アイテム番号: SCP-536
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-536は財団の標準的手順に従って保全されるべきです。SCP-536は、許可された実験以外で電源に接続してはいけません。SCP-536に関連する研究に参加することを希望する担当者は、████博士に公的な依頼書を提出しなければならなりません。行われるすべての実験は████博士の監督の下で実施されるべきです。
重力、電磁気、および放射線センサーは1メートルの間隔でSCP-536の表面上に配置されなくてはなりません。これらのセンサーのいずれかで異常な値が測定された場合、SCP-536の動作を直ちに停止し電源を切断しなければなりません。
SCP-536を起動する職員はその前に計算を再確認することを忠告します。
説明: SCP-536は██m×█m×██mのチャンバーで、側面には50cm四方の四角い覗き窓と、6つの調節ダイヤルに対応したメーターと、電磁的に遮断された入り口があります。入り口が密閉されていないか開いている場合、封じられるまでダイヤル操作に対して反応はありません。覗き窓は電子、核子、[編集済]、および1 keV以上の電磁波に対しては不透明です。
SCP-536のダイヤルのそれぞれはチャンバー内の基礎物理定数の1つの値を変更します。ダイヤルはそれぞれ光速度 'c'、重力定数 'G'、プランク定数 'h'、電気素量 'e'の他に一般的にギリシャ文字で表される2つの定数λ、θに対応しています。(メモ:検証の結果、財団の研究者は2つの定数がそれぞれ弱い相互作用と強い相互作用の結合定数を表していると結論付けました。テストログSCP-536-██と██を参照してください)。それぞれのダイヤルの目盛りは無次元数λとθを除いて、現代のSI単位系で測定されています。
覗き窓の部分を除いてSCP-536は電磁放射と素粒子に完全に不透明です。実験中に外部から観測した結果、今のところチャンバーの内部で物理的に異常な現象は発生していません。
回収ログ: SCP-536は█████大学物理学部の████教授の研究室に設置されていた装置を回収したものです。SCP-536がSCPとして識別されると、複数のエージェントとレベル3のセキュリティ担当者のチームがすぐに派遣されました。
回収前に████教授は財団の行為を警告するか、エージェントが財団の者であると認識することができたかいずれかでした。1装置を使用したため、エージェント███は[編集済]、教授は[データ削除済]とされています。結果として彼は爆発で死亡しました。SCP-536についての文献や記録は財団職員が到着する前にすべて破壊されました。
████教授の私物を詳細に分析した結果、[データ削除済]などいくつかの反財団的グループと関係を持っていた可能性が明らかになりました。いまのところ、SCP-536はこれらのグループのいずれかにより製造されたのか、あるいは地球外、超自然的、または現在ではない時代に起源を持つのかどうか不明です。
実験ログ:
実験ログSCP-536-█:
0:30:34 ████博士と███博士がSCP-536のテストルームに入った。
0:30:50 ███博士がSCP-536に入った。
0:30:56 SCP-536の入り口を閉鎖し密閉した。
0:31:10 ███博士が████博士に重力定数を半分にするよう指示した。████博士は従った。
0:31:15 - 0:31:58 ███博士がSCP-536内部の低重力下で跳ね回った。
0:32:10 ████博士は重力定数を元に戻すように指示された。0:32:50 ███博士が████博士に光速度を1秒あたり約100m/sづつ下げるように指示した。████博士は従った。
0:32:55 光速度の低下にあわせて、███博士が10インチほど収縮した。████博士が慌てて光速度を元の値に戻した。███博士は元の大きさに戻った。メモ:ボーア半径とは原子核の周りの電子の軌道サイズを決定する定数です。それは光速度および電子の電荷に反比例する数値です。
0:33:10 ███博士は████博士にボーア半径が電気素量の減少に対応して減少していくことを思い出させた。2 ████博士が必要な計算を行うと、結果はその通りだった。
0:34:02 ███博士が異常に遅い声で話し始め、 彼は'奇妙な感じ' だと述べた。メモ:光速度の低下は脳内の電気化学反応のプロセスを減速させるでしょう。その結果脳活動の異常につながり、判断能力を損なう可能性があるかもしれません。
0:34:43 ███博士は████博士に光速度をさらに低下させるよう指示した。すこしためらったの後、████博士は指示に従った。
0:34:45 チャンバー内の光速度が████m/sを下回った。███博士は突然激しい悲鳴をあげた。悲鳴はゆっくり音域を下げて聞こえなくなった。覗き窓に設置されたビデオカメラには、ねじ曲がった███博士の体がゆっくりとブラックホールに崩壊していく様子が記録されていた。
0:37:04 █████博士は光速度をゆっくりと正常値まで上昇させた。███博士のブラックホールから放射される電磁波のエネルギー量は、現在理論的に予測されているホーキング放射のエネルギーと一致していた。すべての電磁波はチャンバーの壁によって吸収されていた。████博士は現役を解任され、財団の心理学研究室でカウンセリングを受けるよう命令を受けた。
実験ログSCP-536-█:
3:22:59 被験者D-1123は、野球ボール、メートル尺、時計とともにSCP-536内に配置された。███博士は2分で1桁減らす一定のペースで光速度を下げるよう施設の技師に指示した。
3:23:00 - 3:34:00 物理的に異常な現象は確認されなかった。
3:34:34 被験者D-1123の発話が著しく遅くなった。被験者はくすくす笑い始めた。
3:35:50 反対側の壁に向かってボールを投げるよう被験者に指示した。被験者は投げた手に激しい痛みを訴えた。被験者はメートル尺または時計を投げることを拒否した。その後のビデオ分析では、ボールと被験者の手にはローレンツ収縮と赤方偏移の両方の現象が起きていた。
3:37:10 被験者はめまいを伝え転倒した。
3:37:31 光速度を正常に戻し、SCP-536を開いた。脳卒中により死亡していた被験者D-1123が発見された。メモ:これは被験者の腕の振りによってローレンツ収縮と質量増加を起こした血液が彼女の脳に達したことが原因であったと思われます。押しのけられた動脈血は光速に近い速さで体を流れるため、即死しない場合でも物理的な影響は非常に不健康でしょう。
実験ログSCP-536-██:
1:22:21 被験者D-22413がSCP-536に配置された。
1:22:45 λのダイヤルを回して数値を一桁減少させた。観測可能な影響は無かった。
1:23:00 - 1:45:00 λの値を2分に1桁の割合で連続的に減少させた。観測可能な影響は無かった。
1:45:23 λを通常のレベルに戻した。
1:46:00 - 1:58:00 λを2分に1桁の割合で増加させた。
1:53:32 被験者D-22413は吐き気を報告した。
1:55:22 被験者が嘔吐した。
1:57:56 λが設定の最大値に達した。被験者は生存し意識もあった。λを通常のレベルに戻した。
1:59:21 D-22413をSCP-536から出した。被験者は激しい急性放射線障害の兆候見せるが、チャンバーで異常に高い放射性物質濃度は検出されなかった。後の分析で、D-22413の体で炭素14がまったく検出されないことがを明らかになった。被験者の体細胞への放射線による損傷量は、人体内のすべての炭素14が一斉に崩壊起こした際のものと一致してした。メモ:λの値は放射性崩壊に関連しており、また無次元定数であることからλは弱い相互作用の結合定数であると私は考えます。私は残りの不明なθのダイヤルは強い相互作用の結合定数に関連する可能性が高いと考えています。 - ███博士
実験ログSCP-536-██:
1:11:45 被験者D-6263はSCP-536に配置された。
1:12:00 - 1:34:00 θのダイヤルの値を2分に1桁の割合で連続的に増加させた。 観測可能な影響は無かった。
1:34:32 θのダイヤルを正常値に戻した。
1:34:32 θを一桁の減少させた。被験者D-6263が激しく崩壊した。
1:35:11 θを正常値に戻した。防護スーツを身に付けたチームがチャンバーの扉を開いた。水素ガスと高レベルの中性子線が検出された。
メモ:SCP-536は人間に自由に物理法則を操作できるという自由を与えますが、これらの物理法則を操る多くの手段は、人間の生命にとって致命的かあるいは一般的に核物質をもたらすと認識することが大切です。あなたの肉体が原子からできている場合、最大の注意をもってSCP-536を扱うように私は勧めます。 - ████博士