SCP-5650


評価: +14+x
blank.png
5650_salmon.jpg

『Angles of Salmon』からの抜粋、適切なサケの種類について詳述している。

アイテム番号: SCP-5650

収容クラス: Keter-Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-5650に関する研究のため、毎月5kgのサケがサイト-155の戦術数学部門(DTM)に届けられます。実験と味見の後、全てのサケ実例は焼却処分してください。

SCP-5650の存在を隠匿するため、バナッハ=タルスキーの定理1に関する学術的な発展を監視および誘導してください。

説明: SCP-5650はバナッハ=タルスキーの定理を形而下的に体現したものであり、タイセイヨウサケ(Salmo salar)の切り分け手法と主に関係しています。1尾のサケを特定の手法で切り分け、その切り身を並び替えることで様々な大きさのサケに作り変えることが可能2です。

SCP-5650は「テレンズTerenzタウTau」の著作とされる『サケの角度Angles of Salmon』に詳述されています。奇抜な数学的概念によってサケ料理の美味しさを引き立てることにこの本は焦点を当てています。

SCP-5650に対する財団の主な関心は、微分方程式や導関数モデルを応用して切り分け手法が拡張された場合に副次的な異常効果が発生しうることにあります。それらを研究することにより、高い確率で物的生産と資源管理が改善されえます。

高度な計算アルゴリズムと精密な切断装置を用いて、導関数的切り分け手法が算出された上で実行に移されます。これらの切り分け手法でもたらされた特筆すべき効果を、必要な切り分け数とともに以下に示します。

日付: 2020/05/05

切り分け数: 625

効果: 元と同じ大きさのサケ5尾が生産される。

注記: 私の監督下で、数学的法則の予測可能性と厳密性に焦点を当て、数学的法則が操作可能であり、それを操作することにより財団の目標が達成されうることをDTMは証明したいと考えている。当面はサケを増大および歪曲させることにその重点が置かれる。- O5-5 イザガニ・モラレス


日付: 2025/05/06

切り分け数: 13165

効果: サケの切り身25個が生産される。大きさの平均はサンプル元の450%である一方で、腐敗速度は想定の65%である。味は淡白すぎるとのことだが食用としての問題はない。


日付: 2030/06/15

切り分け数: 1025

効果: 目に見えた効果を伴わないサケ15尾が生産された。Dクラス職員の味見により好ましい味であることが判明した。

しかし、その5分後にDクラス職員の大多数が嘔吐と下痢を伴う病症を呈した。直前の計量では1尾あたり5g程であったサルモネラ菌(Salmonella enterica)が、平均して135gまで増加していることが余ったサケの分析から判明した。

測量システムが再検査され、より大きな許容誤差3が示される。


DTM通達

直近の実験結果を踏まえ、概念的安全対策を講ずるよう改造済みの適応収容チャンバーでSCP-5650の研究が実施される手筈となる。財団の利益のため、概念に基づくアノマリーを解消または改変する可能性が高い導関数的切り分け手法の発見に、実験の焦点を当てていく予定である。

- O5-5 イザガニ・モラレス


日付: 2035/06/15

切り分け数: 15625

効果: 元と同じ大きさのサケ5尾が生産される。これらにはいくつかの位相幾何学4的異常があり、適応収容チャンバーの改造に応用可能と判断される公理を伴っている。

バナッハ=サーモンの定理も勘案したこれらの異常実体の分析から、多数の導関数的切り分け手法を作り出す方法が明示された。

一方、集合論の公理5を用いた数学的モデルは、そうあるべきと立証されているにもかかわらず、正しく機能していなかった。


日付: 2040/05/10

切り分け数: 5555

効果: 生産されたサケ625尾の配置と性質は、集合論に関連する問題が緩和されることを示唆した。また、基底数学6の綻びへの対抗策として利用できることも示唆される。追加の実験が許可された。


日付: 2045/06/25

切り分け数: 5005

効果: 生産されたサケ55尾の分析結果から、サーモン=サーモンの定理に対して、サケ由来の完全な反例が生成された。これを受け、反例を応用して基底数学を「上流」7に遡行させるために、類似モデルがDTMにより作成された。

一方、DTMの数学的厳密性への確信8に従い、新規の定理を用いて概念的綻びを打ち消すことを目的に実験は継続される。


日付: 2050/06/15

切り分け数: 5055

効果: 生産されたサケ55尾はサーモン=タルスキーの定理に対する最小の反例と見なすことができる。

収容チャンバー内で発生するサケの数量が安定しないことを計器は示した。実験時、サーモン=タルスキーの定理に従わず、これらのサケの味見では様々な意見が出された。

後ほど、基底数学と基底世界の現実性が「上流」に移行しつつあることがこれらのサケから示唆される。クラスA DTMプロトコルがまもなく始動される手筈となる。この結果を検証および操作するためのさらなる実験が必要となる。


日付: 2055/03/20

切り分け数: 5

効果: これ以降に導出された定理は上流へと激しく押し上げられ、結果として他の定理や数学的概念が破綻する。9

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。