アイテム番号: SCP-580
オブジェクトクラス: (Keter)2009/1/5に行われた再評価でEuclidに再分類されました。
特別収容プロトコル: SCP-580の性質とそれが見つかる一般的な環境により、以下のプロトコルは接触時に必ず守られなければなりません。この文書はSCP-580-01と表される物品および、乗組員であるSCP-580-02両方を扱うことに注意してください。
- 財団のエージェントには最低でも1人、中国の標準語に堪能で、明らかな中国系の人員がいなければなりません(この報告書ではこの人員をコンタクトリーダーと呼称します)。緊急時には、この必要条件はより優先されます。SCP-580-02がどんな交流も受け付けない場合、財団チームとSCP-580-02との全ての交流はコンタクトリーダーの認可が必要になります。
- 交流は、非敵対的なレベルに抑えなければなりません。コンタクトチームは、決して攻撃的な態度を示してはいけません。コンタクトリーダーは、チームの現在の任務と課題を、意識的、無意識的な面両方(すなわちボディランゲージやストレスの徴候)でできるだけ正確に伝えなければなりません。
- チームは「帝国領域で作戦に干渉したこと」を謝罪せねばならず、すぐに撤退することを伝えなければなりません。疑われた場合は、コンタクトリーダーはSCP-580-02群の人員の誰か、望ましくは最も交流を行っている人員に対し、最も近い「中立地域」への行き方を質問してください。チームはすぐにその場を離れようとしている様子を見せなくてはなりません。出発してから24時間以内に再びSCP-580と接触するのは、前述した敵対的な行為と見なされるので推奨されません。
- 交戦が始まってしまう場合は、財団チームはすぐにその場を離れ、それの回避を試みることになっています。必要になる場合、大気圏への再突入が最後の手段として許可されます。
SCP-580との接触は厳しく記録され、分析のためにできるだけ早くカーメン博士に報告されることになっています。もしプロトコルに逸脱が発生した場合、どのような逸脱によってどのような結果が発生したかについての情報が最優先事項となります。
説明: SCP-580-01は、表面上は中国の始皇帝の統治の期間に作られたことになっている、絹と木材でできた飛行船です。飛行のための部品の側部には龍と鳳凰が明るい緑と銀色と金色で描かれており、デッキは未確認の硬材で構成されています。デッキに目に見える兵器は確認されませんが、側面に8つの大砲の門が確認されています。SCP-580-01は、現代の武器や環境汚染による破損は確認できませんが、このような飛行船を大気中に放置した時に起こる磨耗や傷みは確認できます。また、船の外側からは推進力が何なのかは確認できませんでした。考古学的な発掘現場である██████、██████と██████から発掘された記録からはこの問題に関する手がかりは発見できていません。
SCP-580は1ヶ月に1回の頻度で出現します。以前の遭遇(データファイル███████を参照)より、SCP-580-01の乗組員は月を「帝国領域」の境界線と考えており、地球へ向かう試みは行っていないと考えられます。これまでに行われた大まかな計算によると、月から太陽の間の区域でSCP-580に遭遇する可能性があります。逸話的な証拠により、SCP-580は始皇帝の命令によって太陽への旅を任されたと推測されます。それが軍隊の遠征なのか立候補者による旅なのかは現在まで不明なままです。
発掘現場からの記録からは、SCP-580-01に関する不完全な計画書が発見されています。それは明らかに火事または自然の原因によって、いくつかのページとメモが喪失しています。しかし、この計画書からは、SCP-580-01に航行や物資輸送とは無関係の区画があることが確認できます。メモからは何らかの呪術的な目的を持っていたということが読み取れますが、詳細は現在不明です。
SCP-580-01は、始皇帝の墓と伝わる場所で発見できるものと酷似した、およそ40人の素焼きの兵士1を乗組員として乗せています。それらは、様々な古代中国の武器を使用した武術、武器を使用しない武術を身に付けた機械仕掛けのゴーレムです。彼らは、短剣や槍、連弩といった、元々の時代において一般的な武器を装備しています。彼らは交流において発話を用いず、また挑発されない限り攻撃は行いません。加えて、彼らはSCP-580-01における操船術と簡単なメンテナンス技術を持ち合わせています。乗組員の中には、乗組員を率い、外部の存在への対応を決定する4人の幹部がいます。彼らの外見は全くの同一で、4人の内誰がリーダーなのかは判明していません。
補遺: 参考文献である████████、████████と█████████およびデータファイル███████は現在機密解除が検討されており、カーメン博士の承認待ちです。