SCP-5266
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実例番号82。この場面にはSCP-5266-2が映っていない点に注意。動画の人物はまだ特定されていない。

アイテム番号: SCP-5266

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 財団ウェブクローラーがあらゆる動画共有プラットフォームを監視し、SCP-5266-1のタイトル傾向に当てはまるタイトルのリンクを捜索します。ウェブクローラーがタグ付けした動画は標準のデジタル再帰テストにかけ、リンクがクリックされた際にSCP-5266-1実例を示すURLに繋がるか確認します。SCP-5266-1実例に移動すると判明したリンクは直ちに削除されます。

別の財団ウェブクローラーが、SCP-5266イベント関連と思われる言及や報道を調査します。エージェントが疑いのある事例に派遣され、アノマリーの存在を確認した場合はSCP-5266-2実例の回収と記憶処理を実施します。

財団職員教育コースC-32 "Webがはらむ危険性" には、財団職員がSCP-5266イベントで標的となった際の最適な対応の実習が組み込まれています。標的となった職員は直ちに助けを呼んでからSCP-5266-2実例を捜索し、発見した場合は触るか破壊するよう推奨されます。UAD1キットと除細動装置を備えた現地の医療チームが直ちに標的のもとに向かい、到着後はSCP-5266-2の不活性化を支援するか、試みが失敗した場合は影響を受けた人物の蘇生に取り組みます。

説明: SCP-5266は一連の異常なYouTube動画と、それの視聴に起因する現象の総称です。動画のほうをSCP-5266-1と呼称します。

推定平均で2週間ごとに1度、新たなSCP-5266-1実例がアップロードされます。それぞれの動画の長さは3〜4分です。動画を再生しても、関連するアップロード元のチャンネルやURLアドレスは載っておらず、これまでにSCP-5266-1実例を検索しても結果は得られていません。最初にSCP-5266と遭遇する既知の方法は、視聴者のおすすめタブに突如として表示されることのみです。それぞれの動画でSCP-5266の主要な異常性が引き起こされるのは初回のみであり、イベントが終結してからは安全に視聴や保存が可能となります。

基本的に、SCP-5266-1実例にはインターネット上の釣り動画と同様のタイトルが付けられており、動画内容の説明を大文字のみを用いて誇張したものとなっています2。それぞれの動画は前回のSCP-5266イベントの録画であり、アメリカのディスコグループ『ヴィレッジ・ピープル』が作詞・作曲した歌曲とともに、1人の対象がSCP-5266の効果に苦しむ様子が流れます。動画の終わりには必ず黒い画面が数秒映し出され、その間に短い高音と突発的な空電が流れます3

カメラの角度や動画の品質からして、SCP-5266-1は主に現場の監視カメラなどの録画機器で撮影されています。イベントが終結すると、カメラは改竄された形跡も無く通常の状態に戻ります。元々からカメラの無い場所でイベントが発生した場合、動画におけるカメラの揺れやかすかな呼吸音から推察するに、その動画は未知の撮影者による未知の携帯機器で撮影されていると思われます。特筆すべき点として、これまでのSCP-5266の被害者はこの撮影者の存在に反応を見せておらず、今までに物的な痕跡は何も残されていません。撮影者と思われるPOIと更なる副次的アノマリーの調査は保留となっています。

SCP-5266-1を再生すると、未だ正体不明の毒物4が異常な手段で視聴者の血流に溶け込み始め、動画の終了と同時に致死量に達します。特筆事項として、SCP-5266-1は停止できず、電源が無くとも流れ続けます。事例のうち32%において、近辺の出口がロック可能であれば、突如として全てロックされます。動画の音楽が流れ始めると、4〜7体のSCP-5266-2が、大抵は視界から隠れるなどしてわずかに遮られた状態で近辺に出現します。

SCP-5266-2は縮小したヒトの頭部であり、前述した『ヴィレッジ・ピープル』の過去もしくは現在のメンバーと遺伝的に一致します。SCP-5266-2実例は様々な帽子、例えばカウボーイハットや、警察帽、ヘルメット、ネイティブ・アメリカンのヘッドドレスなどを被っています。各実例には運動能力があり、出現直後に再生中のSCP-5266-1で流れている歌曲に合わせて一斉に歌い始め、必要に応じてバックコーラスやメインボーカルを務めます。SCP-5266-2は損傷を受けるか、その時点のSCP-5266の標的に接触されるまで歌い続けます。

SCP-5266イベントの効果を止めるには、歌っている全てのSCP-5266-2実例を上述の方法のいずれかで中断させる必要があります。そうした場合、標的の身体から直ちに毒素が消失し、SCP-5266-2実例は起源を除く全ての異常性を失います。この時点で標的はほぼ確実に生存しますが、持病があれば毒素による後遺症で死亡する可能性もあります。

実例記録:

補遺5266-A6: 2016/08/11の午後2時7分、サイト-26でのSCP-████とSCP-████のクロステスト中にタイプ-E7次元断裂が生成された結果、M-クラス奇跡論的アーチ実体が出現しました5。実体によって11のEuclidクラスオブジェクトと3つのKeterクラスオブジェクトが収容違反寸前となり、現場にいた27人の職員がミーム汚染を受けた際、インシデント5266-A6が発生しました。

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