アイテム番号: SCP-521
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-521はサイト39の安全物品ロッカーに格納します。SCP-521に取り付けられたGPSビーコンのバッテリー残量は月ごとに点検し、必要ならば新しいものに取り替えてください。SCP-521の手紙投入口を覆っている鋼板は、許可された試験の場合以外は取り外さないでください。
活性化が行われた場合、SCP-521を出現した場所から回収し、新しい鋼板を取り付けてロッカーに戻してください。SCP-521-1以降の実体はサイト39の第4書庫に保管されており、財団のイントラネット上でデジタルの複写が閲覧可能です。これらの文書へのアクセスは特に制限されていません(SCP-521-27を除きます。下記参照)。
説明: SCP-521は赤い郵便ポストで、そのデザインはイギリスのロイヤルメール社が一般的に使用しているものとなっています。イングランドの██████████から回収された後に行われた試験の結果、SCP-521は同じデザインの標準的な郵便ポストとなんら変わらない組成を有していることがわかりました。SCP-521-XはSCP-521が活性化した際に回収されたアイテムに割り振られるナンバーで、詳細な情報は下記を参照してください。
SCP-521-XのXには整数が入り、回収された後は上記の取扱方によって保管されています。
手紙(ここでは「手紙」とは一枚の紙片で、住所の書かれた適切な封筒に入れられたものを言います)がSCP-521の投入口に入れられた際、このオブジェクトの異常な性質が活性化します。その他のいかなるアイテムがSCP-521に投入されても、活性化を引き起こすことはありません。手紙はすべて、一人の被験者から一人の他の人間へと直接送られるものでなければなりません。ある被験者から組織または組織の代表宛に送られた手紙ではSCP-521の活性化は起こらず、その逆、すなわち組織から個人宛の手紙であっても同様です。
投函から最大で24時間後(押された消印の日付は関係ありません)、投函された手紙はその他の一般の郵便物とともにその宛先へ届きます。封筒の消印はロイヤルメール社のものではなく、[編集済み]との類似が見られます。しかし封筒の中にはもともと入れたはずの手紙は存在せず、SCP-521-Xの実体に入れ替わっています。
SCP-521-Xは戦争の最中に書かれた手紙と思われるもので、多くは兵士から家族や友人に向けたものとなっています。歴史的記録との比較によると、SCP-521-Xの多くは第一次世界大戦および第二次世界大戦の間に書かれたものと思われ、補遺521-Eに一例が掲載されています。その例外としてSCP-521-27があり、詳細は補遺521-7を参照してください。
現在の推論によると、試験中に回収された手紙は本来は配達されなかったはずの手紙であるとされています。財団の研究者はこの仮説を検証するため、手紙の筆者の親族関係を追跡しています。
適切な手紙が投函されて送り届けられると、SCP-521は現在の位置から消え、150キロ以内の都市部のどこかに再出現します。その移動の仕組みは現在わかっていませんが、手紙の投入口に取り付けられたいかなる障害物も移動の際に除去されます。その他のSCP-521の部分は移動の際にまったく影響を受けません。活性化から配達完了までの間に投函されたいかなる郵便物も、正常に処理されます。SCP-521の他のエリアへの移動が完了すると、次に条件に合う手紙が投函された際に異常効果の活性化が再び行われるようになります。
補遺521-E: 下記はSCP-521の試験中に回収された手紙からの抜粋です。オリジナルの手紙のコピーは、財団のイントラネット上で閲覧可能です。
SCP-521-1
旅のことについて手紙でちょっと触れたことがあったかな。もちろん、僕は地名とかの重要な部分については書くことができない。船旅は狭いスペースだとか重要な必需品の不足だとかはあったけど、長いものには感じなかった。でも対空機銃手として乗り組んだときは参ったよ、一日に二度の4時間勤務、もちろんそのうちの一度は夜中のお勤めなんだから。
SCP-521-11
母さん、父さんへ
心配をかけてごめん、ずいぶん長い間手紙を出してなかったね。イタリアへの上陸のニュースはもうイングランド中で知られているだろうけど、これでやっと、僕を入れて70人の新兵がサレルノ強襲のためにフォレスター連隊に編入されていたことを伝えることができる。この戦争が本当のことなんだって、上陸舟艇の中で急降下爆撃を受けてやっとわかったよ。
SCP-521-31 編集はオリジナルの手紙の時点で存在していたものです。
パミーへ
手紙をありがとう、そっちの話をいろいろと聞けてよかった。こちらかも少しはニュースを伝えられたらと思う。
我々は██████ ████での5週間を終え、██████地域のバルト海沿岸で休暇を過ごしているところだ。あの地域が占領されて数日してから、我々は██████の任務を与えられ、あの厄介者どもの小屋を焼き払った―それに5週間もかかったんだ。
補遺521-27: SCP-521-D4の実験中に回収された手紙は、他の事例とは異なっていました。炎による損傷のため、SCP-521-7からは短い断片のみが回復できました。
ヴェロニカ、おそらくこれが最後の手紙になるだろう。この手紙は収容エリアから離れる民間人に、彼らが安全に出て行けることを信じて託した。あまり言えることはないが、ただおまえを深く愛していたことだけは覚えていてほしい。以前からそうだったように、何が起こったのかは言えない、だがこれはすべて我々の失―
この手紙はケロッグ社の「CoCo Pops」ブランドのシリアルの箱の裏に書かれています。賞味期限の表記の断片から、この製品が製造されたのは21██年1月のことと推測されています。手紙が執筆された日付は不明です。