アイテム番号: SCP-523
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-523はサイト-19団地の休憩所から隔離された封印室に保管されています。この部屋にはXK-クラスの世界終焉シナリオが起きた場合SCP-523が状況を悪化させるのを防ぐために自爆装置が設備されています。SCP-523が再び脱走しないよう部屋の壁は2mmの鉛で覆ってください。
実験でのみSCP-523を封印室から移動させる事ができ、Level3以上の職員の許可が必要となります。SCP-523の実験では最低でも1人は低周波テレパシーを受信できる状態の職員を同行させてください。SCP-523の前にいる職員は瞬く前に互いに注意喚起するよう命じられます。危険を伴うSCP-523の実験はなるべく実施しないようお願いします。SCP-523の実用は厳禁です。
説明: SCP-523は特定の物理的形状を持ちません、また見分けることのできる特徴もありません。しかし、調査員の報告では"鈍く鳴り響く音"の低周波テレパシーシグナルを発信します。SCP-523が"脱走"した際にはこのシグナルで場所を特定することができます。SCP-523が発する周波はビデオカメラ等の電子記録装置をショートさせカメラフィルムの記録を消すことができます。
監視されていない間、SCP-523は短距離を"ジャンプ"したり、無生物や機械、その他物体に擬態することができます。SCP-523は近くにいる人間がまもなく使いそうなものに擬態します。一度人間が持ち上げる、興味を惹かれる、準備をする、起動する等実際に利用しようとすると、SCP-523は手元で全く別のものになるか仕事と無関係なものに変形します。この変形はSCP-523が監視されていないときにのみ行われ、瞬きの間だけでも変形することができます。
SCP-523の変形は素早く、通常は使えないというよりも皮肉的なものになります。非常に非実用的なものから完全に危険なものにまで変形します、例を挙げると[データ削除済]。鉛はSCP-523が部屋の外へジャンプするのを防ぎますが、変形は防げません。収容所から何度も脱走していますがその時はありふれた物ながら実用的なものに擬態しました。以下その報告です:
文書#: 523-01
被害者: ████████博士
擬態物: メス
出来事: ████████博士は最近SCP-███によって殺されたD█-████の死体の難しい検死の準備に取り掛かっていました。彼は助手にメスを手渡すように頼みました。彼が死体に視線を戻すと、持っているメスが急に重くなりました。彼が自分の手を見ると、電動のこぎりを握っていました。
文書#: 523-02
被害者: ウィリス博士
擬態物: 水差し
出来事: ウィリス博士がサイトのある娯楽室で休憩していると誰かがアルミホイルを外し忘れた状態で電子レンジで芋を焼いていたため小火が起きました。ウィリス博士が水差しを掴み、中の液体の変色に気づかず持ち上げると、ガソリンに変わった液体を火にかけました。ウィリス博士は2度から3度の火傷を負いました。
文書#: 523-03
被害者: エージェント█████(故人)
擬態物: 財団で一般的に使用される拳銃
出来事: エージェント█████はDクラスチームと共にSCP-682の[データ削除済]の実験で監督に任命されました。SCP-682が興奮すると職員に攻撃し始めました。エージェント█████が拳銃に手を伸ばすと、彼は鍵束があることに驚きました。後に鍵のブレードは鈍く、どの扉も開くことができないと判明しました。
メモ: SCP-523の変形は使用状況の重大性と大方比例しているようにみえ、もしXK-クラスの世界終焉シナリオが発生した場合は直ちに破壊すべきでしょう、なぜなら状況を悪化させる何かになる可能性があるからです。そう、太陽のような何かに。 - ウィリス博士