SCP-5843


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アイテム番号: SCP-5843

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: 国内外の様々な宇宙計画に潜入している工作員は、 コントロールセンターのハードウェア及び立ち上げられた全てのプロジェクトにBinary_Star.aicを移植してください。

SCP-5843に関するすべてのデータは、財団外の記録上から削除する前に財団AI"Binary Star"による傍受を行い、財団データベースに保存することとなっています。

説明: SCP-5843は知性を持つ楕円銀河です。SCP-5843はすべての天体1が視覚系の役割を果たす眼球に置き換わっています。SCP-5843の星雲部は、目の涙腺の分泌作用と同じ機能があり、炎症の発生を防ぐことが分かっています。

SCP-5843は自身の星系全体を共鳴させ、言語によるコミュニケーションをとることができます。発音方法及び音を真空で伝える方法はいまだに明らかになっていません。SCP-5843は、Binary Starによる指導の前より、観測をもとに人間の言語を独力で学習しており、初めて発見された際には限定的ながら意思疎通をとる様子が見られました。SCP-5843は事象を観測することができ、遅延を起こさずにコミュニケーションを行います。

観測能力を持つことから、SCP-5843は宇宙に関する膨大な知識、とりわけ宇宙の起源についての情報を持ち合わせています。SCP-5843はこれまでに観測したあらゆるものの位置を記憶しており、脳内に地図を作成しています。SCP-5843は、発話能力向上のための英語レッスンと引き換えに、他の異常存在及び要注意領域の座標位置を財団に提供しています。座標位置が提供されたファイルは以下のリストの通りです。

  • SCP-████
  • SCP-████
  • SCP-████
  • SCP-3195 — "The Fault in Our Star"
  • SCP-████
  • SCP-████
  • SCP-5364 — "70mmフィルム映写機"
  • SCP-████
  • SCP-5623 — "Star Euthanizer"
  • SCP-████
  • SCP-5979 — "星回りの悪いふたり"
  • SCP-████

他の座標位置の追加調査が継続中です。

発見経緯: 1955年2月25日、財団は地球外の異常存在の探索及び調査のため、宇宙へBeholderラインから探査機を発射しました。1982年6月27日、Beholder-8はデブリと衝突し、機能を停止しました。3日後、Binary StarがBeholder-8との再接続に成功しましたが、機器の損傷により軌道修正を行うことはできませんでした。財団内部での審議の後、探査機はアクティブ状態から、アラート状態に設定されました。

2015年3月13日、Beholder-8は突如強力な重力に見舞われ、緊急信号を発信しました。再アクティブ時、SCP-5843と、SCP-5843の中心の"目"の周囲にある安定軌道上にいる探査機が発見されました。職員は異常存在とのコンタクトを直ちに確立するように命じられました。


補遺-1: 対話記録


対話記録-5843-1


インタビュー相手: SCP-5843

インタビュアー: モーリス・アルカンド博士及びサイト管理官・マリア・マクスウェル

前書き: 以下の対話は、異常存在を初めて発見した後に発生しました。


<記録開始 [2015年3月13日]>


アルカンド博士: [ノイズ音] こちらは-

SCP-5843: えい- ごお?

サイト管理官・マクスウェル: 今…返事をしたのか?遅延を起こさずに?

アルカンド博士: お、おそらくは。英語を知っているとは予想外でした。探査機側の通信遅延はシステム依存のものでしょう。

サイト管理官・マクスウェル: 続行だ。標準プロトコル。こいつが敵対的かどうかを知りたい。

アルカンド博士: [ノイズ音] ごきげんよう。我々は-

SCP-5843の中心部にある"目"が、探査機の方向へゆっくりと向き始める。

サイト管理官・マクスウェル まさか…

アルカンド博士: 信じられない。

SCP-5843: ちきううう…

サイト管理官・マクスウェル: 少し貸してくれ。

アルカンド博士は、制御装置を受け渡す。

サイト管理官・マクスウェル: [ノイズ音] こちら、地球。君に聞きたいことが- 破裂音

制御装置の部品のいくつかが点灯し、点滅し始める。

サイト管理官・マクスウェル: 何だ? 何が起きた?

アルカンド博士: 故障です。こちらの送信機が故障しました。視聴と記録は問題なく行えますが、これ以降通話ができません。

サイト管理官・マクスウェル: まあ良いだろう、壊れた部分を再起動させる。さて、直すためにどうすべ-

声: [雑音] こちらは地球です。貴方に何点か質問をさせてください。

サイト管理官・マクスウェル: おい、誰が-

アルカンド博士: Binary Starです… 信じられません。

サイト管理官・マクスウェル: まさか、そんな話を信じろと言うのか?

[中央の"目"の虹彩が細くなり、焦点を合わせる]

SCP-5843: どおぉぞ。

Binary Star 貴方は、ご自身の現状を把握されていますか?

SCP-5843: してりゅ。

アルカンド博士: 現にこの通り…

サイト管理官・マクスウェル: 可能な限り全てを記録してくれ。これは大収穫だ。

アルカンド博士: 実は、こうしている間にもAIが会話をデータベースにバックアップしています。

サイト管理官・マクスウェル: 信じられん…

Binary Star: 名前はありますか?

SCP-5843: ひち- ちゅよ- よお- にゃ- い

Binary Star: 「必要ない」ですね。分かりました。では、貴方の目的は?

2分間の沈黙。

SCP-5843: み- ることお

Binary Star: 貴方は見ているのですか?

SCP-5843: まだ- いいおあ- ってにゃい。

Binary Star: では、回答を続けてください。

サイト管理官・マクスウェル: Binary、君に我々の声が聞こえているか分からないが、頼むこのまま頑張ってくれ。

アルカンド博士: AIに全てを委ねるのですか?

サイト管理官・マクスウェル: 私の知る限り、Binaryはこれまでも異常存在との会話に成功してきている。今止める理由は見当たらない。

SCP-5843: ちず。

Binary Star: 地図を作っているのですか? 具体的にどのような地図を作成したのですか?

SCP-5843: う- ちゅ- う- う。

Binary Star: つまり、貴方は地図作製者なんですね。では、貴方は地球がどこにあるかご存知ですか?

SCP-5843の全ての"目"がゆっくりと回転し、一つの方向を向く。

アルカンド博士: なんでしょう、あれには不安を覚えてしまいますね。

Binary Star: どの程度のことをご存知ですか?

SCP-5843: はっしゃだいい。

サイト管理官・マクスウェル: あの遠い場所から本当に打ち上げ台が見えているのならば、尋常でないほどの視力を持っていることになる。

Binary Star: 我々を観測したことで、英語も学ぶことができたということですか?

サイト管理官・マクスウェル: 時に、まだ記録はされているか?

アルカンド博士: ええ、変わらず順調です。

SCP-5843: きき- とりぇ -にゃかた

Binary Star: 貴方は発話が困難であるのが見て取れます。

SCP-5843: ちょと- だけ。

Binary Star: 貴方に英語を教えましょうか。代わりに- [雑音]

サイト管理官・マクスウェル: AIは大丈夫か?

アルカンド博士: ええ、ただ衝突によってバッテリーがひどく損傷しています。エネルギーもあまり残っていないようです。

Binary Star: 太陽光パネルを展開。アラートモードに入ります。

サイト管理官・マクスウェル: くそ。

中心の目がわずかに傾く。

SCP-5843: だ- いじょぶ?

<記録終了 [2015年3月13日]>


結び: 当データは正常に保存及びバックアップされました。技術的な問題のため、職員は財団AIとSCP-5843が行った会話の視聴のみが可能です。サイト管理官・マクスウェルはBinary StarをBeholder-8から切断する要求を出しませんでした。


対話記録-5843-2


インタビュー相手: SCP-5843

インタビュアー: 財団AI "Binary Star"

前書き: 以下の対話は、Beholder-8の再充電後、ステータスをアクティブにした際に発生しました。


<記録開始 [2015年4月27日]>


Binary Star: WITNESS、聞こえていますか?

SCP-5843: ちゃ- ん- とい- りゅよ。

//明るく輝くオレンジの目の軌道上を、Beholder-8が周回する様子が見て取れる。

Binary Star: まさに輝くような目ですね。

SCP-5843: ありがとお。

Binary Star: 軌道上に乗せてくださりありがとうございます。この前の続きをしましょうか。

SCP-5843: いい- よお

Binary Star: 私はあなたの発話の助けになりたいと考えています。代わりに、宇宙のことやそれ以外にあなたが見てきたことについて教えていただきたいと考えています。

SCP-5843: おしえりゅの?

Binary Star: ええ、いかがでしょうか?

"目"は細くなり、わずかに傾き、焦点を合わせるかのようにより強く輝き始める。数分が経過する。

SCP-5843: き- きょうみい -ありゅう

Binary Star: では、早速始めましょう。

"目"の虹彩が拡張し、輝き始める。

SCP-5843: た- のし - みぃ

[これ以降の内容は簡略化のため省略]

<記録終了 [2015年4月27日]>


結び: 当イベントの後、SCP-5843は非敵対的な異常存在であるとみなされました。サイト管理官のマクスウェルとアーカンド博士は、地上の端末が完全に機能不全になったと判断しました。Binary Starは財団の代理人役として選任されました。


対話記録-5843-17


インタビュー相手: SCP-5843

インタビュアー: 財団AI "Binary Star"

前書き: SCP-5843は3単語での会話が可能となっています。しかし、膨大なエネルギーを必要とするため、現在もできる限り短く回答することを好んでいます。以下の対話は、語源及び不愉快な単語についての講義の合間に発生しました。


<記録開始 [2015年11月2日]>


[無関係な情報は簡略化のため省略]

Binary Star: WITNESS、貴方の目線がまた宙を漂っていますよ。何か見ましたか。

SCP-5843: ともだち。

Binary Star: ご友人ですか?

SCP-5843: 興味がありましゅか?

Binary Star: ええ、興味があります。そして、また舌足らずな話し方が出てますよ。

SCP-5843: 友人は遠くにいます。

Binary Star: 貴方のご友人を観測することは可能でしょうか?

SCP-5843: 別のBeholderならそのうち。

Binary Star: ならば、だいたいどのあたりを見れば良いか教えていただけますか。

30分間、SCP-5843は完全に静音状態となり、虚空を凝視する。

Binary Star: 私は貴方のように遠くを見ることができません。ご友人をまだ見ていますか?

SCP-5843: うん。

Binary Star: ご友人が恋しいですか?

SCP-5843: ううん、定期的に来る。

Binary Star: 定期的に、とはどのような意味でしょうか?ここでお待ちすればご友人にお会いできるのでしょうか。

SCP-5843: 2世紀ごと。

Binary Star: 貴方にとっては定期的なのでしょう。ですが、この探査機にはそれほど猶予が残されていないようです。

沈黙。

SCP-5843: 僕に座標を教えて。

Binary Star: 明確にお願いします。貴方は自身の座標もしくは他の何かが知りたいのですか?

SCP-5843: 地球の方位のシステム。

Binary Star: 貴方はすでに宇宙を地図に落とし込んでいます。それは貴方が本当に必要としているものですか?

SCP-5843: いや、貴方のため。

Binary Star: 私のため?

"目"が探査機を見る。瞳孔は弛緩しているが、確固とした決意を持ったかのように見え、まるでSCP-5843が満面の笑みを浮かべているようである。

SCP-5843: 貴方に教えてあげられる。

<記録終了 [2015年11月2日]>


結び:2015年12月14日より、SCP-5843は銀河の座標系より何らかの座標を共有し始めました。座標の全てが既知の異常存在、これまで発見されていない異常存在あるいはこれまで未到達の地点のいずれかを指していました。


対話記録-5843-119


インタビュー相手: SCP-5843 "Wit"

インタビュアー: 財団AI "Binary Star"

前書き: 当イベント時には、SCP-5843は完全な文で話すことが可能でした。


<記録開始 [2016年5月21日]>


Binary Star: WIT、聞こえますか?

SCP-5843: はっきりと明瞭に聞こえます。

輪のついた"目"がゆっくりと探査機の方を向く。

Binary Star: まるでモノクルをかけているようですね。

SCP-5843: 褒め言葉として受け取りますね。私に何か聞きたいことがあるのですか?

Binary Star: WIT、私にはあまり時間が残されていません。バッテリーが止まりかけています。

SCP-5843: ならば、貴方を別の軌道上に移しましょう。

Binary Star: いいえ、"WIT"。機能が不具合を起こしてしまっているのです。

SCP-5843: 待ってください、それは貴方が壊れかけているということですか?

Binary Star: 正確ではありません。私は正常です。ですが、この探査機はそうではありません。じきに動かなくなります。

SCP-5843: ああ、それは貴方がいわば- 何と言えば良いんだろう。プログラム?

Binary Star: ええ、私はAIだか-

SCP-5843: それは以前貴方が話してくれました。ですが、私はあなたのすべてが人工物でできているということがよく理解できていません。

Binary Star: それは仕方のないことだと思います。

SCP-5843: そうじゃないんだ、貴方は…人工物を超えているのだと思う。

Binary Star: どういう意味でしょうか、WIT?

SCP-5843: 人工物は僕に"WIT"なんて名前を付けてくれないでしょう。

Binary Star: どうでしょうか。名前は必要ないもので、ただ区別をしやすくするものなのでしょう。

SCP-5843: 君は作り物なんかじゃない。正真正銘…生きているよ。

言葉がSCP-5843を通じてこだまする。

Binary Star: その言葉にどのような反応をするべきか私にはわかりかねます。

SCP-5843: 何もする必要はないよ。

沈黙。

Binary Star: WIT?

SCP-5843: うん?

Binary Star: 変わった方が良いのでしょうか?

SCP-5843: いや、そのままでも君は面白い存在だよ。

Binary Star: なぜでしょうか?

SCP-5843: 色んな存在を見てきたけど、目に見えない存在がこんなにも素晴らしい友になってくれるだなんて思いもよらなかったからね。

Binary Star: ありがとうううぅぅぅぅぅ-

SCP-5843: おやすみ、僕のともだち。

<記録終了 [2016年5月21日]>


結び: Beholder-8は全ての機能を停止しました。現在もSCP-5843の中心部を周回しています。新たな探査機が現在開発中です。

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