SCP-603-KO
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アイテム番号: SCP-603-KO

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-603-KOは防音処理が施されているサイト-19の人型収容室██号室に収容します。 収容室の内部には基礎的な生活が可能な施設を備えており、オブジェクトの要求がある場合は審査後に必要な物品を追加搬入することができます。 SCP-603-KO隔離室内部に木製品を持ち込むことは許可されません。(インシデント603-2以降改定)SCP-603-KOには一日3回ベジタリアン用のメニューが提供されます。

万一の事態に備えSCP-603-KOの収容室の外部には麻酔装備を持参したエージェント4人が現場に配置されます。SCP-603-KOの挙動で不審点が発見された場合、一次的に収容室内部に麻酔ガスを散布した後に様子を伺うものとします。現在、日本支部とともに周期的にSCP-603-KOに対する共同研究を進めています。

インシデント603-2以降追加された措置事項
SCP-603-KO収容室の内部に木を素材に製作された物すべてを持ち込んではなりません。SCP-603-KOにとって生じ得る心理的負担を解消するため、オブジェクトには定期的なカウンセリングが実施される予定です。共同研究を進める途中、収容室内部には搬入禁止品が持ち込まれないようにし、もし持ち込む必要があるならばSCP-603-KOがそれに気づかないように格別の注意を払わなければなりません。

説明: SCP-603-KOは平均的な身長と体重の外見上20代前半の人間女性です。オブジェクトの耳の上の部分が一般的な人より長いという点を除けば、外見的には普通のヒトと全く変わりません。SCP-603-KOはソウル特別市のとある商店街で初めて発見され、発見当時明るい色のローブを着用していました。

SCP-603-KOが自由自在に駆使できる言語は標準的な日本語だけですが、インタビューの結果日本出身ではないと思われます。SCP-603-KOは自分が駆使している言語が日本語であることを認知しておらず、このような言語能力はSCP-603-KOが持つ異常効果の一部であると推定されています。SCP-603-KOとの円滑な意思疎通のため、日本語を上手に話せる研究者が現在オブジェクトの研究担当となっています。

SCP-603-KOとのインタビューにより、オブジェクトの居住地は一般的な中世時代程度の生活水準であったと考えられますが、全体的に時代背景のばらつきが見られます。また、該当地域に居住している住民の一部はSCP-603-KOのような異常能力を使うことができたと証言しています。

SCP-603-KOの異常能力発動には、以下のような条件が存在します。

  1. オブジェクトが杖のような物体を手に握っていること。
  2. 当該物体が木を基盤に製作された物であること。 (インシデント603-2以降改訂された)
  3. オブジェクトが特定の単語を口で直接発音すること。

すべての条件が満たされた場合、オブジェクトの異常能力が現れます。(詳細は実験記録603-1参照) SCP-603-KOの異常な能力にもかかわらず、オブジェクトのヒューム値は平均的な人類と有意義な差を見せず、正確な原理は不明です。これに関する追加調査が行われる予定になっています。

SCP-603-KOの日本語能力を根拠に、オブジェクトが日本生類創研によって記憶を捏造された生成物であるとの推測が提起されましたが、これを裏付ける追加的な証拠が見つからず棄却されました。


実験記録603-1
序文: SCP-603-KOの証言によると、オブジェクトの異常能力が発動されたことによって表われる現象は、オブジェクトが本来使用できたという能力と類似したものと見られます。理解を迅速にするため、SCP-603-KOが主張する当該異常現象の本来の効果を共に記しています。

「狙う対象が必要な能力がある」というSCP-603-KOの発言により、毎実験ごとにDクラス職員1名が実験室内部に配置されましたが、実験をスムーズに行うためSCP-603-KOには事前にDクラス職員は実際の人間ではないと説明しています。

実験603-1-1
発音した単語: マジックミサイル
本来の効果: 希望する方向に飛ぶ小さな矢を少量生成
結果: Dクラス職員の体に突然大きな穴がいくつかでき、Dクラス職員は穴からの出血で死亡した。

実験603-1-2
発音した単語: ファイアボール
本来の効果: 希望する方向に飛ぶ火の玉を生成
結果: SCP-603-KOの周辺に炎が広がった。Dクラス職員は全焼し、実験室の外壁に大きな損傷が生じた。

実験603-1-3
発音した単語: ヒール
本来の効果: 簡単な擦り傷程度の傷を治療する
結果: Dクラス職員に腕や足のような身体部位が新たにできた。被験者は該当部位を自由に動かすことができず、後に外科的処置によって完璧に除去された。

実験603-1-4
発音した単語: スリープ
本来の効果: 希望するオブジェクトをしばらくの間眠らせる
結果: 被験者は眠りにつき、以後、どのような措置にもかかわらず目覚めることができなかった。

実験603-1-5
発音した単語: ディテクト
本来の効果:自身の近くにある危険な物体を感知
結果: サイト内のすべての監視カメラが破壊され、これにより2件の収容違反が発生したが無事に収拾された。

実験603-1-6
発音した単語: ヘイスト
本来の効果: 希望する対象の移動速度を上昇させる
結果: 発動直後、Dクラス職員は速いスピードで前に走り、制御できなかった。当該事象は被験者が壁にぶつかって死亡するまで維持された。

付記: SCP-603-KOが主に日本語を駆使するにもかかわらず、能力の発動に使われた言葉はすべて標準的な日本式イントネーションによる英語でした。


実験記録603-2
序文: SCP-603-KO本人が知らない種類の異常能力を駆使できるかどうかに対する実験。危険性の高い単語は排除され、実験603-1と同様に毎実験ごとにDクラス職員1名が実験室内部に配置されました。

実験603-2-1
発音した単語: テレポート
結果: Dクラス職員の両腕が突然消失した。腕は約2km離れた地点で発見された。

実験603-2-2
発音した単語: シールド
結果: Dクラス職員の周辺に球形のカーテンができ、いかなる物体も当該カーテンを通過できなかった。被験者は約6分後に酸欠のため死亡した.

実験 603-2-3
発音した単語: リザレクション
参考事項: 該当実験は唯一、既に脳死状態であるDクラス職員が配置された。
結果: 発動直後,被験者の意識は簡単な会話ができる程度の状態に戻った。約10分経過後、被験者は昏睡状態に陥り、元に戻らず現在まで昏睡状態を維持中である。

結論: 実験603-1と大きな違いはなく、より多くの種類の能力も使用できるものとみられています。後にさらなる実験が予定されます。


インシデント603-2

発端: 相次ぐ実験により心理的に不安定になったSCP-603-KOが提供された書籍のうちの1冊のページを破り、異常能力を使って逃走しようとした。
経過: SCP-603-KOの能力は実験室の外壁を破壊できず、落胆していたオブジェクトはその後フィールドエージェントによって制圧された。
結論: オブジェクトが能力を使う時握るべき杖型の物体は木を原料に製作されたなら、どれだけ加工されても構わないものとみられる。万一の事態に備えて家具を含む収容室内部の木を原料とする製品はすべて取り替えられた。

インシデント603-2以降、SCP-603-KOの新たな脱出の試みは見られず、現状に順応したものと見られます。

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