アイテム番号: SCP-5456
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-5456に関連する異常な現象や出来事は記録されていませんが、そのような活動が発生したという合理的な疑惑と、SCP-5456会員の失踪が現地コミュニティの正常性に引き起こした重大な混乱を踏まえて、SCPオブジェクト分類は維持されます。SCP-5456会員の家族や、その他の交際関係を持っていた人物らには、広範なインタビューが行われていますが、有用な情報は得られていません。
SCP-5456が運営していた施設は、偽情報プロトコル“毒された水場”の下に改装され、不法侵入を困難にするべく強化工事が実施されています。1日1回、施設の監視映像の見直しを行います。
説明: SCP-5456は、アーカンソー州テクサーカナのストリップモールにあったヘルスクラブ、“ゲット・ジャックド”を通して組織された団体です。SCP-5456は2002年から、2012年5月に失踪するまで活動していました。SCP-5456は当該ヘルスクラブの従業員、顧客、施設所有者の指定名称です。SCP-5456は146名の長期会員で構成され、各人は通常何らかの事業主、賃貸物件の大家、軍人、法執行官、もしくは類似する権威者であるか、それらの親族でした。
SCP-5456の現在地と失踪要因は不明です。SCP-5456との交際関係があった人物は、概して失踪事件への困惑を表明し、SCP-5456に関して全く異常な点を報告しませんでした。SCP-5456は、失踪に関する地元のニュースが全国放送された際に発見されました。FBI/UIUの調査で結論が得られなかった後、低予算での業務引き渡しが行われました。
ゲット・ジャックド・ヘルスクラブは4台の工業用加湿器を備え、9年間の運営期間を通して一年中“低”設定で稼働していました。施設内の気温は32°Cに維持されていました。ロッカールームの収納区画には、窒素を集めるために使われたと思われる即席の分別蒸留装置が収納されていました。また、屋内の空気から濾過した窒素を入れるドリップタンクも設置されていました。施設内の他の容器には、この液体窒素に加えて、塩水とアンモニアの混合物が入っていました。施設の地下は、この混合物が入った保管容器 — 50リットル容量の樽30個、地下室の四方の壁に3列に取り付けられた水槽(計200000リットル)、深刻な浸水被害を受けた地下室天井からの水漏れを受け止めるためと推定される数個のバケツ — で埋め尽くされていました。
発見当時、施設のカーペットや床は水を吸って歪んでおり、クロカビ(Stachybotrys chartarum)に覆われていました。カビが以前から存在したのか、施設が使われないために蔓延したのかは明らかになっていません。クラブで発見された亜酸化窒素は(地下室で発見された混合物の化学的組成に基づいて)、クロカビを吸引した人間の肺から体内洗浄ないし肺灌漑プロセスを利用して一酸化窒素を抽出し、アンモニアまたは汗と混ぜ合わせて生成された疑いがあります。液体中に残された生命存在指標や、微量の腫れた/破壊された血球は、施設内で生成された全ての液体が1つの独特な起源を有し、完全にリサイクルされていたことを示唆します。
SCP-5456はクロスフィットの系列施設であり、概ね同プログラムに典型的な活動に固執しつつも、ルールブックの規則や制約は変更されていました。SCP-5456に所属する会員は、大部分の健康器具の利用と非動物由来食(果実類・ナッツ類を除く)を可能な限り避けていました。文書やトレーニングビデオは不自然なほどに“汗”the sweat、“我慢してやり抜く”sweating it outという言葉を強調し、“スウェットマザー”sweatmother、“スープダッド?”soupdadなどの奇妙な用語やフレーズを含んでいました。これらの用語はグループ内での進捗状況やステータスを指すと考えられています。SCP-5456は筋疲労で十分な力を発揮できなくなるまで運動することを推奨し、ひときわ激しい運動の最中に意識を失った会員は称賛されました。
更新: 更なる見直しの結果、旧SCP-5456を含んでいた店舗区画は、1950年代後半からフィットネス施設として利用されていた可能性が示唆されています。
2016/02/06: 施設の防犯カメラに接続されたハードドライブは、ほとんどが浸水被害を受けて破損していました。データの再構築試行によって、様々な音声が確認されました。読み取れる唯一のタイムスタンプは不明な年の5月5日、5:42 AMです。テープ音声では1人の男性的な声の話者が優位を占めています。
話者: 君は僕の父親か、チェット?
話者: スーザン、君は僕の父親か?
声: いいえ。
話者: なら僕の父親は何処にいる?
話者: 僕たちは人間になれる、そうとも僕たちは尊敬の念を持てる、でも混沌を許容することはできない。君たちは僕たちの[発言ママ]父親たちにならなければならない。
声: その…
話者: 水分補給を忘れないようにね、チェット。
声: オーケイ。
話者: (荒々しい叫び) (不明瞭) …そして今じゃ毎日が9/11なんだ。
声: じゃあ、あたしはただこんな風にガスを吸えばいいの?
話者: 畜生め。うん。ゴメン。そうだよハニー。ただボンベを唇に咥えて吸引すればいいんだ。ねぇ、それは君を笑わせるだろう、でも僕はあの日何が起こったかを君が笑わずに言うのを聞きたいんだよ。
(流れ続ける液体がより広い水面にぶつかる音)
話者: (叫び声) 違う! 僕らはそういう風にはしない! それは汗なんだ! 我慢し通せSweat it out!
声: 正直言って俺は俺自身の父親だと思うね。
声: 1年前ここに入った時は言えなかっただろうが、そうさ。 (苦しげな笑い声) 俺は俺の父親だ。 (荒い息遣い) 勘違いすんなよ。俺は父親であるのが好きじゃあない。
声: (ダンベルを落とす音) すまんなビル、もう1回、もう少しデカい声で今のを俺に繰り返してもらえるか?
(沈黙、足を引きずって歩く音。)
(人間が何かを飲み下す音が2分間続く。)
話者: もしここに来なかったら、言うべき言葉さえ見つからなかっただろうさ。
話者: 君はサントームthe sinthomeを持ってるか(断定的宣言?)。
話者: つい先週、この通りを下った所にあるスターバックスの窓が割られたのを知ってるかい? スターバックスだよ。世間の人々がスターバックスで何をするか知ってるかい?
声: スターバックスって何だよ?
話者: 奴らはエナジードリンクを売ってるんだよ。
声: (咳込む) 世界はどこもかしこもクソまみれになっていきやがる。
話者: 人々はスターバックスでエナジードリンクを飲むんだ。わざわざそんな事をしにそこへ行く。お金を払って飲み物を飲む。誰かの父親が建物の正面からスバルで突っ込んだ。叫び声、飛び散るガラス片、壮大なスペクタクル。憤激に満ち満ちたタイプの男だ。信じられるかい? 僕には彼の心の怒りを想像することしかできないね。奴らは嫌な豆からエネルギーを搾り取るんだよ、チェット。
2017/05/04: 定期調査中に、レモンライム味のゲータレードのボトルが1本、屋根裏部屋の隠し収納区画で発見されました。このアイテムが最初の捜査で見落とされたのか、捜査の終了後に配置されたのかは判明していません。