SCP-555-JP-J
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アイテム番号: SCP-555-JP-J

オブジェクトクラス: Keterけふぇう

特別収容プロトコル: SCP-555-JP-J罹患者は口内を清潔に保ち、ビタミンBの多く含まれるバランスの取れた食事を1日に3食行い、規則正しい時間に睡眠を取ることで改善が期待できます。必要に応じて軟膏、ビタミン剤、消毒液または専用の医療器具(レーザー等)を用いて治療を行ってください。毎回の食事後には患部に食べかすや皮膚片が残らないよう歯ブラシなどで念入りに除去してから、市販のオーラルケア製品で口内消毒してください。SCP-555-JP-Jが痛みを伴う場合には軟膏にて患部を覆ってください。特に水分によって凝固するタイプが望ましく、舌や歯が触れる回数を減少させることが期待できます。また意識的に口腔を閉じて乾燥を未然に防ぎ、睡眠時に口腔が開く癖がある場合には市販のテープなどで止めておくことも効果的です。SCP-555-JP-J患部が深く傷ついている・1か月以上改善しないようなら専門の医師の診断の下、適切な治療を受けてください。治療費は申請によりSCP-555-JP-J研究予算から補填することが可能です。 御託はいらねえ! 一瞬で治せる方法を持ってこい!

説明: SCP-555-JP-Jはヒトの口内に発生する炎症で、クソ痛みを伴います。主な原因はストレス・口内のキズ等と言われていますが、大抵の場合理由も無く発生します。発生タイミングは決まって大事なスピーチのある日や演奏会の前日、あるいはカレーや四川料理などの刺激物を食べたい欲求がある時です。大きさや痛みの度合いは個人の健康状態により異なりますが、前述したイベントを妨害するのに最も適した箇所(頬内側、唇、歯茎、舌など)に発生します。SCP-555-JP-Jの影響を受けたヒト被験者は活舌障害、摂食障害、集中力の低下、口に指を突っ込む、しきりに口内を舌でまさぐる、顔を歪ませる1、過剰なビタミン剤の摂取などの症状が表れます。

SCP-555-JP-Jは人類にとって脅威となるいくつかの特性を備えています。
まずSCP-555-JP-Jには自己増殖の異常性が確認されています。SCP-555-JP-J患部を傷付けないよう細心の注意を払っていると反対側の口内を噛み、そこに新たなSCP-555-JP-Jが発生します。また治療後期になり痛みが薄れてくると、再度口腔内でSCP-555-JP-J患部を噛んでSCP-555-JP-Jを再発・悪化させるなど、SCP-555-JP-Jは自己保存性の性質も持っているものと推測されています。さらにSCP-555-JP-Jの症状によっては患部が膨張・拡大し、咀嚼時や会話時により傷つけやすいように発達する事例も多々確認されています。それからSCP-555-JP-Jに罹患しているときに限って食事やカラオケに誘われるなどの現象は、SCP-555-JP-Jの前述の自己増殖や自己保存の性質により発せられる信号によって周囲の人間の無意識下に影響を与えていると推測されています。特にSCP-555-JP-J罹患者の周囲にいる部外者から発せられる「薬塗って、よく歯を磨いてきれいにしておけよ」などという無神経な発言は、歯ブラシや薬剤の接触がどれだけの痛みを伴うか経験したことのない人生経験の浅いサイコパス人間に改変されてしまったことを示しています。
以上で挙げたように自己増殖性、再生能力、自己保存性、成長性、意識改変能力などを併せ持つ上に、実質的に収容不可能であるためオブジェクトクラスはKeterに分類されています。

SCP-555-JP-Jの痛みを抑えるための応急処置としてアルコール度数の高い飲料を口に含むことで消毒かつ麻酔効果が得られるほか、氷を口に含み冷却する、第1類医薬品の摂取2による鎮痛効果などが挙げられます。これらの手段を「やめろ」と言ってくる人間がいた場合、SCP-555-JP-Jに認識汚染されたかドS野郎か悪魔の手先かのどれかです。あるいは全部です。

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SCP-555-JP-J-A-1

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SCP-555-JP-J-A-2

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SCP-555-JP-J-A-3

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SCP-555-JP-J-A-4

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SCP-555-JP-J-A-5

以下SCP-555-JP-J-Aと指定されているものは、SCP-555-JP-Jの発生を意図的に促進および悪化させる準オブジェクト群です。恐ろしいことにこれらの準オブジェクト群は日常生活に侵食し、虎視眈々とSCP-555-JP-Jの増殖を狙っています。そして一般的には異常性がないものとして認識されている点も厄介な特性の一つです。

  • SCP-555-JP-J-A-1: 口内で時間をかけ溶融する過程で非常に鋭利な刃物状の構造を発生させ、特に舌部に裂傷を生じさせSCP-555-JP-Jの発生を促進します。メジャーなものでは成分としてFragariaCitrus limonCucumis meloCitrus sinensisを含んでおり、種類によってはその成分3で裂傷部分にダメージを加えるものもあります。球形のもの、棒が付いているものなど形状にも種類がありますが安価なものほど切れ味が良く市場に出回りやすい傾向があり、SCP-555-JP-Jの拡散を担っていると推測されます。
  • SCP-555-JP-J-A-2: 学名:Decapoda、節足動物門甲殻亜門軟甲綱十脚目の生物であり、その大きさに因らず、加熱により生命活動を停止させてなお外殻で口内を刺突し裂傷させます。甲殻を取り除けば比較的安全に食すことが可能となりますが、パン粉で皮膜を作り食用油で揚げる面倒な調理法を行うにも関わらず尾部の甲殻を残してしまうなどミーム的性質も確認されています。
  • SCP-555-JP-J-A-3: 芋類を薄切りにし食用油で揚げる過程で硬化した食品で、口内で鋭い破片と化し口内をズタズタに引き裂きます。総じて高い塩分濃度と油分を持ち、口内環境を悪化させSCP-555-JP-Jの発生と成長を促進する効果も持ち合わせています。亜種として加工成型されたものや、より硬化させ鋭さを増したものなどが確認されています。
  • SCP-555-JP-J-A-4: SCP-555-JP-Jによる痛みを倍増させる作用を持っています。一部地域では好んで料理に入れるとされていますが大抵が"過ぎたるは及ばざるが如し"という言葉を知らないように思え、料理の味が分からなくなるまで入れるなど明らかに口内環境に悪影響を与える量を投入されます。またSCP-555-JP-J-A-4には口内の痛みに快感を覚えるような精神作用を及ぼす認識災害を持っていると推測され、一度SCP-555-JP-J-A-4に快感を覚えてしまうと次回以降の料理に大量に投入するなど、前述の一部地域の人間が既に重篤な精神異常を患っていると考えられます。このような影響を受けたSCP-555-JP-J-A-4依存症の人間を"辛党4"、"ドM"、"味覚障害者"、"マゾヒスト"、"お前の口の中 拷問部屋"と呼称します。
  • SCP-555-JP-J-A-5: 柄と毛束の構造を持つ歯牙の清掃道具です。SCP-555-JP-Jの抑制に有用であるとの研究結果もありますが、むしろ口内を傷つけSCP-555-JP-Jの発生を促したり、既に発生したSCP-555-JP-Jに接触した場合には鋭い痛みをもたらします。チョコミントみたいな味のする研磨用の薬剤を塗布することによりさらに痛みは倍増します。



補遺: SCP-555-JP-J罹患者によるインタビューの一部

  • そんなもんプロトコルで治るんなら苦労はしねえ! - エージェント・████
  • なんで麻婆豆腐を食う前に限ってコイツができるんだクソッタレ!! - エージェント・狡噛
  • 全然治らないんですけどォ!? - エージェント・古本
  • 瞬時に完治する薬とか、患部だけ切り取って捨てる機械は作れないの? 無い? 大した事ねえな財団の科学力は。 - エージェント・██



追記: O5-1によるコメント

なんでもかんでもオブジェクト扱いするのはウチの悪い癖だ。……痛っ。 - O5-1

ワオ、病院で治療するとこんなにかかるの? - O5-1

認定すれば研究予算から治療費出せるな…… - O5-1

よし、承認。 - O5-1

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