SCP-5302
評価: -6+x
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アイテム番号: SCP-5302 Level 3/5302
オブジェクトクラス: Safe 極秘

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かつてSCP-5302のあった墓地。

特別収容プロトコル: SCP-5302は金網フェンスによって包囲した状態で維持されます。SCP-5302に侵入しようとしたいかなる一般市民も、不法侵入の名目で当該区域の当局に引き渡されます。SCP-5302の出現によって取り除かれた墓石や棺と同じものが近くの墓地に設置されています。SCP-5302を広告するウェブサイトは、一般市民からのアクセスがブロックされた状態にしてください。

説明: SCP-5302は、アイオワ州北東部にある田園地方の、かつて小さな墓地があった敷地に出現したカラオケバーです。SCP-5302の正面のドアの上に、オレンジ色のネオンサインで、「蜂蜜ボディのカラオケ - バー - グリル」HONEY BODY KARAOKE - BAR - GRILLと書かれています。SCP-5302のインテリアは、特に小さなステージやカラオケ機器など、蜂蜜がテーマとされています。この機器は、ファンクの曲のみを再生できます。

SCP-5302内には、主に蜂蜜と微量の腐敗した人肉で構成された粘性のある人型実体(SCP-5302-Aと指定)が34体存在します。1SCP-5302-A実体のうち7体は常にSCP-5302で働いており、残りの実体は通常の客としてふるまいます。SCP-5302外部に出たSCP-5302-A実体はいません。強制的に実体をSCP-5302の外に連れ出す試みは、実体の物理的崩壊及び消失、SCP-5302内部への再形成という結果に終わります。

SCP-5302-A実体はくぐもった声での発声が可能であり、達成度は場合によるものの、頻繁にほかの実体と意思の疎通をしたりカラオケを歌おうとしたりします。SCP-5302-A実体は飲食物の注文を受ける時を除き、人間と会話しません。

SCP-5302内で提供される唯一の飲食物は、SCP-5302-Aを構成する物質の一部です。注文を受けると、応対する実体はアイスクリームサーバーを使ってこの物質を自身から簡単に切り離し皿の上に置いたりグラスに入れたりします。SCP-5302-A実体はこの行為を危険だと認識せず、数時間以内に取り除かれた部分が埋められる形で自身を修復します。

この異常な組成にも関わらず、その物質を摂食した被験者は、総じて極めて美味である、と述べます。
またこれらの被験者は、摂食後軽い病気や怪我などが緩和した、と報告します。この主張の信憑性については現在調査中です。

補遺5302-1 — 更新: 2020/03/01、SCP-5302のウェブページが"www.honeybodybar.███"というドメインで作成されました。SCP-5302の広告と共に、このウェブサイトでは様々な形、大きさのノベルティの容器に入れられたSCP-5302-A構成物質がオンラインで販売されていました。販売価格はとても高く、一瓶50ドルから「一生分」の10,000ドルまで及びます。ウェブサイトでは以下のような商品の記述が閲覧可能でした。

蜂蜜の魔法のような癒しの効果は、何百万年も前から研究されています!過ぎ去りし古代文明は死体を何世紀も最高級蜂蜜に漬け、薬として飲みました!当時は薬効がありませんでしたが、今は成功しています!愚かな彼らは味覚音痴で、この「蜂蜜漬け人間」に秘密の成分©2 を使いませんでした!さあ、大特価蜂蜜漬け人間で痛みを吹き飛ばそう!

このウェブサイトのホストIPを追跡すると、ガルニエ・セリシーという、財団の拘留から繰り返し脱走した異常詐欺師としてかつて知られていた45歳男性の住居でした。以下はエージェント・ロンテとエージェント・ダニエルによる家宅捜索の結果のログです。

<ログ開始>


(二人のエージェントは輸送車から降り、住居に接近する。内部からかすかにファンクミュージックが聞こえる。)

ダニエル: 騒音の苦情なんて記録されてたか?

ロンテ: いえ、誰も気づいてないわ。

ダニエル: 奴はきっと中にいるだろう。ずっとあんな風に遊んで、まともなわけがない。

ロンテ: そうでしょうね。

(エージェントは二人とも正面のドアに接近する。ロンテは彼女のピックで鍵を開け、二人は中に入る。)

ロンテ: ここ、甘い匂いがするわ。

ダニエル: 当たり前だ。奴はここで有り余るほど蜂蜜を食ってるだろうからな。

ロンテ: 上からよ。

ダニエル: 匂いか?

ロンテ: 音楽よ。

(ロンテは歩いてキッチンに入り、キャビネットを開け始める。)

ロンテ: (ぼやいて) 何よこれ。

(どのキャビネットも蜂蜜の瓶が詰まっている。キャビネットが開けられると、床に蜂蜜がこぼれる。)

ダニエル: 蜂蜜だ。へっ。いっただろう。奴らは熊みたいなもんだが、血の気の多い奴じゃないと。

ロンテ: ええ…

ダニエル: 上に行ったほうがいいんだろうな。奴らが窓かどっかから飛び出す前に。

ロンテ: ええ、そうね。

(両エージェントは階段を上り、音楽の流れてくる二階のベッドルームにゆっくり近づく。)

ロンテ: あいつは私たちに気づいてると思う?

ダニエル: 音楽がクソうるさいんだ、多分何も聞こえてないさ。

(エージェントは拳銃を手に取り、部屋に入る準備をする。)

ダニエル: 準備はいい?

ロンテ: ええ。

(二人のエージェントはドアを突き破る。部屋の真ん中には鍵のかかる木製の棺があり、大きなサラウンドサウンドスピーカーから音楽が鳴り響いている。エージェントに気づくまで、セリシーはSCP-5302-A実体と激しく踊っていた。)

セリシー: 追手だ、おい蜂蜜、ずらかるぞ!

(実体は棺に飛び込み、人間の形状を失い蜂蜜だまりとなる。エージェントがどちらも反応できないうちに、セリシーは蜂蜜で満たされた棺に飛び込み、ふたを閉めて鍵をかける。)

セリシー: (ガラガラ声で) 少なくともただでお前らが俺をしょっ引くことはないだろう!

ダニエル: ロンテ!邪魔なふたをあけろ!

(ロンテが鍵をピックすると、棺は激しく震え始める。隙間から余分な蜂蜜が漏れ出るにつれ、棺の中からのごぼごぼという音は大きくなっていく。震えが止まり、ロンテは棺の鍵を外せるようになる。棺の中にいたセリシーもほとんどの蜂蜜も消失している。)


<ログ終了>

この出来事の後、おおよその維持をしたまま残されていたSCP-5302の支配人室に、別のSCP-5302-A実体が出現しました。

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