アイテム番号: SCP-596
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-596は通常のプロトコルに従って警備された標準収容房に保管します。
管理はSCP-596との直接の物理的接触が起こらないように行います。指定されたDクラス被験者に限り接触が指示されます。新しい被験者はSCP-596に適用される前に医学的検査を受けます。しかしO5の監督者は、特定の必要性が高い被験者の健康な代員が発見できなければ特例を許可する場合があります。
SCP-596に由来するすべての生体物質は財団の安全指針に従って取り扱います。
鎮静剤がSCP-596の生産性を妨げることが判明したため、SCP-596へ適用された被験者は必ず意識がある状態を保ちます。その性質上、新しい被験者を適用する際は処置を容易にするために対象の拘束が必須です。被験者は手術台へ寝かせ、片腕を体の外側へ伸ばした姿勢で拘束することが推奨されます。この姿勢を保つことで、被験者の適用が完了した後、迅速かつ容易に頭部を切除することが可能です。その後あるポイントまで再生が達した時点で「ロボトマイザー(Lobotomizer)」を脳幹に取り付け、認知機能のそれ以上の回復を妨げます。財団倫理委員会は、これが担当職員の快適な職場環境を確保するための最良の処置であると結論しています。
新しい被験者をSCP-596に適用した後、前被験者は状況に応じて処分し、血液やその他の体液などの素材採取は新しい被験者へと引き継ぎ、加えて臓器の摘出を開始します。

被験者を除去した直後のSCP-596。切断された指先と再生している部分はこの角度からでは見えない
説明: SCP-596は████████を表現していると推測される高さ63cmのブロンズ製の蛇の像です。SCP-596は███████ ██ ███████の病院において、地方自治体から墓泥棒の嫌疑をかけられていた████████ ███-█████の手から回収されました。その影響は明らかになりましたが、SCP-596が本来あった位置は未だに判明していません。
人間がSCP-596と物理的に接触すると、その接触した部分を離すことが不可能になり、自分自身で像を動かすこともできなくなります。この被験者を除去する唯一の方法は第三者がSCP-596と物理的接触を行うことであり、その時点で先に触れていた被験者は死亡します。
SCP-596と接触すると、あらゆる怪我や傷が驚くべき速度で治癒します。被験者はいずれも極度の不快感を表しますが、この不快感の具体的な性質は判明していません。被験者をSCP-596から外科的に除去した場合、SCP-596の再生効果はその被験者を死亡させ、SCP-596に残った部位から被験者の肉体を新たに成長させます。
補遺: 実験記録
██/02/17:
SCP-596を鎮静化された被験者、████████ ███-█████に取り付けた。その後監視の敷かれた収容房に安置した。被験者は鎮静剤の効果が薄れるにつれ、徐々に不安感と苦痛を表し始めた。意識を取り戻すと被験者は取り乱して叫びだし、多大な苦痛にのたうち回った。にもかかわらず、被験者はSCP-596を動かすことができなかった。以上の行動は被験者の多大な痛みを表しているが、これに身体的ないし精神的な性質の徴候は存在していない。
██/02/18:
███-█████は未だに質問や他の刺激に対して反応が鈍い。手袋をした職員がSCP-596を動かすと被験者は全く抵抗せずに誘導に従った。被験者は食事や水を摂取することができず、いずれ点滴が必要となるかもしれない。しかし、飢餓の影響が表れてからのことになるだろう。
██/03/10:
到着から3週間が経過、███-█████は飢餓または脱水の症状を見せていない。被験者は全期間を通じて睡眠を取らず、身悶えと絶え間ない絶叫を続けている。他の副作用を排除できるなら、SCP-596が被験者の生命を維持している方法は有益かもしれない。そうでなければ私はSCP-596の破壊計画を提案している。
██/03/13:
███-█████が今日の12:04に叫ぶのをやめた。被験者を鎮静化して検査を行った。それにより、被験者の声帯が全体的に細かく裂けていたことが判明。鎮静剤が切れた15分後に、被験者は再び叫び始めた。追加検査により声帯が完全に治癒していたことが判明した。この治癒効果はSCP-596に新たな展望を与えた。
██/03/14:
SCP-596による治癒効果の範囲について実験を行った。鎮静化した被験者の左つま先を切断。再生は被験者が意識を取り戻すまで始まらず、目覚めるとつま先は26分間で再生した。鎮静化せずに右足を切断。再生はすぐに始まり、83分間で完了した。同様に両足を切断、297分間かけて同時に再生した。ある一部位の再生は、その他の部位の怪我によって遅くなることはないと思われる。
██/03/15:
███-█████のSCPを保持する両腕を肘の下で切断した。被験者は即座に死亡。検死解剖では死因を特定できなかった。像に付着した前腕部から再生が開始した。
██/03/16:
被験者は運動器系と神経系が回復した時点でのたうち始めた。07:36、呼吸器系が機能を取り戻した途端に再び叫び始めた。21:05に全身が完全に再生した。
██/03/17:
被験者を鎮静化して拘束し、肘正中皮静脈に皮下注射器を挿入した。数パイントの血液を採血した後に血圧が低下し、それ以上の採取はできなくなった。意識が回復するとすぐに血圧が高まり、採血を再開することができた。
██/03/18:
被験者はこの24時間で72パイントの血を生産した。明らかにSCP-596の再生力が血液の生成をも早めている。よって血液型がO型RhマイナスのDクラス被験者を要請する。
██/03/19:
拘束したDクラスをSCP-596に適用した。███-█████はSCP-596から即座に開放され、死亡した。複数の採血点を設けることで、このDクラス被験者は輸血や実験などさまざまな目的に有用なO型Rhマイナスの血液を継続的に財団へ供給することが可能である。汎用性の高い血漿が必要となった時のため、血液型がAB型のDクラスを用意しておくことを提案する。1
█/04/12:
採血は続けているが、臓器の摘出計画を実行するのは難しい。拘束されていてさえ被験者がのたうち回り続けるのでは、外科手術は困難だ。手を切断するなら一度に全身の臓器を確保できるが、引き換えに血液の生産が中断する。頭部の切断が最良の手段だろう。しかし、脳幹の予測もできない再生は依然として問題の種だ。
日付: ██/04/13
送信者: Jon Drake博士
宛先: 財団技術開発部
表題: SCP-596-自動脳幹除去おはよう
そちらの技術者さんたちは頭を切り落とした上で再生を止めるような代物を作れるかな? 今のところ私たちは手作業で処置を行っているが、もう本当にうんざりしている。この処置を忘れたせいで可哀想な男がまた叫び出して、皆でビックリするのも飽き飽きだ。
添付した文書を参照してくれ。レベル1以上の職員向けに検閲しておいてある。
よろしく頼む
Jon Drake博士
日付: ██/04/13
送信者: 財団技術開発部
宛先: Jon Drake博士
表題: RE:SCP-596-自動脳幹除去博士の要請は受領され、承認されました。間もなく技術者がそちらへご連絡します。
日付: ██/04/21
送信者: Mike Smith - FTD
宛先: Jon Drake博士
表題: RE:SCP-596-自動脳幹除去Drake博士
要請された装置が完成したため発送しました。付属の仕様書を参照してください。
この装置は頭部の切断を実行することはできません。ですが、SCP-596を担当する医療関係者と相談し、再生した頭蓋骨内部に設置できる程度の小型装置がより有用だろうと結論しました。
この装置のパフォーマンスレビューは30日以内にお願いします。
Mike Smith
日付: ██/04/26
送信者: Jon Drake博士
宛先: Mike Smith - FTD
表題: RE:RE:SCP-596-自動脳幹除去やあ、Mike、
新しい装置の絶賛レビューだ。うちのスタッフはあれを「ロボトマイザー(Lobotomizer)」と呼んでいる(厳密には明らかに間違ってる呼び名だが)。ピューレした脳を吸引装置で除去する方法は実に独創的だと思ったよ。仕様書に記述してある通りだ。頭部の再生を許すことで、被験者から眼球と歯芽を摘出できるようになった。
これからもこの調子で頑張ってくれ
Jon Drake博士