2017年12月3日、リンドハースト警察に潜入していた財団の覆面エージェントより、リンドハースト警察署内部にSCP-5967実例が出現したことが報告されました。民間人の負傷を最小限に抑えるとともに当該実例を確保することを目的として収容チームが派遣されました。生存した目撃者には記憶処理が施され、SCP-5967は収容されました。
"リアリティ・サンク" の制作が突如として停止したことから、警察署内を拠点として活動していたステロスおよびウィンターズが異常な手段を用い、両者自身・機材・スタジオすらも隠匿していたと仮定されました。
以下のカセットテープは警察署の再建作業中に発見されました。
放送日: 2018年6月3日
ウィンターズ: グゥゥゥゥゥウッド・イヴニング! 皆さん! ようこそお帰りなさいました…
ステロス: "リアリティ・サンク"。あなたの魅力たっぷりのホスト、セイラムと…
ウィンターズ: そして、シーザーが──
ステロス: 他でもないあなたに向けて、大事なことについてお話しします! さて今宵は、近頃のアメリカ全土で見られる第五主義活動の低下について取り扱っていきます。
ウィンターズ: で、いったいどうしちゃったんですかね、皆さん? "真理"Truth を見つけるのに苦労してますか? 大丈夫ですよ。誰だって一度は通る道です。でも、だからといって諦める理由にはなりません! さあ外に出て、我らが多腕の女神へと祈りましょう。あなたが"彼女"の味方だってことを伝えるんです。そうすれば、"彼女"もあなたもあなたの味方になってくれますから。
ステロス: それから、"真理" を求めて自分の内面の深くまで掘っていくときには手を汚すことを恐れてはいけませんよ。主は、私たちを気にはされませんからね。
ウィンターズ: では次の話題です、Redditのどこぞのミーム野郎がまたまたヘイトまがいのクソ投稿をしています。BeneficialChemistry5、必ず見つけ出してやる。そのときになって、チャンスがあったうちにこちら側についておけばよかった、って思うことになるぞ。
ステロス: 全くもってそのとおりだね。Ain't that the truth?
アノマリーに無関係な話題は簡潔化のために編集済み
放送日: 2018年6月18日
ウィンターズ: グッド・イヴニング、お帰りなさいませ、私たちの番組…
ステロス: "リアリティ・サンク"!
ウィンターズ: さて今日は、影の中に潜む男たちにちょっかいのひとつでも出してやろうかなと。
ステロス: あの政府の [ピー音] ったれども、今日は思い知らせてやる! これはあなたがたのためです。名もない人々よ、あなたがたには財団を恐れて生きなくてはならない理由なんてないのですから!
( 電話の発信音が数秒間続く。 )
ジョーンズ次席研究員: どうやってこの番号を手に入れた? これはセキュアな回線だ。身元を名乗れ。
ステロス: ハーマン・フラーが「何だって?」って言ってるぞ。
ジョーンズ次席研究員: は?
( 笑い声のトラックが流れる。ステロスとウィンターズも笑い声を上げている。 )
ウィンターズ: また引っかかりましたね、影の男め!
ジョーンズ次席研究員: ( 笑いながら ) 今のは笑えた。
ステロス: お前らにユーモアセンスなんてないと思ってたよ。
ジョーンズ次席研究員: おいおい、あんたたちならなおさら分かってるはずだろ。見た目で人を判断しちゃいけない。
ステロス: ところでだ、ミスター・ジョーンズ、お前は第五主義者か?
ジョーンズ次席研究員: いや、そうだとは言えない。そっちは?
ウィンターズ: いかにも、私たちは第五主義者です。そしてあなたと、リスナーの皆さんを、この場所から救いたい。そのために "真理" をお伝えしているんです!
ジョーンズ次席研究員: "真理" って? それは何だ?
ウィンターズ: "彼女" があなたに授けてくれる、あの甘美で甘美な無限の知識のことですよ。
ステロス: アーメン、ブラザー。
ウィンターズ: "彼女" が私たちに "真理" を教えてくれました。そして今度は、それをあなたにも共有するんです!
ジョーンズ次席研究員: で、"彼女" ってのは誰なんだ?
( 2人がうめき声を上げる。"バシッ" という叩く効果音が響く。 )
ステロス: こいつ。
ウィンターズ: あなた、最近、屠殺場でサーキックとツるんでたりは?
ジョーンズ次席研究員: はぁ? いや… してない。そもそもそれが何なのか──
ステロス: 我らを導く光? 我らの創造主? あとは、今まさにお前の頭へと入り込んでいるはずの思念とかか?
ジョーンズ次席研究員: それが "彼女" ? 第五主義の概念とか… それともは、あの声とかか?
ウィンターズ: そんなのは症状にすぎませんよ、ミスター・ジョーンズ。"彼女" はもっとずっと別の存在なんです。
ジョーンズ次席研究員: だが、もし──
ステロス: ジョーンズ、「もしも」なんてのは "真理" の前には存在しない。お前は我らの側につくか…
ウィンターズ: さもなくば “ビーコン” になるか。
ステロス: それが現実truthだ。
放送日: 2018年8月18日
ウィンターズ: さあ、ラッキーな本日15番目のコーラーと繋がっています!
( 回線の向こうから何者かの叫び声が聞こえる。 )
ウィンターズ: お名前をどうぞ、15番の方?
不明: ウェンディ・ライスフィールド!
ステロス: ウェンディ、お電話はどちらから?
ライスフィールド: ニュージャージーのウォーリントンよ!
ステロス: ウェンディ、教えてください。第五主義者ですか?
ライスフィールド: もちろんよ、セイラム!
ステロス: どんな困難があっても "真理" を守り抜くと誓いますか?
ライスフィールド: 誓うわ! あぁ、信じらんない、私、当たったの?
ウィンターズ: 当たりですよ、ウェンディ! おめでとうございます! さて、ゲームのルールはちゃんと聞いていましたよね?
ライスフィールド: はい! 電話はスピーカーにしてあるし、キャンドルもシジルももう全部準備してあります。"真理" を学ぶ準備はできています!
ステロス: 素晴らしい。
( スタジオ内部から、湿ったグチャグチャという音が聞こえる。ライスフィールドは何かに酷く興奮している様子であり、通話の最中、喜びの言葉を叫び続けている。 )
ライスフィールド: 待って、何か変──
ウィンターズ: 私たちを信じますか、ウェンディ?
ライスフィールド: 信じます、ただ… いったい何──
ステロス: おっと、シスター! 興奮しているからといって、ラジオでFワードをぶちまけちゃいけませんよ。さあ、落ち着いていきましょう。
ライスフィールド: ( 震えた笑い声 ) ただ、こんなの… 思ってたのじゃない!
ウィンターズ: 神の御業とは不思議なものですからね、ウェンディ。
( ライスフィールドの回線から、何かが裂けるような音が聞こえる。彼女は通話を切断しようとするが、おそらくは "通話終了" ボタンを押した瞬間に大きなブザー音が鳴って切断できない様子である。ドアが開く音がして、ライスフィールドが助けを求めて叫ぶ声が聞こえる。ライスフィールドが住居に引き摺り戻されるとともに激しい衝突音がする。微かに唸り声のような音が聞こえ、同時にライスフィールドの取り乱した呼吸音が記録される。 )
( グチャグチャという音とライスフィールドの悲鳴が聞こえ、突如として途絶える。回線が切断される。 )
ステロス: これが "真理" ですよ、淑女紳士の皆々様!