SCP-5595
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SCP-5595

特別収容プロトコル: SCP-5595はサイト-322の食堂に収容され、その内部での自由な移動が許可されます。SCP-5595との意思疎通時には敬意を払って接することが推奨され、また職員はSCP-5595の同意を得てからガムボールを購入できます。SCP-5595はスタッフが消費している食品について質問する場合があります — これはSCP-5595の職務の延長線上にある許容範囲の行動と見做されます。

食堂からの退出を試みた場合、SCP-5595はSafeクラス収容室に連行されます。


説明: SCP-5595はブランド表記の無いガムボール自動販売機であり、鋼鉄製の本体と、視覚・聴覚器官として機能するガラス製のドームで構成されています。金属製のキャップと鍵穴は塞がれており、キャップを取り外す努力が進行中です。これまでの開錠試行は全て失敗しています。

SCP-5595は知性体であり、本体の内蔵スピーカーを介した知的な会話が可能ですが、その声は著しく変調されているため、時としてほとんど聞き取れません。SCP-5595はポールの下部に取り付けられた車輪を使って移動できます。これらの“足”はごく短距離ながら跳躍できるため、SCP-5595は階段を昇降することが可能です。SCP-5595は頻繁に転倒する傾向があり、多くの場合、財団職員の支援を必要とします。

SCP-5595はサイト-322の管理官 ポール・ラグーが短期休暇を取った後、同サイトの1階ロビーで“サイト管理官代理”を自称しているのを発見されました。回収プロトコルが実行され、捕獲されたSCP-5595はSafeクラス収容室に収容されました。SCP-5595のガラスドームには、“ピンチヒッターが必要だって聞いたぞ :) — ハッピーお友達司令部”1と記されたメモ用紙がテープで貼り付けられていました。


補遺1 — 初期インタビュー


以下のインタビューが回収後のSCP-5595に対して行われました。


日付: 2017/03/24
質問者: アンソニー・クロワ博士
対象: SCP-5595


«記録開始»

(SCP-5595はドアの正面に立ち、覗き窓から外を見ている。クロワ博士がノックする。)

クロワ博士: 後ろに下がってください。

(反応も動きも無い。クロワ博士が再びノックする。)

クロワ博士: 軽く話し合いましょう。状況をはっきりさせるためです、いいですね?

(車輪の軋む音が聞こえ、SCP-5595がインタビュー用テーブルに向かって移動する。クロワ博士が入室する。)

(クロワ博士が着席する。SCP-5595はテーブルの反対側近くに立っている。)

クロワ博士: 多分、そちらの椅子を使う必要はありませんね。

SCP-5595: アア。

クロワ博士: まずは自己紹介から始めましょう。私はアンソニー・クロワ博士です。あなたをどうお呼びすればいいでしょうか?

SCP-5595: 私ハさいと管理官、じぇふりー・くいんしー・はりそん3世デアル。

クロワ博士: (沈黙) 成程。では、まずその明々白々な問題点からお話ししましょう。

(SCP-5595は前後に軽く移動する — 頷いたと推定される。)

クロワ博士: 我々には既にサイト管理官がいます。名前は—

SCP-5595: ソウダ、名前ハじぇふりー・くいんしー・はりそん3世博士。

クロワ博士: 違います。ポール・ラグー博士です。

SCP-5595: ソノぽーる・らぐーニツイテハ聞イテイル。彼ハ休暇中デハナイノカネ?

クロワ博士: ええ、ラグー管理官は短期休暇を取りましたが、だからといって—

SCP-5595: ソウダ、スルト当分ノ間ハさいと管理官ガ不在ニナル。ソシテ私ガ (3秒間の空電) さいと管理官 じぇふりー・くいんしー・はりそん3世ニナルノダ。

クロワ博士: 残念ですがそうはいきませんね。

SCP-5595: コノ私ニ真ッ向カラさいと管理官ノ器デハナイト言ウ気カ?

クロワ博士: (沈黙) そういう意味ではありません。我々には既にサイト管理官がいます

SCP-5595: シカシ今ハイナイ。ソノ通リ。万事解決シタ。仕事ニ戻リタマエ、博士、私ニハヤルベキさいと管理ガアル。

クロワ博士: サイト管理官の仕事はそういうものではないんです。それに、まだ話は終わっていません。我々は“ハッピーお友達司令部”の正体を知る必要があります。

(SCP-5595はクロワ博士の下へと移動し、椅子を押す。)

SCP-5595: マタ別ナ機会ニ話ソウ。確保ト収容ト保護ノ時間ダ。サッサト立ッテ仕事仕事。 (クロワ博士が立ち上がる。SCP-5595は椅子を押すのを止める。) ソノ意気込ミダ。

クロワ博士: (司令室に囁き声で) 実体は好戦的だ、退室時に警備員の護衛が要るかもしれない。

SCP-5595: モシモシ ソチラ司令部カ、 (5秒間の空電) 私ヲおふぃすマデ運ンデクレ。くろわ博士ガ反乱ヲ起コシテイル。

クロワ博士: (司令部に囁き声で) 無視しろ。警備員を派遣するだけでいい。正直そう遠くまでは行ってないと思うが、休暇中に収容違反を報告したらきっとラグーはキレるぞ。

«記録終了»

SCP-5595はドアの正面に立ってドーム部分を覗き穴に押し付け、外を覗き見ていると思しき振舞いを再開しました。翌日、SCP-5595は29時間連続でドアに体当たりし、さらにその後23時間連続で空電音を発しました。ラグー管理官がこの間に休暇から帰還し、2回目のインタビューを行いました。


日付: 2017/03/27
質問者: サイト管理官 ポール・ラグー
対象: SCP-5595


«記録開始»

(空電音が被さったリズミカルな金属の衝突音が聞こえる。ラグーがドアに近寄ると、この行動は収まる。)

ラグー管理官: ハロー?

SCP-5595: アア、帰ッテ来タカ。入リタマエ。

(ラグーが入室する。)

ラグー管理官: 君の話は軽く耳にしている。

SCP-5595: ソウ、私ガさいと管理官 じぇふりー・くいんしー・はりそん3世ダッタ。悲シイカナ、裏切リ者ニヨッテコノ牢獄ニ閉ジ込メラレタノデ、私ハ確保ト収容ト保護ガ不可能ダッタ。

ラグー管理官: 成程ね。帰ってからインタビューの書き起こしを読んだよ。クロワ博士に随分ときつくあたったんじゃないか。

SCP-5595: くろわ博士ハ汚ラワシイ陰謀者ダ。私ハ到着シテ5分モシナイウチニ攻撃サレタノダゾ。 (空電) 君は一体ココデドウイウ経営ヲシテイル?

ラグー管理官: まぁ一息吐きなさい、そう怒らなくてもいい。 (沈黙) すぐ要点に入るのもなんだが、幾つか知りたい事がある。まず1つ目 — “ハッピーお友達司令部”とは何者だ?

SCP-5595: (ビープ音、続いて12秒間の空電、そして沈黙。)

ラグー管理官: もう一度言ってほしい。

SCP-5595: 失礼シタ。声ガ枯レテ出ナカッタ。HPCハ君タチノ人生ヲヨリ良ク、ヨリ便利ニ、ヨリ楽シクスルタメニ存在スル。 (32秒間の空電)

ラグー管理官: (呟き) 勘弁してくれ。 (SCP-5595からの空電) OK、次の質問だ。君は財団のモットーと職場階級を理解している。他には?

SCP-5595: ドウイウ意味カナ?

ラグー管理官: ハッピーお友達司令部はもっと我々に関する情報を君に伝えたはずだ。何を知ってる?

SCP-5595: ソレダケダ。到着スレバモット説明ガアルトバカリ思ッテイタ。

ラグー管理官: 今一つ信用できないな。

SCP-5595: 私ヲ嘘吐キ呼バワリスルノカ?

ラグー管理官: 黒き月は吼えているか?

SCP-5595: 月ハ白ダ、馬鹿者。

ラグー管理官: なかなか大胆な答えだ。 (沈黙) 話を先に進める。私が来た時、ちょうど君は癇癪を起こしていた。聞けばここ3日間ずっと—

SCP-5595: ソウダ。私ハ不当ニ幽閉サレタ。

ラグー管理官: ふむ。ともかく、私がこの収容室を離れたら、君はまた騒ぎ出すかい?

SCP-5595: 十中八九。

ラグー管理官: そして、根負けするつもりも無いんだろうね。

SCP-5595: ソノ通リ。

ラグー管理官: 成程。君は元サイト管理官として、物音を立てて皆の気を散らしても誰一人得しないことを理解するべきだよ。

SCP-5595: 私ノ不当ナ幽閉モ同ジダ。ソノセイデ私ハ職務ヲ遂行デキナイ。

ラグー管理官: うーん、じゃあ、私が抱えている問題を説明しよう。君の大騒ぎに対する15件以上の苦情が出ている。こんな調子ではやっていけない… 君をどうすべきか、私は途方に暮れているんだよ。

SCP-5595: イイカネ少年、私ハ優秀ナ資産ニナルゾ。君ハHPCガ抱エテイルソノ他大勢ノ薄ノロデハナク、私ガ派遣サレタコトニ感謝スベキダ。

ラグー管理官: 何故その話を信じなきゃならない? どうして私に君が最優秀だと分かる?

SCP-5595: 君ノタメヲ思ッテ言ッテイル。私ニ何ガデキルカ見セテヤロウ。

ラグー管理官: 私がテープ録画で見た限り、君は誰にも危害を及ぼし得ない。

SCP-5595: 現時点デハナ。

ラグー管理官: あー… 4階の食堂を調査するのはどうだい。たまに変な事が起きる場所だと聞いている。

(沈黙。)

SCP-5595: ソンナフザケタ話ガアルカ。

ラグー管理官: 私が譲歩できるのはここまでだ。もし嫌なら、いつでも君をクッション張りの防音室に放り込んで片付けられる。私が数枚の書類に署名すればそれでお開きだ。

SCP-5595: ソレハ気ニ入ラン。

ラグー管理官: だろうね。じゃあ、私の手間を多少省き、従業員たちの頭痛の種を多少無くし、君の孤独を多少癒す仕事を始めるかい?

SCP-5595: 心得タ。

«記録終了»


補遺2 — その後の事案


SCP-5595の“調査”は2017/03/30に始まりました。監視映像記録は、SCP-5595が昼食休憩中の財団職員にインタビューを行い、多少差し出がましい性格ではあるものの、あらゆる職員に友好的な食堂の追加備品として振る舞っていることを示します。

SCP-5595が敵意を示した事案は、ある研究員がSCP-5595自身の同意を得ずにガムボールを購入しようとした際の1件のみ記録されています。SCP-5595は報復として当該研究員を押し返し、“まず[自分に]1杯おごる”ことを求めてから去りました。

SCP-5595は調査開始からの8ヶ月間に1回だけ発見をしています。この際、SCP-5595は激しく興奮した様子でラグー管理官との会談を求めました。面会許可を得た後、SCP-5595は厨房スタッフがマッシュポテトをマッシュカリフラワーに置き換えて“職員を毒殺”しようと試みていると主張しました。ラグー管理官はSCP-5595が貴重な情報を提供したことに感謝の意を表明し2 、SCP-5595が食堂に戻って食品の調査を継続するのを許可しました。

職員は、最近導入された食事プログラムについてSCP-5595に通知することを許可されません。

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