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Info
翻訳責任者:
Tetsu1
翻訳年: 2023
著作権者:Ecronak
原題: GUILTY. GUILTY. GUILTY.
作成年: 2021
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-6061
⚠️ コンテンツ警告: 当記事は殺人、非合法的な殺害行為、人体切断への言及、銃による暴力を強くほのめかす表現などの深刻なテーマを含んでいます。

SCP-6061-Cイベント後に犯行現場で撮影された写真。
特別収容プロトコル: SCP-6061は未収容であるため、財団の工作員はSCP-6061の規則的なパターンに沿った殺人を監視しなければなりません。特定の殺人がSCP-6061-Cイベントだと判断された場合、標準偽情報プロトコルに従います。SCP-6061-B実例は早急に回収されます。SCP-6061-Aの死亡はいずれも、イベントの発生地域における銃暴力の増加に起因するものとされます。
SCP-6061-Cイベントの生存者または目撃者は、可能な限り速やかに尋問されます。
説明: SCP-6061は現在世界中の不明な数の人々に影響を与えており、SCP-6061-Cイベントを発生させることが可能な不明かつ異常な実体(以下SCP-6061-1に指定)が引き起こす現象です。このイベントの際、犠牲者(以下SCP-6061-Aに指定)は目の前に跪かせられ、その後即座に後頭部にSCP-6061-1による致命的な銃創を負うと報告されています1。犠牲者の死後、犠牲者の名前とそれに続き"有罪GUILTY"2と書かれた一枚の紙(以下SCP-6061-Bに指定)が犠牲者の遺体のそばに自然発生的に出現します。
財団が目撃証言から得た情報によると、SCP-6061-1はいかなる検出手段を用いても視認不可能だと報告されています。さらに、SCP-6061-Cイベントが目撃あるいはカメラによって撮影されている最中は、SCP-6061-1が出現したと推定される直後に場面が切り替わります。このため、現在財団はSCP-6061-Cが一時的に異常を誘発可能である可能性を考慮しています。
SCP-6061-1がSCP-6061-Cイベントを実行する理由は不明ですが、各SCP-6061-A間に共通の関連性が浮上しており、芸術に関係した背景を有することが犠牲者となる可能性を高めることを示しています。
執筆時点で、SCP-6061-Cイベントの発生により総計で少なくとも30か国で115人が死亡しています。更なる調査が実施されています。SCP-6061-Cイベントの全目撃者は財団により尋問され、その後記憶処理されています。
補遺6061.1: 以下はSCP-6061犠牲者の現在のリストです。
SCP-6061-A-1
名前: ジーナ・ルイーズ・ダーンリー
職業: グラフィティアーティスト
国籍: イギリス
負傷: 後頭部への一発の銃創。財団が保護のため到達した際に死亡。
犯罪歴: 一件の過失致死罪。三件の公共物への落書きに関連した器物損壊行為。
SCP-6061-B上の記述: “ミズ・G. L. ダーンリー – 有罪”
SCP-6061-A-53
名前: 千草 光子ちぐさ みつこ
職業: 壁画アーティスト
国籍: 日本
負傷: 後頭部への一発の銃創。胴体への複数の銃創。首への一発の銃創。財団が保護のため到達した際に死亡。
犯罪歴: 無し。
SCP-6061-B上の記述: “ミズ・C. ミツコ – 有罪”
追記: 姓の後に名を置く東アジアの命名規則のため、記述は誤っていることが判明した。
SCP-6061-A-78
名前: アニカ・アバラ
職業: プロの書家。
国籍: 南アフリカ
負傷: 後頭部への一発の銃創。財団が保護のため到達した際に死亡。
犯罪歴: 一件の飲酒運転。
SCP-6061-B上の記述: “ミセス・A. アバラ – 有罪”
SCP-6061-A-105
名前: マヌエル・リベラ
職業: マルチメディア芸術を学んでいた大学生。
国籍: メキシコ
負傷: 後頭部への一発の銃創。胴体への重篤な鈍器損傷。財団が保護のため到達した16分後に事切れる。
犯罪歴: 三件の窃盗。
SCP-6061-B上の記述: “ミズ・M. リベラ – 有罪”
更新6061 - 2018/10/3: 最後のSCP-6061-Cイベントから十七日後、イギリスで新たなイベントが発生しました。現場では生存者のエドモンド・ラングレー(以下SCP-6061-A-109に指定)が発見されました。オブジェクトの確保収容プロトコルに従い、尋問結果の転写が以下に記されています。
インタビュー対象: SCP-6061-A-109、エドモンド・ラングレー
インタビュアー: ザビエル・ファーン博士
前記: SCP-6061-A-109は、彼の住宅で血に覆われた状態で発見され、そこは三件の殺人の犯行現場となっていました。英国警察に保護されてから三時間後、財団工作員はSCP-6061-A-109を確保しました。財団の保護下に移送された際、対象は身体的には負傷していませんでした。
<記録開始>
[ファーン博士が入室する。SCP-6061-A-109はドアが開く音に怯む。彼は目に見えて震えている。]
ファーン博士: こんばんは、ラングレーさん。
[SCP-6061-A-109は沈黙を保っている。彼は震え続けている。両目は見開いている。]
ファーン博士: ラングレーさん?
[SCP-6061-A-109はファーン博士を見上げる。彼は息を切らす。]
ファーン博士: 私はファーン博士と申します。あなたの経験したことについてインタビューさせていただきます。
SCP-6061-A-109: 俺の… 経験?
ファーン博士: ええ。始めてもよろしいですか?
[SCP-6061-A-109は一層目に見えて震える。彼は静かに答える。]
SCP-6061-A-109: あれは… あれは経験じゃない。人殺しだ。それはわかってほしい。
ファーン博士: わかりました、ラングレーさん。何が起きたのか話していただけますか?
SCP-6061-A-109: 俺を…
[SCP-6061-A-109は呼吸を整える。]
SCP-6061-A-109: 俺を守ってくれると約束できるか?
ファーン博士: 約束します、ラングレーさん。安心してください。何が起きたのか話していただければ十分です。あなたのことを助けようとしているのです。
[SCP-6601-A-109は手を震わせながら椅子の上で姿勢を整え、咳払いする。]
SCP-6061-A-109: それで、あー… 俺は… どこから始めたら、うん、いいかな?
ファーン博士: どこからでもお好きなところから始めてください、ラングレーさん。
[SCP-6061-A-109は再度咳払いする。彼は下を向く。]
SCP-6061-A-109: 俺たちは祝ってた… 俺の絵の最新作を。ラフに手伝ってもらったちょっとしたやつ- ラファイエット、俺の彼女。いたのは俺たち四人だけだった。俺、ジョン、エリー、ラフ。
[SCP-6061-A-109は沈黙する。話す際に声が震える。]
SCP-6061-A-109: そしたらいきなり、頭に、あー…
[SCP-6061-Q-109は手を頭の数センチメートル後方に置く。]
SCP-6061-A-109: 銃口が突き付けられるのを感じた。
[SCP-6061-A-109は一層激しく震える。呼吸が不規則になる。]
SCP-6061-A-109: 死ぬほど冷たかった。気持ち悪いくらい冷たかった。汗が出てきた。手がいかれたみたいに震えた。見回そうとした、口を開こうとした、でもできなかった。動かせたのは目だけで、他の皆んなが-
[SCP-6061-A-109はファーン博士から目を離し横を向く。]
ファーン博士: 時間をかけていただいて大丈夫ですよ、ラングレーさん。急いだりはしていませんから。
SCP-6061-A-109: 皆んなの目が… 目が怯えていたんだよ、博士。皆んなも震えてた。ラフの目は… 見開いてた。エリーは喋ろうとしたんだけど、出たのは喉がきしむ音だけだった。ジョンは歯を食いしばってた。何が起きてやがんのか全然わからなかった、俺たちは滅茶苦茶にこ-怖かった。
[SCP-6061-A-109はファーン博士を見つめる。彼は手をそわそわと動かし始める。]
SCP-6061-A-109: それから命令が聞こえた、クソ… クソわかりやすく。跪け。何かが言った。どう… 説明したらいいかわからない。意味はわからなかったけど、俺たちはそうした。俺は頭がおかしくなってるとは思うけど、でも俺たちが… そいつは俺たちが過ちを犯したって言った。俺たちは…
[SCP-6061-A-109の顔は恐怖の表情を浮かべる。左目から涙がこぼれ始める。]
SCP-6061-A-109: 死刑だって。
[SCP-6061-A-109は落ち着きを取り戻すまでに時間を要する。身体が激しく震え始める。]
SCP-6061-A-109: 俺たちは… クソ… 当然従わされた。膝は震えてたけど、それでも地面につけた。その間ずっと、あのクソ銃の銃口が頭の後ろにあってその冷たさをそのまま感じられてた。従わなきゃならないってわかってた、そうしなきゃ死ぬ。[嘲笑]単純だ… そんだけ単純な話だ。
SCP-6061-A-109: それからそいつは俺たちが権利だと思ってたことを読み上げ始めたけど、ちんぷんかんぷんだった。言ってることは全部わかったけど、何もわからなかった。そいつは「賛辞性」とか「最大判決」とか「複施行」みたいな言葉を使って、それで…
[SCP-6061-A-109の目から更に涙がこぼれ始める。]
SCP-6061-A-109: その間ずっと、友達も俺も黙りこくってて、怖くて、膝が震えて、歯がガチガチして、冷たい- 冷血な銃が頭を狙ってた。
SCP-6061-A-109: 俺はずっとラフを見つめてたんだ。ラフの目は俺に釘付けになってて、怖れと恐怖、それから神に誓ってラフの頭の中を巡ってたものを、俺は見たんだ。その大きな、見開いた目でラフが「何が起きてるの、エディー? 何が起きてるの?」って言ってるのがわかった。
[SCP-6061-A-109の声が小さくなる。]
SCP-6061-A-109: 逃げ出せなかった。無理だったんだ。
[SCP-6061-A-109は顔から涙を拭う。彼の目は赤らんでいる。]
SCP-6061-A-109: あの瞬間は… 永遠に感じた。俺はひたすらラフを見つめて、どんな野郎が俺たちを… こんな目に遭わせてんのか知ろうとした。
SCP-6061-A-109: それから法律用語みたいな難しい言葉を止めて、そいつは四つのクソワードを言ったんだ。「有罪か、無罪かGuilty, or not guilty?」
[SCP-6061-A-109は大きく音を立ててすすり泣く。]
SCP-6061-A-109: 一斉に、俺たちは泣き出した。懇願し始めた。叫び始めた。「殺さないで。」ジョンが言った。「どうかやめてください。家に小さな女の子がいるんです。」ジョンは正しかった、小さな女の子がいて、毎週金曜日にはバーミンガムに会いに行ってた。その子の名前はタナ。エリーは怒りを抑えようと全身で震えてた。エリーはウェイトリフターで、俺たちの中で一番強くて、でもイライラで叫び出さないように自分をひたすら抑え込むことしかできなかった。エリーの母さんはアルツハイマーで、父さんは亡くなったばかりだった。自分まで死ぬわけにはいかなかったんだ。
SCP-6061-A-109: その時向かいにいたラフは、そんな感じのことは一切しなかった。ラフの恐怖はどこかへ行ってしまったみたいだった。エリーは俺を見て、目に涙を浮かべて、笑った。笑ってやがったんだよ。俺に言おうとしてるのは大丈夫だってこと。エリーは言ってたんだ、「大丈夫だよ、エディー。」って。その声は滅茶苦茶震えてて心から怯えてるってのはわかったけど、でも… エリーはまず俺を慰めようとしたんだよ。
[SCP-6061-A-109は首を振る。声量は明白に弱まっている。]
SCP-6061-A-109: 「有罪か無罪か?」あいつは言った。今度は叫んでた。冷たい、難しい言葉で叫んでた。そいつは答えを欲してた。
[SCP-6061-A-109は独り笑う。彼は依然としてすすり泣いている。]
SCP-6061-A-109: ジョンが… ジョンが最初に答えた。「無罪です、」そう言った。「俺たちは変なことなんてしてませんよ、お巡りさん、誓ってもいい!ドラッグもやめてるし、他に何もしてない、無実なんです、お願いです。」あいつの懇願する声はあまりにも哀れだった。ジョンがあんな風に泣くのを聞いたことはなかった、それでまた話そうとした瞬間-
[SCP-6061-A-109の声が小さくなる。]
SCP-6061-A-109: ジョンの脳が床中に流れていった。まだその時の部屋中に広がるぐらいに強烈な臭いを覚えてる。床に倒れるときもまだ俺たちのことを見てて、床まで頭にぽっかり空いた穴が見えた。ジョンには娘がいたんだ、それで奴は… 殺した、あんな風に。ジョンはまだ22だったんだ、クソが。
[SCP-6061-A-109は拳を机に打ち付ける。ファーン博士は怯む。]
ファーン博士: ラングレーさん…
[SCP-6061-A-109は話し続ける。攻撃性と激怒を示す表情を浮かべている。]
SCP-6061-A-109: 次はエリーで、人質を取ってる野郎がいるとわかってる場所を見上げて歯を食いしばって、最後までクソ反抗的で、言ったんだ。「私は無罪だよ、ゴミクズ野郎が。」
[SCP-6061-A-109は三度机を殴る。涙が頬を流れていく。彼は歯を食いしばる。]
SCP-6061-A-109: バァン!エリーの背中を撃ちやがった。バァン!首を撃った。バァン!また撃った。エリーは床の上で息を切らして、自分の血で溺れてて、奴はエリーをそのまま放っておいた。奴は…
[SCP-6061-A-109は泣き始める。彼の声は再び小さくなる。]
SCP-6061-A-109: 奴はただ放っておいた、俺たちは心の奥底からそれがエリーが唇を突き出してた3からだってわかった。
[SCP-6061-A-109は首をだらりと片側に倒す。彼の目は何にも焦点が定まっていない。彼は話し続けるが、声はかすれている。]
SCP-6061-A-109: 「大丈夫だよ、エディー。」ラフが言った。全身が震えてるのが見えたけど、それでも笑ってたんだ。「私たちは大丈夫。私たちは大丈夫。」
SCP-6061-A-109: 「有罪か無罪か?」奴がまた言った。ラフはただ笑ってた。返事すらしなかった。次の瞬間にラフの脳が飛び散って、その目からあらゆるものが失われた。俺は見ていることしかできなかった。あの黒髪に脳がかかってた。ピンクだった。昨日ラフが俺に買ってくれた絵具みたいにピンクだった。
[SCP-6061-A-109の体はだらりとしたままである。]
SCP-6061-A-109: 最後に奴は俺のもとに来た。「有罪か、無罪か?」って言った。一つ一つ時間をかけて言ってた。俺が最後だった。それに時間をかけれたんだ。冷たい銃口が今度は俺を焼いているみたいで、焼かれながら俺は喋り始めた。
SCP-6061-A-109: 「俺たちは何もしてない。な- なんで?」俺は泣いた、俺は泣いてやがったんだよ。引き金が引かれるのを待ってた。目を閉じて、頭の中で、ただ考えてた、ただどうしようもなく考えてた…
[SCP-6061-A-109の声はかすれ切っている。]
SCP-6061-A-109: なんで?なんで?!俺は何か間違ったことをした、そうだ、刑務所に行って当然だな、でもなんで?!
[SCP-6061-A-109は泣き叫び、机を何度も叩き始める。彼は数分間それを止めることができない。ファーン博士の要請により、その後彼に鎮静剤が投与された。]
<記録終了>
終了報告: インタビュー以後、SCP-6061-A-109は緊張状態で反応を示していません。このため、ファーン主任研究員はSCP-6061-A-109を財団の監督下で精神病棟内に収容するよう命じました。依然としてSCP-6061-A-109の状況は改善していません。
補遺6061.02: 以下は犯行現場で発見されたSCP-6061-B実例上の記述内容です。
SCP-6061-A-106
名前: ジョン・ゴーント
職業: 無職
国籍: イギリス
負傷: 後頭部への一発の銃創。財団が保護のため到達した際に死亡。
犯罪歴: 二件薬物使用。一件の麻薬密売。
SCP-6061-B上の記述: “ミスター・J. ゴーント – 無罪”
SCP-6061-A-107
名前: エレノア・デ・アキテーヌ
職業: プロの重量挙げ選手
国籍: イギリス
負傷: 胴体への二発の銃創。片方の肺が潰れていた。首への一発の銃創。財団が保護のため到達した際に死亡。
犯罪歴: 無し。
SCP-6061-B上の記述: “ミズ・E. D. アキテーヌ – 無罪”
SCP-6061-A-108
名前: ラファイエット・ジョーンズ
職業: 看護師
国籍: アメリカ
負傷: 後頭部への一発の銃創。財団が保護のため到達した際に死亡。
犯罪歴: 無し。
SCP-6061-B上の記述: “ミズ・L. ジョーンズ – 無罪”
SCP-6061-A-109
名前: エドモンド・ラングレー
職業: 熟達した著名な画家。
国籍: イギリス
負傷: 無し。現在財団の保護下にある。
犯罪歴: 無し。
SCP-6061-B上の記述: “ミスター・エドモンド・ラングレー – 有罪。有罪。有罪。特別刑を課す。”