メモ 2 |
GGOU3/N5IHM/TTAB3 |
送信者 |
Hr'asm'Kal |
受信者 |
ラナ・フエンテス |
ラナよ。“対強盗”プロジェクトについて君はどれほどのことを知っている?予算の審査をしていたのだが、R&Dはたった一つの呪文を開発するのに既に年間資金の11%を注ぎ込んでいるようだぞ?何故、どのような経緯でそれほどの額が必要となったのか私にはよく理解できない。事はたかが僅か数行の呪文だ。
何が起きているのかを把握することにかけては君を信頼したいと思う。経営陣へのお膳立てが必要ならばする心積もりではあるが、即刻この件の調査への着手を頼みたい。 |
マーシャル・カーター&ダーク有限責任事業組合 |
メモ 3 |
GGOU3/N5IHM/TTAB3 |
送信者 |
ラナ・フエンテス |
受信者 |
アダム・スターリング |
つい先程、あなたが2週間もしない内にたった一つの呪文にR&D予算の11%を使い果たしたという話を上司から聞きました。このメッセージを受け取ったらできる限り速やかに私に電話してください。これは冗談ではありません。 |
マーシャル・カーター&ダーク有限責任事業組合 |
以下の通話記録は財団電気通信AIによって取得されました。
通話者1: ラナ・フエンテス (MC&Dニューヨーク市支社商品開発部副部長)
通話者2: アダム・スターリング (MC&D研究開発チーム社員)
通話者3: Hr'asm'Kal (脅威を統べる者にして欺瞞の第三職杖の保持者(ḷ̷̯̳̈̂̓̚ͅo̶̧̨̤̬͔̠̭͓̫̐̃̊̋ͅr̸̬̭̄̅͋͂͆̃ḑ̶̢̮͂̎̎͒̆̓̇̇̈́̓͋̎͠͝ ̷̢͚̅̀̋̇͌́̈͛͋̚͘̕̚̕o̵̟̪̥͚̼͍̟̪̤̮̦̭̘̞͌͛̆f̶̨̧̞̞̞̘͙̪̾̋̅̇̒̈́́̃̀ ̸̰̟̼̓̊̈͑͌m̶͉̑̾e̸̛̲̜͙͎͚̜͇͇̖̬͋͊̃̽̎͗͛̍͒̏̄̋̋̚n̵̬͕̿̈́ả̷̛̦̦̜͔̞̥̲̞́̋̃̅̄̃̒̕͘͜͝ͅc̸̨̻̻͇͚͖͈̮̓̃̀͠͝͝e̶̢̛̤̙̼̜̝̳̜̹̤͛̎̆͆̾͐̓̚͜͠ ̴̦̩̲͖̺̚a̷̘̣̲͚̱͙͇̥̐͂̃̃͊̾̀͋̅̇̓̑͂͋̔ͅn̸̡͍͍͚̟̅̓̕ͅḑ̶̧̳͓̖͆̈́͗̍̕ ̶̧̛̤̼͉̫̖̮͖̜̙̑͌̀͐̓͊̔͘h̶̘͓̪̼̺͕̄o̸̡̡̞̻͗̅͂ļ̸̖̮͖́͗̅͐d̵͔̳̱̠͈͎̜͙͚̓͐͝e̴̛̼̫̼̰̠̘͙̮͐́̓̽̔̍͛̉͂̓͝ŗ̵̢̛̱̗̪͓̝̤̺͗̄͘ ̸̧̘̦͕͚̰̦̙͍͐̄̔͐̈́̎͐̽̈́̌̋̅͛͘ö̷̧̧̙̱̲̟͙̗̻̘̟͔̯́̽͛͠f̸͉̖̮̭̯͔͈͙͓̍͂̓̐ ̶̨̻̜̜̪̮͇̱͎͚̇̌̃̃̉́̋͊͜t̴͚̹̪̗̳͒͆̅̀͒̓̿̔́̈́̚͝h̵̨̛̩̗͕̦̗̖̊̐͐͗͆̑͑̂̇͆̓ę̶̤͙͔̬͕̰̦̫̝̺̃̍̀̆̐͛͂̀̃̀̌́ ̵͍͖̜̳̫̜͉͙͕͇̻͑̔͜ͅt̴̡̹͔̰͖̲̬̠͓̳͔̲͚̤͇́̾̊͘̕͝h̵̡̪͖̠͈͉̰̜͈̽̓̓ì̶̥͇͙͜r̷̩̪̜̀͛̋͊̉͘d̸̘́̉̎̈́̂ ̵̛̲̜̻̦̠͈͔́͂̈́̒̄̄͗̉̄́̕̕͠s̸̱̼͓͉͇̘̘͈̍̂̐́t̴̢̨̡̹͓̙̺̮͉͇͚̜̺̹̐̊̉͐̕̚͜a̶̛̜͒̃̏͘ͅf̸̡͇̯̼̮̥̜̟͙͉̗͖̼̰͐͐͗̈́ͅf̸͕̩̠̫̘̄̓̋͐̊̽̓̅̀̕ ̸̢͉̖̫͉̬͍̗͚̲̯̣̣̪̦̊̎͑͊̎̿̕͠ô̷͍͉̤͈̥̰͎̲͍͂̆̄̿̍͊̀͛̍̇́͛͜͝ḟ̸̺̲̹̣͔͕̩̥̺̭̻͂̂͜͝ͅ ̷̞̫̱͓͇͈̬͔̩̙̫͉̬̈́́́́̈́̌̃́͆̋͘̕ͅl̵̗̠̥̃͂͋̒̾͆̉́̚͝͝i̸͉̘̭̰͙͓̭̺̳̤͚̋͜ę̴̛̬̪̱̻̘̞͚͕͇͈̙̞̱̪̔̏͌̒̐͒̈́s̸̮̥̪̺̈́̆̓̿̈́͊̍͌̉̍̈́̈́̕̕͘) 兼 MC&Dニューヨーク支社長)
通話時刻: 2020年3月19日、09:21-09:24。
アダム・スターリング: オーケー、まずは謝らせて…
ラナ・フエンテス: 謝罪は要りません。この件について説明する、ただそれだけです。説明は詳細に。
アダム・スターリング: 分かった。当初のテストは期待が持てるような結果ではなかった。データは見たんだろう?
ラナ・フエンテス: ええ。そこは理解しています。
アダム・スターリング: オーケー、それで、ティムが地下鉄で強盗に遭って、それで漏らした。それが効果てきめんだったから、うちのチームでは自分たちでもそれをやってみて、そっちでも効果があるか見てみようという考えになった。
ラナ・フエンテス: それで?
アダム・スターリング: 身体的危害の可能性が93%減少、強盗に物を持って行かれる可能性が89%減少。思いついた中で最高のアイデアだった。
ラナ・フエンテス: 成程。しかし、これを誰に売り出そうと考えているのですか?
アダム・スターリング: 言っている意味がよく…
ラナ・フエンテス: こんなものを買う馬鹿が一体どこに居るんですか?!
Hr'asm'Kal: ラナ、君が良ければ割り込ませて貰いたい。ラナが言わんとしているのは、理性ある人間ならば、君のアイデアを見ればこんな物を高収入の顧客に売りつけることなど不可能と気付く筈だということだと思うのだが。
アダム・スターリング: あぁ。私も実際その点は考慮しましたので、商品価値の裏付けができるよう可能な限り多くのデータを集めようとしておりました。
ラナ・フエンテス: データが集まったところで、こんなものを売れる相手はいないという事実は変わりませんが。
アダム・スターリング: そうか。いや、もう分かった。ただ、私はもしかしたら考えを変えてもらえるんじゃないかと思っていただけなんだ。
ラナ・フエンテス: それはつまり、問題になると分かっていて大便を漏らさせる呪文のテストに45万ドルを費やしたということですか?
アダム・スターリング: はい、そうです。
Hr'asm'Kal: 私の声は大音量で君の頭の中に直接届くようになっているから私の口調が伝わりにくいのは理解しているが、個人的に君には極めて失望させられたよ。君のこの会社での働きには大きな期待を寄せていたのだがね。
わずかに休止。
Hr'asm'Kal: 実は君に謝らなければならないことがある、スターリング君。私は君の雇用を継続しようとは思っていない。今回の件はビジネスパートナーへの説明が極めて厄介になる類のミスだ。その上、正直に言って君は先程から如何に自分が自覚と常識を欠いているかを見せつけてくれている。
アダム・スターリング: LAの家は売り払って家族でこちらに越してきたところなんです。血の盟約があるでしょう!
Hr'asm'Kal: この解雇は正当な理由があってのものとするのが順当であるから、君が私と署名した盟約も効力を失うものと私は考えるがね。ラナよ、契約解除の担当は君に任せるぞ?
Hr'asm'Kalが通話を切る。
ラナ・フエンテス: あなたが依然として不開示呪文の影響下にあることを念頭に置いてください。ここでの業務内容を…
アダム・スターリング: ラナ。本当にすまない、こんなことは二度と起こさないから。
ラナ・フエンテス: …業務内容を極秘としなかった場合、あなたは魂を永遠に剝奪されることとなります。既にあなたのオフィスの外には警備員が到着しています。彼らはあなたが私物を集めるのを待ってから、あなたを外まで送り届けることでしょう。本来このようなことをする義務はないのですが、Hr'asm'Kalのご厚意であなたの生活の移行を容易にするため退職金6ヶ月分を支払うことを許可してもらいました。
通話終了。
メモ 13 |
GGOU3/N5IHM/TTAB3 |
送信者 |
アダム・スターリング |
受信者 |
ラナ・フエンテス |
やあ、ラナ。警備の皆さんは私の呪文の焦点にお気づきでないようだったから、思い切って完成した呪文を家に持って帰ってみた。
呪文の微調整は難しくなかったよ。私の前職はプログラミングだが、プログラムの1と0の代わりに呪文では杖とポータルを使うだけだと初期に出たバグが教えてくれた。ティムにはベクターに使うことになってしまってすまないと伝えてくれ — まあ正直、彼のことだからこういう状況ならどちらにせよ漏らしていただろうが。それと、彼の朝の習慣を私はよく知っていたんでね。
別の組織がこれまでの君よりずっと高く私のことを評価してくれることが分かった。唯一残念なのは君が漏らした時の顔を見られないことかな。 |
マーシャル・カーター&ダーク有限責任事業組合 |