SCP-5814
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SCP-5814-Aのラニアケア超銀河団内での分布図。


アイテム番号: 5814
レベル3
収容クラス:
esoteric
副次クラス:
ticonderoga
撹乱クラス:
dark
リスククラス:
warning

特別収容プロトコル: SCP-5814の収容は不可能であり、不要です。SCP-5814の現象は当分の間、炭素生物に重大な脅威を与えることは無いと思われるが、時間の尺度を数百万年もの桁で外挿することによって、アイテムによる炭素生物の大量絶滅が発生することが予想されます。

SCP-5814の異常影響の観測は以下の手順で実施されます。

説明: SCP-5814はラニアケア超銀河団2内の複数の星団に跨って影響範囲を持つ異常現象です。

SCP-5814の影響は、影響を受けた地帯の物理法則の変化には繋がらないものの原子や分子間の相互作用の強度を変化させることであらゆる化学反応の挙動に影響を与え、特に電荷を伴う様々な反応の活性化エネルギー3を急激に低下させて熱力学的には不安定だが動的には安定している体系を急速に熱平衡状態へと導くことが確認されています。非平衡性過程が生命維持に不可欠な役割を果たしていることを考えると、SCP-5814の長期的な進行はCC-クラス"化学的構造の崩壊"シナリオを引き起こし、その結果、炭素に依存する化学的構造が生命の誕生に適した状態を提供できなくなる可能性があります。

SCP-5814の潜在的な破壊的影響は直接観測されていないが、現在の研究によりSCP-5814が過去に幾つかのCC-クラスシナリオを引き起こし、現在の宇宙の生態系を齎した可能性があることが明かになっています。現在の観測によれば、SCP-5814は当面、炭素生態系に僅かな悪影響を及ぼすだけだが、その影響は時間の尺度が数百万年もの桁まで長引くと無視できなくなります。

影響範囲内におけるSCP-5814の影響は特定の媒質であるSCP-5814-Aによって具象化されます。SCP-5814-Aは物理的には理想気体のように振舞い、以前は未知であった一種のボソン4で構成されていると推測されています。SCP-5814-Aを構成する粒子は電気的に中性だが、ある程度の電気感受率を有し、電荷と相互作用すると誘導双極子の特徴を示して誘電体と同様に振舞います。SCP-5814-Aは既知の全ての個体、液体、気体を空間的に貫通することができるが、その影響は原子スケールのものと判断されています。素粒子スケールの相互作用に関しては、SCP-5814-Aは明らかな影響を引き起こしません。

SCP-5814-Aの主な異常特性は、SCP-5814-Aの電気感受率が時間の経過と共に増加することです。SCP-5814-Aは既知のあらゆる物質を貫通することができるため、その電気感受率の変化は近辺の物質の極性に影響を与え、巨視的に極性物質の誘電率を増加させます。電気感受率の変化率は████████の式に従うことが証明されています。SCP-5814-Aの電気感受率の現在値は理論計算に基づくと████です。

補遺I. SCP-5814の発見

1972年、財団の研究員であるアーノルド・フレキング博士がそれまでの光速の測定記録を調べていたところ、空気中の光速の測定値に変化があることを発見しました。非常に僅かではあるが、空気中の光速の測定値がここ100年に渡って低下していることが判明しました。この影響は水中では更に顕著で、ここ100年に渡って光速が██.██%低下しました。核反応速度などの他の物理定数の観測では、真空中の光速は変化していないことが示されています。観測結果、ハッブル=ルメートルの法則5、ビリアル定理6に基づいた解析によりラニアケア超銀河団の一部の地帯に未知の媒質が分布されていることが判明しました。その媒質自体がある程度の電気感受率を有し、水などの極性物質との相互作用で誘電率の上昇を引き起こします。

観測値を解析した結果、SCP-5814-Aの異常影響の下では異なる媒質で観測された光速と時間との関係が概ねc=c0×(bF+kFt)-1/2の式に従うことが判明し、後にフレキングの法則と呼ばれるようになりました。この結果に基づいて、SCP-5814-Aは物質の相対的な誘電率を時間と共に直線的に変化させると推測されます。フレキング博士はこのような現象がSCP-5814を一種のアノマリーとするのに十分であると考えています。彼はこの観測結果を、後にこの現象に基づいて、██/█/1980にアイテムを定義した財団の物理・数学研究機関(SCP-PMRI)に報告しました。

補遺II. PMRIが監督評議会に提出したSCP-5814に関する調査報告書の抜粋(██/██/2000)

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SCP-5814の影響により一部の反応の活性化エネルギーが大幅に低下し、該当する反応は比較的低い温度で進行することが可能になる。

…… 我々は計算法を用いて、SCP-5814の累積的な影響がラニアケア超銀河団内に存在する影響を受けた地帯の化学反応の規則的なパターン、特に重元素を含むおよび/または静電相互作用によって引き起こされる反応を著しく変えたことを証明した。

SCP-5814の主な影響は溶媒の誘電率を大きくするもので、これは殆どの生化学反応を破壊するものであると言える。このアイテムの影響を示す好例は生化学分子の全ケイ素類似体の水中での安定性だ。二酸化ケイ素は熱力学的に何時でもこれらの繊細な分子の水溶液よりも安定しているにも関わらず、80億年前の時点では、これらの分子と水による二酸化ケイ素の形成には著しく高い活性化エネルギーが必要だった。その結果、室温下でも水環境で安定的に存在することができるのだ。

理論計算の結果、80億年前の珪素の化学的構造は現在の炭素の化学的構造と同様に多様で安定している可能性があることが判明した。実際、安定した珪素の生命形成分子を一通り設計することも可能だ。我々はアミノ酸、糖類、ヌクレオチドなどの珪素同族体を得ることができる。これらは一体になって現在の炭素生物に類似している珪素生物を形成することが可能だ。

我々が知っているように、宇宙で最も豊富に存在する物質の1つである水は生命の溶媒として機能するのに最も適していると言える。更に時代を遡れば、様々な化学系を有する生命体が更に発見されるかもしれない。リン、硫黄、更に金属。これらの体系の水への耐性はいずれも大幅に向上し、生命進化の可能性を大幅に高めることになる。

このような発見に基づき、我々はSCP-5814の潜在的な危険性について、既に結論に達していると考えている。80億年の間に、SCP-5814の影響によって水の誘電率は既に大幅に上昇している。SCP-5814自体が特定の化合物の水への耐性を低下させ、潜在的な生命形成分子の急速な加水分解による破壊7を引き起こし、最終的に熱力学的平衡の死滅状態に至る。

つまり、数十億年前に珪素生物が経験したような週末が我々にも必ずやって来るのだ。我々は地球の大気中の窒素、二酸化炭素、水となってこの惑星の"自然環境"の一部となり、次の種類の生命体にバトンを渡すことになる。

体の機械・デジタル化は人類の種としての存続を短期間支えることができるかもしれないが、これらの方法はまだ物質に依存しており、時間が経つにつれてSCP-5814の影響が強まることから水によって破壊されることが予想されるため、今のところSCP-5814に対してまだ脆弱であり解決策とは言えないと考えている。

SCP-5814が存在しなくても最終的には全ての生命が終わりを迎えることは認めるが、SCP-5814がその過程を加速させることは間違いない。我々はSCP-5814の特殊な性質のため、熱力学の第二法則に対抗できないように、SCP-5814の影響から身を守る手段は無いという悲観的な見方をしている。

補遺III. グリーンランド地方の財団考古学的メモ

1986年、グリーンランド地方で採石している間、凍土帯の層の下で異常構造を有する巨大な表成岩柱群が発見されました。このような岩柱は38億年以上前に存在した地球上の最も古い景色の1つであると考えられますが、内部には自然現象では説明のつかない掘削痕が存在しています。

サイト-██は█/█/1986に土地の所有権を取得し、直ぐに周辺地域を封鎖しました。発掘作業は█/█/1990に完了しました。

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発掘完了後のグリーンランド地方の岩柱の一部。

1991~2013年にかけて、機動部隊█-██はこの地域で複数回の探査を行い、SCP-5814が以前地球に及ぼした影響についてより多くの手がかりを得ました。探査活動の内容の一部は以下の関連報告書の抜粋に纏められています。

…… これらの古代の岩柱の構造は非常に珍しい。表面の凍土帯によって非常によく保存されていたため、数十億年後でも構造の詳細を調べることができた。

これらの柱の中には複雑に交差した洞窟が幾つか発見されていて、幾つかの洞窟の形成は既知の自然現象では説明できない。これらの特殊な洞窟構造は先史時代の文明が築いた古代都市のように、過去に特定の機能を有していたようだ。

第4回目の作業では未確認の琥珀色の液体2.4mLと情報が保存された規則的なエッチングパターンを有する立方体のダイヤモンドのサンプル片を持ち帰った。液体の組成はポリシロキサン化合物に少量の珪素・酸素の塊が溶解したものであることが後に判明して、これは珪素・炭素化合物を化学的基礎とする既存の生物の遺骸である可能性が高いと考えられる。

柱は38億年前に形成されたと推測されていることを考えると、炭素生物が作った構造物である可能性は低いと思われる。それどころか、この時点は炭素生物が誕生した最も古い時期よりも更に前だ。つまり、これは現在知られている殆ど全ての炭素生物とは異なる珪素・酸素化合物生物の存在を示す直接的な証拠を発見したことを意味して、この地域は珪素・炭素化合物生物のコロニー跡ではないかと考えられる。

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作業中に発見された珪素・炭素生物の試料。

第6回目の探査では近くの堆積岩層から珪素・炭素化合物生物の存在を示す直接的な証拠が発見されました。以前は未知であった生物の化石のような断片と、珪素と炭素を主成分とする触媒活性分子クラスタを内包した珪素塩粒子の存在が見つかりました。

そしてこれらの粒子はケイ酸塩鉱物に生息する珪素生物の胞子状の珠芽であることが確認されました。これらの生物を培養するには、水の代わりにジメチルスルホキシド(DMSO)と呼ばれる溶媒を使用する必要があります。DMSOの誘電率は48で水の誘電率(凡そ80)よりも大幅に低いため、この生物がDMSOを必要としているのはSCP-5814が水の誘電率を上昇させた影響によるものと考えられます。

補遺IV. 粘土説8に関する最新の進展のPMRIの報告書抜粋(█/█/2019)

地球上の炭素生物の起源に粘土鉱物が重要な役割を果たしていたと推測される。粘土鉱物は機械力や宇宙線などのエネルギーを蓄えることができ、そのエネルギーで始原的な有機分子の形成を促したのではないかと指摘する見解も既に存在する。9その上、最近ではこの仮説に注目した論文が複数発表されている。粘土鉱物内部の多孔質構造がアミノ酸などの生命を生み出す炭素を含む小分子を吸収して粘土ハイドロゲル内で反応させ、重要な生体高分子を生み出しているのではないかという説の可能性を多くの証拠が裏付けている。10

また最近の内部調査では遷移金属元素を含む粘土鉱物の気孔の中で炭素生物が形成された可能性が非常に高いことが分かってきた。珪素が豊富な環境でこのような気孔が形成されるのは難しいことではない。錬金術師のフラスコがホムンクルス11を育てるように、炭素生物を育てるのだ。

しかし、視点を変えると別の可能性も見えてくる。菌類が枯れ木の栄養で生きているように、炭素生物は珪素生物の死体で成り立っているのだろうか?

最近SCP-5814を研究しているチームが幾つかの注目すべき発見を報告した。1991年以降に採取されたグリーンランド地方の試料鉱石を分析したところ炭素、窒素、水素、リン、そして非常に複雑な構造を有する珪素・酸素の塊を多く含んでいるポリシロキサン液が発見された。

現在の実験結果によれば、このような化合物は熱水鉱化作用の条件では不安定であるはずなので、これまで自然界でこのような化合物が発見されたことはない。しかしSCP-5814の影響を考慮に入れれば、自ずと結論が出てくるだろう: このような分子は珪素・炭素骨格を有する生物の死骸のものだったのだ。

この地域のケイ酸塩は約37億年前から存在している。ケイ酸塩の形成は一般的に珪素・炭素の塊に基づく複雑な体系の崩壊を意味する。つまり、もし珪素生物が地球上に存在していたのだとしたら、その支配は約37億年前に終わっているのだ。偶然にも、これは現在生物学が炭素生物の誕生した時と仮定している時期である。

フレキングの法則を考慮すると、地球が誕生したばかりの頃、炭素を含む化合物は生命と呼べるものを進化させることができないほど不活性だったことが分かった。しかし約37億年前の時点でSCP-5814は炭素の化学的構造を、生命を進化させることができるギリギリのところまで到達させたのだ。ただ条件が揃っても、そのような結果を得るためには何らかの触媒の助けが必要で、前述の粘土はその役割を担うことができた。

補遺V. 探査で発見されたダイヤモンド結晶内の情報の解明作業

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ダイヤモンド試料の内部パターンを顕微鏡で観察したもの。写真に見られる色はエッチングパターン間の光の干渉によるもの。

前述のグリーンランド地方での第4回目の探査では、精巧に磨かれた黒いモアナサイト12球体が発見されました。そして重心を利用してモアナサイト球体の片方は空洞で、もう片方は中空でないことが確認されました。球体の空洞部分を破壊すると、1.2×1.5×0.8cmの立方体の無色のダイヤモンド試料の一部が取り出され、その中にはエッチングされた痕跡がありました。このようにパターンをエッチングした方法は現在のところ不明です。

█/██/2020、ダイヤモンド結晶に保存された情報の解読作業が概ね完了しました。保存されていた内容は数学的に5重に暗号化された電波信号で、周波数は██-██GHzであることが証明されました。環境騒音を除くと、分析的言語と思われる複雑な周期信号が確認できます; 一部の語彙の意味だけが特定されました。波の記録は17分24秒続きました。

(白色雑音)


[先史時代]-[生命]-[ラニアケア超銀河団?]

[5]-[13]-[14]-[15]-[16]-[23、8]-[26、27、28、44、76]-[42、74、8]13-[████]-[生命]-[文明?文化?技術?]

[生きる?生存する?]-[競争]-[惑星?銀河?]-[水]-[依存]

(白色雑音)

[(話題間との関係を表しているものと思われる)]-[戦争?対立?怒り?]-[絶滅?崩壊?]-[14]-[(能動態で表現している)]-[SCP-5814-A?]-[武器]-[解放?形成?]

[水]-[命取り]-[加水分解?]-[酸化]-[生命]-[破壊?殺害?停止?]

[解放?形成?]-[制御]-[(否定を表現している)]

[絶滅?崩壊?]-[(命令を表現している)]-[████]-[13]-[5]-[26、27、28、44、76]-[23、8]-[16]-[15]-[42、74、8]

[無目的空間移動?]-[(負の感情を表現している)]-[14]14-[通じて]-[ラニアケア超銀河団?]-[数々]-[惑星?銀河?]-[(負の感情を表現している)]-[SCP-5814-A?]-[ある事件の発生を防ぐ?]

(白色雑音)

[惑星?銀河?]-[他]-[14]-[機械化?]-[体]-[酸化]-[(因果関係を表現している)]-[絶滅?崩壊?]

[惑星?銀河?]-[他]-[14]-[加水分解?]-[(因果関係を表現している)]-[絶滅?崩壊?]

[死体?遺体?]-[14]-[加水分解?]-[(因果関係を表現している)]-[体]-[形成]-[生命]-[14、8]15-[(一人称複数形?)]

[進化]-[生命]-[14、8]-[文明?文化?技術?]-[(時間の尺度を表現している)]

[地球の座標]-[(ある瞬間を表現している?)]-[14]-[到着?達する?]-[SCP-5814-A?]-[到着?達する?]

[(ある瞬間を表現している?)]-[絶滅?崩壊?]-[14]-[必然的]

[加水分解?]-[死体?遺体?]-[14]-[マントル?]-[形成]

(白色雑音)

[(ある瞬間を表現している?)]-[絶滅?崩壊?]-[14、8]-[開始]

[無目的空間移動?]-[(負の感情を表現している)]-[14、8]-[通じて]-[ラニアケア超銀河団?]-[数々]-[惑星?銀河?]-[(負の感情を表現している)]-[SCP-5814-A?]-[ある事件の発生を防ぐ?]

[地球の座標]-[(ある瞬間を表現している?)]-[14、8]-[到着?達する?]

[(ある瞬間を表現している?)]-[(識別不能、名詞と推測される?)]-[加水分解?]-[死亡]-[個人]-[全部]-[必然的]

[(未来形で表現している?)]-[絶滅?崩壊?]-[14、8]-[必然的]-[死体?遺体?]-[14]-[地殻?]-[形成]

[(負の感情を表現している)]-[情報]-[記録]

(白色雑音)

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