SCP-5645
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特別収容プロトコル: SCP-5645はサイト-345の標準的な極低温保管ユニットに収容されています。現時点で実験は予定されていません。ニルズ・ヴェンドラーは引き続き監視下に置かれ、彼の周囲で発生し得る異常な事象は全てこの文書に記録されます。

説明: SCP-5645はドイツ、ケルン在住の35歳の未婚会社員、ニルズ・ヴェンドラーの生物学的クローンである児童の死体です。SCP-5645はヴェンドラーと遺伝的に同一で、右手首の大きな母斑など、幾つかの表現型の特徴を共有しています。SCP-5645は解剖学的には8歳の男児に類似しますが、化学年代測定で1992年生まれと特定されたため、27年間にわたって化学的に老化していなかったようです。

発見: SCP-5645は2019年2月24日、ニルズ・ヴェンドラーが住むアパートの裏手のゴミ箱から発見されました。地元の捜査官が検死を行ったところ、年代的矛盾が明らかになり、財団がその存在を認知しました。その後の捜査では、死体が発見場所に投棄された際の目撃者を求めて、近隣住民へのインタビューが実施されました。この過程でニルズ・ヴェンドラーとの外見上の類似性が指摘され、後の試験を経てSCPオブジェクトに分類されました。ヴェンドラーはSCP-5645の由来を把握していないようです。SCP-5645は年齢が異なる自分自身の死体であるらしいという事実に直面したヴェンドラーは、当初こそ衝撃を受けたように見受けられましたが、すぐに冷静さを取り戻し、一人きりにしてほしいという欲求を表明しました。

ヴェンドラーは暫定的に拘留され、SCP-5645の出現と関連する可能性のある情報を全て開示するように促されました。インタビューを複数回繰り返した後も、ヴェンドラーはSCP-5645や発見時の不審な反応について一切のコメントを拒絶しました。しかし、間もなく記憶処理を受けて自宅に帰されると通知された際、彼は次のように発言しました。

なぁ、あそこで見つかったあれのことだけどさ。俺はあれをずっと昔に失くしちまったんだ、だから死んでたって別に驚くこっちゃないんだよ。でもこれは個人的な問題なんだ。それに正直こうなっちまったら、あれが俺だってのを忘れさせてくれるのなら、すごく助かるよ。

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