
放送中継カメラに撮影されたSCP-545-KO事案の事例
アイテム番号: SCP-545-KO
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: オランダの地域で開催される全てのスポーツ競技や音楽フェスティバルの現場に財団職員を待機させます。早期の発見が難しいSCP-545-KOの特性を考慮して、財団の活動は死傷者の発生を最小限に抑えることに重点を置きます。オブジェクトに関連する事故は、イベントにおいての不注意による事故や観客間の乱闘に偽装します。
説明: SCP-545-KOは、ヨーロッパ系の金髪碧眼白色人種の男性で、身長は183cm、体重は78kgです。オブジェクトは、常に粗雑に製作されたウイングスーツを身に纏い、自転車用ヘルメットをはじめとする最小限の安全装置を着用し、オランダの元サッカー選手デニス・ベルカンプDennis Bergkampの顔部分を切り取った紙製の仮面を被っています。オブジェクトの仮面をいくら取り外しても、前のものと同じ仮面が次々と現れるだけなので、目と唇の一部を除いた顔の部位全体を確認する方法は、現在のところは存在しません。
SCP-545-KOは、オランダ全土で開催されるスポーツ競技や音楽フェスティバルの現場に出現します。オブジェクトが出現する場合には、オブジェクトはほぼ常に構造物の中でも最も高い場所に初めは出現し、人々が密集している地点に向かって落下していきます。オブジェクトはウイングスーツを着ているにも関わらず、その機能が余りにも粗いために、オブジェクトの落下速度を遅くするという点には何の効果も出しません。そのためオブジェクトの落下地点一帯では死傷者が発生し、この時点でSCP-545-KOは間違いなく即死します。オブジェクトの死体は死亡してから1時間以内に消失し、それはオブジェクトの装着している機器、仮面や髪の毛をはじめとした身体組織にも適用されます。以降オブジェクトは無作為な期間の間隔を置き、落下前と同様の姿に戻って再出現します。
補遺: オランダの朝刊紙De Telegraafに、2000/9/11の事件事故としてウイングスーツを着た、顔にベルカンプの仮面を被った身元不明の観客1人が、プロサッカーの試合中に競技場のスタンドの屋根から落下し、当該観客を含む3人の死亡者が発生したという内容の記事が掲載されました。ただし、記事に記述された内容の事件が実際に発生したといういかなる記録も存在しておらず、問題となった試合も実際には何も発生していなかったということか明らかになりました。その後、朝刊紙は誤報について編集プロセスに手違いがあったことを認める内容の訂正記事を掲載しました。しかし、記事が掲載された以降を基点にSCP-545-KOの事件が発生し始めたため、財団はオブジェクトとその記事との間の関連性について現在調査を行っています。