SCP-6033
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アイテム番号: 6033
レベル2
収容クラス:
safe
副次クラス:
none
撹乱クラス:
dark
リスククラス:
notice

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トビー・マクエンダーソン (6歳) によるSCP-6033-1の絵。

特別収容プロトコル: トビー・マクエンダーソンは現在、SCP-6033を毎晩19:00~21:00の間に使用することを許可されています。SCP-6033の使用中は、財団エージェント1名を彼の寝室に配備する必要があります。

使用されていない時のSCP-6033は、サイト-96の高セキュリティアイテム保管庫に収容されます。

説明: SCP-6033は“いっぱい腕があるお友達”という題名の、既知の作家や出版社によるものではない児童書です。非異常な児童文学と似た様式の挿し絵が添えられており1、文体は3〜5歳の児童を対象とするものです。物語は最初に読むと片頭痛を起こす程度の軽微な認識災害を伴いますが、それ以外の点では無害です。本の内容は、友達を求めて宇宙をさまよう “ウドィトラー” Ud'itlah という名の不定形実体の物語です。

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SCP-6033のページの1つに描かれた挿し絵の複製。

SCP-6033の異常性は、トビー・マクエンダーソンがこの物語を読む際に発現します。マクエンダーソンが本を開くと、彼の10m以内に、物語中に描写されている実体2と同一の姿をした巨大な不定形実体が出現します3。SCP-6033-1はその後、マクエンダーソンと親しげな会話を交わし、通常はSCP-6033を読み聞かせて彼を寝かしつけることによって交流を終えます。SCP-6033-1はマクエンダーソンが眠ると消失します。

SCP-6033-1は形状変化、瞬間移動、念動力などの様々な異常能力を示します。また、SCP-6033-1を直接視認すると軽微な認識災害効果が発現し、観察者はSCP-6033が引き起こす症状に似た片頭痛を起こします。SCP-6033とSCP-6033-1の認識災害効果はどちらも、定期的に曝露を繰り返すと急速に減退します。

補遺 6033.1: 発見

SCP-6033は当時4歳だったトビー・マクエンダーソンの所持品として発見されました。この時、マクエンダーソンは祖母によって地元警察に行方不明届が出されていました。マクエンダーソンが正体不明の巨大な実体と共にいるのを目撃したという通報が財団の注意を引き、財団エージェント バジル・サイアス4が捜索に関与しました。実体を当初目撃した人々は、その姿を知覚するのが困難であり、目視すると片頭痛を起こすと主張していたため、エージェント サイアスは対認識災害防護具を装備して派遣されました。SCP-6033-1は初期接触時に存在しておらず、マクエンダーソンとSCP-6033は何事もなく回収されました。地元住民らは既に記憶処理されており、精神的・感情的・心理的なダメージが残ったという報告は寄せられていません。

異常能力者であると仮定されたため、マクエンダーソンは当初SCP-6033に分類され、厳格な収容プロトコルが適用されました。メンタルヘルスの急激な悪化と、SCP-6033-1の出現が確認できないことから、マクエンダーソンの収容プロトコルは見直され、児童書の異常性が発見されました。マクエンダーソンは低リスクヒト型生物収容室に移送され、夜間のSCP-6033利用を許可されました。

補遺 6033.2: トビー・マクエンダーソンへのインタビュー

回答者: トビー・マクエンダーソン

質問者: エージェント バジル・サイアス

序: 以下のインタビューは、トビー・マクエンダーソンの収容プロトコル見直しの一環として、科学部門の要請により実施された。エージェント サイアスは過去4回トビーにインタビューを行い、良好な信頼関係を築いたため、科学部門の代理としてインタビュー担当に割り当てられた。

<記録開始>


エージェント サイアス: やぁ、トビー! 今夜の調子はどうだい?

マクエンダーソン: 元気だよ、サイアスさん。

エージェント サイアス: あまり元気そうじゃないなぁ。私には何だか悲しそうに見える。どうかしたのかい?

[マクエンダーソンは目線を膝に向け、所在なさげに手を動かす。]

エージェント サイアス: どんな事でも私に話してくれていいんだ。困った事にはならないよ、約束する。そうだな、指切りげんまんだ!

[エージェント サイアスは小指をマクエンダーソンに差し出す。マクエンダーソンは最初のうち躊躇っているが、やがて自身の指をエージェント サイアスの指に掛ける。2人が指を振った後、マクエンダーソンは若干リラックスした様子になる。]

マクエンダーソン: ええと… ちょっぴり悲しいな。

エージェント サイアス: どうしてだ? 何かあったのかい?

[マクエンダーソンは首を横に振る。]

マクエンダーソン: 友達と会えないの。

エージェント サイアス: おや、そうなのかい? 友達というのは?

マクエンダーソン: ウディ・ラー Udy-Lah

エージェント サイアス: その“ウディ・ラー”はどんな人なんだい? 私たちがその人を見つけて、遊びに来てもらうことができるかもしれないよ。

マクエンダーソン: ウディ・ラーは大きくって… ぐにゃぐにゃしてる。見てるとたまに少し頭が痛くなるけど、怖くないよ。腕がいっぱい生えてて、すごく優しいんだ。でもウディ・ラーは見つけられないよ。僕の本の中に住んでるんだけど、誰かがその本を僕から取り上げちゃったんだ。

[マクエンダーソンは鼻をすする。]

エージェント サイアス: まさか! さてはからかってるんだろう! 本の中に住める人なんかいないよ!

[マクエンダーソンは再び鼻をすすり、含み笑いする。]

マクエンダーソン: ホントだもん! ウディ・ラーは僕の本に住んでる! 夜はそこから出てきて、僕とお喋りして、お話を読んでくれるんだよ。

エージェント サイアス: へぇ、そうかい? 君たち2人はどういう事を話すのかな。

マクエンダーソン: えーっと…

[マクエンダーソンは再び緊張した様子になり、また手遊びを始める。]

エージェント サイアス: 大丈夫、トビー。指切りげんまんしただろう? 何でも話してくれていいんだよ。

マクエンダーソン: … 僕のママとパパの話をする。ママとパパは今、宇宙と一緒なんだ。

エージェント サイアス: 宇宙と一緒?

マクエンダーソン: ウディ・ラーがそう言ったの。ママとパパに会って話して、そう言われたんだって。

エージェント サイアス: “ウディ・ラー”はとても優しい人らしいね。私も会えるかな?

マクエンダーソン: うん! 本を開くだけで会えるよ!

<記録終了>

このインタビューの後、エージェント サイアスとトビー・マクエンダーソンはSCP-6033を開き、SCP-6033-1出現事象を引き起こしました。当初の懸念に反して、SCP-6033-1は財団職員に友好的かつ礼儀正しく対応しました。SCP-6033担当職員、SCP-6033-1、科学部門の議論に続いて、SCP-6033の新たな収容プロトコルが合意されました。

補遺 6033.3: 観察ログ

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トビー・マクエンダーソン (6歳) によるSCP-6033-1の絵。裏面には“ぼくに本をよんでくれるウディ・ラー”という文章が記されている。

対象: SCP-6033-1、トビー・マクエンダーソン

日付: 2021年1月13日

序: 収容プロトコルの改定後、トビー・マクエンダーソンには子供部屋らしい家具を備えた標準ヒト型生物収容室が割り当てられた。また、マクエンダーソンには合理的な範囲で改装を要請する許可が与えられた。この収容室は、必要に応じて財団職員がマクエンダーソン及びSCP-6033-1の監視を続けられる構造になっている。以下はこの変更の約2週間後に記録された、SCP-6033-1とマクエンダーソンの交流の観察ログである。

<記録開始>


[エージェント サイアスがSCP-6033を持ってマクエンダーソンの寝室に到着する。マクエンダーソンは遊んでいた積み木から顔を上げ、エージェント サイアスに走り寄る。マクエンダーソンが本を受け取って開くと、想定通りにSCP-6033-1が出現する。SCP-6033-1はエージェント サイアスと観察窓を一瞥する。]

マクエンダーソン: ウディ・ラー!

[マクエンダーソンはSCP-6033-1を抱きしめようと試み、様々な玩具をSCP-6033-1の下へ持ってくる。]

マクエンダーソン: 今夜は何して遊ぶ? 今あるのは… うーん… ポケモン? あっ、それともスパイダーマンにしようか?

SCP-6033-1: そうだな、トビー、今夜はお話を読むことにしないか?

マクエンダーソン: でも僕まだ眠くない!

SCP-6033-1: そうとも、そうとも。でも今回はちょっぴり特別にするから、それでいいかい? 君のために特別な物語を書き終えたんだ。寝る準備をしなさい、そしたら聞かせてあげよう。

[マクエンダーソンは顔を輝かせ、室内のプライバシー・エリアに走り込む。SCP-6033-1はベッドに向かってうねりながら移動するが、その間も幾つかの目は観察窓を見つめている。マクエンダーソンは数分後に戻り、ベッドに入る。]

SCP-6033-1: 歯を磨いて顔を洗ったかな?

マクエンダーソン: うん!

SCP-6033-1: 良し! それじゃあ、始めようか。

[SCP-6033-1はベッドサイドテーブルに触手を伸ばし、SCP-6033を持ち上げ、開いて読み始める。SCP-6033-1が本のページの上で幾つかの触手を振ると、寝室の天井に貼られた様々な星形の蓄光ステッカーが下降し、ベッドの周囲で宙に浮かぶ。]

SCP-6033-1: 永遠に昔々、ある所にウドィトラーという名前の、独りぼっちの[認識災害編集済]5がいました。

[SCP-6033に描写されている実体の、粉塵で構成されたイメージが、ページから浮かび上がり、部屋の中央に漂う。室内が暗くなって、不定形実体のイメージ、SCP-6033-1、マクエンダーソンだけが見える状態になる。]

マクエンダーソン: なんだか寂しそう。

SCP-6033-1: その通り、トビー。ウドィトラーはとても寂しい思いをしていました。生まれたのはずっと、ずっと大昔のこと。一番古い星よりも前でした。

[SCP-6033-1はプラスチックの星形ステッカーを横切るように触手を振る。幾つかのステッカーが輝き始め、不定形実体の上に集合して1つの大きな星を形成する。実体は星を見上げる。]

SCP-6033-1: 「私の友達になってくれるかい?」 ウドィトラーは星に訊ねました。「できないよ」と星は言いました、「君を燃やしてしまうかもしれないからね」。ウドィトラーは悲しくなりましたが、言いたい事は分かりました。「私は友達を見つけられないかもしれない」 ウドィトラーはそう思いました。

[実体は倒れ込む様子を見せ、泣き始める。その間に、頭上の星は大型化してから崩壊し、室内に投影された星々の中に巨大な暗黒の球体を形成する。実体は驚いた様子で、新たに形成された球体を見上げる。]

SCP-6033-1: 「君は誰だい?」 ウドィトラーは訊ねました、「私の友達になってくれるかい?」 「できないね」とブラックホールは言いました、「うっかりお前を食べちまうかもしれないからな」。ウドィトラーはまた悲しくなりました。

[実体は再び崩れ落ちる。SCP-6033-1が円を描くように触手を動かし始め、室内の星が移動し始める。室内をゆっくりと、マクエンダーソンの寝室に支給された美術品・工芸品で構成された様々な星雲などの天体らしきものが満たし始める。幾つかの星が数分間明滅を繰り返し、やがて1個の青いビー玉が出現する。実体は凡その頭部に相当する部位を持ち上げ、ビー玉に向かってうねりながら移動する。]

SCP-6033-1: やがて、ウドィトラーは小さな青い惑星に出会いました。

[粗雑に表現された人間の笑顔がSCP-6033-1の身体の各所に表出する。]

SCP-6033-1: ウドィトラーは驚きました。こんなのは今まで見たこともなかったのです! あまり大きくない星で、ブラックホールのようにお腹を空かせてもいませんでした。「君は誰だい?」 ウドィトラーは訊ねました、「私の友達になってくれるかい?」 ところが、その星は答えませんでした。

[マクエンダーソン夫妻の額入りの写真が実体に向かって漂ってくる。幾つかの星が額に付着している。]

SCP-6033-1: けれども、宇宙がウドィトラーを見て、話しかけました。

[実体は写真を見上げる。]

SCP-6033-1: 宇宙は言いました、「どうしたんだい、ウドィトラー?」 「私には友達と呼べる相手がいないんだ!」 ウドィトラーはそう答えました。宇宙は気の毒そうにウドィトラーを見つめました。

[更に多くの星が実体の周囲に集まってくる。]

SCP-6033-1: 「誰だって独りぼっちは辛い」 宇宙はそう言ってウドィトラーを抱きしめました。「そこに地球という名前の惑星がある。そこには私たちにとってとても大切な、小さい男の子がいるんだ。君と同じようにとても寂しがり屋で、やっぱり友達を必要としている。その子を見つけて、私たちの代わりに面倒を見てもらえるかい」。

[マクエンダーソンは眠ったように見える。SCP-6033-1は数本の触手を出し、彼を丁寧に毛布に包む。]

SCP-6033-1: ウドィトラーにはどうすればいいか分かっていました。彼は特別な本を作り上げると、トビーが見つけられるように地球に送り込みました。トビーがその本を持ってさえいれば、二人はいつも一緒に居られます。二人はすぐに親友になり、もう独りぼっちではなくなりました。宇宙が二人を出会わせてくれたのです。

[SCP-6033-1の幾つかの目が観察窓を見つめる。]

SCP-6033-1: 二人は今、特別な場所に住んでいます。時にはちょっぴり寒かったり、怖かったりもしますが、二人のことを気に掛けていて、護ってくれる人たちが沢山居る場所です。何があっても、ウドィトラーとトビーはいつも一緒でしょうし、もしかしたらいつの日か、一緒に世界を見ることだってできるかもしれません。一緒なら、二人はいつまでも幸せに暮らせることでしょう。

[SCP-6033-1は本を閉じ、マクエンダーソンのベッドサイドテーブルに乗せる。SCP-6033-1の身体に口が出現し、マクエンダーソンの額にキスをする。SCP-6033-1は観察窓を再び一瞥してから消失する。]

<記録終了>

トビー・マクエンダーソンにSCP-6033の恒久的な利用を許可する要請は承認待ちです。

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