしない。私たちがこうしているのは君に注力するためだからだ。
既に気付いただろうが、当分の間、君の指を自動操縦モードにさせてもらう。不安になることはないぞ! 君は狂ってなどいない! 実際、ほんの数週間で、君は狂気の反対側へ辿り着くだろう。
では、挨拶はこの辺までにして、基本的な情報から見ていこうか。
名前: ジェームズ・ネイサン・サザーランド
年齢: 29
性別: 男
体重: ハハ。ハハハ。…はぁ、やれやれ。
精神的負荷: う つ び ょ う (プワンプワンプワ~ン)
交際状況: 独身、そして… 童貞、らしいな? ふむ、まぁいい。
最高学歴: 高校?!
雇用先: “自営業”。君は竿をしごくのをそう呼ぶのか? 洒落ているね。
両親との関係: おそらく割と良好だろう… 同居しているのだから。本当に29歳か?
おいおい、私がありのままに語ったからってそう怒るんじゃないよ。君は今どん底にいるが、だからと言って前向きな変化を起こせないわけではない。君は既に行動に移った! 図書館で私の本を手に取った。私の声を聞いて、すぐさま新しいWord文書を開いた。好むと好まざるとに関わらず、君はぶったまげるほど素晴らしいものになる正しい道筋に立っているのだよ。
さて、君に宿題を出す。明日の午後9時までに、次のようにしたまえ。
- ジャンピングジャック20回
- 1時間の外出
- 求職応募書を2通出す (心配ご無用、自力でタイプしてもらう)
- ポジティブな音楽を30分聴く
覚えておくように: 私は君が自分自身を向上させるのを支援するのが役目だ。幸福になるための決断を下せるのは君だけだ。
分かったね? 宜しい。
ではこの忌々しいコンピュータを閉じて取り掛かりなさい。
…まだタイプしているな。行け。行けよ! さっさとしや