SCP-6072
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09/12/2035に、実体が消失する前に撮影された、唯一の利用可能なSCP-6072の写真。

アイテム番号: SCP-6072

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-6072は現在未収容の状態です。サイト-88職員との協力(そのサイトの職員がヒト型実体を対処したことがあるため)による、SCP-6072のスクラントン現実錨を用いた適切な局限化および固定はサイト-120職員の最優先事項であるとみなされています。全ての潜在的な出現の記録はただちに調査されます。

SCP-6072出現の基準を満たす全財団職員は、実体の出現を防ぐため、その職員が死亡する可能性のある期間中、反現実改変空間に配置されます。

説明: SCP-6072は一貫した形態や容姿を持たない捕食性実体であり、非被信仰性神格のそれと類似するレベル4TRE(妖魔放射エネルギーTartarean Radiation Energy)および少量のアキヴァ放射を一定出力で放出します。1SCP-6072は捕食習性を示し、狩りの容易性のため、以下の特徴を1つ以上示す人物のみを標的とします。

  • 年齢が60歳以上であり、
  • ひどく孤独であり、
  • 生活が相対的貧困であり、
  • 非常に不安定な生活であり、
  • 肉体的かつ精神的に健康状態が悪く、
  • 保護してくれる可能性のために頼ることが可能な、実に親密な多数の親戚や友人がおらず、
  • 恋愛関係を維持する能力がない。

SCP-6072が出現する付近の全人物は、曝露から2~5分以内に死亡した状態で発見されます。100%の実例で、死因は以前診断未確定だった重篤な状態の疾患であると判断されました。実体は、食糧が死亡したと確認されるまで離れず、疾患により対象が死亡するまで絶えずその付近で待ち、しばしば狩る人物の生命徴候を確認します。SCP-6072が食糧の組織内にそのような進行状況にある疾患を出現させることが可能な方法はいまだに不明です。

SCP-6072は、事実上無制限の瞬間移動能力および形状変化能力を有しており、それによりあらゆる地点にあらゆる形状で出現することが可能です。それにもかかわらず、実体は本能力を食糧の付近への出現のみに利用しており、その食糧は毎回狩られます。実体が殺害しようとする人物の付近以外への出現は一度も記録されていません。たいていの出現において、実体は通例出現する領域で標準的なヒトの形状を取り、しばしば狩ろうとする人物の近親者の形状を取ります。実体が潜在的な被害者を察知するさい、目標を達成するために手段を選びません — 以前は通過不可能と考えられていた反現実改変空間の通過さえも記録されたことがあります。

現在の仮説として、実体は苦痛消費性妖魔Tartareanであり、他者を殺害することにより自身の生命を延長していると考えられています。本理論はSCP-6072と相互作用していた前近代の文明の例2により裏付けされているものの、正確であるかどうかはいまだに不明です。

発見・歴史的背景: SCP-6072は、財団の1870年の設立以来、今まで何らかの形で財団に認知されていました。当初は多数の別のアノマリーであると考えられていましたが、150年以上におよぶ継続的な出現ののち、本アノマリーは十分に研究されSCP-6072に分類されました。しかし、財団が保有する本アノマリーに関するデータは165年間分のみですが、研究では実体に関する世界の文化や相互作用に関連する世界中の数世紀にわたる多数の記録が発見されています。以下はそれらの内最も重要な数点を選出したものです。3

出現時期 出現箇所 出現の詳細
不明、おそらく1800-1700 B.C.ごろ エジプト 当時の社会の大多数が極端に悪い状態であったため、SCP-6072はおびただしい数の犠牲者を獲得することが可能であった。ラシャプという、その行くところ全てに疫病を引き起こす疫病の神に対する信仰の直接的な原因である。
不明、おそらく400-300 B.C.ごろ メソポタミア 出現時期が非常に政治的に不安定な時期であったため、SCP-6072はその状況を利用して注意を引かれるまでに多数の犠牲者を狩ることが可能であった。弱者を死の王国へ連れに迎える、戦争と疫病の神であるエッラの神話の発想となった。
不明、おそらく400-700年ごろ 中央ヨーロッパおよび東ヨーロッパ SCP-6072の多数の出現は、マズルクの、弱者や老人のもとに病気をもたらす、人間の病気の原因となる小人のような悪魔の種族である「白き人々」の伝説の発想となった。
江戸時代(1603-1867年) 日本 この時代が比較的平和かつ経済的に安定していたにもかかわらず、直前の時代が混沌で不安定であり多くのより貧困な地域をもたらしたため、SCP-6072はいまだに出現が記録された(しかし、出現は時代が進むにつれ明白に頻度が減少していた)。日本の死神(弱った人間に死をもたらし、その魂をあの世に連れる死の神)の伝説の発想となった可能性が高い。
1890-1923年 シベリア 当時のロシア当局による数多くのロシア化の試みによってもたらされた、その地域におけるケット人の非常に不安定な健康状態や有形財のため、SCP-6072はそのエリア内でより高い頻度で狩ることが可能であった。文化に関するさらなる研究は、実体は病気でもって人間をのろい、そして「その魂をむさぼる」原因の神格である女神のホサダム4の伝説の原因であることを示唆している。

補遺6072-2: 以下のログは、SCP-6072がその犠牲者と相互作用しているところの唯一の利用可能な記録であり、財団が目撃可能であった唯一の出現イベントです。

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