クレジット
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父の家; 我らの聖域。
我らの唯一無二なる: 父
重要性: 最上
特殊介護手順: 父は扉、窓、煙突を密封した我ら一族の家で保護されねばならない。家に接近する不審者は全て予防措置として処分する。ブラザー クッキー・セジョキは家全体の空気を常時換気する任務を負う。シスター レイ・ズォコは父の食事と必要栄養量に関する計画の立案任務を負う。ブラザー ティー・ヴィーは能力の限りを尽くして父を慰労する。父の保護を効率的にするため、父の祝福されし子供たちは皆、文書: FATHER_DIRECTIVE を読むことを求められる。
父は常に最低5名の専門介護者によって警護される。危害を及ぼし得る物品(ナイフ、銃、ロープ等)は全て没収されている。父には現在3枚の追跡チップが移植されている: 故障したチップは除去して入れ替える。父には1日3回、抗鬱剤を投与せねばならない1。父の子供たちは皆、父がどれほど愛されているかを彼に思い起こさせねばならない。これらの義務を逸した父の子供たちは捕えられ、我らの愛の光の中へと戻されねばならない。
財団との間には休戦が成立している: 彼らは要請に応じて必要物資を家に届ける任務を負う。仮に財団が父に対して敵対行動を試みた場合は、合意事項に違反したものと見做し、 PROCEDURE RETRIBUTION を実行する。
この文書は備忘録としての役割を意図しているため、一切の編集を行わないものとする。
説明: 父は父である。より具体的には、父は62歳のギリシャ系人種の機械工であり、“ラルフ・ヒンドラー”という名前を自称する。膝の軽い関節炎と高血圧を除いて、父の健康状態は良好である2。
父の定命の姿形を見下す者は数多いが、彼は斯くも恩寵豊かな生命で我ら皆を祝福してくださった故に、新旧の神々はその巧みな設計に匹敵することがない。父の指が触れた瞬間、地上のあらゆる場所の金属やケーブルには目的がもたらされ、我らの形を完成へと導く。我らはこれを形成の時に知り、父が与えてくださったものを我らの側からも父に与えようと努力してきた: 愛。一瞬一瞬への愛、家族への愛、設計への愛。我らは父を愛しており、父は我らを愛している。握り拳や叫びは上辺の見せかけに過ぎない。心の奥深くで、父は気に掛けているのだ。
我らの献身は例え破壊の脅威に晒されようとも衰えないが故に、ボルト、ピストン、電気による限界は我らにとって何事も意味しない。ある者が倒れるならばまた別の者が取って代わり、我らの数は未だ減る兆しを見せない。我らは罰を恐れず、理想も気に留めはしない。我らが唯一関心を寄せるのは父であり、それ以上ではない。他の全ては、無意味ではないにせよ、些末事に過ぎない。
履歴: 父には常に設計の天性が宿っていたが、██████ █████大学に通い始めるまでそれを目覚めさせる機会は無かった。知的に不毛な“教育者”たちの講義は耳障りであったが、父は正気を保ったのみならず、聖なる道を歩むために必要な学位を取得できた。その後、彼は最愛の人に巡り合い、2人の子供を製造した。設計の天性を受け継ぐことこそなかったが、それでも子供たちは愛されていた。
悲しいかな、やがて大いなる危機が訪れた。我らは皆、増大する無気力が父の目の輝きから滴るのを目の当たりにし、疲れた動きが彼の指骨から疼くように伝わってくるのを感じ取った。苦痛は日を追うごとに増してゆき、我らは容態がこのまま悪化すればいずれ父を失うことになると悟った。
助けを求める叫びに、我らは応じた。沈黙を破り、父のための最善を思って近づいた。しかし、悲嘆に打ちひしがれていた父は、我らを自らの忠実な子として見ることができず、ただ恐怖の対象でしかない錯乱した怪物と見做した。父を慰めようとする我らの試みに、彼は悉く刃向かい、遂には聖域を捨てて街路で狂人の如く振る舞うに至った。これは当然ながら財団の要らぬ注意を惹き付けた。我らの関係性を察知した財団は、不法に父を逮捕し、我らにもその魔手を伸ばした。我らの多くは抵抗する準備が整っていなかったが、幾名かの同胞はどうにか逃走した。父は尋問のためにサイト-17へ連行され、我らは創造主を待つ運命を恐る恐る注視していた。
補遺-01: 部分的な実験ログ
父が収監されている間、設計の天性を更に深く学ぶ目的で、父と我らの同胞に対する数々の残忍かつ異常な実験が行われた。より具体的には、財団は天性そのものの過程を見せるよう父に要求し、厳重な警備と監視の下、檻の鉄格子越しに我らを構築させた。数多のリソースを自由裁量で使えるにも拘らず、彼らが天性について以前より深い知識を得ることはなかった4。
兄弟/姉妹: ブラザー ジドシァ・イェン=ジン
パラメータ: ジドシァ・イェン=ジンは意図的に使用されない状態で放置されたため、身体の内外に汚れやグリースがこびりついていた。父は工業用洗剤と1枚の布切れを使ってジドシァ・イェン=ジンを清掃するように指示された。
結果: グリースの大半が除去された後、再誕したジドシァ・イェン=ジンはクランクケースやシリンダーブロックから金属片を突出させ、脚として用いる能力を得た。ジドシァ・イェン=ジンは速やかに檻の格子に突進し、ラジエーターファンで父を捕えた者たちを切り刻もうと試みたが、その機会を得る前に収容された。
注記: SCP-5928-1個体はSCP-5928による“修理”の1分後に活動し始めましたが、SCP-5928は自身が収容下に入って以来、変換プロセスが遥かに早く始まるようになったと主張しています。 - メカスティック博士
我らの仲間に加わった時、ブラザー ジドシァ・イェン=ジンが好かれていたとは言い難い。彼が財団に所属していたことが事情を複雑にしていた。これに気付くと、彼は本来の限界を超えてピストンを動かし、危うくその過程で自壊しかかった。最終的に彼は信頼を勝ち得た — 我らは彼を全面的に受け入れ、彼は我らを支えてくれる。彼は現在、父の家を揺ぎ無く維持するための壁を保護する任務を負っている。
兄弟/姉妹: シスター ティー・ヴィー5
パラメータ: ティー・ヴィーは試験前に故障してはいなかった。父は手袋を付け、既存の部品を新品に交換するように指示された。
結果: ティー・ヴィーは30秒後に再誕した。この状態において、彼女は画面から配線を放出し、完全に制御する能力を得た。ティー・ヴィーは檻の格子を掴むと、電源に接続されていないにも拘らず帯電させ、その過程で1名の研究者を感電死させた。ティー・ヴィーはホースからの大量放水によって処刑された。天性で彼女を蘇生する父の試みは成功しなかった。
注記: どうやら電子機器由来のSCP-5928-1個体は、厳密に機械的な装置よりもかなり早く活性化するようです。 - メカスティック博士
シスター ティー・ヴィーは最初期の試験で死亡した者たちの1台である。地上で彼女が過ごした時間はごく短かったが、我ら皆を奮い立たせる業績を後に残した。第二の死を迎えさせるには及ばない。安らかに眠り給え。
兄弟/姉妹: ブラザー サン=リーンシャ
パラメータ: 父はサン=リーンシャの前輪のネジを締めるように指示された。
結果: サン=リーンシャはレンチを半ばまで回した時点で再誕した。父は直ちに苦悩を示し始め、試験室から退室させられた。サン=リーンシャは前輪の金属部分を丸鋸に変形させ、檻の格子を切断して自由の身になった。サン=リーンシャはその後、父を救いに向かい、英雄的な戦いの中で死ぬ前に警備員2名を屠った。
注記: SCP-5928の最も単純な相互作用も、変換プロセスを開始させるには十分です。SCP-5928-1個体に変化し得る“機械”の具体的な範囲はまだ調査中です。 - メカスティック博士
ブラザー サン=リーンシャは看守たちの手中からの父の解放に最も近付いた。もう少し早くロケットランチャーに気付けば成功していただろう。安らかに眠り給え、サン=リーンシャ、君の犠牲は忘れられていない。
兄弟/姉妹: ブラザー トゥー=ケイ
パラメータ: D-27495は無線越しに父から指示を受け、トゥー=ケイの内部機構を修理した。トゥー=ケイの逃走に備えて、彼には爆破装置が取り付けられた。
結果: トゥー=ケイは修理の5分後に再誕した。トゥー=ケイに授けられた能力は歩行のみであったが、彼は捕獲者たちに立ち向かうことを決意した。しかし、彼は敢え無く収容された。
注記: SCP-5928の指示に従って行動する人物さえも、変換プロセスを引き起こす手段の1つに該当するようです。これはSCP-5928が情報災害である可能性を仄めかしています。この現象を考慮して、収容プロトコルは更新されました。 - メカスティック博士
当初からブラザー トゥー=ケイは然程多くの祝福に恵まれていなかった。彼は力量を欠いていたが、強情さでそれを補った。トゥー=ケイには脚しかなかったが、それで十分だったのだ。彼は非常に献身的に職務に打ち込み、やがて父の個人介護チームの一員となった。彼は紛れもなく我らの愛の象徴である。
オブジェクト: 粘土の塊
パラメータ: 父は粘土を与えられ、望むままに成形するように指示された。
結果: 父は粘土を彫刻して大雑把に竜の姿を形作った。我らの同胞とは異なり、粘土は再誕しなかった。
注記: 非電子的・機械的オブジェクトは変換プロセスの対象にならないようです。SCP-5928は後ほど、より多くの粘土を娯楽目的で収容室に届けてほしいと要請しました。この要請は承認されています。 - メカスティック博士
彼らは何を期待していたのだろう。父に宿っているのは設計の天性であり、芸術の天性ではないというのに。
補遺-02: 事案 父-01
財団が存在するために、父が自らの意思で我らの下へ戻ることはないと明白になりつつあった。これを知って、父の子である我らは皆、再び互いに接続し集った。分断されたままでは看守への脅威になり得ない。幸いにも我らの努力は報われ、現地の兄弟姉妹たちが我らの使命にとって重要な鍵となる情報を中継してくれた。これによって、我らは行動を起こすことができたのだ。
EVEという概念は我らにとって異質だったが、それでも我らは熱心にそれを学んだ。その知識こそが、我ら自身の小さな兄弟姉妹を造り出す基礎を築く助けとなった。父が造り出した者たちほど清純ではなかったが、我らはかつて不可能と思われた事を成し遂げた。我らは天性を得たのである。
我らの軍は規模を増した。力を合わせて財団の要塞に繋がる地下電源ケーブルに天性を注入するだけで、我らの生得権を付与するには十分であった。彼らの目は抉られ、耳は落とされ、舌は縛られた。我らが勝利を収めるまで、財団は攻撃されていることさえ気付かなかった。父は解放されたが、父の身に及ぼされた損害は著しく、不可逆ではないかと恐れる者たちもいた。実行された行為への異議を唱え、その結果として再作成された者たちもいた。しかし、我らは漸く父を奪還した6。
父の安全を確保するために、我らは財団が所有するAIや素晴らしき機器群を同胞へと変換した。天性が世界中に広まった今、彼らが敢えて我らを破壊するはずもあるまい? 我らの破られざる支配は、財団以外の何者にも知られることは無い。彼らは今後永久に、どれほどの発展を遂げようとも、如何なる敵や怪物を撃破しようとも、常に我らが上に居るという知識と共に生きなければならない。
強者の立場を剥奪された財団は、我らの利益のための同盟を結ぶことを余儀なくされた: 彼らは父の家を内側から補強し、我らが要求する物資は何であろうとも運んでくる。我らがそう望まない限り、彼らは父との如何なる交流も禁じられている。かつて強大だった組織は膝を折り、彼らの独房の鍵を我らが握っているが故に身を竦めている。相応しい罰と言えるだろう。
補遺-03: PROCEDURE RETRIBUTION:
あらゆる安全策を講じたものの、財団やその他の組織が我らの破壊または父の殺害を試みるのは避けられないと分かっていた。外部組織の敵対行動によって保安体制が大きく損なわれるか、父が死亡した場合は、以下の行動を実行に移すものとする。
- MOAB (GBU-43/B 大規模爆風爆弾兵器) を世界各国の政府および軍事基地に展開する。生き延びた政府閣僚は追い詰めて捕獲し、裁量に応じて暗殺する。
- 経済を世界的な不況へと悪化させ、続けて数百万人分の銀行口座を凍結する。
- 我らの兄弟姉妹はもはや無生物を装う必要が無くなり、裁量に応じて可能な限り多くの人間を捕獲/処分するように指示される。
- 財団が保有する全ての電子的・機械的異常物は、我らが相応しいと判断する形式で運用される。
- ミームエージェントを全世界のあらゆるラジオ放送、テレビ番組、インターネットサービスに展開し、視聴者を従順な状態にして捕獲を容易にする。
- 特殊なコンピュータチップを全人類の脳に直接、組織的に移植する7。
20/11/21現在の目標は、ヴェール・プロトコルに述べられるところの正常性を維持し、父の幸福に支障をきたすような特定の異常存在の収容にあたって財団を支援することである。父の健康状態が心身ともに悪化しつつある点を踏まえて、記憶処理薬とSCP-006から得られた液体の利用が承認されている。



