アイテム番号: SCP-526-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-526-JPは常に施錠された30x30x40cmのアクリル製ケース内に収容します。この収容ケースの周りには常に2名以上の警備職員を配置してください。
SCP-526-JPには1週間に1度、2cm四方の15歳以下の少年の頭皮細胞を基に培養した人工皮膚に、市販されている比較的安価なシャンプーによる香り付けや、人工汗に浸す等少年の頭皮に見せかける為にいくつかの行動を行った物を与えてください。
また、どのような状況下であってもSCP-526-JPの半径5m以内に15歳以下の少年を近づけてはいけません。
説明: SCP-526-JPは███社製のUSBフラッシュドライブによく似た形をしたオブジェクトです。片側の面には油性のマジックペンで『少年愛者』と書かれており、その逆側の面には昆虫の足を模した約4cmのアームが6本ついています。このアームを用いる事で壁や床を自由に移動出来る事が確認されています。また、このアームは15歳以下の少年の髪を編み上げたもので作られていることが判明しています。このアームが何故動くのかは未だ判明していません。
SCP-526-JPはパソコンに接続されるとテキストエディタを立ち上げ、日本語のテキストを入力する事によりこちら側の人間と意思疎通を試みます。
入力されるテキストは至って穏便で当たり障りの無い文章ですが、ごく稀に15歳以下の少年に会いたい、といった内容の文言を入力してきます。この要求を無視して対話を続けることは可能ですが、その場合は徐々に文章に苛立ちが現れていき、数分経過するとアームを使ってUSBコネクタを引き抜き、自分から対話を強制的に終了させます。
SCP-526-JPから半径3m以内の地点に15歳以下の少年がいる場合、SCP-526-JPはすぐさま対象の元へと時速25km程の速さでまっすぐと向かいます。
対象に接触した瞬間、SCP-526-JPは対象の頭部に上り、アームを用いて対象の毛髪を頭皮ごと毟り取ります。この時、アームは約400kg程の力で毛髪を引っ張っている事が判明しています。その為対象の頭皮は大抵の場合大きな損傷を負います。SCP-526-JPは毛髪を毟り取った後、その毛髪を編んで昆虫の足を模したアームを6本作ります。新しく作られたアームは元のアーム6本全てと取り替えられます。また、SCP-526-JPは残った頭皮と取り外した元のアームを数日かけてUSBフラッシュドライブのアクセスランプに該当する部分からこれらを捕食します。この時、頭皮や毛髪に付着している頭垢等の老廃物も一緒に捕食します。食べられた頭皮やアームらがどこに行くのかは不明です。
また、SCP-526-JPは長期間頭皮を捕食していないと徐々に衰弱して行きます。その為SCP-526-JPには1週間に1度、2cm四方の15歳以下の少年の頭皮を与える必要があります。
201█/12/5、研究者チームが試験的に、15歳以下の少年の細胞を基に培養した人工皮膚に対し、後述するインタビュー記録を基に市販されている比較的安価なシャンプーによる香り付けや、人工汗に浸す等少年の頭皮に見せかける為にいくつかの行動を行い、微調整しつつSCP-526-JPに与える実験を試みた所、73回目の試行でSCP-526-JPは反応を示した後にその皮膚を捕食しました。
その後SCP-526-JPの観察を続けましたが、衰弱等の症状が見られなかったため、現在の収容プロトコルでは1週間に1度、2cm四方の15歳以下の少年の細胞を基に培養した人工皮膚に、少年の頭皮に見せかける為の行動を行った物を与える事になっています。
SCP-526-JPは200█/6/22に、██県███市で「USBメモリに頭を千切られた」という通報を受けた警察が出動した際に発見されました。
当時14歳だった通報主の少年はその時頭皮の約82%が損失した状態で発見されました。これに関しては、カバーストーリー「モーターに髪が巻き込まれた」が流布され、少年と事件の関係者にAクラスの記憶処理が施されました。
日付: 200█/7/28
対象: SCP-526-JP
インタビュアー: ██博士
付記: 今回のインタビューは██博士の所有している████████社製のノートパソコンで行われました。使用されたテキストエディタは『メモ帳』です。
<記録開始>
██博士: はじめまして。私は██です。本日はあなたにいくつか質問をさせていただきたいのですが、宜しいでしょうか?
SCP-526-JP: はじめまして、██さん。私に答えられる事であれば何なりと。
██博士: では最初に。なぜあなたは15歳以下の少年の頭皮にしか反応しないのですか?16歳以上の男性の頭皮には何も反応を示していませんでしたが。
SCP-526-JP: それは…16歳以上の男性の頭皮なんてよろしくないでしょう?
██博士: よろしくない、というと?成分などはほぼ変わりないと思いますが。
SCP-526-JP: なんと言いますか、私は15歳以下の少年の頭皮や髪が好きなんです。それ以外には興味が無いというか…あなたも少し考えてみてください。15歳以下の少年の髪や頭皮はとても可愛らしく美しい、神聖な物でしょう?
あの手入れがおざなりで可愛らしい短髪…年頃らしく格好つけたくて伸ばしている長髪…皆さんもきっと心の中では素晴らしいと思っているはずです。他の部分…目とか腕にも興味はありますが、やはり髪や頭皮ですね。あなたも食べた事があるでしょう?あの素晴らしさ…頭皮を贅沢に丸ごと剥いで食べてしまいたくなってしまう…私は小食なのでそんな事は出来ないのですが。
██博士: なるほど。私は食べた事がありませんが、趣味嗜好のような物なのですね。では次の
SCP-526-JP: [遮ってテキストを入力する] 違います。私は15歳以下の少年の事が好きなんです。考えて見てください……少年のあの髪…長さや質は人それぞれですが、皆が皆素晴らしい…素晴らしい髪を持っています。潮風で傷んだ髪も、リンスやコンディショナーを使って丁寧に手入れされている髪も!!
まあ、食べた事がある人なら言うまでもない事でしたね。ここまでの主張、お分かりいただけましたか?それならば私の元に15歳以下の少年を連れて来てください。
██博士: そうでしたか。申し訳ありませんがその要求は却下させていただきます。
SCP-526-JP: はい?お分かりいただけませんでしたか?私は15歳以下の少年の髪や頭皮の事が好きなんです。あなたもそうでしょう?あの、頭皮から香る……シャワーを浴びている時に適当に洗い流したせいで少し残ってしまったシャンプーの匂い…体育の授業や部活の後に残る心地よい汗の匂い…。考えるだけでも愛らしい!涎が出てしまう!!床屋に行くのが面倒で伸ばしっぱなしにしている髪、直すのが面倒でそのままにしている寝癖……いや、もちろん毎朝せっせとセットしている髪の毛も非常に愛らしくて好きですよ!ワックスの甘い香りの漂う髪の毛はもう最高の御馳走ですよ!他にもくせ毛が嫌だから自力で頑張って直毛にしようとした跡が見られるあの髪!そんなの考えるだけでもう……可愛らしい!可愛らしいよなあ!脳からアドレナリンが溢れ出てしまう!ああ、髪型も大事だ……ソフトモヒカンにベリーショート、ロングヘア……ツーブロックにオールバック……ナチュラルショート!あれもいい!可愛らしい!愛らしい!素晴らしい!個人的にはソフトモヒカンを推したいですね。あの少年らしさは非常に評価出来ます!ああ、ですがロングヘアも捨て難いですね。大人らしさは出ていますが非常に美味ですし……搔き上げたときにふんわりと香るシャンプーの香りも良いものですよね。あとくせ毛の少年も好みだなあ、ふんわりとパーマした短髪の愛らしさ……まあ、真面目さを感じさせるストレートヘアも最高に愛らしいと思いますが。どうですか?分かって頂けた?素晴らしいよな?あなたもそう思うだろう?
██博士: そうですか。次の質問に移っても宜しいでしょうか?
SCP-526-JP: 私の元に15歳以下の少年を連れて来なさい。早く。それまで何も言うつもりはない。
██博士: 却下します。これ以上対話を続行する事は不可能だと判断しました。記録を終了します。
SCP-526-JP: [罵倒]!私の元に!さっさと15歳以下の少年を連れて来い!
<記録終了>
██博士の付記: SCP-526-JPは…このインタビュー記録を読んだだけでは分からないだろうが、実際画面を見て対話すると分かる。あれは対話中、何の変哲も無いような質問の返答等はゆっくりと、緩慢にテキストを入力している。しかし、少年に関する質問の返答や自分の少年への考えを述べる時は入力する速度が全然違う。瞬く間にテキストエディタの行が埋まって行き、みっちりと細かく恐ろしい速度で自分の意見を述べてくる。これは実際対面してみると本当に恐ろしい。あれの少年の頭皮や髪に対する執念が、歪曲した思考が。このオブジェクトは本当に気味が悪い。これ以降、私がSCP-526-JPとの対話の実験に立ち会う事は拒否させて頂きたい。
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