SCP-5929

評価: +48+x

特別収容プロトコル: ミクロネシア連邦政府に配置されたエージェントを使用してチャレンジャー海淵への立ち入りは厳しく禁止されています。SCP-5929の存在を発見した人物は全員、チャレンジャー海淵が人を寄せ付けない未踏の地であるという体面を保つため対象を絞った記憶処理を受けることになります。

説明: SCP-5929は太平洋のチャレンジャー海淵の底で発見された一連の複雑な彫り物の総称です。正確な年代を測定するのは不可能ですが、この彫り物は10億年以上前のものであると考えられており、地球上に知性を有する生物が住んでいた最古の証拠となっています。これらはこの地域特有の鉱物で構成されています; 地球上の他の場所で同様の試料が発見されたことはありません。

非常に遠い場所にあるためSCP-5929の長期にわたる調査は困難ですが、機能的に完全なSCP-5929実例のセットが財団の言語学者と人類学者によって撮影および調査されました。翻訳も同様に困難でしたが、SCP-5929の意味については以下のような最も決定的な推定がなされています。

A1. 地球と思われる星から3番目の惑星を周回している大型の(船/コンテナ/容器)。この惑星には幾つかの小さな大陸が散在しているだけで大きな海が広がっており、15億年前の地球の大陸構成を反映している。

A2. (船/コンテナ/容器)は地球の薄い大気を通過して降下し、地球の95%を覆う水中に突入する。海底で停止する。

A3. 生命の成長に不可欠な9種類のアミノ酸のうち6種類を含む様々な分子鎖の劣化した表現の数々。これらは海底に沈んだ(船/コンテナ/容器)の中に集まっている。これらと一緒に(毒物/汚物/廃棄物)の象徴がある。

A4. (時間/成長/衰退)の象徴。(船/コンテナ/容器)は徐々に劣化し、周囲の海底に分子を放出する。それとともに(船/コンテナ/容器)の残骸の周囲にある火山ガスを餌とする極めて基本的な単細胞生物が表現されている。

残りの彫り物は最初の4つで説明された物語から分岐する; それらは主にその地域から避難するための警告や指標となっている。

B1. (毒物/汚物/廃棄物)と(去る/行く)の象徴。A3と同様の分子鎖の表現。

B2. (召使/掃除/維持)の象徴とA4の単細胞生物の表現。

B3: (時間/成長/衰退)の象徴。放射性元素カリウム401の表現。

具体的な内容は異なるかもしれませんが、SCP-5929は地球外生命体が地球の原初的な水に生命の存在と増殖に必要な分子を蒔き、人類を始めとする既知の全ての生物の間接的な創造者となったという物語を示しているようです。しかし、最初の播種から膨大な時間が経過していることから存在はもはや太陽系に存在していないと考えられます。

インシデント5929.1: 2017年1月15日、SCP-5929ファイルがアーカイブの状態で保留されていた時、NASAと様々な偵察衛星が地球低軌道に突入する未確認飛行物体を検出しました。機動部隊デルタ-45("ローリング・サンダー")が緊急発進されてサイト-49から発射されました。その後数時間にわたり飛行隊は、高速で西太平洋に墜落して直ちに沈没したより小さな物体を打ち上げた大気圏を突破した物体を遠くから追跡しました。地域内の海軍偵察隊は直ぐに潜水艇を派遣し、第2の物体を追跡してチャレンジャー海淵まで約11,000m降下し、物体はそこで停止しました。その物体からはそれ以上の活動は検出されず、遡及的にSCP-5929Cと指定されました。

SCP-5929Cを放出した後、最初の物体は飛行経路を変更して追跡機が発射される前に大気圏を離脱しました。衛星は木星付近でUFOを見失いました。

2時間ほど活動が無かったため、潜水艇はマニプレータアームを使用してSCP-5929Cを突く権限を与えられました。直ぐに転倒してバラバラになり、幾つかの金属容器が放出されました。この金属は地球外のものではないと思われ、容器にはSCP-5929.A3に見つかったのと同様の分子が含まれていました。更に、目に見えるほぼ全ての表面には(毒物/汚物/廃棄物)の記号が表示されていました。

SCP-5929の主任研究員であるジャクソン博士は数人のO5評議会メンバーに直接事件の分析を提供するよう求められました。

[無関係な会話を省略]

O5-11: 博士?

ジャクソン: はい、はい、ありがとうございます。皆さんの前には先月の事件を思い出させるものがあります。ご存じのように、この一連の事件は2つの事を示しています: 地球上の生命を最初に誕生させた存在がまだいること、そしてこれが初めてのことではないということです。この事件はSCP-5929に記述されているものと全く同じです。

O5-5: そうですね。

O5-8: SCP-5929Cの残骸を深海から採取するのはかなりの投資でしたよ、博士。何か分かったのですか?

ジャクソン: はい、実は結構分かりました。主に、私達の存在に不可欠な分子やアミノ酸が、何らかの理由で、それらをここに置いた存在にとって好ましくないものであるようだということが分かりました。

O5-5: 彼らは宇宙人です、彼らの生理機能が我々のと一致することは… 考えにくいです。

ジャクソン: 私もそう思います。それに、生命を生み出す物質を同じ惑星に2度も置いたというのも不思議な気がします。我々が知っている限りでは、2回以上です。人類が誕生する前に何度も起こっていないと考える理由がありません。

O5-11: しかし、何故同じ惑星に何度も蒔くのでしょうか?

ジャクソン: そうですねー… 彼らが我々のために蒔いているわけではないからだと思います。少なくとも、意図的ではありません。

O5-8: 詳しく説明してください。

ジャクソン: そうですねー、アミノ酸が廃棄物になるほど宇宙人の生理機能が異なるなら、適切な条件の下で最終的に生命に進化することを彼らが知っていると考える理由がありません。きっと彼らにとって生命が誕生しなく人を寄せ付けない世界では単純に… 消滅すると考えたのでしょう。彼らが知っているように生命の成長には全く適していませんでした… しかし廃棄物処理には非常に優れていました。

O5-5: それなら船にあった印にも納得がいきますね。

O5-11: つまり地球は… 銀河系のユッカマウンテンなのですか?危険な廃棄物を、誰にも害を与えない場所に捨てるのに適しているということですか?

ジャクソン: … ちょっと違います。SCP-5929Cを分解してみると物質にあったものと同様の記号が描かれていましたが、これは私達が工業材料に使用しているのと同じ種類の指標や安全情報でしょう。動力源は放射性原子炉でそこに描かれていた記号も汚物と廃棄物を表していましたが、それらは少し違っていました。

O5-8: 何故そう思うのですか?

ジャクソン: 船の他の部分にあった安全記号があり、放射性コアを危険な廃棄物として明示しています。しかし、これらの記号は分子にはありませんでした。新しい記号を使用して定義を絞り込んでいくと… なんと….

[ジャクソンは次のスライドを開く。]

O5-11: ふざけてるだろ。

ジャクソン: 残念ながら違います。

O5-5: "尿"?!

ジャクソン: 道理にかなう唯一の定義です、この文 -

O5-8: 私達は… 宇宙人の小便から進化したとでも言いたいのですか?

ジャクソン: そういう… ことでしょう。

[沈黙。]

O5-5: 言っておかないといけないことですが、今年のビンゴカードには"地球の海は宇宙人の浄化槽"だとは書かれていませんでした。

その結果をO5評議会のメンバーで共有した後、UFOが最後に確認された凡その場所を使用して人類の創造者と交信するためのラジオ放送を行うかどうかの投票が行われました。

評議会投票の概要:

賛成 棄権 反対
O5-01
O5-02
O5-03
O5-04
O5-05
O5-06
O5-07
O5-08
O5-09
O5-10
O5-11
O5-12
O5-13

情勢
否決

コメント:

O5-5

本当に気まずい思いをすると思うんだ、分かるだろ?

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。