アイテム番号: SCP-583-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-583-JPは低危険度ロッカーに収容され、定点カメラでの24時間監視を行っています。SCP-583-JPの実験には担当者の許可を取ってください。
SCP-583-JP-Aは標準的人型収容セルに収容し、症状に見合った食事もしくは点滴を行ってください。さらに2週間に1度、インタビューを兼ねたメンタルケアを行います。
追記事項:20██/12/3に発生した事案を鑑み、SCP-583-JP-Aは常に目隠しを付けた状態で収容を行ってください。加えてインタビューは別室から通信機越しに行なわれます。
説明: SCP-583-JPは███社製のアイマスクです。形状や材質は市販されている商品と同様のものが使用されていますが、従来の商品よりも遮光性が非常に高く至近距離からの強力な光源も遮断します。SCP-583-JPを着用した人間は総じて「安心する」という発言をしています。
SCP-583-JPの異常性は人間が着用し、就寝した状態でレム睡眠に移行した際に発生します。レム睡眠に見られる急速な眼球の動きが観測され、同時に眼球の液化が発生します。眼球の液化には10~20分の時間を有します。この間、着用者は外的刺激に反応せず、痛みを感じません。液化した眼球は黒い流動体(SCP-583-JP-1と指定)に変化します。SCP-583-JP-1は眼孔内から溢れることはなく、外的にも取り出すことも出来ません。着用者が死亡したと同時に消失するため、サンプルの回収には失敗しています。
眼球が液状へ変化した着用者は光を感じることが出来なくなり、視界が真っ黒で何も見えない、と述べています(変化した着用者をSCP-583-JP-Aと指定)。SCP-583-JP-Aは“暗闇をみつめていると過去の記憶を思い出せる”と証言しています。彼らの語る過去の記憶は、視覚情報だけではなく聴覚、嗅覚、味覚、触覚などを鮮明に感じ取れるようです。多くのSCP-583-JP-Aは過去の記憶に固執するようになり、現在の欲求や願望を記憶を思い出すことで満たそうとします。この症状には個人差があり、Dクラスの中には苦痛に感じ、過去の記憶について積極的に思い出さずに通常の生活をするSCP-583-JP-Aもいます。
20██/12/3の事案にて、感染性も確認されました。実験中、SCP-583-JP-1を直視したDクラスがSCP-583-JP-Aに変化した事例もあります。SCP-583-JP-1を直視するということ以外、詳細な感染原因は明らかにされておらず、同じ期間、同じ条件下で同じ実験を行っても変化しなかった例もあります。
SCP-583-JPは20██/3/12にて██県██病院に搬入された盲目患者の男性の自宅から発見されました。患者はSCP-583-JPを「店頭に並んでいたものを購入した」と証言しており、同商品の調査を行いましたが同じ特異性を持ったアイマスクは発見されませんでした。関係者には記憶処理を施し、患者をSCP-583-JP-A-1と指定した後、保護を行いました。