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SCP-5406個体。
特別収容プロトコル
全ての既知のSCP-5406個体は、一括してサイト-402の水棲収容生息域アルファで飼育します。SCP-5406個体にはその種が必要とする標準的な世話を施します(異常動物管理マニュアル78cを参照)。新たな個体が収容された/誕生した際にはアヒル型居住ユニットが提供されます。各ユニットの表面には個体の指定番号である数字が印字されます。
説明

あるSCP-5406個体のアヒル型居住ユニット。
SCP-5406は軟体動物の一種であり、現在は巨大な中空構造のゴム製アヒルの内部に生息しています1。観察されたSCP-5406個体の大きさは体長約10~12mです。個体が内部に生息しているゴム製アヒルの外見はお互いに同一であり、高さ約8m、長さ5mで、防水性の合成ゴムで構成されています。

SCP-5406の幼体、体長約1m。
アヒル型居住ユニットの底面に形成された開口部を利用して、SCP-5406個体は自らの付属肢を水中移動に用います。一旦静止すると、SCP-5406個体は脚を引っ込め、頭を開口部から突き出して水中の栄養素を消費します。SCP-5406個体は石油で汚染された水の中に栄養を求めます。個体は1時間に最大200リットルの汚染水を摂取してこの栄養を取得します。SCP-5406個体の酵素は水中の石油を分解、吸収してから余剰の(浄化された)液体を排泄します。
発見

博多湾に出現したSCP-5406個体。
2018/07/20、福岡県警察(FPP)に、巨大なゴム製のアヒルが福岡市に接近し、水路を渋滞させているという数件の通報が寄せられました。捜査中、FPPは民間企業 “福岡ファンファクトリー”からの連絡を受けました。福岡ファンファクトリーは、同社が所有するゴム製のアヒル型フロート50台のうち25台が、博多湾の囲いから盗難されたと主張しました。
最初のSCP-5406個体は、地元の漁船が湾内からアヒルを除去しようと試みた際に発見されました。財団資産はこの事件に関する警察の報告を傍受し、SCP-5406の写真証拠を押収しました。福岡県庁の協力により、捜査は財団資産に引き継がれました。
SCP-5406の起源との潜在的接点を探るため、財団エージェントが福岡ファンファクトリーの調査に派遣されました。合計56匹のSCP-5406個体が同社の水生生物飼育囲いから発見されました。遺伝子解析の結果、SCP-5406は現代の無板綱と関連する未発見の生物であり、この工場の廃棄物(大部分が石油系だった)への継続的曝露によって変異したことが示されました。
訴訟と財政的圧力を通して、財団は強制的に福岡ファンファクトリーの製造施設と水生生物飼育囲いを売却させました。大幅な改修工事の後、サイト-402が敷地内に設立され、水棲収容生息域アルファが飼育囲いの周囲に構築されました。
サイト-402報告

サイト-402。
サイト-402は、SCP-5406個体群の収容施設、並びに新しい個体が必要とするアヒル型収容ユニットの製造施設として機能しています。
サイト-402の公共部門である“石油汚染解決プロジェクト”2は、石油に関連する水質汚染現場での浄化処理を行う民間契約を結びます。契約が締結されると、財団隠蔽チームが汚染現場の周囲に境界線を確保し、民間人が浄化プロセスを観察するのを防ぎます。水棲生物輸送船 コリプソ-1号が必要な数だけSCP-5406個体を現地に輸送し、解放します。浄化プロセスが完了するまで、暫定収容ネットが個体の周囲に展開されます。プロセスの完了後、SCP-5406個体はサイト-402に戻されます。
渉外部門の協力の下、石油汚染解決プロジェクトは地方自治体と提携してソレムニタス・プロトコルを実施します。
石油汚染解決プロジェクトによって得られているサイト-402の年間余剰予算は約45,000,000米ドルであり、これは年間運営費の5,000,000米ドルを遥かに上回っています。同プログラムの経済的、生態学的な利点に鑑みて、サイト-402の運営は2030年まで継続することが認められています。2030年時点でサイト-401のステータスは再評価される予定です。