SCP-6007
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SCP-6007-A境界

アイテム番号: SCP-6007

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-6007が誘発する行動は人間の非異常の気質が単に誇張されたものであるため、SCP-6007とその影響の直接的な収容は不要と見做されます。しかしながら、SCP-6007の発見につながる可能性のある未承認の民間研究は資金援助が打ち切られます。

伐採作業というカバーストーリーの下、SCP-6007の周囲には民間人の侵入を禁止する境界線が定められています。

説明: SCP-6007は地球上のあらゆる地点で検出される一種の電気信号です。SCP-6007は平面で反射する傾向にあります。これにより、壁を貫通する電波は時間に経過とともに残存して蓄積しやすいため、SCP-6007の強度は屋外とは対照的に、屋内において著しく高まります。

SCP-6007は人間の脳内で神経化学反応を誘発し、個人の旅行願望を増大させます。SCP-6007によって引き起こされる化学物質の生成速度は極めて遅く、高強度のSCP-6007に何年にもわたり継続的に曝された場合のみ目立った行動の変化が生じます。

発見: SCP-6007は、財団サイトで検出された不明な電波の調査中にマシュー・リズウェル博士により発見されました1。SCP-6007の生物学的調査を完了した後、リズウェル博士は以下の資金要求を提出しました。

SCP-6007: 調査提案書序文
マシュー・リズウェル博士

予算要求: $25,000

使用目的: 6人の研究員がそれぞれ選択した目的地への計三件の旅行のための航空費および宿泊費。


本要求の前置きとして、これがそちらの目にどのように映るかは理解していますが、有給休暇を狙った策略などではないことを約束しておきます。

SCP-6007の心理的影響の調査を終えた後も、我々は適切な収容機構を有していません。現時点では無害ですが、依然として異質な電気信号であることには変わりません。これが今後も無害であり続ける保証などどこにもないのです。

我々はSCP-6007の局所的かつ即時的な影響を知っていますが、それだけです。私は異なる形式での研究も試してみたいと考えています。実験室のサンプル調査ではなく、長期間のケーススタディを実施するのです。被験者のグループを旅行への熱狂にあえて屈服させることで、それが彼らをどこへ連れていくのか見ておきたいのです。

SCP-6007の影響を多少なりとも受けている研究員のリストを添付しておきました。通常であればこのようなことにはDクラスを派遣することは理解していますが、彼らが何に注意しておくべきか知っているとは思えません。加えて、私たち白衣もこのコンクリートの檻から離れて休息できるでしょう。

SCP-6007研究旅行ログ: プロジェクトは承認され、リズウェル博士含む四人の研究員が参加者として選択されました。選ばれた研究員は、各事例を分離するため互いの旅行計画や経験について情報を交わすことを禁止されました。以下はプロジェクトの一環として研究員が訪れた場所及び実施した活動の簡単な記録です。

旅行番号 場所 活動
1 日本、東京; アメリカ、ニューヨーク市; イギリス、ロンドン: フランス、パリ 美術館鑑賞、パフォーマンスへの参加、その他激しさの低い観察活動
2 エクアドル、ガラパゴス諸島; アイスランド、レイキャビク; コスタリカ、サンホセ; ニュージーランド、クイーンズタウン 野生動物の観察、日帰りのハイキング、その他中程度の激しさの屋外活動
3 ベトナム、ハノイ; ネパール、ヒマラヤ山脈; ボツワナ、ハボローネ; アメリカ、アンカレッジ バックパック旅行、ウォーキングサファリ、犬ぞり
4 ペルー、クスコ; ブラジル、クイアバ(2名); ブラジル、リオデジャネイロ 全員がアマゾンへの長期バックパック旅行に行く予定を立てた

最後の小旅行の4日目以降、被験者全員が同じ目的地に向かっていることが明らかになったため研究は中止されました。

SCP-6007-A: SCP-6007-Aはアマゾン熱帯雨林の北西に広がる約100km2の土地です。実験の結果は、SCP-6007により惹起された旅行願望を満たすことを許可された人物は、最終的に「自己発見」の使命の一環としてSCP-6007-Aへの旅行を試みます。

四つの蔓のような尖塔がSCP-6007-A全体に存在します。高さは約30m、直径は2mです。SCP-6007の振幅測定は、電波はこれらの尖塔から発生していることを示しています。

SCP-6007-Aの境界は湿度の急激な低下によって特徴づけられます。SCP-6007-Aの中心に近づくと植物も減少します。その土地の植物相の不足にも拘らず、当地の動物相は頻繁にSCP-6007-Aに進入します。動物相に加え、SCP-6007-A内には異常な生命体が存在するようで、以降SCP-6007-Bに指定します。

SCP-6007-Bは形状的には人型に見える生命体であり、全身が根で構成されています。これらの根は地下の不定な距離まで伸びています。SCP-6007-B実体の腕の先端は手のような付属物ではなく、単純な鋏を形成しています。SCP-6007-Bの頭部を構成する根はおおまかに顔の形状をとり、眼窩及び常時開かれた口に似た窪みが存在します。しかしながら、これらの空洞に感覚が備わっていることを示す証拠はありません。

探査: SCP-6007及びSCP-6007-Aのより深い理解のため、尖塔構造の一つを評価するための小規模な探査が実施されました。この探査はSCP-6007-Aの自然状態の破壊を防ぐために徒歩で実施されました。SCP-6007及びアウトドアに精通していたため、マシュー・リズウェル研究員とステファニー・リュー次席研究員が作戦の実行者に選ばれました。

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