The Abyss Stares Back
Written by: XilasCrowe and Deadly Bread
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The Abyss Stares Back
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SCPs Page Title Co-Author SCP-5993 We want you to come visit Heaven, just don't fuck with those bees ch00bakka SCP-5785 Craptivism Sonderance SCP-5225 The Abyss Stares Back XilasCrowe SCP-4733 But Not Forgotten Lamentte Tales Page Co-Author Snippets of an Unveiled World Nykacolaquantum does not match any existing user name, Lt Flops, IFBench, Westrin Gone, Lamentte
i have no idea
Credits to TheBlueHour does not match any existing user name, not-a-seagull does not match any existing user name, Nameless Mediocre, LiterallyMechanical
監督評議会命令
以下のファイルはレベル4/5225機密情報です。無許可のアクセスは禁止されています。
特別収容プロトコル: SCP-5225は有機的に自己収容しているため、追加の収容プロトコルは不要です。
制御された試験以外での5225/オベリスク・イベントは可能な限り早急に停止させます。致死的な武力の行使が許可されています。5225/オベリスク構造体は最低4つの監視ミーム複合体1によって監視されます。SCP-5225構造体がノウアスフィアのより簡易にアクセス可能な領域へと出現できる場合、機動部隊ニュー-π (“影響圏”)が構造体を破壊するために動員されます。
未収容の5225/オベリスク・イベントが5225/モノリス・イベントへと進行した場合、プロジェクト・ネオン・サイレンスが有効化されます。最低3基のハイペロン-モーフィアス・エントロピー準概念化砲2がモノリス・アンカーをターゲットとして排除します。アンカーの排除に続き、MTF-ニュー-πがモノリスに入って概念構造を崩壊させます。
説明: SCP-5225は、人間意識圏ノウアスフィアの有機的にアクセス不能な領域で、生物学的自己収容状態にある芸術的構造災害です。発見とその後の拡張以前、SCP-5225には機械化された生命体と実験的人工知能のみがアクセス可能でした。発見以来、SCP-5225は当初の大きさの約174.8%まで拡張し、視覚的抽象化、推測、メタ認知に関連するノウアスフィアの一部を部分的に同化しています。通常の状況下では、如何なる生物学的実体もSCP-5225に物理アクセスできませんが、実験的な超常技術を運用すれば強制的に侵入できます。
SCP-5225にアクセスした人間または知性は、その後に続く5225/オベリスク・イベントのアンカーに指定されます。オベリスク・イベントは完全にノウアスフィアの内部でのみ発生し、アンカーから緩やかに外側へと拡散します。この段階に入ったSCP-5225の影響力は、アンカーとの物理的・精神的・概念的近接を通して広がることができます。SCP-5225は典型的にホストの芸術的要素を優先し、まずはアンカーの創造的思考と密接に共鳴する近隣の概念や抽象概念に拡散します。
一旦アンカーを超えて広がると、SCP-5225/オベリスクはアンカーの周囲のノウアスフィア空間に多数の構造体を生成し、互いに連結させ始めます。完全にノウアスフィア内部にしか存在しないにも拘らず、これらの構造体は疑似物理的であり、アンカーと精神的に近接する人物との精神的相互作用が可能です。時間経過と共に、オベリスクは拡散して、精神都市と大まかに類似する概念構造体へと成長します。この時点でアンカーはSCP-5225を退出できなくなり、構造体の動力源となる精神概念エンジンの一種へと転用されます。特定数の概念に感染した後3、オベリスクは概念的相対性崩壊を起こし、5225/モノリス・イベントを起こします。モノリス・イベントは、先立つ5225/オベリスク・イベントで創造された構造物が、物理現実世界に突然出現することを特徴とします。
5225/モノリス・イベントの開始直後に、アンカーの物理形態は完全にノウアスフィアへと引き込まれます。時間経過と共に、モノリスは更なる物理現実への拡張を遂げ、近場の抽象へと急速に拡散してそれらを追加の準アンカーに変換します。この拡張事象が妨げられなかった場合、モノリスはすぐにノウアスフィアと現実世界の双方に同時に存在するようになり、そこを介してノウアスフィアへの物理的侵入が可能となります。これが発生すると、総意的現実は徐々に崩壊し始め、自然法則よりもむしろ夢のような論理に従って動き始めます。
探査の結果、モノリス内の構造は通常幾何学的にあり得ないものであり、三次元/二次元/一次元の空間により高次元のオブジェクトとして物理的に出現し、更には負次元的・反次元的なオブジェクトや概念も生成することが明らかになっています。モノリスの内部に使用される材質が物理的に存在する例は滅多に無く、純粋な発想と抽象で構成されたものが有形化している例が大半です。
補遺.5225.1: 既存のモノリス構造体
現時点では、3点の収容不可能なモノリスが存在し、追加2点が財団の収容下で初期状態に留め置かれています。これらの5225/モノリス・イベントは急速に発生し、H/M E-SCCによる無力化が不可能な状態まで進化を遂げたか、または特定概念への影響を及ぼしてH/M E-SCCへの免疫を付けたものです。しかしながら、H/M E-SCCはモノリスと遠距離概念の接続を断ち切り、それ以上の拡散を防ぐことができました。以来、これらのモノリスは移転して成長を続け、本来の概念で完全に自己構造を維持しつつ、従来の観測可能な現実世界から自らを隠蔽しているため、追加の収容措置は不要となっています。これらのモノリスへの探査が試みられましたが、侵入は不可能でした。
指定: SCP-5225/モノリス-Δ
アンカー: MARDUK.AIC
5225/オベリスク・イベント発生日時: 1986/04/01
5225/モノリス・イベント発生日時: 1986/04/03
影響された概念と抽象: 42,137
場所: 現在は高地球周回軌道上。この軌道は回転ごとに約2~3%増大している。
創造: MARDUK.AICは本来、機動部隊と将来のO5を訓練するための仮想シナリオを補佐し、発展させる仮想知能コーディネーターとして設計された。MARDUK.AICの任務の一部には、潜在的なKクラスシナリオの仮説提起と適切な対策の開発が含まれていた。1986/03/29、MARDUK.AICは前述した任務の一環として作成またはアクセスしたと思われる未知のミームハザードに感染した。危険性が不明確であることから、収容試行は早急に行われた。不適切なシャットダウン手順と未知の異常存在の複合によって、MARDUK.AICは自発的な進化を遂げ、SCP-5225に侵入して急速なオベリスク・イベントを引き起こした。
続く2時間の間に、オベリスクは5,000以上の概念と抽象に急激に拡散した — これは他のあらゆる既知のイベントよりも顕著に速い。2日以内に、MARDUK.AICは概念的な特異点崩壊を起こし、5225/モノリス・イベントへと進行した。現在モノリス-Δと指定されている対象は、施設と周辺環境の大部分を巻き込みながら地上から上昇した。対象は高度を増し続け、地球の大気圏を離れて宇宙へと至った。
注記: SCP-5225/モノリス-Δは球形であり、その周辺軌道を周回する不明確な数の小球体と、複数の流動的な螺旋状トンネルで相互接続されている。中央球体は直径約2,000kmで、小球体は0.5km~200kmの間で様々である。これらの球体は絶え間なく巨大なキネトグリフの内部を動き回り、自らの周囲に多層構造の観測障壁を作成し、大量の内部エネルギーを生成している。中央球体の外部領域は局地的な激しい宇宙嵐に包まれ、多数の連結ワームホールや微小特異点を生成している。
指定: SCP-5225/モノリス-Θ
アンカー: 不明
5225/オベリスク・イベント発生日時: N/A
5225/モノリス・イベント発生日時: N/A
影響された概念と抽象: 214,491
場所: 地殻下82km、ヨセミテ国立公園の超巨大カルデラの真下に位置する。
創造: 不明
注記: SCP-5225/モノリス-Θの起源は不明だが、アンカーは異次元的な手段でSCP-5225にアクセスしたと仮定されている。モノリス-Θは唯一既知の生物学的モノリスで、地球のマントルとコアの約74.2%を覆う細管と心室で構成された形態を取っている。モノリス-Θは永久的な運動状態にあり、172ヘルツの一定周波数で振動している。SCP-5225/モノリス-Θの他の物理特性は絶えず流動しており、その材質、引力、空間知覚、時間的意義の状態は定期的に変化する。また、モノリス-Θの痕跡は少なくとも6ヶ所の異なる系外惑星で確認されているが、最も近隣の影響された系外惑星と地球は推定770光年離れている。
指定: SCP-5225/モノリス-Ψ
アンカー: GOI-004 “壊れた神の教会”の構成員、推定18名
5225/オベリスク・イベント発生日時: N/A
5225/モノリス・イベント発生日時: 2004/08/16
影響された概念と抽象: ≈24,500*18
場所: 主要アンカーは現在、北磁極と南磁極の双方に位置している。
創造: SCP-5225/モノリス-Ψの創造に関する詳細は未確認だが、高度なメカニトの平面交流儀式の最中に形成されたと考えられる。身体改造を受けた多数のメカニトが互いに融合して大規模配列となって半知的集合意識を形成し、平面間エネルギー信号を発信し始めた。この信号の本来の目的は不明である。信号送出の直後、 SCP-5225/モノリス-Δは自らとメカニト配列の間に概念リンクを作成し、全ての参加者を強制的にSCP-5225に引き込んだ。この過程でメカニトたちは複数人格を有する単一の集合意識へと融合し、近隣の概念や抽象に対するSCP-5225の感染速度を通常の697%まで向上させた。
複数のアンカーが存在したため、H/M E-SCCはSCP-5225/モノリス-Ψを効果的に無力化できなかった。これに加えてSCP-5225/モノリス-Δからの干渉を受けていたSCP-5225/モノリス-Ψは、SCP-5225曝露のオベリスク段階を完全に迂回し、各アンカーが新しい概念に影響を及ぼしつつ兄弟アンカーの被影響概念を強化するという形式で指数関数的に拡張した。
注記: SCP-5225/モノリス-Ψは2枚の巨大な時計文字盤に類似しており、それぞれ直径50kmで、北磁極と南磁極の地下およそ2kmに埋没している。精神構造体の大半は時計の針の下にあり、針は互いに逆向きに回転して、通過するごとに建造物をなぎ倒す。これらの針は通常の時計と同じ速度では動かず、1回転あたりの速度は0.0082秒~推定2,200万年の間で変動する。時計の上には500億を超える歯車が浮かんでおり、これらは全て最低5つの次元で同時に回転する様子が観察されている。文字盤が回転を完了するごとに、全ての歯車が動きを止めて数分間文字盤の上に落ち、追加の歯を1本生やしてから空中に浮かび上がって回転を再開する。
補遺.5225.2: SCP-5225の探査
2007/04/23、O5評議会による手順5225/ニュー-オミクロンの承認に続いて、SCP-5225への平面間探査の試みが行われました。新たに開発されたノウアスフィア準自我共振カスケード技術を使用し、SCP-5225感染に脆弱な人物を通して概念的な裂け目を作ることが可能になりました。収監以前は古典音楽の編曲で知られていた著名な女性ピアニストのD-4966が、音楽芸術との密接な繋がりから、手順5225/ニュー-オミクロンの誘導媒体に選抜されました。この間、D-4966は幾つかのミーム構造体によって潜在的なSCP-5225感染進行を監視されており、もしそれが発生した場合にはD-4966の脳内に毒性ミームを流出させてそれ以上の5225/オベリスク発展を阻止する予定になっていました。
序: D-4966はS-EBRE4に接続され、広い空き部屋の中心に配置された。ノウアスフィアの風景を表示し、MTF-ニュー-πの最適な侵入ポイントを特定するために、数基のタイプIII視覚拡張装置がD-4966の周囲に設置された。SCP-5225拡散のより簡易かつ予測可能な方向性を提供するために、幾つかの楽器がD-4966の周囲に配置された。他の様々な画材も同様に提供された。
[記録開始]
00.00.00: S-EBREが起動し、SCP-5225を侵犯してD-4966がアクセスできる状態にする。D-4966は以後A/オベリスク-ニューに指定される。
00.15.10: 数本のピアノ鍵が遠くに浮かんでいるのが見える。これらのピアノ鍵は安定したリズムで押し下げられているように見える。
00.44.57: A/オベリスク-ニューはピアノ鍵に向かって加速し、最も近い鍵の角に衝突する。A/オベリスク-ニューの左半身は接触時に液化する。
01.30.18: 液化した有機物質からトランペットに似た腫瘍が発達する。腫瘍はA/オベリスク-ニューに食い込み、流血させてから萎びる。トランペットは再び液化し、A/オベリスク-ニューの失われた肉を再構成する。
02.11.46: A/オベリスク-ニューは下方に急降下し、1本のクラリネットの内部を落下し、リード部分から退出してエレベーターの中に入る。A/オベリスク-ニューが胎児の姿勢で横たわっている間、エレベーターは数分間静止したままである。
05.34.02: エレベーターが揺れ、動き始める。エレベーターの上昇中、嗅覚拡張装置が設置されていないにも拘らず、観察者たちは真鍮の匂いがすると報告する。A/オベリスク-ニューは4回にわたって身体の大きさを変化させ、更には完全に消失してから数時間後に再出現する様子が観察される。
11.09.28: エレベーターの動きが止まる。A/オベリスク-ニューは非物理化してドアをすり抜け、象牙と糸で構築された巨大な吊り橋がエレベーターから遠方の高層ビルまで延びている風景を明らかにする。融けた真鍮の海が橋の下に見える。
13.29.42: A/オベリスク-ニューが橋の上に踏み出すと、糸が即座に切れる。A/オベリスク-ニューは橋に融合したまま高層ビルに向かって振り下ろされ、やがて高層ビルと衝突する。衝突時にA/オベリスク-ニューは橋から分離し、粉砕された弦楽器でできた大きな山の上に落ちる。この山はビリー・ジョエルの形をしているように見える。
18.52.19: 山がA/オベリスク-ニューに向かって話し始めるが、音声は聞こえない。A/オベリスク-ニューはその後、砕けたバイオリンの弓を拾い上げ、それを使って自分自身を完全に二等分する。ビリー・ジョエルの像は笑っているように見える。
26.07.18: A/オベリスク-ニューの頭上の空がたわみ、砕ける。数百万本のピアノ鍵が亀裂から落ちてくる。ピアノ鍵はお互いに接触すると空中で停止し、内向きに螺旋を描き始める。集まりが大きくなると、ピアノ鍵は爆発して金色の炎に変わり始め、巨大なクモの巣のように他のピアノ鍵の集まりへと延焼していく。
31.45.19: 巨大な象牙の高層ビル2棟が、A/オベリスク-ニューの二等分された部位から噴出する。2棟のビルは損傷を受けずに数時間上昇し続けた後に衝突し、両方のビルが地面をえぐりながら360°回転して追加1棟のビルに激突する。第3のビルは膨張し、破裂する。液体ガラスが空の窓枠を通して流れ落ち、空中に浮かび上がり、固体ガラスの噴水へと固化してA/オベリスク-ニューの身体を元通りに繋ぎ直す。
36.38.42: 数千本の糸がA/オベリスク-ニューの周囲の空中に出現し、A/オベリスク-ニューに巻き付き始める。糸はA/オベリスク-ニューの皮膚に切り傷を作り始め、傷口から大量の融けた真鍮が爆発的に噴き出す。真鍮は糸を伝って流れ、空中で固化し、枝分かれして花を咲かせ、花は地面と空の両方に向かって螺旋状に動く。
40.18.26: A/オベリスク-ニューの表皮が黄色い光沢を帯び、涙管から周囲に融けた真鍮が激しく噴出し始める。融けた真鍮はそれまで非物理的だった構造体に衝突し、融けた真鍮と象牙で覆っているように見える。これらの構造体は主に相互接続された階段、円形の廊下、四次元的な入口であるように思われる。この時点で、監視ミーム複合体はA/オベリスク-ニューの無力化を試みたが、効果は無かった。
40.23.51: 複数の連結した光輪がA/オベリスク-ニューの周囲に出現する。A/オベリスク-ニューは腕を振り、光輪が全方位に飛ぶ。周囲の物体に衝突すると、光輪は破裂して周囲を液化する。A/オベリスク-ニューの身体は歪んで膨張し、関節部で分離する。A/オベリスク-ニューの四肢は現在、バイオリンの弦、連結したピアノ鍵、光り輝くガラスの巨大な棘で接続されている。
40.30.27: A/オベリスク-ニューの下方にある融けた真鍮の海に、1つの渦が発生する。渦の中心から巨大な高層ビルが出現し始める — このビルの様々な階層は、時間的にも物理的にも、欠落しているか位置ずれを起こしている。その下から更に多くの高層ビルが出現し、巨大な螺旋状の花となって上向きに成長する。
この時点で、オベリスク-ニューの観測に使用されていた視覚拡張装置が急速なオーバーヒートを起こし、緊急シャットダウンした。5225/モノリス・イベントの可能性を懸念して周辺エリアから退避措置が取られ、MTF-ニュー-πがA/オベリスク-ニューを終了するためにNS-ERCを介した侵入の準備を開始した。
映像記録: オベリスク-ニューの終了
活動した機動部隊: MTF-ニュー-π (“影響圏”)
参加した隊員: -1 ("ビーン")、-4 ("パンプキン")、-5 ("キーライム")、-7 ("チェリー")、-9 ("アップル")、-12 ("バナナ")
序: NS-ERCを使用して、MTF-ニュー-πはオベリスク-ニュー周辺のノウアスフィアに入り、アンカー(A/オベリスク-ニュー)を発見、終了するために動き始めた。タイムスタンプは上記ログから継続している。通常の音声記録は利用できないが、存在している。
[記録開始]
40.36.04: MTF-ニュー-πはオベリスク-ニューの外れ、浮遊するガラスのプラットフォームの上に出現する。プラットフォームは結晶化した植物に似ているピアノ鍵の集まりに覆われている。MTF-ニュー-πのすぐ目の前に、上記ログでも確認されたエレベーターが見える。頭上には2つの巨大な金色の火球があり、未知の液体を放出している5。MTF-ニュー-πはエレベーターに向かって移動し始める。
40.38.45: MTF-ニュー-πが乗り込むと、エレベーターは扉を閉じて下降し始める。数秒ごとにエレベーターが停止して壁が消え、それぞれの壁の後ろに異なる環境が現れる。各風景には庭園、都市、宇宙を描いた壁画のいずれかが含まれるが、全て唯一無二の外観である。各風景の遠方に、様々な楽器と花の融合で構成される巨大な一実体が浮かんでいる。これらの実体群は静止しているが、エレベーターが下降するたびに目に見えて接近している。π-4はトム・ジョーンズの“It's Not Unusual”を鼻歌で歌っているが、π-1に叱責されて止める。
41.58.32: エレベーターが停止し、MTF-ニュー-πは光り輝く橋の上に降りる — 橋は下方にある真鍮の海から延びる数百本の硬直した弦で空中に固定されている。MTF-ニュー-πが橋を先へ進むと、背後の空間は歪み始め、彼らの足跡が広大な領域をあらゆる方向に暴力的に押しのける。エレベーターは内側に折り畳まれ、砕け散って無数の花の形をしたガラス片になる。ガラス片はMTF-ニュー-πの隣に浮かび、橋に沿って彼らを護衛しているように見える。
42.26.12: MTF-ニュー-πは橋の終端に到着し、都市内部に入る。MTF-ニュー-πに付き添っていたガラス片は橋の周囲を急速に回転し、弦を切断し始める。橋はバラバラになり、空に出現した虹色の渦へと上向きに吸い込まれる。
42.32.45: MTF-ニュー-πは都市の探索を開始する。地面は大雑把に道路と近似しており、滑らかな黒い素材でできている。材質のひび割れからは時折電弧放電が発生している。周囲の建物は様々な角度にずれたり曲がったりしており、時折自らを音符の形状に再編成する様子が確認されている。
42:59:01: π-1が部隊を止めて、前方から向かってくる木片と内臓の渦巻く塊らしきもの6を指差す。MTF-ニュー-πはフェイスシールドを固定し、木片の塊の中を駆け抜ける。木片の嵐の映像は著しく不鮮明であり、破砕された木材と血液の渦巻く塊のみが視認できる。様々なMTF隊員の不明瞭な叫びが聞こえる。
43:1:19: 嵐から出たMTF-ニュー-πは、木製の螺旋階段に立っているようである。π-9のカメラ映像は、彼自身が明確に嵐から出たにも拘らず、依然として渦巻く内臓と破片によって不鮮明である7。π-5とπ-1は虹色の鼻血を流している。甲高い口笛のような音が聞こえ、MTF隊員たちは提供された概念的防音保護具を装着する。π-5の防音保護具の概念化はウールの耳あての形状を取ったため、遮音性を上げるためにはπ-5が手で押さえつける必要がある。π-9は視認できる防音保護具を帯びていない。
43:27:31: MTF-ニュー-πは階段を下り始め、彼らが通り過ぎた段は急激に劣化してゆく。π-4は鼻歌を続け、再び止めるように要請される。時折、機動部隊は未知の原点から射出されるピアノ鍵から攻撃される。階段は広い空いた空間へと続いている — 階段から放出される明るい光を除き、この空間は完全に暗い。MTF-ニュー-πが下降する際、それぞれの段は異なる音を生成し、次の音が始まるまで数分間エコーし続いているようである。メロディはπ-4の先程の鼻歌と一致する。音は光の粒子を伴ない、螺旋状に渦巻きながら暗闇へ上昇してゆく。
44.12.06: 階段の周囲の暗闇が薄れ、階段が巨大なピラミッドの上空高くに吊り下げられていることが判明する。ピラミッドの基部の周囲では、焦点の合わない様々な実体が踊っている。実体群の姿はぼやけているが、大雑把にヒト型のように見え、頭部は身体の他の部位より数倍長いトランペットで構成されている。ピラミッドの直上には、各面が独立回転する巨大な立方体が浮遊している。無数の弦がこの立方体から延びて、各実体のトランペットの中に入っている。階段は消滅し、MTF-ニュー-πは自然に地面の上に出現する。
44.32.55: MTF-ニュー-πがピラミッドに向かって歩くと、実体群が消えて小さな入場口が現れる。彼らはそれぞれの壁がN次元の12面鏡で構成された八角形の部屋に入る。各鏡にはMTF-ニュー-πの姿が幾つか反射しており、それらは全て裸でゆっくりと踊っている8。1個の巨大な眼球が各反射像の中に浮かび、機動部隊の反射像を上から見つめている。
44.36.01: 完全な白色の鳥が反射像の中に多数出現し、踊る機動部隊の像の周囲を輪になって飛び始める。数回転した後、1羽の鳥がπ-4の反射像の頭上に留まる。π-4反射像の皮膚が剥がれ、鳥は爪を頭蓋骨に食い込ませて上へ飛び始める。鳥が上昇するにつれて、より多くのπ-4の肉が脱落し、最終的に鳥は彼女の脳と脊柱だけを持って飛び去る。鳥は浮遊する眼球の瞳孔に飛び込み、他の鳥たちも機動部隊の反射像に対して同じプロセスを繰り返し始める。
44.44.21: π-4は概念化された小火器を眼球に向けるが、π-1に制止される。MTF-ニュー-πは最も近くの鏡をすり抜けて部屋を退出し、小さな庭に入る。庭は半透明の蔓草に覆われているように見え、そこからピンク色の液体が流れ出ている。庭の中には、手順5225/ニュー-オミクロンで観察された様々な風景を描写する装飾的な茂みが幾つか存在する。装飾茂みはサファイアのギターピックとフルートで構成されているように見える。ガラス片と生きたミツバチで構成された生垣が庭を囲んでいる。MTF-ニュー-πは迷路中心部の空き地で、地面に埋め込まれた産業用潜水艦のハッチを発見する。空き地の周囲には庭に入った時と同じような装飾茂みがあるが、重度の腐食被害を受けている。ハッチには様々な音符が刻み込まれており、そのうち4つは識別できない。ハッチは比較的容易に開き、下方に延びる不明な長さのコンクリート製縦穴が現れる。
44.51.12: π-7が縦穴に入り込んだ時点で、入口が消失する。重力が逆転し、他のMTF-ニュー-π隊員たちは空に向かって急激に加速する。彼らの頭上に巨大な竜巻が出現する — この竜巻は全体的に、様々な楽曲と2種類の物理実体化した情報災害で構成されている。渦の中心部には大きな島がある。MTF-ニュー-πは島の底面に衝突せずにそこをすり抜け、一度完全に島を抜けてから地面に落ちる。MTF-ニュー-πの頭上、何もない空9に自然に出現したコンクリートの落とし樋の底から、π-7が落下するのが見える。
MTF-ニュー-πの正面には、ガラス、真鍮、皮を剥がれた肉、弦で一まとめに結び合わされた楽器の集塊で構成されている4本の巨大な柱がある。A/オベリスク-ニューが柱の間の空中を漂っている。A/オベリスク-ニューの身体は完全に黒色化しており、数多くの発光する奇跡論ルーンに覆われている — ルーンは周辺空間を掘り下げ、内側へとねじりながら引き込み、A/オベリスク-ニューの目から放出している。複数の巨大な棘付きの光輪がA/オベリスク-ニューの頭部を囲み、その下に渦巻くテクニカラーの雷雲の中に延びている。雷雲からは絶え間なく炎が放出されている。多数の純白の鳥がそれぞれの柱の周囲と内部に巣を作っており、その翼は数百万の小さな溶融ガラスの破片に置換されている。A/オベリスク-ニューの下には、幾つもの天使像で飾られた大きな大理石の噴水がある。噴水の天使像は深刻な損傷を受けており、深紅の液体が一定のペースで流れ出している。この物質はA/オベリスク-ニューの周囲を自由に漂い、その身体の周囲に液体の螺旋を形成している。
45.36.43: MTF-ニュー-π隊員たちは各々、自らの概念化された高火力兵器を抜く。π-1はA/オベリスク-ニューを狙い、-4、-5、-7、-12はそれぞれ柱を1本ずつ攻撃する10。A/オベリスク-ニューは甲高い叫び声を上げ始め、その身体はバラバラに砕け始める。A/オベリスク-ニューの破片は外側に向けて爆発し、空中で凍り付いてから再び爆発する。重力が正常に戻り、MTF-ニュー-πは地面に向かって落下する。柱に巣食っていた鳥たちが飛び立ち、MTF-ニュー-πの後を追う。
MTF-ニュー-πが落下する中で、彼らの下方にあった建造物が崩壊し始める。ガラス片は上向きに降り注ぎ始め、上昇しながらランダムな間隔で実体化/非実体化し、再出現するごとにより大きく複雑な構造になる。ガラス片はお互いに衝突し、爆発してピアノ鍵の雲になり、更にその雲は破裂して炎を撒き散らす。π-4の以前の鼻歌と一致する低いリズミカルな打音が聞こえる。MTF-ニュー-πが地面に近付くにつれて、この打音はより大きく耳障りなものになる。
MTF-ニュー-πは地面に激突し、地面は彼らの下で折り重なりひび割れる。激突時、π-9の身体は即座に液化するが、他のMTF-ニュー-π隊員たちは軽傷を負うに留まる。金色の炎が地面のひび割れから染み出し、π-9の液化した身体がねじれながら焼灼され、漠然とグランドピアノに似ている焦げた肉の塊に変わる。数千の切断された手が崩落した建造物から現れ、集合的に地面を押して元通りに戻そうと試みる。炎と接触すると、手は金切り声を上げ、崩れて真鍮の溜まり、弦、発光する花へと変わる。
ピラミッドが都市の中心部からせり上がり、弦は一緒に絶叫するトランペット頭の実体群を引きずり上げている — 実体の多くは火に包まれている。MTF-ニュー-πは橋に向かって走り始め、柱から飛び立った鳥が彼らに追いついて群がり始める。鳥たちは機動部隊に追い散らされるが、1羽がπ-12の肩を掴む。π-12の肉は歪んで花開き、広がっては再帰的にそれ自体の中へと流れ落ちる。π-12はこれに行動を妨げられておらず、効果が全身に広がりながらも走り続ける。背後の鳥たちは崩れて砕けたピアノ鍵とガラス片の山に変わり、大量の雲を放出して地上に雷を流す。
MTF-ニュー-πは橋に辿り着き、エレベーターへ引き返し始める。彼らが渡っている間に、橋は裂け、それを取り巻く融けた真鍮の中へと崩落してゆく。都市は今や炎に包み込まれており、地面と空は両方とも巨大な球体の内側に沿って折り畳まれ始めている。MTF-ニュー-πは速やかにエレベーターに乗り込み、上昇し始める。
エレベーターの上昇中、降下時に目撃された実体群が真鍮の海から現れ、エレベーターに手を伸ばしながら這い進む。実体群はエレベーターに到達できず、叫びながら砕けて、金色のガラス質な光の破片に変わり、螺旋を描きながら海の中に落ちて爆発する。地面と空は引き続きエレベーターに接近し続け、構造は自壊しつつある。地面と空がエレベーターに激突し、全てが暗くなる。
52.43.21: エレベーターのベルが鳴り、ドアが開いて、MTF-ニュー-πが入場した際のガラスのプラットフォームが現れる。プラットフォームの上には1本のピアノ鍵が浮かび、金色の液体を滴らせている。ピアノ鍵は一度だけ押し込まれ、完全に溶解する。滴った液体は小さな溜まりを形成し、そこからガラスで構成された1本の白い花が生える。花が咲くと、中心部にD-4966の顔がある。顔は一粒の涙を流し、花と液体溜まりは薄れて存在しなくなる。
52.46.30: MTF-ニュー-πは司令部に連絡し、オベリスク-ニューから抽出される。
[記録終了]
結: 映像を通して存在していたにも拘らず、π-9は他のMTF-ニュー-π隊員たちと共に帰還しなかった。彼の消息は現在不明である。π-12は帰還時に通常の物理形態に復帰したが、鳥の異常効果を自らや付近の人物で再現することが可能だった。π-12は隔離され、更なる異常効果や残留したSCP-5225接続が無いかをスクリーニング検査された。今後のSCP-5225の実験は禁止されている。