SCP-525-JP
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アイテム番号: SCP-525-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-525-JPの放送時間を含む毎週木曜日の午後9時から午後11時は、動画サイトの一般利用者がSCP-525-JPの視聴を行わないようアクセス処置を行い、カバーストーリー「定期メンテナンス」を適用してください。SCP-525-JPの放送が開始されたら、プロトコル"F5"にのっとって視聴人数の水増しをした上で、人工知能に動画サイトに備え付けられた機能を使用した反応をさせてください。SCP-525-JPを用いた実験もしくはSCP-525-JP-1に対しインタビューを行う場合、level3以上の職員2名以上の許可を得た上で、Dクラス職員に無線機で指示をしながら行わせてください。SCP-525-JPを複製した映像記録は一部を除いて自由に視聴することが可能です。

SCP-525-JP-1が存在すると見られる廃墟を中心とした半径5mの区域は警備員による巡回によって監視してください。SCP-525-JPの放送中に廃墟に立ち入ることは禁止されています。侵入者は即座に拘束し尋問を行い、SCP-525-JPに曝露していない場合はクラスA記憶処理を行い解放してください。SCP-525-JPに曝露していた場合、サイト-81██の標準的人型オブジェクト収容室にて拘束を続けてください。廃墟に侵入した場合追跡せず、内部より戻ってきた場合のみ拘束して尋問し、クラスB記憶処理を行い解放してください。

説明: SCP-525-JPは、動画サイト██████の███████にて毎週木曜日の午後9時30分から放送される、「緋扇の一期一会チャンネル」と題されたリアルタイムの映像です。 放送時間は3分程度の短いものから、最長で1時間に渡るものまで確認されています。20██/██/██、警察に「動画を視聴していた家族が消失した」という通報が入ったことによりSCP-525-JPの存在が明らかになりました。その後通報者と、他に動画サイトを利用しSCP-525-JPを視聴していた人物にはクラスB記憶処理が行われました。

SCP-525-JPが開始すると、画面の中央に10代と推測されるモンゴロイドの女性(以下、SCP-525-JP-1と表記)が一般的な部屋と共に映し出されます。現在SCP-525-JP-1と特徴の一致する人物は見つかっていません。SCP-525-JP-1は自らを「緋扇ひおうぎ」と称し、方向性の統一されていない様々な内容の放送を行います。毎回、放送終了時には意見や質問を受け付ける、SCP-525-JP-1が「質問コーナー」と呼ぶ時間が設けてあり、その時間を利用することでSCP-525-JP-1に対しインタビューを行うことが可能です。SCP-525-JPの発信元はIPアドレスの解析により██県██市に存在する廃墟であることが判明していますが、同廃墟内にはSCP-525-JP-1および撮影機器の類は確認されていません。なお、廃墟内は荒れ果てていますが、SCP-525-JPに映し出される風景は清潔に保たれています。事案525-01以降、SCP-525-JP放送中の廃墟内の侵入は禁止されています。

SCP-525-JPを視聴中に、動画サイトに備え付けられた機能により、SCP-525-JP-1にとって不快な内容であると推測される文章を投稿した際、その視聴者は即座に消失します。この性質は、今まで批判、指示、[編集済]な内容の文章等に対し発現しています。また、SCP-525-JPを3回視聴すると、視聴者は「SCP-525-JP-1に出会いたい」という衝動を抱きます。この衝動は記憶処理で取り除くことはできませんでした。この際視聴者はSCP-525-JPの撮影されている住所を突如認識しますが、そのことに異常を感じません。この視聴者はSCP-525-JPが撮影されているとみられる廃墟へと向かい、廃墟に侵入した瞬間に消失します。SCP-525-JPにより消失した人物は現時点で███人と推測されます。

消失した人物が装備していたGPSからの信号は完全に失われますが、次回以降のSCP-525-JPの放送内においてその人物に関する物品もしくはその人物自身が現れます。人物が現れた場合に連絡を取る試みは現在成功していません。また、SCP-525-JPの内容を複製した映像には以上の特異性が発現しないことが確認されています。

以下はSCP-525-JPの放送内容の一例および収容後に行われたインタビュー記録です。

補遺: 以下の記録は、SCP-525-JPの初期収容時に発生した事案525-01および02に関するものです。以下の事案の結果に鑑み、現在の形の特別収容プロトコルが確立されました。

事案525-01

日時: 20██/██/██

詳細: SCP-525-JP-1の確保計画を実行中に発生した事案です。当時、IPアドレス解析の結果により判明した廃墟に、SCP-525-JP放送前に機動部隊ね-25("特定班")を配置し、SCP-525-JPの放送が開始されSCP-525-JP-1が出現次第確保する計画が実行されていました。

午後9時30分、SCP-525-JPの放送が開始されると、SCP-525-JP-1が出現すると予測されていた地点に待機していた隊員2名の反応が消失しました。この時点で緊急事態宣言が発令され、機動部隊隊長を含む隊員3名が救出のために動きましたが、該当地点に到着した瞬間に3名とも反応が消失しました。

SCP-525-JP自体に至って変化はなく、開始時点および機動部隊隊員が突入したとみられる時刻にもそれらしき人影は一切確認されませんでした。一方で、SCP-525-JP-1は視聴者数が少なく増加しないこと、文章が一切投稿されないことを不審に思っている素振りを見せていました。

放送終了後、残った隊員がSCP-525-JP-1および消失した5名の捜索を行いましたが、発見することはできませんでした。これ以降、SCP-525-JPの放送中に廃墟内に立ち入ることは禁止されています。

事案525-02

日時: 20██/██/██

詳細: 事案525-01の発生より1週間後、SCP-525-JPの放送時間に発生した事案です。

午後9時30分、SCP-525-JPの放送が開始されると、SCP-525-JP-1が行方不明になっていた機動部隊隊員5名とともにサイト-81██に出現しました。同時に、当時サイト-81██に勤務していた職員██名との連絡が途絶えました。

SCP-525-JP-1は隊員5名に先導されながら、当時サイト-81██に収容されていたAnomalousアイテムやいくつかのSafeクラスオブジェクトと接触し、自身に危害が及ばない程度に活性化させました。SCP-525-JP-1はこの行為を「視聴者数稼ぎ」と称し、視聴者数が増えないようであればこの行為を暫く続行することを明らかにし、放送は終了しました。

放送終了後、即座に機動部隊がサイト-81██に赴きSCP-525-JP-1、隊員5名およびサイト-81██に勤務していた職員の捜索を行いましたが、発見することはできませんでした。この事案によるEuclidおよびKeterクラスオブジェクトの収容違反は幸運なことに発生していません。これを受けて直ちにプロトコル"F5"が制定され、特別収容プロトコルは修正されました。 この試みは成功し、これ以降サイトへのSCP-525-JP-1の侵入は発生していません。

また、この事案の他に、廃墟外でSCP-525-JPが撮影された例はありません。

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