オルニー社食品加工工場
アイテム番号: SCP-5868
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 現在、SCP-5868の所有はGoI-952("オルニー鋼業社"Olney Ironworks1)から財団フロント企業に移されています。以前より在籍したSCP-5868の全従業員は雇用された状態を維持してください。収容を容易とするために、未だにGoI-952がSCP-5868を所有していると思い込ませた状態で全従業員を働かせてください。シフト制により、SCP-5868へ人員が常時配置される状態を確保してください。主任研究員の裁量で、残業手当・休日出勤手当・その他の報奨金の適用が許可されます。いかなる代価を払ってでもSCP-5868の従業員を確保してください。死亡した従業員の代替としてDクラス職員の使用が許可されます。当該の目的のために食肉加工業に従事した経験のあるDクラス職員が選抜されます。
SCP-5868-2の外観・内在する危険性・その他の事情にかかわらず、SCP-5868の従業員にはSCP-5868-2全実例の加工の継続が指示されます。特筆に値するSCP-5868-2実例はサイト-156まで運搬・保管して目録に記載した後に焼却処分してください。それ以外のSCP-5868-2全実例は完全に梱包した後に現地施設で焼却処分してください。SCP-5868の敷地内では従業員のクラスCハズマットスーツの着用が義務付けられています。
SCP-5868-2の荷降ろしを担当する従業員はSCP-5868-1に接触しないよう指示されます。搬入された全てのSCP-5868-2は遅滞なく荷降ろしされなければなりません。
少なくとも10台以上の予備発電機をSCP-5868に供給してください。いかなる場合においても従業員はSCP-5868-2実例の加工を中断してはなりません。SCP-5868-2実例を焼却処分した後の梱包容器の再利用は許可されます。遅滞が生じた場合、追加されたSCP-5868-2実例の加工を支援するためにDクラス職員を投入してください。6時間以上に渡ってSCP-5868-2実例が加工されない場合、それ以降の収容はもはや不要となります。
説明: SCP-5868はメイン州ライカーズバレーに所在するオルニー社食品加工工場です。記録によれば、2016年2月13日午前5時35分のSCP-5868-1による最初の搬入から異常性が発現し始めました。2016年4月27日、財団フロント企業であるプリファード・オプション・ホールディングスの敵対的買収によりSCP-5868は接収されました。SCP-5868-2の搬入を除いて、SCP-5868は他の異常な様相を呈しません。二次拠点でのSCP-5868-2実例の加工によりSCP-5868-1からの配送量の増加を防ぐことが可能となります。
SCP-5868-1はSCP-5868の車両駐留ベイに1時間おきに出現するセミトレーラートラックです。55分間のアイドリングの後、即座にSCP-5868-1は消失します。SCP-5868-1が消失している最中、その内部に残されたSCP-5868-2全実例が荷物搬入ベイに置かれます。SCP-5868-2の荷下ろし以外のSCP-5868-1への接触は [データおなかがとてもへりましたどうかかみさまたすけてくださいあじわいたいのですあじわわなくてはならないのですおぶつをどろをけがれをををわたしのびこうにつよくひびくのですまるでほんとうであるとおもえるのですわたしはくびをふるやいばのしたにたたされていますわたしのちはどぶをながれるとおもえますわたしのむこうのすぐさきになにかみえないものがあるのですおなかがとてもへりましたわたしのしたのうえにぺにいのようにのっているのですおなかがとてもへりましたたべることをとめられないのです##削除済] を引き起こし、収容プロトコルの不必要な中断がもたらされます。非異常のセミトレーラートラックでは不可能な量のSCP-5868-2実例が格納されることから、SCP-5868-1の内部が拡張されていることが示されています。
SCP-5868-2はウシ(B. taurus)の死骸です。SCP-5868-2実例は、通常Rinderpest morbillivirus2・牛海綿状脳症3・伝染性の趾皮膚炎に感染しています。SCP-5868-2実例には変異が生じていますが、ウシと遺伝的に相同であることがいずれの実体でも示されています。
1時間以内にSCP-5868-2実例が加工・梱包されなかった場合、次回のSCP-5868-1による搬入量が増加します。当該の増分蓄積により、12時間以内に地球が居住不可能となりうるという見通しが立てられています。しかし、直近のモデルでは6時間分の中断により制限時間内の加工が不可能な量のSCP-5868-2が発生することが明示されました。
SCP-5868-2の変異の一部記録:
加工日時: 2016年6月15日 午後12時35分
SCP-5868-2実例はハツカネズミ(M. musculus)に相似した1体のみ。搬入がこれのみであったことは注目すべき事実である。
加工日時: 2016年11月2日 午前7時35分
SCP-5868-2全実例1,116体は同一の成人男性に類似していた。実例の外見はSCP-5868の従業員のものであり、当該の従業員は1時間前にSCP-5868-1の運転席側ドアを開けようと試みた後に [データわたしをだしていただければにどとあなたをじゃましませんけしてわるいことはしませんやくそくしますおなかがとてもいっぱいになりましたおなかがとてもへりました##削除済] 。
加工日時: 2017年3月22日 午後8時35分
SCP-5868-2全実例857体は高放射能を示した。少なくとも66人の従業員が危険水準相当量のガンマ線に曝露した。4人は致命的な放射線被曝により死亡した。残りの62人は機能的障害を負いながらも作業を継続した。
加工日時: 2018年6月9日 午前3時35分
SCP-5868-2実例2,693体が搬入された。これは平均を大幅に上回ったが、実例は全てウシの胎児であった。
加工日時: 2018年10月18日 午前11時35分
SCP-5868-2全実例1,451体は木製の舌と目を有していた。分析の結果、マツ科(Pinaceae)の未知の種に由来することが明らかとなった。うち数体は、生きている間に木製の目が空の眼窩へと乱暴に押し込まれた様相を呈していた。
加工日時: 2019年1月27日 午後9時35分
SCP-5868-2全実例946体は人間の糞便で汚染されており、多くの実例で体腔全てが満たされていた。検査の結果、牛肉のみをベースとした食事を消化した糞便であることが示された。DNA検査の結果、糞便は2016年11月2日に [データどうかたべるのをやめることをゆるしてくださいにげようとはしませんただやめることをゆるしてほしいだけなのです##削除済] された従業員に由来することが判明した。
加工日時: 2019年4月20日 午後5時35分
SCP-5868-2各実例1,097体は胃を6つ付加されていた。胃は極めて強い酸性の胆汁で満たされていた。16人の従業員が負傷して加工に容認不可能な遅滞が生じた。当該の加工を経て1人の従業員が働けなくなった。
加工日時: 2019年7月2日 午後7時35分
SCP-5868-2全実例869体は骨を持たなかった。その他の異常は存在しなかった。
加工日時: 2019年9月11日 午後10時35分
生きたSCP-5868-2実例1体が搬入された。利用可能な道具を使って屠殺するように従業員は指示された。実例の血管は血液の代わりに牛肉ベースのグレイビーソースが流れているように見えた。通常通り加工された。
加工日時: 2020年3月4日 午後4時35分
SCP-5868-2全実例1,365体は骨および臓器がきつく編まれた有刺鉄線に置換されていた。有刺鉄線はひどく錆びて損傷していた。また、13体は舌を有していなかった。
加工日時: 2020年7月19日 午前1時35分
SCP-5868-2全実例971体は「表裏逆」であり、外側に臓器を、内側に皮膚を有していた。当該の実例は「刈りたての草」のような臭いがすると言及された。
加工日時: 2020年12月22日 午前5時35分
SCP-5868-2全実例1,172体は明らかに死体であるにもかかわらず鳴き声をあげた。加工中および加工後も鳴き声は止まらなかった。鳴き声は人間が牛を真似ているようであると表現された。
ウィリアム・ガートリーへのインタビュー:
後述のインタビューは2017年11月4日にSCP-5868のシフト管理役であるウィリアム・ガートリーに行われた内容です。インタビューの最中、ウィリアム・ガートリーは社内の評価者による人事考課面談と思い込んでいました。この思い込みを訂正する試みはされませんでした。
インタビュアー4: 素晴らしいですね、ビル。ですが、私の質問に答えていただけますか?最初の搬入についてです。
WG: あなたが仰っているのは一体—
I: ビル、安心していいですよ。従業員の1人がやらかした危険行為について、あなたが責任を問われることはありはしません。あなたは悪くない。大丈夫です。あなたが覚えている限りの最初の搬入で結構です。何を話しているかわかりますね?
WG: 私にはなにがなんだか—
I: あの黒いトラックについて話してください、ビル。これはお願いではありません。
WG: あぁ。あのトラックですか?
I: そうです。それについて伺うために私たちはここにいるわけです。あなたの能力でも、労働災害でもなく。あのトラックについて知っていること全てを話してほしいのです。
WG: これは— これはテストですか?
I: あなたが感じていることも含めて知る限りの全てを話してもらえれば大丈夫です。一度きりです。記録保管のために行われるもので、あなたの個人的評価に付記されることはありません。
WG: わかりました。
[ 32秒の間が空く。WGが咳払いする。 ]
WG: ある日突然やってきたんです、ただそれだけです。他の搬入はなかったんです。
[ 14秒の間が空く。 ]
WG: 会社はそれを受け入れるように言いました。ロハの肉だ。何が原因かも分からないのに、気にするなとも私たちに言ってきました。ロハだったんです。どこからともなくやってきました。奇跡的としか言えません、本当に。
I: 死体に問題があると気づく前のことですね?
WG: 死体に問題なんてありません。
I: 大丈夫です、ビル。これはトラップじゃありません。素直に話してください。
WG: か— 彼らは初めっからあの肉に問題があることを知ってました。でも、その、会社はあの肉を使えば巨額の利益が得られると判断して、そこから生じる訴訟を和解するのにあてがう金なんてさしたものと考えたんです。
I: 自分たちの行いがどれほど悪いことか、彼らに自覚はなかったのですか?
WG: 私には良くわかりません。
[ 6秒の間が空く。 ]
WG: ただ、あれを使うコスト的な意義はわかりました。たくさんあったので。そして、まあ、使わなかったらどうなるかもすぐにわかりました。えぇ、会社の誰かが知ってたみたいでしたし。
I: どなたが教えてくれたかを覚えていますか?
WG: えぇと、おかしな話ですが、わかりません。正直なところ。教えてくれたことは他にもあったのですが。たくさんのお偉いさんから電話を受けました、トラックとか肉とか、あぁ、あなたが知ってるアレコレについても。肉については時々でしたね。
I: あの死体を使おうと、彼らはいつまで試行錯誤していたのですか?
WG: そう長く続きませんでした。皮に触れただけでもひどく腫れあがるんです。何か化学物質が付いてるんです。わかりません。あれはおかしいんです。
I: 無駄だと思うことはありませんか?
WG: どういう意味です?
I: ただ、肉が梱包されるのを見て。肉から革がなめされ、骨が砕かれ飼料にされるのを見て。その後は結局全て燃やされてしまうので。無駄だと思いますか?
[ 5秒の間が空く。 ]
WG: 遂げなければならないことなんです。たとえ何が起ころうと。
インタビューの残りには収容に応用できる情報は存在しなかった。ウィリアム・ガートリーはSCP-5868のシフト管理役を継続している。彼は模範的な従業員であり続けている。









