
ダブストーン貯水池を見下ろす、A635号線からのサドルワース・ムーアの眺望。
特別収容プロトコル: 現時点では特別収容プロトコルは不要です。
SCP-5879の歴史的な超常現象に関する詳細な記録は、サイト-37からの要請に応じて開示されます。
説明: SCP-5879は、1963年から2018年にかけて、イギリスのサドルワース・ムーア周辺地域に影響を及ぼした多数の異常事象を指します。
SCP-5879は遡及的な指定番号です。現在SCP-5879を成すものと認識されている異常事象の大部分は、2018年までは超常現象に分類されていました。
補遺5879.1: 超常現象の一覧
事案記録
日付: 1963年7月5日
RSPCA1会員のウォルター・ダイリーは、サドルワース・ムーアの野生動物の観察中に、A635号線の東側にある小さな区画を覆う毛布状泥炭ブランケットボグから強い不快臭がすると報告した。
後ほど臭気の調査を行った地元当局は、ブランケットボグの中でヘムロックが急速に成長し、花を咲かせていると報告した。地元当局はこのヘムロックが臭いの発生源であると特定した。ヘムロックは枯れると周囲に悪臭を放つ性質があるため、問題の臭気はヘムロックが急激な成長と枯死を繰り返したためだと考えられた。
事案記録
日付: 1972年12月21日
1972年12月21日から1973年1月5日にかけて、カークリーズ、オールダム、グレーター・マンチェスターの各自治体には、水質に関する多数の苦情が寄せられた。よく報告された問題点は以下の通り。
- 利用可能な水の水圧がたびたび低くなる。
- 水が黒く変色している。化学分析の結果、この色は給水経路の何処かでインクが混入したために生じていると結論付けられた。
- 蛇口の開口部、流し台、排水管や側溝の内部に、灰や煤が顕著に付着している。
これらの苦情を受けた地方自治体は、各区共通の水源であるサドルワース・ムーアのダブストーン貯水池を調査した。現地の水処理施設に通じる給水路の1つから深刻な閉塞が発見された。
この閉塞の原因は、給水路の中心に引っ掛かっていた、引き裂かれた紙の凝固塊だと特定された。重量1.5kgに及ぶこの塊は同日中に除去された。紙片に書き込まれた文字の大半は、水濡れで不鮮明になっていた。
ごく僅かに残っていた視認可能な書き込みのうち、判読できる文字は“私は地獄で焼かれるの?”のみだった。
事案記録
日付: 1984年2月20日
ロックバンド“ザ・スミス”の楽曲 “サファー・リトル・チルドレン”2 が、サドルワース・ムーア周辺地域の全てのラジオチャンネルで継続的に放送された。楽曲は2時間にわたって最後の歌詞“…on the moor.”を繰り返した後、最終的にフェードアウトした。
事案記録
日付: 1987年9月19日
イギリス、マンチェスターの全人口が集団心因性疾患の影響を受けた。この事象の発生中、参加者はお互いの手を取り合って街中を踊り歩いた。影響者は片足立ちで飛び跳ねてもう一方の足で着地するなど、不規則な踊り方をする様子が観察された。この活動は19分後に終息した。
一般市民の大規模記憶処理の後、この事象によって683名の参加者が死亡したことが判明した。うち17名の死因は疲労だと診断された。それ以外の死亡者はアーウェル川に転落し、溺死していた。
水没した遺体を引き上げたところ、彼らは呼吸器に煙の吸引と一致する広範囲な損傷を受けていたことが判明した。
事案記録
日付: 2018年6月24日
2018年6月24日、サドルワース・ムーアは自然発火した。地元当局によって、近隣地域にある50件の住宅から100名の住民が避難させられた。荒野ムーアの下に埋まった泥炭に引火したため、野火の大部分は地下で進行した。
2018年7月17日に鎮火するまでに、18km2のムーアが荒廃し、その後も3日間にわたってサドルワース・ムーア上空に煙が立ち込めた。その後の事件調査で、最初期の火災の目撃者たちは、正体不明の人物がサドルワース・ムーアのマンチェスター側で踊っているのを見かけたことが判明した。
更なる調査は保留されている。
補遺5879.2: 発見