特別収容プロトコル
SCP-5601は元々入れられていた鳥籠に留められた状態で、サイト-51の標準収容チャンバーに収容されます。SCP-5601は標準的なメンテナンスやその生物種に典型的な世話を必要とせず、接触は試験とインタビュー時のみに限られます。
いかなる場合においても、鳥籠の封印を解く、あるいはその内部に侵入しようとする試みは許可されません。これらを試みた者は危険人物とみなされ、直ちにEクラス職員に再割り当ての上、悪魔祓い処置、長期記憶処理、またはその両方が施される可能性があります。
SCP-5601との交流はサイト-51の奇跡術部門-悪魔学研究チームの職員にのみ許可されています。SCP-5601の移送、インタビュー、試験の際には、標準的なMarquisクラス対応プロトコルが適用されます。SCP-5601から得た情報の照会には、情報保安管理局の承認が必要です。
説明
SCP-5601
SCP-5601はMarquisクラス悪魔実体1であり、 現在は1体のヨウム (Psittacus erithacus) の身体に束縛されています。SCP-5601は「フェネクス (Phenex) 」という名を自称しており、このことは束縛プロセスにおいて使用された印章によって裏付けられています。英語とラテン語で流暢に会話することが可能であり、人間の言葉を完璧に模倣することができます。MRI検査の結果、元々発声するための身体的要件が備わっていなかったにもかかわらず、適切な発声を可能にするために声帯と喉頭の再構築が行われていることが示されました。SCP-5601は左足に小さな鉄製のバンドを装着しています。このバンドに描かれたルーン文字と格子模様は、SCP-5601が自身の能力を最大限に発揮することを阻害する第2の拘束として機能します。
フェネクスの印章
SCP-5601は奇跡術的に封印された鉄製の鳥籠に閉じ込められています。鉄は塩化ナトリウムで加圧処理されており、SCP-5601の潜在的な念動力をさらに減衰させます。鳥籠には扉や侵入口が存在しないため、SCP-5601の宿主は拘束プロセスの以前から鳥籠の中にいたと推測されます。籠の底にはフェネクスの印章2と、封印の格子、様々な起源のルーン文字が刻まれています。加えて、籠の中央の棒に沿って反発の格子が刻まれていますが、これは他の刻印と比較して明確に新しいものです。この格子は、他の悪魔実体が鳥籠と直接相互作用することを阻害するために特別に使用されるものです。
発見
2020/06/05、SCP-5601はバージニア州ブランド郡の廃屋内にて、地元の保安官代理を務めていたカイル・ホワイト氏によって回収されました。SCP-5601は、中年男性のものとみられる白骨化した遺体と共に発見されました。この遺体には長期間の拷問による傷跡が残っていました。当時、この廃屋は荒れ果てていましたが、少量の証拠品が回収されています。これらの大部分はオカルト的なものであり、遺骨の身元特定には役立ちませんでした。ホワイト保安官代理の報告書には、オウムが彼と彼の妻の私生活について詳しい情報を知っているという証言が含まれていました。この証言と証拠、そして鳥籠の写真に写っていた刻印により、財団ウェブクローラー-77P30はこの事件記録に対し調査フラグを立てました。
SCP-5601の回収後、関係者全員に記憶処理を行い、全ての証拠を押収または破棄しました。以下のSCP-5601の映像は、ハワード・スタンリー保安官代理の携帯電話から回収されたものです。
収容違反イベント
SCP-5601は1週間程度に渡って財団への協力を拒否し続けた後、インタビューに応じました。この任務に尋問の専門家であるダニエル・オブライエン博士が選ばれ、2日後に当該サイトに到着する予定が組まれました。インタビューは2020/06/14に行われました。以下はその記録です。
検死の結果、インタビュー中に“オブライエン博士”だと思われていた人物はホムンクルス3であったことが判明しました。その数時間後、本物のオブライエン博士の遺体が車のトランクの中で発見されました。その後、財団はホムンクルスを検出する方法を開発し、SCP-5601を回収しようとする2つの試みを阻止しました。
SCP-5601は、財団による保護に感謝を示し、悪魔学研究チームへの協力と支援に同意しました。SCP-5601から得られる情報は、悪魔社会学、奇跡術、その他のオカルト研究への理解を深める上で非常に貴重なものです。









