アイテム番号: SCP-551
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-551は普通の段ボール箱に保存されます。箱はSCP-551の全てのピースを入れるのに十分な大きさの物を使用します。箱は保管サイト-23のロッカーユニット内に保存します。移動させる際は、一人以上のレベル1スタッフに通知されます。
説明: SCP-551は一般的な550ピースのジグソーパズルです。完成させると、嵐の海の中で小さな手漕ぎボートに乗っている一人の女性の絵が表れます。しかし、SCP-551の異常な性質によって、女性の顔や[データ削除済]などの一部は不完全なままです。
SCP-551は███ ████のアパートで、他の居住者がドアの下から漏れ出てくる悪臭に苦情を申し出た後に発見されました。███ ████はSCP-551のそばで、著しい栄養失調の状態で発見されました。彼女の手にはまだ幾つかのピースが掴まれており、床にはSCP-551のおよそ3分の1が組み立てられていました。
SCP-551の実験における複数の被験者は、そのパズルを完成させる事など全く想像も出来ないと述べています。被験者のSCP-551に対する精神的な反応は様々で、それはパズルそのものよりも被験者の性格に依存しているようです(補遺551-1/2/3を参照)。しかし、SCP-551による被験者への心理効果も無視できません。
補遺 551-1
標準的なDクラス職員に、SCP-551を組み立てる課題を与えました。被験者はパズルを完成させるために、2週間睡眠以外の休息をとらないまま、部屋の中で過ごしました。被験者は、これだけの時間を費やしても40ピースしか繋げられず、この進捗具合にフラストレーションを増していきました。最終日には睡眠をとらずにパズルを続けましたが、彼が[データ削除済]ときに中止が許可されました。
補遺 551-2
嗜癖行動1の履歴があるDクラス職員に、SCP-551を組み立てる課題を与えました。被験者は最初は気が乗らない様子でしたが、2つのピースが繋がった後は、驚くほどSCP-551に取り付かれたようになりました。被験者は実験中、パズルが思うように進まないことに対して、度々奇声を上げていました。4週間後、被験者が睡眠不足によって意識を失ったことにより、実験は終了しました。102ピースのSCP-551が繋げられました。
補遺 551-3
IQテストで平均以上の得点を持つ██████博士が、SCP-551に対する懐疑を表明したため実験が許可されました。██████博士は、女性の顔と[データ削除済]を除いてパズルを完成させました。そこまで到達したにも関わらず、██████博士は残りのピースに対して混乱を示し、パズルに対して運命論者的な態度をとりました。その4日後、博士は最終的にパズルを完成させることを拒否しました。
補遺 551-4
コンピュータの使用によるパズルの完成が試みられました。最初に使用した装置は、パズルのピースを組み立てられるように設計されたロボットアームと、カメラを使った画像解析アルゴリズムを動作させたデスクトップPCでした。このアプリケーションは多くの通常のパズルで試験してきました。しかし、このパズルを完成させるために、ピースをスキャンさせた直後に、ブルースクリーンやカーネルパニックが必ず発生しました。次に組み込み設計によるアプローチがとられ、ピースの画像処理プロセッサとしての役割をコンピュータからマイクロコントローラに代替させました。しかし、ピースの画像のスキャンが完了すると即座に、全てのCPUのプログラムカウンタのレジスタ値が破壊されました。さらに幾つかのケースでは、突発的な過電流が発生しCPUや構成機器にダメージを与えました。これらのことから、自動化による完成手段は破棄されました。