アイテム番号: SCP-565-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter Euclid
特別収容プロトコル: SCP-565-JPはサイト-81██の特別収容室内ガラスケースに保管されます。SCP-565-JPが不活性サイクルにある際、SCP-565-JPはレベル2のSafeオブジェクト汎用収容プロトコルに沿った取り扱いをしてください。SCP-565-JPを常にビデオカメラで監視し、何らかの異常があった際は即座に報告してください。サイト-81██の特別収容室には一般的な医療施設の病室と同様の設備を設置します。
SCP-565-JPが活性サイクルに入るまで3週間以内となった時点で、満7歳から満12歳までの少年をサイト-81██の特別収容室に収容してください。ただし、1:財団スタッフによる診断で余命が1年未満と診断されたこと(病名は問いません)、2:SCP-565-JPの活性化時、意識レベル1以上の保持を予測されることの2点を満たすことが収容対象を選定する条件です。上記の条件を満たす少年を常に3名以上確保し、収容した少年が上記の条件を満たさなくなった際は即座に代わりの少年を収容できる体制を整えて下さい。収容した少年に対する医療行為は苦痛除去のみが認められます。SCP-565-JPが活性サイクルに入る前に少年が死亡、または意識喪失する恐れがある場合を除き、治療行為は認められません。特別収容室の半径500m以内に、収容者以外の満7歳から満12歳までの少年が進入することは確実に防止して下さい。
SCP-565-JPが活性プロセスに入って以降は、この特別収容室がSCP-565-JPの収容施設となります。SCP-565-JPが終末期サイクルに移行するまで1週間以内となった時点でSCP-565-JP-1が生存している際は、すみやかに安楽死させてください。SCP-565-JPが不活性化した際は、SCP-565-JPを特別収容室内ガラスケースに戻して監視を継続してください。
説明: SCP-565-JPは全長80mmの四体組の人形(SCP-565-JP-A~SCP-565-JP-D)です。19██年に██社から発売された玩具██████に一見酷似していますが、██████に詳しい人間にとっては「似てはいるが全くの別物」と判断されます。SCP-565-JPは後述するサイクル1:不活性期 サイクル2:活性期 サイクル3:終末期の繰り返しを通じ、人類にとって有益な発見、発明-これは過去、未来を問いません-を消去します。活性期に入ったSCP-565-JPとはコミュニケーションを取ることが出来ますが、有益な情報を得ることは困難なため実施は極力控えてください。 SCP-565-JPを破壊、または無力化するためのあらゆる試みは成功していません。SCP-565-JPは人類に対して極めて敵対的なことが確認されています。
SCP-565-JPは日本標準時の毎年7月1日から、翌年の4月1日18:00まではサイクル1:不活性期にあります。サイクル1の間にあるSCP-565-JPは一切の活動をすることなく、通常の人形と同様に取り扱うことができます。ただし、SCP-565-JP-AからSCP-565-JP-Dまでの4体は互いに3m以上距離が離れた場合瞬時に転移し、互いの距離を3m以内に保とうとします。
SCP-565-JPは日本標準時の毎年4月1日18:00に活性化し、サイクル2:活性期に移ります。サイクル2に移行したSCP-565-JPはSCP-565-JP-Aから最も距離の近い満7歳から満12歳までの少年(以降SCP-565-JP-1)の元に転移します。転移したSCP-565-JPは生物のように動き始めるとともに、SCP-565-JP-1と音声言語によるコミュニケーションを取ります。その結果SCP-565-JP-1はSCP-565-JPに対して数日で非常に強い友情意識と執着を持つようになり、SCP-565-JPとSCP-565-JP-1を引き離すような行動には暴力を含めた抵抗をします。SCP-565-JP-1に対しての記憶操作は、数日間の効果しか持たず、SCP-565-JP-1はSCP-565-JPの記憶を回復し、その後は一層の執着を示すようになります。
SCP-565-JPは日本標準時の毎年6月30日18:00にサイクル3:終末期に移ります。サイクル3に移行すると、全長2m程度の黒い霧状の物質(SCP-565-JP-2)が付近に発生します。SCP-565-JP-2は上部に黄色い光点が二つあり、眼の様な印象を与えます。SCP-565-JP-2が発生すると共に、SCP-565-JP-1は両手を広げた状態で、中空に固定されます。この際SCP-565-JP-1のバイタルサインは危険な領域まで低下し、極めて強い苦痛を訴えます。サイクル3に入ったSCP-565-JPは外部からの干渉を無視し、一部を除き全く同じ発言、行動を以下の通り行います。
サイクル3中のSCP-565-JPのパターン
(SCP-565-JP-2が発生。SCP-565-JP-1は中空に固定され悲鳴を上げる)
SCP-565-JP-A: 何![SCP-565-JP-1の個人名]くん!
SCP-565-JP-B: 大丈夫か!
(SCP-565-JP-2内から初老の男性の声で) 我が名は宇宙大帝ジゴック、この小僧の命は我がパワーとして吸収してやろう。マイクロファイターズよ、お前らにはもはや為す術はないのだ。
SCP-565-JP-C: [SCP-565-JP-1の個人名]は俺たちの大事な友達だ!そんな事、絶対に許せねえ!!
SCP-565-JP-D:(左腕にあるキーボード状の意匠を触れる) なんてことだ!皆さん、[内容は毎回変動]を犠牲にしてマイクロパワーを得ないと、奴を倒すことはできません!
SCP-565-JP-B: なんだって!そんな事をしたら人類は・・・リーダー、どうすりゃいいんだ!?
SCP-565-JP-A: (10秒ほどの沈黙)例え・・・例え何を犠牲にしても、目の前で苦しんでいる[SCP-565-JP-1の個人名]くんを見捨てることは、俺達にはできない!いくぞ、みんな!
SCP-565-JP-D:(左腕にあるキーボード上の意匠を触れる) 了解!現実エネルギー吸収、マイクロパワー充填します!
SCP-565-JP-C: それでこそ俺たちマイクロファイターズだ!待ってろ、[SCP-565-JP-1の個人名]!今助けてやるぜ!
SCP-565-JP-AからSCP-565-JP-Dは拳を突き上げ跳躍、SCP-565-JP-2の中に飛び込む。
以上のパターンを実行した後、SCP-565-JP-2は内部から発光して消滅し、SCP-565-JPは不活性化します。
この時点で、パターン中で「犠牲」とされた発見、発明が失われます。「犠牲」の対象が過去に為された発見、発明であった際は、それらの製法、手順、配合などが一切の再現性を失います。例えば化合物Aが「犠牲」とされた場合、あらゆる製法を用いてもその化合物Aを作り出すことは不可能になります。この場合、既に作られた化合物Aは消失することはありませんが、確認されている限り、犠牲とされた発見、発明の殆どは実用化前の段階であり、それらの活用は事実上困難です。「犠牲」の対象が未発見・未発明の際の効果は不明ですが、それが「発見、発明される可能性」が将来にわたって失われたものと推定されています。これまで確認された「犠牲」の内容については、下記の実験記録を参照してください。
SCP-565-JP-1はサイクル3の終了後2時間以内に死亡します。
現時点で、一旦発生したサイクル3に干渉する方法は発見されていません。サイクル3で「犠牲」とされたものが及ぼす影響の大きさを鑑み、O5職員の許可のない実験は禁止されます。
SCP-565-JPに携わる全職員はサイクル2の間にSCP-565-JPを不活性化させることを最優先に行動してください。
オブジェクトクラスについて: 20██/6/30/ SCP-565-JPによる「犠牲」が『KeterクラスオブジェクトSCP-███-JPの確立された収容保護手順』に及び、特別研究主任███博士はSCP-565-JPのKeterクラス認定を申請。即時受理されました。
追記:その後、SCP-565-JPの収容保護手順が確立(実験記録SCP-565-JP-ほ 参照)。収容保護手順が確立されたこと及び、SCP-565-JPの活性サイクルが年に1回限りであり、収容コストがコントロール可能な範囲であることから、Euclidクラスに変更となりました。倫理的観点からのオブジェクトクラスに対する異議申出は一切受付けません。
補遺: 日本国内で展開されたあらゆるアニメ、漫画、玩具その他フィクションを調査しましたが、マイクロファイターズならびに宇宙大帝ジゴックに関する記述は確認されませんでした。