SCP-6066
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アイテム番号: SCP-6066

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-6066を含む土地は財団が購入し、現在は電気柵で周囲を保護しています。警備員はこの囲いを定期的に監視し、電気柵を常に機能させるよう整備を施してください。無認可の人物がSCP-6066に接近しようと試みた場合は、現地の警備員が拘束して尋問を実施した上で、記憶処理を施すか、必要であれば拘束を継続します。

説明: SCP-6066はイングランド、マージーサイドのレリー村郊外に所在する小さなコテージです。現地の記録にはSCP-6066の当初の建設概要や経緯に関する記述はありませんが、建物の外部の検査では、ヴィクトリア朝の窓やレンガ造りの特徴が明確に見られています。

SCP-6066の異常性のために、建物の完全な調査は極めて困難です。しかしながら、窓やドアから目視で調査した結果、建物内には様々な品種のイエネコが常に多数存在していることが明らかになっています。安定した食料源や水源は現状確認できていないにも拘らず、不健康状態のネコは一度も確認されておらず、建物内のネコがSCP-6066から退出しようと試みた様子も観測されていません。

唯一開くSCP-6066への入り口は、キッチンへと続く裏口です。それ以外の手段で侵入を幾度か試みたものの、全て失敗に終わっています1。裏口からSCP-6066に進入した人物は、探索の失敗を回避するために、特定のタイミングで特定の行動を取るという極めて正確な手順を踏んで家屋を進む必要があります。

SCP-6066内の人物が要求される行動と矛盾する振る舞いをした場合、それがどれほど些細なことでも、建物内の全ての明かりが即座に5秒間消えます。明かりが再点灯する頃には、進入した人物は完全に消失しています。この5秒間に何が起きているのかは不明であり、消失した人物を回収する試みは全て失敗しています。

SCP-6066内を進むのに必要とされる行動の原則は不明であり、通常であればその無作為性のために探索は全く進展しないはずです。しかし、得られた証拠からSCP-6066には副次的な異常性があると示されています。派遣する人物に以前の探索内容や失敗の原因となる行動を知らせていない場合でも、後続の探索者が同じ失敗をした事例や、進展が得られなかった事例は報告されていません。


探索ログ6066-1

以下は研究過程で実施されたSCP-6066内の探索記録の抜粋です。余分なログはこの記録から削除されていますが、要請に応じて閲覧が可能です。

各ログは担当の被験者・失敗前に到達していたSCP-6066内の場所・探索の概要から構成されています。経験内容を文書に書き起こすため、被験者には探索前にマウントカメラを装着させています。

被験者: D-6066-1

失敗した場所: キッチン
探索概要: 被験者はSCP-6066の裏口を開き、キッチンに進入する。被験者が1歩前に踏み出す。

失敗時の事象が即座に発生する。

被験者: D-6066-3

失敗した場所: キッチン
探索概要: 被験者はSCP-6066の裏口を開き、キッチンに進入する。被験者がドアマットで靴を拭く。被験者が次の部屋へと続くドアに向かって歩き始める。被験者は調理台から飛び降りた猫に反応せず、ドアへと進み続ける。

被験者がドアにたどり着き、立ち止まる。その後、方向転換してキッチンの調理台へと歩く。被験者が引き出しを開け、食事用のナイフを取り出す。

失敗時の事象が即座に発生する。

被験者: D-6066-9

失敗した場所: 廊下
探索概要: 被験者はSCP-6066の裏口を開き、キッチンに進入する。被験者がドアマットで靴を拭く。被験者が次の部屋へと続くドアに向かって歩き始める。被験者は調理台から飛び降りた猫に反応せず、ドアへと進み続ける。

被験者がドアにたどり着き、立ち止まる。被験者はその後、方向転換してキッチンの調理台へと歩く。被験者が引き出しを開け、食事用のフォークを2本取り出す。片方を調理台の上に置き、もう片方をポケットに入れる。

被験者がキッチンのドアへと戻って開け、廊下に進入する。廊下の左側には2つのドアが、右側には下に続く階段が見える。不死鳥・骸骨・卵の絵が壁に多数見られる。廊下に確認できる限りで15匹いるネコのうち1匹が、D-6066-7の脚に顔を擦り付ける。

失敗時の事象が即座に発生する。

被験者: D-6066-15

失敗した場所: 階段
探索概要: 被験者はSCP-6066の裏口を開き、キッチンに進入する。被験者がドアマットで靴を拭く。被験者が次の部屋へと続くドアに向かって歩き始める。被験者は調理台から飛び降りた猫に反応せず、ドアへと進み続ける。

被験者がドアにたどり着き、立ち止まる。被験者はその後、方向転換してキッチンの調理台へと歩く。被験者が引き出しを開け、食事用のフォークを2本取り出す。片方を調理台の上に置き、もう片方をポケットに入れる。

被験者がキッチンのドアへと戻って開け、廊下に進入する。廊下の左側には2つのドアが、右側には下に続く階段が見える。不死鳥・骸骨・卵の絵が壁に多数見られる。廊下に確認できる限りで21匹いるネコのうち1匹が、D-6066-7の脚に顔を擦り付けようとする。しかし、被験者はそのネコをまたいで廊下を進み、左側のドアを通過する際にそれぞれ2回ずつノックする。

廊下にたどり着くと、被験者は集まったネコに向かって恭しく一礼し、階段を下り始める。

失敗時の事象が即座に発生する。

被験者: D-6066-19

失敗した場所: 階段
探索概要: 被験者はSCP-6066の裏口を開き、キッチンに進入する。被験者がドアマットで靴を拭く。被験者が次の部屋へと続くドアに向かって歩き始める。被験者は調理台から飛び降りた猫に反応せず、ドアへと進み続ける。

被験者がドアにたどり着き、立ち止まる。被験者はその後、方向転換してキッチンの調理台へと歩く。被験者が引き出しを開け、食事用のフォークを2本取り出す。片方を調理台の上に置き、もう片方をポケットに入れる。

被験者がキッチンのドアへと戻って開け、廊下に進入する。廊下の左側には2つのドアが、右側には下に続く階段が見える。不死鳥・骸骨・卵の絵が壁に多数見られる。廊下に確認できる限りで21匹いるネコのうち1匹が、D-6066-7の脚に顔を擦り付けようとする。しかし、被験者はそのネコをまたいで廊下を進み、左側のドアを通過する際にそれぞれ2回ずつノックする。

廊下にたどり着くと、被験者は集まったネコに向かって恭しく一礼し、階段を1段飛ばしで下り始める。階段でネコに遭遇するたびに、被験者は両手で耳を塞ぎ、鳴き声を無視する。これを6回繰り返して階段を下りていく。

階段を下りきった被験者が大きな木製のドアにたどり着く。被験者がドアをノックし、「こんにちは?」と言う。

失敗時の事象が即座に発生する。

被験者: D-6066-20

失敗した場所: 階段
探索概要: [無関係な情報を削除]

階段を下りきった被験者が大きな木製のドアにたどり着く。被験者がドアをノックし、「入ってもいいですか?」と言う。

失敗時の事象が即座に発生する。

被験者: D-6066-21

失敗した場所: 階段
探索概要: [無関係な情報を削除]

階段を下りきった被験者が大きな木製のドアにたどり着く。被験者がドアをノックし、「そこにいるのは誰?」と言う。

失敗時の事象が即座に発生する。

被験者: D-6066-22

失敗した場所: 階段
探索概要: [無関係な情報を削除]

階段を下りきった被験者が大きな木製のドアにたどり着く。被験者がドアをノックし、「こっちに一体何を求めてるんで?」と言う。

失敗時の事象が即座に発生する。

被験者: D-6066-23

失敗した場所: 階段
探索概要: [無関係な情報を削除]

階段を下りきった被験者が大きな木製のドアにたどり着く。被験者がドアをノックし、「お願い、どうか、どうか — ドアを開けて! これ以上死にたくない!」と言う。

失敗時の事象が即座に発生する。

被験者: D-6066-24

失敗した場所: 階段
探索概要: [無関係な情報を削除]

階段を下りきった被験者が大きな木製のドアにたどり着く。被験者が両拳をドアに打ちつけ、支離滅裂なことを叫ぶ。

失敗時の事象が即座に発生する。

被験者: D-6066-25

失敗した場所: N/A
探索概要: [無関係な情報を削除]

階段を下りきった被験者が大きな木製のドアにたどり着く。被験者がドアをノックし、「貴方のことを教えてもらえますか?」と言う。

ドアが開き、被験者が入室する。

中はトイレやシャワーユニットといった多数のバスルーム設備が散在する小部屋である。逆さになったバスタブの上に老齢のベンガルトラが鎮座しているのが見える。様々な品種の60匹以上のネコがそれを取り囲んでおり、いずれも祈る姿勢を取っている。被験者がトラに恭しく一礼し、接近する。

トラを60秒間見つめた後、D-6066-25が以下の発言をしたのが聞き取れる。

「私が何をしているか? 私はただ…… 自分に正直に行動しているまでだと思います。自分を見失わないでいるまでです。大したことではありません。貴方も同じなのでしょう? 全く同じです。ずっと見てきました。一生を送るというのは、剣を研ぐことに似ています。必要のないものを、自分が今存在しているという道を邪魔するものを全て取り除くのです。」

「日に日に自分が自分らしくなっていく。それが生けるものとしての私の義務です。」

詳細については補遺6066-1を参照。


補遺6066-1 (最後の探索の結果)

D-6066-25の探索の最後で、探索の失敗時と同様にSCP-6066内の全ての明かりが消え、再点灯しました。

しかし、明かりが再点灯しても、現地の職員がSCP-6066の窓やドアから観測した限りでは、ネコは確認されませんでした。観測を進めてから8時間経過し、その間SCP-6066の外観に何も変化がなかったため、D-6066-26を派遣して内部の調査を実施することになりました。この調査は何事もなく進みました。映像を確認したところ、それまで観測されていたネコは全て建物から消失しており、SCP-6066の平時の異常性もまた消失していました。

最後の探索が途切れた場所であるSCP-6066の地下室には、D-6066-25と老齢のベンガルトラのいずれの痕跡も残されていませんでした。その代わり、D-6066-25の壊れたカメラの隣に、生後6か月と推定されるベンガルトラの赤子が発見されました。D-6066-26は今後の調査のためにこの赤子を回収するよう指示を受けました。

回収された赤子の全面的な分析はまだ実施されていませんが、身体の外観の検査では、ヴィクトリア朝の窓やレンガ造りの特徴が明確に見られています。

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