コンテンツ警告
以下のファイルにはトランスフォビア・性別違和・いじめ・虐待・自殺および性転換体験についてのセンシティブな情報が含まれています。あなたにとってこれらのテーマが非常に不快であるならばこれ以上読まないでください。
特別収容プロトコル: SCP-6113-1とSCP-6113-2の収容は現時点では不可能です。SCP-6113収容の努力は主にそれにまつわる情報を隠蔽することに焦点が当てられています。SCP-6113に対して以下の特別収容プロトコルが実施されています。
- あらゆる報告された目撃事例と「性転換イベント」の信憑性を低下させるため、財団製ウェブクローラーと潜入エージェントによってSCP-6113-1とSCP-6113-2にまつわる偽情報を拡散させます。
- SCP-6113の影響を受けたトランスジェンダー(以後「対象」と呼称します)の位置を特定し拘禁します。尋問のために1週間より長く囚えてはなりません。
- 対象のありとあらゆる法的記録を現在の性別とジェンダーアイデンティティを反映するように更新し改変します。
- クラスAおよびE記憶処理を対象とあらゆる家族、友人、そして知人に適用するとともに、対象が出生時からその性別に分類されていたという偽記憶を埋め込みます。
- 現状に満足しているかを確認するために、解放後の対象を1ヶ月間監視します。
これらプロトコルは世界の正常性を維持するのに役立ってきました。しかしながら、平均して7日に4人の割合でSCP-6113は対象に影響を及ぼし続けています。2019/11/05時点でSCP-6113の被影響対象数は合計243を超えています。奇跡術部門は現在SCP-6113-1の恒久的収容手段を開発中です。
数多くの対象となりうる人物が財団に雇用されているにも関わらず、SCP-6113-1は財団の敷地内に侵入して職員に対して性転換イベントを執り行うことを拒否しています。Dクラス職員での実験 SCP-6113-1の位置特定、追跡、研究およびSCP-6113-2の位置特定は現在不可能です。
説明: SCP-6113とは様々なクラスの複数のオブジェクトに対する指定です。SCP-6113-1からSCP-6113-3まで分類されています。個々については以下のファイルを参照してください。
特別収容プロトコル: 記載時点においてSCP-6113-1は収容されていません。目撃されているイベント中、機動部隊ラムダ-69 ("六色活動家")は即応し、収容するために標準人型霊的実体兼現実改変者収容プロトコルに従ってください。奇跡術部門は未だSCP-6113-1の最終的な収容方法を開発できていません。
説明: SCP-6113-1はテレポーテーションと変装して人間になりすますことが可能な人型実体です。SCP-6113-1はその能力を用いて世界中のトランスジェンダーである個人に対する「性転換イベント」を円滑に進めます。現在有力な仮説に、SCP-6113-1は人間の霊魂または現実改変者であるというものがありますが、その本性は不明です。
SCP-6113-1が対象の前に現れるのは典型的には対象が「人生最低の瞬間」にあるときです。この時、SCP-6113-1は対象とポジティブな感情的繋がりのある人物 たとえば家族、友人、重要な他者、あるいは教師(以後「仲間」と呼称します) に扮します。対象の私生活と仲間との関係性の情報を利用し、テレポーテーション能力を用いて対象をSCP-6113-2に導きます。対象はあたかも途切れることなく目的地に向けて歩いているかのようにテレポーテーションの瞬間に気付きません。対象の人生、仲間の性格、および仲間との関係性についての知識をどのようにしてSCP-6113-1が得ているのかは不明です(が読心の一種であると仮説が立てられています)。
SCP-6113-1はまた以下のように観察されてきました。
- 対象を全ての物理的危害(自傷他傷問わず)から出現前後の短い期間守ります。
- 対象の私生活、精神衛生、および関係性について極めて詳細な知識を所有しています。
- 穏やかで心地よい雰囲気を醸し出しています。
加えて、まさにどん底の瞬間に対象の前に姿を現すためにSCP-6113-1は不可視になれるのではないかという仮説も立てられています。SCP-6113-1は2019/04/20に発見されてから新しい能力を何も発揮していませんが、これ以上能力を保持しているか否か不明です。
特別収容プロトコル: 記載時点において、SCP-6113-2は収容されていません。その受動的性質と対象間の相互に矛盾する説明故に、収容の努力はSCP-6113-1の収容と比較して低優先度となっています。SCP-6113-2の位置特定と収容の機会が訪れた場合、機動部隊ラムダ-69 ("六色活動家")と異常地点部門が対応してSCP-6113-2を収容しなければなりません。
説明: SCP-6113-2は地球上のどこか不明な場所にある自然淡水湖です。SCP-6113-2の説明は一貫せず相反していますが、しかし、ほとんどの対象は合衆国中西部の森林地帯にある湖のそれであると記憶しています。
SCP-6113-2はSCP-6113-1とその対象が「性転換イベント」を行う際の目的地です。SCP-6113-1、1人きりの対象、そしてSCP-6113-2が共にある場合にのみ性転換イベントは発生します。性転換イベントの進行段階は以下の通りです。
- 対象の仲間に扮したSCP-6113-1が対象の前に現れ、必要があれば物理的危害から守ります。ほとんどの事例においてこれは単独で発生します。それが直接テレポートしてくるのか、あるいは可視化するのかは不明です。
- SCP-6113-1は対象を落ち着かせ安んじます。仲間が突然傍らに同行してくる理由について、あたかも完全にそれが普通のことであるかのように、対象は質問しません。
- SCP-6113-1は散歩を提案し、対象を湖へと導きます。対象に対し、SCP-6113-2が徒歩で向かえる範囲内にあるかのごとく、周囲の環境が当該地点への理論上の経路に合致するように変形します。対象のみがこれを知覚します。実際の物理的位置は不変です。これら幻覚はまたSCP-6113-2の説明が様々なものとなる理由でもあります。また、これについて対象は質問しません。
- 私生活について対象と会話しているSCP-6113-1は湖の畔に座ることを提案し、共に座ります。会話内容は学業成績、関係性、そして将来設計についてです。
- ある時点において、ジェンダーアイデンティティと性別違和(あるいは多幸感)についての会話に自然に移行します。
- SCP-6113-1はこの時、対象に対して湖面に映る自身の反射を見るように促します。水に映る反射を対象が見た時、最初は自身を見ることになります。対象の反射像および物理的身体はジェンダーアイデンティティに合致するまでゆっくりと永続的な変化をします。性徴と染色体が主に影響を受けます。このプロセスはSCP-113のそれに類似していますが、無痛である点が特徴的です。
- 対象は強い感情的反応(ほとんどの場合興奮と歓喜、ただし不安と恐怖の場合あり)を表現します。それにSCP-6113-1は適切に応じます。
- そしてSCP-6113-1は元居た場所に戻るよう対象を導いて、テレポーテーションか不可視化して去る前に別れを告げます。
性転換イベントを経験した対象は ときどき2種類の性別持つ人類から掛け離れた生体構造を持ちますが 非異常です。「性転換イベント」は対象の身長、体重、そして性転換に関係ない機能を大幅には変更しません。対象はまた、より自信がつき、QOLを向上させる決意をしたと報告します。
補遺6113.1: 発見
2019/04/17、医学的処置とホルモン置換療法を用いずに唐突かつ完全に性徴が変化した対象に関する報告が地元ニュースとソーシャルメディアに出回り始めました。3日後にこれら報告が財団の注意を惹きました。発見以前に126人の対象がSCP-6113の影響を受けていました。
補遺6113.2: 初期収容努力
2019/04/20、公衆虚偽情報部門はSCP-6113-1、SCP-6113-2、およびその対象たちに及ぼした効果についてのあらゆる報告の信憑性を低下させるため、複数の機動部隊を派遣しました。初期収容努力中、対象たちは捕えられ、近隣の低セキュリティ財団施設に移送されました。対象が捕えられた期間は1週間を超えませんでした。この期間中、対象たちはSCP-6113-1とSCP-6113-2について尋問されていました。対象たちの記録および法的文書 たとえば出生証明、パスポート、および運転免許証 は現状のジェンダーを反映するように更新されました。
解放される前に対象にはクラスAおよびF記憶処理薬が投与されました。対象のあらゆる家族、友人、および知人にクラスE記憶処理薬が投与されました。対象の出生時の性別は現在のジェンダーであったという偽記憶が対象と関係者の双方に与えられました。
補遺6113.3: 対象の証言
243個の対象の証言が発見からこれまでに収集されています。これら証言が私たちのSCP-6113に対する理解の基礎となっています。以下は特筆すべき証言の要約です。
対象 |
年齢 |
要約された証言 |
シン・ユーン=ジ |
20 |
合衆国の大学に在学中の対象は南朝鮮の仁川在住の両親と電話をしました。対象の両親は受け入れることができず、トランスフォビアであり、性転換をした場合勘当すると脅迫しました。対象は数時間動揺していました。彼氏に扮したSCP-6113-1が対象の前に現われました。特筆すべきことに、対象の彼氏は当時州の外にいました。 |
ノア・オキタ |
46 |
対象は仕事から解雇されたばかりであり、家賃を支払う余裕がありませんでした。対象、夫、および2人の子どもは経済的苦難に喘いでいました。立ち退きを求められた時、父親に扮したSCP-6113-1が対象の前に現われました。 |
シャルロッテ・ヤング |
87 |
先立って対象の妻が亡くなり、数ヶ月間抑うつ状態となっていました。対象が2人の写真を見つけた時、若かりし頃の妻に扮したSCP-6113-1が対象の前に現われました。性転換イベントの間、対象は明らかに若くなっていました。この効果はイベント後には続きませんでした。 |
アテナ・クアン |
13 |
継続的トランスフォビア・ハラスメントを受け、対象は極度の感情的苦痛の中にありました。対象は浴室にて両手首のリストカットによる自殺を試みました。カミソリの刃は肌を傷付けられませんでした。苛立った対象はカミソリ刃を部屋の向こうに投げ捨て泣き崩れました。姉に扮したSCP-6113-1が浴室内に現われて慰めました。特筆すべきことに、浴室には窓はなく、扉が1つきりしかありませんでした。 |
警告: 以下のファイルはレベル3/6113-3機密指定されています
このファイルにレベル3/6113-3認可無しで行われるアクセス試行は記録され即時懲戒処分の対象となります。