SCP-5609
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SCP-5609を取り囲む衛星群の1つ

特別収容プロトコル: 財団が所有する衛星の一群が常時SCP-5609を包囲し、継続的にその周囲に選択的反ミームフィールドを投影して、民間人による観測を防止するようにプログラムされています。無人探査機 SCPSスピアヘッドがSCP-5609に着陸し、現在は組織サンプルの採取と生体情報のモニタリングに使用されています。SCP-5609の軌道パターンの如何なる変化も監視され、衛星群の移動によって回避されます。

説明: SCP-5609は現在、地球表面から30,000km上空の軌道上に存在する、生物発光性の巨大な (直径230km) 球形生命体です。SCP-5609は常に黄色光を放出しており、大雑把な観測では小さな月のように見えます。

SCP-5609を詳細に調査すると、2個の複眼と1組の短い大顎を備えている小さな変色した頭部、頭部の下から突出している視認可能な2本の脚、体節を有する柔らかい皮膚など、一部甲虫類の幼虫に類似する特徴を帯びていることが確認できます。

補遺: 回収データ

以下はSCPSスピアヘッドが収集したSCP-5609関連データのリストです。

  • SCP-5609は周期的に身動きします。しかしながら、これらの動きは脚や顎が一瞬痙攣する程度でしかありません。
  • SCP-5609には宇宙空間で自らの身体を方向制御・推進する能力が欠如しています。その軌道は完全に受動的なものです。
  • SCP-5609の代謝は地球上の昆虫よりも最大で3,000倍遅いと仮定されます。
  • SCP-5609の身体に存在する気門1は、SCP-5609が生物学的には真空環境での生存に適していないことを示します。
  • SCP-5609の背中の皮膚の一部は、何かに引っ張られているかのように突出しています。

補遺: 事案ログ

2021年3月22日、SCP-5609はSCPSスピアヘッドと共に消失しました。地球周辺の宇宙空間を広範に捜索しても痕跡が発見されなかったことから、SCP-5609はNeutralizedに再分類されました。

1ヶ月後、SCPSスピアヘッドは地球の高軌道上に再出現し、即座に大気圏に落下しました。墜落による深刻な損傷を負ったにも拘らず、以下の音声ログは無事でした。

(激しい空電音が聞こえるが、7秒後に途絶える。音が途絶えると、2つの声が聞こえる。)

不明-1: よっしゃあぁぁぁ! こいつは大物に間違いないよ!

不明-2: マジで食い付きやがった。あぁ、今夜は腹いっぱいメシが食えるぜ!

(数秒後、音が大きくなる。このため、録音に若干の歪みが生じる。)

不明-2: よぅ、ウィリー? その… ちょっと見てくれねぇかい。

不明-1: どうしたん- えぇーっ、もう、またこいつか。

不明-2: これ何だ?

不明-1: ああ、例のキラキラ光る虫けらのお仲間さ。戻しな。

不明-2: 俺が持ってていいか? 結構クールじゃん。

不明-1: (大きな溜め息。) クールは食べられないんだよ、エイモス。

不明-2: 分かった、分かったとも(空を切る音に続いて、大きな着水音が聞こえる。声が遠のき始める。)

不明-1: …次回は月に投げてみようか。あそこの奴らはもっと騙されやすいって話だからね。

(空電音が聞こえ始める。録音が終了する。)

月の周辺領域は現在、SCP-5609の再出現の兆候が見られないかを監視されています。

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