SCP-5355

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非使用時のSCP-5355。


警告!
当ファイルの以下の項目には最新の実験結果を反映させる必要があります。
説明
注意して読み進んでください。


アイテムナンバー: 5355

オブジェクトクラス/クリアランス: Safe/Two

特別収容プロトコル: SCP-5355は異常アイテムロッカーに収容されます。いかなる状況下でも、SCP-5355の実験は実施されません。

説明: SCP-5355はプラスチックと未知の合金で作られた玩具の "光線銃" です。左側面には、剥がれ落ちた金の塗装に黒い大文字で "The Fantastic Shrinkerator (夢の縮小器)" と乱雑に書かれています。 SCP-5355の意匠はレトロフューチャー的な様式 (特にディーゼルパンクやスチームパンク) と類似しています。右側面にはダイヤルが並んでいます。銃にある小瓶を通して未知の赤い液体が流れているのが見えますが、この液体は装飾が目的であると思われます。SCP-5355の製作者、充電機能、蓄電方法は現状いずれも判明していません。

SCP-5355には引き金が無く、銃身後部の小さなクランクを回転させることで操作できます。回転から約30秒後、SCP-5355は大量の煙を放出しながら音を立て、光子エネルギーを集積した薄い明緑色の光線を先端から発射します。SCP-5355は光線の再発射が可能となるまでに1分間の冷却時間を要します。ダイヤルの設定に応じて光線に様々な効果が付与されると考えられています。

縮小 拡大 解除
光線は物体の大きさを不明な倍率で減少させる。 光線は物体の大きさを不明な倍率で増加させる。 SCP-5355の直前の発射による影響が解除される。

唯一実施されたSCP-5355の実験ログを以下に添付します。


補遺 - 実験ログ


実験職員: パストーレ研究員、レミントン次席研究員。

手順: サイト-28の射撃場に設置した様々な物体に向かってSCP-5355の各設定で発射し、"解除" 設定で影響を元に戻す。

<ログ開始>

[レミントン次席研究員が射撃場の標的エリアから戻ってくる。パストーレ研究員はSCP-5355を手に持ち、顎ひげを掻いている。レミントン次席研究員が入室すると、パストーレ研究員が会釈し、きっぱりとした声で話す。]

パストーレ: 物体の準備はできたか?

[レミントン次席研究員が素早く頷く。]

レミントン: ああ! 向こう側に全部並べておいたよ。

[パストーレ次席研究員が微笑む。]

パストーレ: ありがとう、ジェレミー。それじゃあ、最初はどれにしようか?

レミントン: ウェットティッシュからやろう。一番的が大きそうだ。

パストーレ: いいね。

[パストーレ研究員がダイヤルを回し、射撃場の反対側の物干し用ロープに吊るされたウェットティッシュに狙いを定めながらクランクを回し始める。]

パストーレ: よし、"縮小" にセットして…… 発射。

[SCP-5355が発射される。ウェットティッシュのサイズが元のおよそ半分になる。]

レミントン: おお。素晴らしい。[レミントン次席研究員がため息を吐く。] 総合的に考えると、これはいい気分転換になるな。

パストーレ: 先走りするんじゃないぞ、レミントン。

レミントン: 分かってるさ。次は拡大か?

パストーレ: [うなずいて] ああ。[パストーレ次席研究員がダイヤルを "拡大" に定める。]

レミントン: あー、待たないと。冷却時間が必要だから。

[レミントン次席研究員とパストーレ研究員が何も話さずに突っ立っている。パストーレ研究員が咳払いをする。]

レミントン: それで、そのー、子どもは元気にしているか?

パストーレ: 私に子どもはいないよ、ジェレミー。

レミントン: すまない。

[レミントン次席研究員がため息を吐く。]

パストーレ: あー、君の母親はどうしている?

レミントン: 元気にしてる。

パストーレ: 最後に会った時に君だと分かったか? 難しいことなのは承知の上だが。

レミントン: 分かったさ。ただ、母がいつ私だと分からなくなるかは保証できない。最悪だよ、チャールズ。タチの悪い風邪をひいたせいで入れてもらえないんだ。

[パストーレ研究員がうなずく。SCP-5355がチリンという音を静かに発する。レミントン次席研究員が安堵のため息を吐き、くしゃみを1度する。]

パストーレ: 続けようか。[パストーレがSCP-5355を発射する。ウェットティッシュが元の大きさの2倍に拡大し、クリップから外れて落ちる。レミントン次席研究員が落下場所に向かい、クリップを付け直す。]

レミントン: ああ、いいね。

パストーレ: ありがとう。

[パストーレ研究員がダイヤルを "解除" に設定し、SCP-5355のクランクを回す。SCP-5355が発射されるものの、何の影響も見受けられない。]

パストーレ: おや。

レミントン: ちゃんと冷却時間は過ぎたのか?

パストーレ: チリンって音も何もかも聞いたさ、ジェレミー。私も老いたが、そこまで年寄りじゃないよ。

レミントン: そうかい。"縮小" でやってみるか?

パストーレ: ああ。[ダイヤルを回し、SCP-5355を発射する。何の影響も生じない。]

レミントン: は?

パストーレ: 私も同じ反応だ。"拡大" でやってみよう。

[パストーレ研究員がダイヤルを回して冷却時間が過ぎるのを待ち、その間にレミントン次席研究員が深く考え込む。チリンという音が聞こえた瞬間にパストーレ研究員が発射する。レミントン次席研究員がパストーレ研究員の手からSCP-5355をはたき落とし、ドアの方に引き寄せる。]

レミントン: 待て —

[2体の大型生物がウェットティッシュのそばに突発的に出現する。片方は巨大な緩歩動物に類似しており、もう片方はファージに漠然と類似している。両生物が低い呻き声をあげながらパストーレ研究員とレミントン次席研究員の方に進み始める。]

レミントン: 撃て! アイツらを撃つんだ!

パストーレ: 分かってる、分かってるって。

[パストーレ研究員がファージ実体に向かってSCP-5355をもう一度発射する。何の影響も生じない。パストーレ研究員とレミントン次席研究員が無事に切り抜けると、カメラが巨大なアメーバ状の生物に飲み込まれる。この生物がウェットティッシュの残骸と接触すると、その細胞壁が激しく爆発し、それによって他の実体が両方とも死亡する。]

<ログ終了>

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