特別収容プロトコル: SCP-5556の実例群は、標準規格の0.25倍に縮小された、標準的な人型実体群向けの居住区に収容され、人型実体向けの標準的な食事が提供されます。運動を促すため、良い行いに対する褒美として、小型の回し車が提供されます。
職員によるSCP-5556との直接の相互作用は試験中の承認時を除いて禁止されています。SCP-5556実例によるあらゆる発言は無視してください。
説明: SCP-5556は、ガーデン・ノームに類似する人型実体群に対する指定です。各実体は髭を生やしており、縦長で先端の尖った帽子を着用しています。身長は30 ~ 40 cmの範囲に収まります。1SCP-5556の実体群は、その身長を除き、解剖学的に人間と類似しています。また、人間と同程度の知性を示します。
SCP-5556の各実例は、非常に爆発性が高く、人間により特定の操作を加えられることで、それら自身の意志によらず爆発します。起爆に必要な操作は各実例ごと異なります。爆発の威力は事例ごとに大きく異なりますが、常にそれを受けた対象を無力化するのに十分です。実例は爆発の直前に短時間の激痛を経験します。SCP-5556実例群同士が互いに直接この効果を引き起こすことは出来ませんが、人間を説得してこの効果を引き起こそうとすることがあります。
補遺 5556.1: 回収記録1
前記: MTF タウ-14 (タウ-1 ~ 5の隊員から成る) が、SCP-5556の収容任務に割り当てられました。この時、SCP-5556はNoticeクラスの異常実体群と考えられていました。回収中、リーダー格とみられる実例がSCP-5556に接近し、会話を始めました。
[記録開始]
SCP-5556-1: やあ失礼、長身のあんた。あんたのお仲間は俺らの仲間に何をしてくれてるんだ?
タウ-1: どうした? って、スキップの1人か。我々は、君たちを安全な場所に運ぼうとしているんだ。なるべく動かないで貰えると……
[タウ-1はSCP-5556-1を収容箱に入れようと試みる。SCP-5556-1は飛び跳ねてタウ-1の肩に乗り、その後頭部へよじ登る。]
タウ-1: おい、降りろ! 畜生、こいつら大人しいはずだって聞いてたのによ!
SCP-5556-1: このチビ野郎どもの最高司令官として、俺はここに、我が小さき部下たちを掴むことを禁じる! ノーム諸君、この蛮族どもを攻撃せよ!
[SCP-5556-1は叫びながらタウ-1の髪を引っ張る。タウ-1は実体を取り除こうとするが、上手く掴めない。実体はタウ-1の頭を前後に振り、その頭皮を噛む。タウ-1は応援を要請するが、他の隊員もタウ-1と同様に他のSCP-5556の収容にかかりきりである。]
タウ-1: ああもう、握力が強すぎだ! 落ち着いてくれ! 君らにとっても良いことなんだ!
[タウ-3がSCP-5556実例の1体を捕獲する。それは彼の手の中で爆発し、数本の指を断裂させ、重度の火傷を負わせる。実体群とMTFは損害を調査するために作業を中断する。]
タウ-1: クソっ! フォー、医療キットを! [SCP-5556-1に向かい] 一体何が起きた?
SCP-5556-1: おや、あんたのお仲間はチャッキーを拾ったようだ。残念だね、彼には夫がいたんだぞ?
タウ-1: オーケイ、それは良いとして、なぜ爆発した?
SCP-5556-1: あそこのこんがり焼かれたトーストボーイは、チャックの導火線に引っかかっちまったのさ! それは俺たち全員に1つずつあって、作動させれば風船みたいにバンだ! あんたが割り込んで来なかったら、警告してやれたのになあ。
タウ-1: つまり、君たち全員が爆発し得るという訳だ。畜生、なんで本部は把握してなかったんだよ? 他に君らを怒らせるのは何だ?
SCP-5556-1: ああ、俺たちにはそれぞれに小さなスイッチがある。あそこにいるケアウィン、奴の起爆スイッチはあんたがおとぎ話を読んで聞かせることさ! それから、あいつはアラン。奴はハグ嫌いだ。顔に書いてる通りにな! もし見えないなら、あんたは盲目だろうよ。
タウ-1: そして、思うに君も、特に罪にもならないような些細なことで爆発するんだな?
SCP-5556-1: ふーむ、俺もそう思うね! 自分の顔は見えないから分からないけどな!
タウ-1: それは — 待て — なぜ知らないんだ? 誰か他のやつから聞いたこともないのか?
SCP-5556-1: 相手がどうやったら弾け飛ぶか教えるだなんて、失礼じゃないか。そうだろ? だが…… [タウ-2に向かい] おいそこの! その哀れなセドリックを逆さまにひっくり返すんだ! 月まで吹っ飛ばされるぞ!
[タウ-2が保持しているSCP-5556実例が抗議の声を上げる。タウ-2はコンテナをひっくり返し、その結果爆発を引き起こす。タウ-2は軽い火傷を負う。]
SCP-5556-1: 騙されやすいタイプなんだな。だろ?
[記録終了]
補遺 5556.2: 回収記録2
前記: 以下の記録は、SCP-5556実例群を収容室に移動する際に、サイトのセキュリティシステムによって記録されました。
[記録開始]
SCP-5556-2: なあ。おい、そこのデカブツ。
D-4133: ああ? 済まねえけどよ、上の連中は俺があんたらと喋るのをよく思わねえんでな。
SCP-5556-2: なあ、お前が俺たちを狭苦しい牢屋に無理やり連れて行くのに忙しいのは分かってるさ。だが、本当に大事なことなんだ、生きるか死ぬかの!
D-4133: お前らが収容房に入るまで、話は聞かないぞ。
SCP-5556-2: へえ、そうかよ。シュメビーは知ってるだろ。俺たちの所謂リーダーだ。知ってるな?お前らは"ダッシュ-ワン"なんて呼んでるんだっけか。アイツの秘密を教えてやる。奴にはある種の……持病がある。大量の砂糖が必要だ、体内で糖をちゃんと作れないからな。砂糖がないと今週中に死ぬだろうな。
D-4133: へえ、そんなの信じられねえな。
SCP-5556-2: 誓ってもいい、本当のことだぞ! 俺たち小人には、お前らよりも色んなものが必要なんだ。俺たちが倒れる前に、上の連中が必要な食事を用意してくれるなんて信じられるか? お前らが思うよりずっと早く、その時は来るぞ。
D-4133: そ、そいつの面倒は上が見てくれるだろうよ。俺たちはあんたらに何もやるなって言われてるんでな。
SCP-5556-2: お前も俺も知ってることだ、上の連中は役立たずさ。俺たちを見つけた時、お前の上司どもは俺たちが爆発するのを知らなかったんだぞ、知ってたか? 教えてやろう、友よ、俺は踏み潰される者の気持ちが分かるんだ。俺の背丈は1フィートかそこいらなもんでな! そろそろ率先して、哀れな小人に砂糖を恵んでくれてもいいじゃないか。害はないだろう? 新しいペットなり何なり、俺たちを閉じ込めてる理由がなんであれ、それを助けたと知れば君の上司は感謝するに違いないぜ。
D-4133: あーもう、分かったよ。お前は嘘は言ってなさそうだ。俺にできることがないか考えておいてやる。
[D-4133が収容チャンバーから退出する。]
[D-4133がSCP-5556の収容房に、実験のために入室する。彼はズボンの後ろに手を伸ばし、ポケットから、サイトのカフェテリアから持ち出された砂糖の包みを取り出す。]
████研究員: D-4133、何だそれは? 警備員、無許可の物品持ち込みだ、チャンバー……
D-4133: おい、ダッシュ-ワン? あんたの為にこれ持ってきてやったぜ。
SCP-5556-1: 何だって? 何の為に? っておい、なんてこった畜しょ-
[監視カメラ映像途絶]
後記: SCP-5556の収容エリアとD-4133は大規模な爆発によって蒸発したことが確認されました。SCP-5556については、SCP-5556-1を除く全実例が存在しており、いずれの個体も無傷でした。彼らは新たなリーダーとしてSCP-5556-2を選んだようです。






