SCP-5956
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評価: +19+x

ようこそ、レインデルス管理官。
あなたは現在TL-5956-X("パラドックス・タイムライン")の文書を閲覧しています。
アイテム番号: SCP-001
レベル5
収容クラス:
esoteric
副次クラス:
apollyon
撹乱クラス:
amida
リスククラス:
critical

AAFD-1.jpg

玄妙除却施設AAF-D、2024/09/08。

特別収容プロトコル: SCP-001はパラドックスが誘発した再発性の壊滅的な収容の失敗であるため、関連するタイムラインにおけるその影響を改善することで「収容」されます。

毎年の9月8日に、サイト-43では以下の行動が取られなければなりません。

全ての秒数まで正確に時間指定された行動における絶好の機会は極端に短くなっています。
現地時間 必要な行動
なし A・ズラター博士は、PTF オメガ-001に以下にリストされたそれぞれのイベントの正確な時間の信号を無線で与えなければなりません。
17:17:52 D・ディアリング博士は自身の収容任務を伝えられなければなりません。SCP-001-B保有者1名が随伴していなければなりません。
17:18:22 ディアリング博士はREISNOカノンを起動し、2002年のちょうどこの時間のプライム・タイムラインのディアリング博士に接触して、以下の言葉を発さなければなりません。「カノンは存在しない」 彼はSCP-001-Bの所有を要求し、その後自身に即効性の致死的認識災害を施さなければなりません。
18:21:-- エージェント・S・ラドクリフは無線に応答してはなりません。
18:22:00 B・デル・オルモ博士はL・リリハンメル博士に無線で連絡し、以下の言葉を発さなければなりません。「何かがおかしい」
18:22:29 A・ムカミ セクション長は、全ての職員がいまだに内部にいる状態で施設AAF-Dの隔壁封鎖を起動しなければなりません。
18:22:36 ムカミ セクション長は、保安・収容Security and Containment応用隠秘学Applied Occultism記録・改訂Archives and Revisionセクションに避難命令を発布しなければなりません。
18:22:41 エージェント・ラドクリフは自身の無線に応答してはなりません。
18:22:57 ムカミ セクション長は、全ての職員がいまだに内部にいる状態で保安・収容、応用隠秘学、記録・改訂セクションの隔壁封鎖を起動しなければなりません。
18:23:01 D・マーキー博士はインテリトゥスINTERITUS・プロトコルを発動し、保安・収容セクションのEuclid・Keterクラス翼を破壊しなければなりません。
18:23:17 エージェント・ラドクリフは自身の無線に以下の言葉で応答しなければなりません。「もうその中にいないって言ってくれよ」
18:23:29 R・アンブロジー セクション長はセクション間地下鉄網を封鎖し、真空洗浄機構を発動しなければなりません。
18:24:53 R・ヴィルト博士は自身の机の下を這い、記録・改訂セクションの焼却処理を手動で動作させなければなりません。
18:25:11 エージェント・ラドクリフは自身の無線に以下の言葉で応答しなければなりません。「濃淡室は無事なはずだ! その廊下を北に行けばある」
18:27:-- ジャネ・ギルヘルム セクション長は、MTF群アルファ-43、ベータ-43、デルタ-43に施設AAF-Aの霊的実体群と交戦するよう命令しなければなりません。
18:31:-- デル・オルモ博士は、応用隠秘学、記録・改訂セクション内の全ての生存職員に失神誘発性ミームを放送しなければなりません。
18:34:-- ムカミ セクション長は、保安・収容セクション部隊に応用隠秘学、記録・改訂セクション内のヴィルト博士以外の全てのサイト職員を無力化するよう指示しなければなりません。

以下の職員は絶命しなければなりません。

  • ブランク、ハロルド博士
  • ディアリング、ドゥーガル博士
  • イバニェス、デルフィーナ セクション長
  • リリハンメル、リリアン博士
  • マッキンス、アラン管理官
  • ナシンベーニ、ノエ セクション長
  • ゴ、ニュン博士
  • オコリー、ウド博士
  • ウェトル、ウィリアム博士

SCP-001の新たな発生によって終了した人物はこのリストに追加されなければなりません。

PTF オメガ-001は、その部隊の中で現在コミュニケーションの取れない人物の記録を極めて正確に取り続け、コミュニケーション不能性を定期的な間隔で交代させなければなりません。

サイト-43内の全ての反射する表面は、破壊されるか反射性能をなくさなければなりません。反射する液体は希釈され、くすませなければなりません。ミーム・対抗ミームMemetics and Countermemeticsセクションは、全ての職員が無期限に4時間ごとに溶液001-Aを確実に点眼させなければなりません。


説明: SCP-001はサイト-43の玄妙除却Acroamatic Abatement、応用隠秘学、記録・改訂、保安・収容セクションにおいて毎年発生する連鎖的収容違反/異常安定性タイムパラドックスです。劇的な局所現実改変により、9名の死亡した財団職員が蘇生したのちに終了し、サイト一帯の収容装置が損傷します。

AAFD-2.jpg

玄妙除却施設AAF-Dの破損した監視カメラの静止画像、2027/09/08。

2002/09/08、ドゥーガル・ディアリング博士は代替タイムラインにおける未来の自分自身から一連の指令をテレパシーで受け取りました。彼は以下のことを行うよう指示されました。

  • 会話の全体を一言一句書き起こして記録し、
  • 玄妙除却施設AAF-Dに排出する全ての深妙排出物弁を手動で閉鎖し、
  • 清掃・保守職員に、深妙物質が危機的に蓄積して、処理しない場合破滅的収容失敗が発生することを通知し、
  • AAF-Dが完全に解体されることを確実にする。

彼は、この20年後に以下の行動を取るようさらなる指令を受けました。

  • サイト-120から、「P・H・マクドクトラート博士」が構築した装置である「REISNOカノン」を回収し、
  • REISNOカノンを利用して現在(2002年)の自分自身に接触し、
  • 与えられた指令を正確に繰り返して、それにより上記の破滅的収容失敗が決して発生しない安定した時間ループを確実にする。

ディアリング博士がこれらの指令を理解したことを確証したのち、未来のディアリング博士は時間際接続を切断しました。ディアリング博士のこのイベントの記憶はまもなく消滅したものの、注意深い書き起こしを参考にして与えられた指令を遂行することが可能でした。結果として、以下に詳述されている2002/09/08のイベントが発生しました。

インシデント報告書 AAFD-I-117
日付: 2002/09/08
記録担当者: D・イバニェス(保安・収容セクション長)
相談役: A・マッキンス博士、N・ナシンベーニ(清掃・保守Janitorial and Maintenanceセクション長)、D・ディアリング博士
概要: 17:19、D・ディアリング博士は玄妙除却施設AAF-Dで処理されている秘妙排出物において、喫緊の幽妙性イベントを検知した。. 秘妙排出物は霊的物質のこと。その幽妙性変数は、ユークリッド幾何学の中で収容できなくなるほど深遠になる程度の範囲を表す。 ディアリング博士は、この物質の隣接施設への緊急洗浄を遂行して、破滅的収容違反を防止した。

ディアリング博士によるさらなるリスク評価ののち、施設AAF-Dは公式に使用禁止になった。18:22、解体前の規定の検査の際に、中身の詰まった霊的接地導管が破裂した。その結果深妙エネルギーのフレアが発生し、生存していた14名の清掃・保守セクション職員を煮沸した。
補遺: このイベントに続いて、解体を監督していた7名のサイト-43上級職員がAAF-Dシェル内で亡くなった技師たちに敬意を表して会合した。彼らはこのインシデントの10周年である2012年9月8日と、それ以降の10年ごとに再び会合することを予定している。

20年間、玄妙除却に関連したさらなるインシデントは発生しませんでした。

2022/09/08に先立ち、ディアリング博士はサイト-120のアシュワース管理官に要求を出し、時間機構の実証に用いるためREISNOカノンをサイト-43に移送することを求めました。しかし、2022/09/08、彼は後半の一連の指令の遂行を準備したにもかかわらず、装置そのものも、そして存在していたという痕跡も発見できなかったと通知されました。結果として、以下に詳述されている2022/09/08のイベントが即座に発生しました。

インシデント報告書 001-I-1
日付: 2022/09/08
記録担当者: A・ムカミ(保安・収容セクション長)
相談役: X・ドゥ量子超力学Quantum Supermechanicsセクション長)、D・ディアリング博士(玄妙除却セクション議長)

概要: D・ディアリング博士は、「REISNOカノン」と知られる装置を用いた思慮不足のタイムライン操作によって、不注意にも深刻なタイムパラドックスを生成して続く収容失敗をもたらした。

2022/09/08 17:18、ディアリング博士は2002年9月8日の自身の行動をもたらすために用いた装置が、当時の自身の行動によって何らかの形で過去遡及的に消去されていることに気づいた。結果として発生したパラドックスにより、抑制されない場合汎現実の破滅的再構築をもたらし得る有害な因果的・時間的・物語的エネルギーの波面が形成された。しかし、この波面はディアリング博士のパラドックス的行動の現場である玄妙除却施設AAF-Dから発生していた。解体済施設に存在していた残留深妙物質が顕著に反応したため、それがなかった場合に比べてより濃縮された影響が発生した。

AAF-Dは即座に、深妙排出物の全量、ほぼ臨界状態の幽妙性変数、他全ての除却施設に対する被接続を含む2002年の配置に復帰した。幽妙物質は、その多くが因果的・時間的・物語的要素を含んでおり、パラドックスの波面と爆発的に相互作用した。施設全体の全ての除却装置は即座に臨界幽妙性に達し、今までの記録の中で最も激甚な現実の改変が続いた。影響は以下を含むがそれに限らない。

  • 不明な実体の過去遡及的かつ非対称的な消去.この対象の存在の外郭は複数の財団文書や史料に痕跡があるものの、その性質や特徴の手掛かりは「不撓体」として知られる存在への曖昧な言及を除き残存しない。
  • 可知/可動時間次元の数の増加/減少
  • 自然発生的な赤色全色盲
  • 皮膚の前進
  • 外時間存在の出現
  • 時系列反転
  • 反射物の精神的進化
  • 複数種類の超感覚的知覚
  • 完全な言語・コミュニケーションの失敗
  • 蒸気質の物質の凝縮、それによる温度の急上昇
  • 深潭化.深潭化nadireosis(名): ある人物が可能な最低形態に減退すること。人物の成長の最低状態。
  • 流涎症

これらの影響の多くは現在まで持続している。

詳細報告: インシデントの直前に、B・デル・オルモ博士は保安・収容セクションにおいて、あるSCPオブジェクトとのインタビューを行っていた。おそらくこの実体は続くイベントによって消去されたため、彼は会話の正確な核心を思い出すことができないものの、収容違反の試みが喫緊であることを確信してチャンバーを退出した。彼は保安・収容セクションに向かい、リリハンメル博士に無線で連絡して自身の疑念を伝えた。

AAF-Dの初期解体を監督していた7名の上級職員のメンバーが現地で追悼活動をしていた際に、収容違反が発生した。彼らは、突然周囲が変質したためパラドックスの波面に即座に警戒した。サイト管理官L・リリハンメル博士はAAF-Dの外部で勤務していた職員のS・ラドクリフに、状況の更新のため無線で連絡した。エージェント・ラドクリフは自身の無線の置き場を間違えていたため、リリハンメル博士の通信を受け取らなかった。そのため、U・オコリー博士は秘妙排出物パイプの覆いを開け、幽妙性を確認した。短期間の目視検査ののち、彼女は a)破滅的奇跡イベントが現在喫緊であること、 b)パイプの安全遮蔽装置に穿孔ができ始めていること、 c)自身の死もまた喫緊である可能性があることを報告した。その後彼女はパイプから手を離し、グループの他のメンバーから離れようとした。彼女の筋肉は皮膚を直接通過し、それとともに骨格構造および臓器の大半を運んで、山になった内臓に崩れた。彼女の皮膚は立ったままだった。

デル・オルモ博士の声がリリハンメル博士の無線から、恒久的な聴力障害を引き起こすのに十分大きな音量で噴出した。デル・オルモ博士の「何かがおかしい」という宣言は、オコリー博士の皮層の崩壊およびAAF-Dにおける大規模収容失敗が始まったことを示す一連の視聴覚的アノマリーと同時に起きた。ウェトル博士は、音の奔出に驚いて後方によろめき、壁に衝突した。彼の身体は表面に沿って外側に流れ落ち、壁は彼の衣服および身体的特徴の質感になった。ウェトル博士はこの効果が完了してから初めて絶叫し始め、このイベントの期間中断しなかった。

リリハンメル博士は保安・収容セクションに無線で連絡し、AAF-D隔壁を封鎖するよう命令した。A・ムカミ セクション長はこの指令を即座に実行し、彼女のオフィスにちょうど到着したデル・オルモ博士との相談ののち、AAF-D近辺の全ての仕事場の避難もまた命令した。

この時点で、AAF-Dから放出される物語エネルギーは記録・改訂セクションの異常文書保管ロッカーにまで到達した。結果として数百体もの小規模思考体(具体化した形而超学的構成体)が自然発生的に出現した。実体群は、セクション内の印刷された記録の広範なコレクションから物理形態を構築した。

AAF-Dにおいて局所現実が崩壊すると、リリハンメル博士は再びデル・オルモ博士に無線で連絡して施設内の避難できる最も安全な位置に関して助言を求めた。デル・オルモ博士が応答しなかったため(彼の無線はガラスに変質していた)、リリハンメル博士はエージェント・ラドクリフに無線で連絡したが、彼はいまだに自身の無線を発見できないでいた。ブランク博士はマッキンス博士に身体的に暴行し、2002年のマッキンス博士の無能さが現在の厄災を招いたと非難した。マッキンス博士は応答ができないように思われた。ナシンベーニ前セクション長が彼らに介入しようとした際に、急速な上部構造の変化によってナシンベーニ前セクション長が占めていた空間が耐負荷性素材で埋まり、彼の内臓を粉砕して即死させた。

ムカミ セクション長は記録・改訂セクションを封鎖した。続いて彼女は、応用隠秘学セクション上の収容翼にいる全ての保安・収容職員および全ての応用隠秘学職員が、過負荷のAAF-D施設からの危機的逆流によって秘妙排出物を浴びて、液状実体に変質したという報告を受けた。これらの実体は当時生存していた全てのEuclid・Keterクラスアノマリーの収容違反に従事していた。同時に、2つの収容チャンバーが霊的過熱により滅却され、そこに収容されていたと思われる実体は逆因果的に現実から消去された。ムカミ セクション長は、これら2つのセクションでも同様に隔壁封鎖を起動した。収容スペシャリストD・マーキー博士は、監禁されたアノマリーは変貌した職員によって損害を与えられてはならないと結論を出し、インテリトゥス・プロトコルを策定した。成型炸薬によって収容チャンバーおよび収容されていた実体は滅却され、全体としてはサイトに重大な構造被害をもたらした。

エージェント・ラドクリフは自身の無線を回収し、リリハンメル博士からの2件の不在着信に気づいた。彼はリリハンメル博士に連絡しようとしたが、電波はAAF-Dに入ると物理形態を取って原型を保っていた除却装置にぶつかり始め、施設一帯で一連の爆発を引き起こしたため、彼のメッセージは受け取られなかった。

清掃・保守セクション長R・アンブロジーは、AAF-Dの封鎖されていたセクション間地下鉄駅が封鎖を解かれていることに気づき、地下鉄は幽妙物質の瘴気で満たされていた。彼は地下鉄網を閉鎖し、真空洗浄機構を発動させた。幽妙物質は、ヒューロン湖岸の施設AAF-Aへの排出機構に通じるラインに押し出された。排出口は即座に大量の人骨に凝固し、AAF-A自体は幽妙物質で満たされた。1分以内に、この施設にいた全ての職員は窒息死した。

イバニェス セクション長は暖かい空気が吹く道に足を踏み入れ、不可解にも凍結した。リリハンメル博士は彼女を道の脇に押そうとするが、イバニェス セクション長の身体は弾性を持ったように思われ、リリハンメル博士を大きなゴム風船のように包んでから破裂して、彼女を体液で覆った。ブランク博士は壁に倒れ込み、抑えきれずにむせび泣いた。

A&Rの思考体は今や完全な偶像化を達成し、主に新聞紙でできたパピエ・マシェの触手で構成された単一の形而超学的構成体に融合した。構成体は、A&R職員が身体を有機物質の懸濁液に変質させた後に彼らの着用していた衣服を取り込んで体重を増加させ、その後懸濁液を破棄した。この懸濁液はいまだに動き、極度のストレスおよび/または興奮に一致する声を発した。ヴィルト博士は自身の専用オフィスに退避し、机の下に隠れてA&R下に火砕性炸裂装置を起動した。紙基質の思考体は即座に灰燼に帰した。ヴィルト博士は、灰でできた固体の雲が金属製の机を覆った際に机が火事による最悪の影響から保護したために生存した。

ウェトル博士に類似する存在が、S&C支給武器を持ってAAF-Dにいる上級職員に近づいた。本物のウェトル博士の絶叫はいまだに壁から発せられているのが聞こえていた。この存在はマッキンス博士に以下の言葉を発した。「君はやれる限りのことをやった。これは君の責任じゃあないし、誰も責めやしない。一緒に直そうじゃないか」マッキンス博士は応答しなかった。続いてこの存在はマッキンス博士に武器を向け、引き金を引いた。マッキンス博士の遺体は地面に倒れ、ウェトル博士の出現体とともに消失した。リリハンメル博士およびブランク博士はAAF-Dからの逃走を再開した。

エージェント・ラドクリフはリリハンメル博士の最新の助けを求める嘆願を受け取り、応答することに成功した。彼はリリハンメル博士およびブランク博士に、高有効性除却装置に装備されているAAF-D濃淡室に避難するよう助言した。エージェント・ラドクリフは彼らに濃淡室に到達するための正確な指令を与えるも、施設全体はユークリッド的推移を受けて基本方位が反転していることに気づいていなかった。

追跡・鎮圧Pursuit and Suppressionセクションは、損害を受けた施設を検査するためAAF-Aに派遣された。AAF-Aは空であることが発見された。1キロメートル離れたイッパーウォッシュ・ビーチで、MTF群アルファ、ベータ、デルタ-43は今や完全に霊的性質である、ポーラー・ベア・スイム・イベント.そのようなイベントはサイト-43近辺では発生したことがない。犠牲者は、2002年9月のアイスランド、レイキャビクにおけるイベントで正確にこの方法で殺害されていたと過去遡及的に同定された。の大規模殺戮に従事しているAAF-Aの元職員に遭遇した。実体群は除却液にわずかに接触したことで死亡し、犠牲者は出なかったものの、続いてヒューロン湖の水位が急激に上昇して部隊群に達し、J&M技師フィリップ・E・ディアリングに類似する実体が水面下から部隊員を1人ずつ引き込んだため、MTFの3部隊全ては重大な喪失を被った。

AAF-Dはほぼ透過性のない赤いグレアおよび複数の推移する視覚次元で満たされた。ブランク博士は体勢を崩し、超常霊的接地導管に留まろうとした。彼の手は導管を掴まずに通り過ぎ、即座に大きなsolanum lycopersicum(トマト)標本に変質して地面に落ちた。標本はリリハンメル博士の進路に跳ね入り、彼女の靴の下で潰れた。リリハンメル博士は立ち止まってブランク博士の残留物を見下ろし、検査していると、残存していた全てのパイプと導管が同時に破裂して彼女をカメラの視界から隠した。(その後彼女は、イベントが終息したのちに同じ場所で発見され、原子レベルでベニヤ板および油性塗料で構成されたマネキンに変質していた。)

S&Cは、記録・改訂セクションと応用隠秘学セクションを分離していた遮蔽隔壁が倒壊しているのを発見した。監視カメラはもはや映像データを送信していなかったにもかかわらず、 a)肉と骨の衝突する音 b)液体をしっかりとポンピングする音で構成された音声トラックが受信された。デル・オルモ博士は変質した職員は概念的にはいまだに人間である可能性があると理論付けて、両セクションに広域スペクトルの失神誘発性ミームを放送した。3分後、音声は止んだ。隔壁は切開され、除却液ホースおよび火炎放射器を装備したS&C職員は、影響を受けたセクション内の、ヴィルト博士を除く残存する全ての職員を無力化した。

Blank.jpg

ハロルド・ブランク博士の残留物(全部)。

これらのイベントに続く混乱の中で、ディアリング博士は上級サイト職員に自身が引き起こしたタイムパラドックスの責任を告白しました。そのようなタイムパラドックスは通常崩壊し、タイムラインは復帰するにもかかわらず、この収容違反は不可解にも、収容違反を持続させている代替タイムラインを異常に安定させています。この持続の影響は世界規模であるように継続的に知覚されており、一般市民における社会的インフラおよび経済的インフラは数日以内に崩壊し始め、複数の矛盾するイベントの同時発生や経験は日を追うごとに悪化する一方でした。このKクラスイベントおよびそれを発生させた収容違反はSCP-001に分類されました。サイト-43は人類文明の最も安定な中心地になりました。残存する研究職員は、SCP-001は、それが破却した実体から得たと思われるいくらかの水準の知性に達し、誕生した場所を完全な破壊から意図的に保護していると理論付けました。

ディアリング博士は、REISNOカノンの制作者であるプレースホルダー・マクドクトラート博士の所在を特定し、カノンがある場所に関して質問するよう提言しました。ディアリング博士は、いまだに指令を完遂してパラドックス収容違反を復帰することが可能だとして期待されていました。マクドクトラート博士は、重度のパラノイアおよび混乱した状態でサイト-87から回収されてサイト-43に移送され、その旅程の間半狂乱状態で「著者たちが我々を遺した」と主張していました。博士は質問された際、「REISNOカノン」の知識を有していないと主張しました。ディアリング博士が、未来のマクドクトラート博士が装置を発明して過去の自分自身に必要な情報を流したと思われていることを伝えると、マクドクトラート博士はそのような接触は発生したことがないと主張しました。

広範な検討ののち、マクドクトラート博士はサイト-43の量子超力学セクションの助力のもとREISNOカノンの構築を試みました。この間に(続く複数の収容違反にかけて)、SCP-001の多数の持続する副次アノマリーが出現しました。

NOCANNON.jpg

REISNOカノン。

1年かけて、マクドクトラート博士は(努力の要する研究開発や力業があったものの)REISNOカノンの機能するプロトタイプ.構築の最終盤に、マクドクトラート博士は未来の自分自身に接触されて装置の完成に関連する指令を受けました。このような指令は、時間的安定性が欠如していたために、より過去には送られなかったと推定されています。を開発しました。しかし、莫大なエネルギー要求量を埋め合わせるために、複数のサイト機能(玄妙除却、保安・収容任務を含む)が一時的に停止されました。これにより、21年の間を横断するおよそ30秒間の時間際同期に十分な電力が供給できると予測されました。

2023/09/08、ディアリング博士はREISNOカノンを用いて過去(2002年)の自分自身と同期する準備ができました。彼はサイト職員に、自身は2002年に与えられた指令をもはや信用しておらず、その年に防止した収容失敗を防止しようとは思っていないことを伝えました。その代わりに、彼は過去の自分自身に2002年の収容違反の発生を指令することを目的とし、それによって正しいタイムラインが復旧されることを願いました。ディアリング博士は計画を仔細に説明したのちに、サイトの量子超力学セクションに進入してカノンを起動しました。

Harry.jpg

リリハンメル博士の認識災害からのブランク博士の残存イメージ。.職員は、このイメージを「網膜に焼き付けられた」存在と形容しました。これは比喩的表現ではありませんでした。

一方で、サイト職員は局所異常活動および時間不安定性が漸増していることに気が付き始めました。当初は、ディアリング博士のタイムライン修正の症状であると考えられていましたが、これらの現実の改変は18:21まで抑制されずに継続し、その時点でオリジナルのイベントの影響を受けた3つのセクションは2022年の配置に異常に復帰して、そのイベント中に死亡した全ての職員が自然発生的に蘇生し、2回目の収容失敗が発生しました。

この再発に十分準備ができていなかったため、サイト職員は前年からの行動を正確に繰り返しませんでした。これにより、H・ブランク、L・リリハンメル両博士は生存し、彼らは収容失敗中に放出されたエネルギーが充填されているようでした。ブランク博士は偽記憶を誘発する能力を獲得し、リリハンメル博士はウイルス性寄生ミームを発生させる能力を獲得していました。彼らは新たに獲得した力を用いて、不明な理由による悪意ある孤立主義的な目的を示してサイト職員の精神的・身体的健康を危険にさらしました。

これらのイベントに続いて、ディアリング博士は量子超力学研究施設内で致死的認識災害に自己曝露して死亡した状態で発見されました。彼は自殺する前にREISNOカノンを起動して、その際にプライム・タイムラインのディアリング博士を2002年の収容違反が防止される前に終了したと知られています。彼の行動により、このファイルに詳述されているイベントの基底現実での発生が防止された可能性があります。また、彼の行動によりこの代替タイムラインの崩壊も発生するはずであるものの、現在まで発生していません。

ディアリング博士は、以下のような自身の行動を説明する手紙を残しました。

フィリップへ、

私がお前を愛していないと思うかもしれない。私がこれからなすことを終えた後、私がお前を愛していないと確信するだろう。お前は私から連絡を受けることはもうない。その理由を知ることは決してないだろう。いつの日か、私のなしたことに隠された意味が、どうにかしてお前に理解されることを願っている。

我々の辣腕な外時間帝王たちはすでに私を隠喩的に監視しているのだと、そう思っている。だから、この告白が、あり得る中でも最悪のタイムラインで何がひどく間違ってしまったのか彼らが理解することの助けになればと願う。彼らがお前にこの手紙を読ませることはおそらくないだろう。私はお前に話しているという体で書き続けるが、フィリップ、それは私の死がお前の人生に重要な意味を持つこと、それだけが私の励みになっているからなのだ。

私は成功していたから、お前のことがいつも腹立たしかった。もっとみみっちいことなんて思い浮かぶか? 私は2つの博士号と自分の最高機密の研究室を持っていて、お前の無精と野心のなさが信じられないほど癪に障っていた。私が財団にとってさらに重要になるほど、自分の弟が神に見放された下水口でモップをかけていると想像するのをますます憎むようになった。あたかも弟として労働者階級の男を持つことが、何らかの形で私自身の実績を台無しにしているかのように。

そして、それから私は自分で自分の実績を台無しにした。私の失敗談をどうか聞いてほしい。

私が未来の自分から宿命の召命を受け取ったとき、お前は私たちが同じ施設で働いていることなど知りもしなかっただろう。私がお前から隠していたのだ。お前のことを見たくなかった。他の人たちにお前が私の弟だと知られたくはなかった。そして、あの声が私の頭の中に響いてきた……

そこには2人の私がいた。彼と私、いわばと私だ。彼は私に、私が非常に限定的なことを極めて極めて速やかに行わなければ災害が起こると、そう伝えてきた。その大災害で7人が死亡し、お前に悲惨な残骸を残すのだと。そして20年後、私はお前を負担から解放しようとしたのだと……だがそれはお前を殺すことになったと伝えてきた。

その情報を受け取ったが、私はそれをどう感じたかすら覚えていない。だが、私のオフィスには監視カメラがあって、どう感じていたように見えるかはわかる。

世界が終わろうとしていると誰かが私に伝えたかのごとく感じていたように見える。

その情報が私に何をしたか、お前に知ってほしかった。それでお前が私のことを覚えていられたのならと思う。私は、冷淡でも無情でもいつも反対していたわけでもなく、しかしお前がゆっくりと衰えたり突然死んだりして亡くなるという考えを絶対的に恐れていた。お前は、お前が決して知り得ない、私があの時になるまで知らなかったものを知っていたのかもしれない。私はお前を愛している。私はお前を亡くすのに決して耐えられない。

それでも、私はお前を亡くしてしまった。

私はあの忌々しい声が指示した通りにした。私は、いずれ起きてお前の命を台無しにするとあの声が断言した収容違反を止めた。解体を動議にかけ、お前があの場所をパイプ一本一本分解していくのを、満足して見ていた。

お前が死んだところを見ていた。全員が死んだところを見ていた。

そして今、お前が私を見ている。毎日、毎時、毎分。お前のゆがんだ反射が、お前だったものの紛い物が、私があの装置でダイアルを回して時間隙を越えて電話をかけたとき、いかに愚かだったかを思い知らせるものが、私を見ている。

なおも最高なことは何か知っているか? 2022年に災害が起きて、さらに7人死んだ。今回は私が何もしなかったからではない。私がしてしまったからなのだ。もちろん、お前が私を見ている原因でもある。一切が私のせいだ。

お前は今や私にとっての頭痛の種だ、フィリップ。もちろん、これが本当にお前なのだとは信じたくもない。お前のなしたこと、私の失敗一覧にお前が追加した印……。だが……何度も、赤い縁の壁が迫って眠れず頭を刺す痛みで目をつむれない深夜、私はクローゼットの扉を開けてサイト-43で唯一残っている鏡の前に立つのだ。

そしてお前は、私を見ることがない。

これお前なのかそうでないのか、問題にはしないことに決めた。そうかからずに、これはお前ではなくなるだろう。私はお前を連れ戻すつもりだが、それは私のためでも、この永劫の地獄にとらわれた他の誰のためでもない。この分岐した道の対極にいる人々のためだ。私はお前を連れ戻す。私は彼ら全員を連れ戻す。最後に一度だけ間違いをして、本当に最初の間違いを帳消しにすることで。

私はこれを引き起こした人の脳天に弾丸を放つ。お前は2002年に死ぬことはない。2022年に死ぬこともないだろう。私はより良い物語を綴るつもりだ。

私はお前なしには生きられない。だが、私がお前になしたことの後では、お前が私なしでも生きられることを願う。

お前の兄、

— ドゥーガル


補遺: インシデント報告書 001-I-2
日付: 2027/09/08
記録担当者: A・ムカミ(保安・収容セクション長)

概要: R・ヴィルト博士は、自身の収容任務の遂行中にSCP-001-Aによって重傷を負った。N・ゴ博士は記録・改訂セクションにおける彼の役の後を継ごうとしたものの、到着が遅れた。彼女は中枢的思考体に直面し、火砕性炸裂装置に到達できなかった。彼女はその代わりにセクションの防火システムを起動しようとし、結果としてAAF-Dからのエクトプラズム物質の奔流が発生した。

収容違反イベントが終了する際に、保安・収容エージェントはゴ博士の救助を試みた。彼らはゴ博士の代わりに、A&Rオフィスの全体がおおむね銑鉄で構成されたテープリールに類似した異常オブジェクトで満たされているのを発見した。それらのオブジェクトは、全体で数十万メートルの(主に)録音テープを含んでいることが判明した。合計で2128本のリールを除去して、ゴ博士がヴィルト博士のオフィスに存在していないことが判明した。

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ニュン・ゴ博士の残留物(一部)。

リールの内容は以下のものである。

  • ゴ博士が平日の意識の流れを暗唱するリール1322本、
  • ゴ博士が自身の経験した侵襲的で動揺させる、罪を感じさせる考えや夢をもの静かなセラピストに対して話しているリール324本、
  • ゴ博士がそのセラピストに人生の中の極めて個人的かつしばしば生々しい衝撃的な出来事を話しているリール198本、
  • 嘲るような男性の声がこれ以前の1844本のリールからの抜粋を10倍速で繰り返すリール184本、
  • ゴ博士の人生の大部分をカバーする、映画の脚本の形態を取った更なる意識の流れの説明を含んだ非常に高品質なマイクロフィルムのリール122本、
  • 極端に短いものや数時間に及ぶものもある、全てゴ博士の声と確認できる絶叫のリール98本、
  • 再びゴ博士の声と確認できる、長く続く啼泣のレコード1本、
  • 明確な内容のない、ゴ博士の神経細胞およびグリア細胞で構成されたリール1本。

これらを含むリール・テープは破壊不可能である。これらを玄妙除却処理の対象とする試みは、それ自体が適切に除却できない毒性ガスを産出し、7名の下級研究員の死を引き起こした。

更新 2031/09/08: ゴ博士の死はSCP-001に統合され、そのため毎年再発している。テープは再生成されるものの、すでに生成されているテープは消失しない。ゴ博士の残留物をSCP-001-CかSCP-001-Dに廃棄する提言がなされたが、これらのアノマリーの不用意なクロステストの影響の不明性は、懸念の理由となっている。さらに、ヴィルト博士の記録・改訂セクションからの救出は、ゴ博士の残留物の出現により非常に困難となっており、また残留物は出現する際に彼を酷く滅多打ちにする。彼の救出にはおよそ2時間の労力を要し、その間彼の負傷は治療できない。追跡・鎮圧セクションはこの影響を改善するため、ヴィルト博士にボディアーマーを提供した。またヴィルト博士は、ゴ博士が死の直前に彼を認識し、その際に混乱と裏切りの感情を示すことを報告している。現在サイトには有資格のセラピストがいないため、彼はその経験についてカウンセリングを求めることができない。

神経細胞およびグリア細胞のリールは、SCP-001のそれぞれの発生によって悪化する腐食の兆候を進行させており、それぞれのリールで腐食は一致している。残りの2127本のリールは劣化していない。

「希望はいつもあるのです」ニュン? まだそう感じているのか?
私としては、もはや何も感じられないことを願っている。

レウベン・ヴィルト、記録・改訂セクション

この滅茶苦茶から脱する手段は存在する。私がそれを見出すのだ。その日まで、任務を遂行し続け、精神を保ち、息を止めてくれるな。

P・H・マクドクトラート、量子超力学セクション

補遺: インシデント報告書 001-I-3
日付: 2033/09/08
記録担当者: A・ムカミ(保安・収容セクション長)
概要: プレースがいない。

2023年にREISNOカノンを発明して以来、P・H・マクドクトラートの量子超力学セクション議長としての力量は計り知れないものである。前年彼は新たな装置の構築に没頭しており、その過程で心身の健康が削がれている。彼はこの機械の意図された機能に関して非常に沈黙しており、圧力をかけた際は、彼は「より良い物語を見出す」と主張した。

マクドクトラート博士は、本日のおよそ18:00、最後にエージェント・S・ラドクリフによって収容任務の遂行の準備中に目撃された。収容違反の改善の成功に続いて、マクドクトラート博士、彼の構築していた機械、REISNOカノンが全て行方不明になっていることが判明した。関連する全てのエリアの監視システムは、不明な理由により同時に機能不全に陥っていた。

マクドクトラート博士の喪失は、我々の現実を基底現実に安全に崩壊する望みへの凶兆である。とはいえ、我々のSCP-001の理解が正しければ、REISNOカノンは毎年一時的に再出現し、ディアリング博士による収容任務の遂行に使用できるはずである。
更新 2033/09/10: マクドクトラート博士のオフィスを広範に捜索したのち、彼の最後のプロジェクトに関する文書が1枚だけ発見され、次の3単語を含む手書きのメモだった。パラドックス脱出エンジン
更新 2034/09/08: カノンは存在しない。

内部記録によると、このタイムラインか代替タイムラインに関連する(2)件のファイルが存在します。
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