Info
Rallistonの2021年キューピッドコンテストのエントリーです。
翻訳責任者: Tetsu1
翻訳年: 2025
著作権者: Ralliston
原題: Deus Sex Machina
作成年: 2021
初訳時参照リビジョン: 93
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-5659
セクションAからセクションBへ続く出口トンネル。
特別収容プロトコル: SCP-5659の位置は公衆から隠蔽されます。非サイト-120職員の立ち入りの試みは拒否されます。
セクションBに進入可能な人物は、外部刺激に感情的反応を示さないよう訓練された職員に限られます。進入時に感情的反応を示した場合、1その人物は直ちにエリアを退出しなければなりません。セクションB内の、セクションCを囲うように位置する部屋は、次のセクションへの入口の直近に位置するスクラントン現実錨で強化された4つの個別の奇跡術防護サークルによって常時印付けられます。壁に存在する防護反奇跡術エネルギーの植え付けられた肯定的な愛を描いた奇跡術シンボルは、週に2回損傷がないか確認しなければなりません。2
いかなる場合にも、セクションCに進入してはなりません。
セクションBとセクションAに反愛欲のイメージ及び反オントキネティックルーンを描写することで奇跡術サークルがSCP-5659の影響を制限する適切な状態を確固たるものとするため、それらは香水の液体、すり潰したバラの花弁、布、血液の混合物からなる特別なペーストによって毎週維持されます。それらの効果は、セクションAに直接配置されたヒューム値及びアキヴァ放射測定器によって出力を測定されます。
いずれかの時点でSCP-5659の収容に失敗した場合、監督司令部は直ちに通知され、実体はTiamatに再分類されます。
セクションCで発見された、SCP-5659を描いた古代壁画。
説明: SCP-5659はクラスVI奇跡術-オントキネティック人型実体であり、身長は約20メートルです。現在、ポーランドのチェンストホバ地下の下水道に位置するポケットディメンジョン内で休眠状態にあります。
正確な性質と姿は不明ですが、付近に負の感情が存在すると巨大化することが確認されています。3
実体が身長100メートルを超えるまで巨大化した場合、セクションBから基底現実に出現し、結果としてポーランド、シレジア県の大部分を破壊すると理論づけられています。その後の行動と上記の展開によってもたらされる脅威は現状未知数です。そのため違反後プロトコルは、SCP-5659の再収容に適切な大きさの奇跡術ルーンの確立と、実体の無力化を目的とした部隊の配備に焦点が当てられます。
SCP-5659を囲うエリアは3つ — セクションA、セクションB、セクションC — に分けられます。
セクションAはSCP-5659関連収容プロトコルの組織と実行を担当する中央本部です。全3セクションの全測定器の全出力の監視ハブとして機能します。このハブはセクションBに隣接しています。
セクションBはセクションCが位置する空間的分断であり、チェンストホバ下水道システム全体の約10%を占めています。非ユークリッドエリアであり、外部からの観察が示唆するよりも多くの空間を占めています。
セクションCは円形の部屋であり、SCP-5659を囲う直近のエリアです。進入が禁止されているため、正確な様相は不明です。
初期発見時にセクションC入口付近で発見された資料から、4SCP-5659は愛欲と否定的な愛情を司るスラヴの神ヤリーロ、あるいは少なくともその化身と推定されました。大部分のスラヴ神話資料には平和的な神として描かれているにも拘らず、SCP-5659は非常に攻撃的に思われます。この矛盾を説明する満足に足る理論は決定されていません。このため、財団が収容している他のスラヴ神話関連アノマリー — SCP-PL-231等 — との関連が調査中です。
セクションC付近で発見された資料は、実体が西暦800年頃に最初に基底現実に入り、地元のシャーマンや降霊術者によって封じ込められたことを示唆しています。効果的な封じ込め方法の欠如を示唆する証拠があるにも拘らず、その地域の人間がどのようにこれを達成していたのかは不明です。
補遺5659-1: セクションC付近で発見された資料転写
以下のファイルは、初期発見時にセクションC付近で発見されたSCP-5659を説明する資料の大まかな翻訳です。資料の損傷により、転写は不完全です。
(…)そして世界が為されたとき、彼らは皆自らの創造物を見渡し、創造したものを誇った。それを裏切りと見做した彼を除いては — 彼が愛を与えた彼の人々は、畏れ多くも彼より上を見ようとした。彼以上の何かを愛そうとしたのである。そしてそれを彼は最大の背信行為と見做した(…)
(…)そして彼は地球の最も深き穴に投げ込まれた愛欲の玉座から立ち上がると、遠い昔に追放されて以来世界が変わってしまったのを見た。彼はとても長い間憎んでいた人間たちを見ており、自分が創造の一手を担った世界への裏切りだと考え、これに耐えることができなかった。そして彼らは間もなく彼の憤怒を感じることだろう。(…)
(…)そして彼らは皆それを感じた。彼が遊び場とした世界に住む全ての者が。年齢も性別も関係なく、皆がそれを感じた。愛欲の主は遂に解き放たれたのだから。(…)
(…)燃え上がる憤怒は彼の目に入る全てに届き、間もなく人の住むあらゆる地が彼の憤激を感じることとなる。憎しみは彼の目に見える全てに届き、憤怒はこれまで誰一人目にしたことの無い情熱で燃え上がり、彼の耐えてきた何年もの追放もその憎しみを弱めることはなかった。皆が、地位も年齢も権力も関係なく彼の(…)
(…)智慧。彼らはこれが唯一のチャンスだと知っていたため、できる限り全てを霊媒者として導いた。彼らの間の調和と一致は、一つの存在、一人の人間、一柱の神として見做せるものを造った。何世紀にもわたり愛欲に挑んだ唯一の(…)
更なる関連資料は回収できていません。
補遺5659-2: SCP-5659変動レポート
SCP-5659の出現を防ぐため、より良い収容方法の開発を試みて当該実体に財団の設備を用いた多数の試験が実行されました。以下はその試みに関するレポートのリストです。
試験#: 02
手順: セクションB全体にスクラントン現実錨を23機追加する。
結果: 有意な結果は観察されなかった。
試験#: 14
手順: セクションCへの進入はテレキル合金で強化されたコンクリートで封鎖された。部屋の周囲は防音され、感情的反応が聞こえないようにする。
結果: 有意な結果は観察されなかった。
試験14が実施された後、セクションA内の全職員は以下のメッセージをテレパシーで受け取りました。
逃げるがいい、子羊どもよ。逃げられるうちに逃げておけ。
SCP-5659の作成したメッセージがセクションCとセクションBを突破したため、試験目的で基準より遥かに多くの財団のリソースが使用可能となりました。
試験#: 23
手順: セクションBへの進入とその上部エリアでのあらゆる活動は一週間禁止された。
結果: SCP-5659のサイズは5メートル増加した。
試験#: 31
手順: セクションBへの進入は無期限に禁止された。セクションAで活動している全職員は持ち回りで出された。
結果: SCP-5659のサイズは10メートル増加した。
試験#: 56
手順: セクションB内の全奇跡術シンボルはD・アシュワースの下で、より現代的な技術を用いて再作成された。セクションBは他の財団プロジェクトからローテーションされたスクラントン現実錨で満たされた。
結果: 有意な結果は観察されなかった。
試験#: 73
手順: チェンストホバに出入りする全ての交通は2日間規制された。セクションB上部セクションの隔離エリアは拡大された。
結果: SCP-5659のサイズは10メートル増加した。
試験#: 82
手順: 奇跡術部門の全職員がセクションBへの進入を許可された。2日間で、内部の奇跡術特性の量と質は3倍に増加した。
結果: SCP-5659のサイズは10メートル増加した。
試験#: 93
手順: セクションAの職員全員に、感情的反応を無効化するミームが適用された。
結果: SCP-5659のサイズは25メートル増加した。重大な収容失敗。
試験#: 100
手順: SCP-5659に関するあらゆる行動は停止された。セクションBは避難させられた。
結果: SCP-5659のサイズは20メートル増加した。収容違反が差し迫った。
補遺5659-3: 緊急SCP-5659財団全体通達
D・アシュワース博士からの公式通達
2019/02/13、23:54
皆へ — 私のプロジェクトの同僚からサイト-120のスタッフたちまで — 申し訳ない。申し訳ないが、これ以上は手の尽くしようがなかった。
SCP-5659は24時間以内に出現し、結果としてシレジア県、サイト-120、エスターバーグ全域が消し去られる。できる限り多くの人々の救助に努めるが、残念ながら財団職員が最優先だ。全員を救うことはできず、それは自明の理だが、できる限りのことはする。唯一の希望は、エスターバーグの人々が彼らの魔法を使って何とか回避してくれることだけだ。
監督司令部は地域内外に"道"の直接使用を認めた。が、奇跡術師の人数は限りがあるために無期限にそれを維持することはできない。中央ヨーロッパ地域司令部で収容できる難民のおおよその数は、その地域に住む人々の5%前後だ。
GOCと蛇の手は現在シレジア全体を囲うように防護サークルの作成を試みており、中にSCP-5659を取り囲んで後に我々が奴を排除できる可能性を生み出そうとしている。これがどれだけ上手くいくかはわからない。当然この目標を達成するために可能な限りのリソースは投じるが、成功を保証することはできない。
SCP-5659がポーランド郊外に侵入した場合に想定される損害は、監督司令部と並行してO4司令部で計算されているが、数字が出ておらずともこれは断言できる — 並大抵のものではないと。あまりに多くの人生経験を積んできた私には、現れた神が我々を傷つけないなどという希望的観測はできない。
24時間以内に、SCP-5659出現場所のセーフゾーン内に用意可能なあらゆる軍事職員及び実験兵器を駐留させる予定だ。もちろん、大勢の機動部隊と臨時兵器を集めたからといって勝利が約束されるなどというのは全くの馬鹿げた考えだ。それでも、それが我々にできる最善だ。そして後にも先にもそれが最善だ。投げ出すつもりはない。
愛欲の主の用意が整ったときは、我々も同じだ。神と戦うために基礎的な魔法と儀式を使って、数千年前に見た猿たちとは違うと奴に見せてやる。太陽が東から昇るとき、鉄の拳で我々は恐怖と嫉妬の神と戦う。我々は準備万端だ。我々が最後には勝つ。
覚悟を決めろ、友よ。人類の夜明けは近い。
SCP-5659の予想出現時刻が裏付けられた直後、財団が連絡可能な全ての要注意団体に緊急メッセージが送信されました。メッセージは、SCP-5659の活動の計画的急増への警告と、連合形成の提案から構成されていました。このメッセージを受け取った団体の内返答があったのは、GOC、蛇の手、MC&D、壊れた神の教会のみでした。
これらの団体からなる臨時連合は現在形成過程にあります。SCP-5659が想定通りに出現した場合、実体が収容されずにいる限りあらゆるリソースがこの連合の維持に投じられます。これを適切に達成するために必要となる可能性のある時間は依然として不明です。
補遺5659-4: イベント-5659レポートログ
財団による最善の努力にも拘らず、SCP-5659の出現予定時刻1時間前の02/14、10:12時点で、チェンストホバから救助された難民の数は2,000人でピークに達しました。これ以上民間人を救出することはできず、SCP-5659の出現が民衆に知らされた場合の大規模パニックに伴う物流上、実際上の制限により、残りの住民は日常生活を継続することとなりました。
セクションB上部に財団の関与が存在しなかったため、11:02に自発的な民間人の集会が記録されました。
以下の写真は、このイベントの発生時の利用可能な唯一の記録です。
このイベントの後、SCP-5659のサイズは0.002mmまで急激に減少しました。更なる調査が現在進行中です。
SCP-5659はNeutralizedに再分類されました。


