アイテム番号: SCP-5546
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル
SCP-5546はサイト-52のSafe保管ユニット43号に収容されています。127通のSCP-5546-1実例と、ダルメズ・トープ大統領の防腐処理された遺体は、まとめて廃棄物保管ユニット4号に収容されています。
関与した可能性がある要注意団体を特定するための継続的な試みの一環として、渉外部門の連絡員1名がテマリアに留まり、同国の政治団体とオカルト実践の結び付きを調査します。
説明
SCP-5546は起源が不明な高さ1.8mの金属製キャビネットであり、テマリア国民党の党員127名の遺体が内部に入っていました。これらの遺体(SCP-5546-1と指定)は未知の手段を介して、標準的な郵便封筒を連想させる大きさ・形状に圧縮されています。SCP-5546-1実例群は極めて効果的な未特定の有機化合物で防腐処理されています。各SCP-5546-1実例には、過去10年以内に失踪もしくは死亡が宣言されたテマリアの反民族主義政治団体の構成員1名の名前が、差出人として記されています。その唐突な出現と内容物を別とすれば、SCP-5546に特段の異常性は確認されていません。
発見
2021/01/14、SCP-5546はテマリア国民党の党首であるダルメズ・トープ大統領がパルモ・ホテルから出た際、彼の頭上約12m地点に出現しました。SCP-5546は数秒間その場で静止状態を維持した後、トープ大統領目掛けて加速しました。衝突時のSCP-5546は時速約400kmで移動していたと推定され、トープ大統領は衝突によって即死しました。
この1週間前、ダルメズ・トープとテマリア国民党は、党の政治権力の減退とトープの大統領解任に繋がったであろう公正かつ合法的な選挙結果を操作し、覆すことに成功していました。SCP-5546-1実例群の失踪と身体改造、並びにSCP-5546の出現は、テマリア国民党の行動に対する直接的な応答だったと仮定されていますが、SCP-5546の関係者/製作者は現在も不明です。テマリア国民党員の不在と、国際連合の支援によって、2021/02/10に新たな民主的選挙が実施され、選挙結果を覆されていた政党は2021/03/01を以て正当に政権を獲得しました。
政権の移行期間中、財団は偽情報活動の展開によって、テマリア国民党員の失踪を国連が調査中の党内紛争によるものとすることに成功しました。財団に宛てた私的な声明において、新しく選出された大統領のファラ・メラーは、SCP-5546について以下のように述べました。
「人々は私の前任者が広めた過激なイデオロギーに長らく耐え忍んできました。これらの不可思議な事件も、団結へ至る道を切り開くためには必要な行動でした。我々は彼らを軽視せず、仲間に加わるつもりも決してなかった。悪辣な国民党員たちに打ち倒された同胞たちがようやく不満を吐き出す場を得られた今、彼らの犠牲を無駄にはしません。」
財団は新政権との直接的な連絡体制を確立しています。現在、財政協定と、テマリア国内における収容施設の建設計画が進行中です。この新たに形成された関係の有益性に鑑みて、財団はSCP-5546の直接要因に関する調査継続は不要と判断しました。変化の途上にあるテマリアの政治情勢と政権に適応するため、渉外部門は今後もテマリア国内に残る政治運動との存立可能な関係を確立していきます。