SCP-618
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特別収容プロトコル: SCP-618は財団資産によって買収され、公共アクセスから隔離されています。外部からの侵入を防ぐ防犯対策として、部屋のドアと窓は補強されています。また、前述の理由に加えて、異常空間そのものを監視するために、人感センサーが設置されています。

説明: SCP-618はブリティッシュコロンビア州カムループスにある1ベッドルームのアパートメントです。室内には長期間利用されていない様子が見られ、大量の埃やクモの巣が家具の上に蓄積しています。住宅履歴は、この部屋の居住者が、かつてバンクーバーのタブロイド新聞社に雇用されていた写真家、アナ・ルクレだったことを示します。ルクレはSCP-618が発見される数ヶ月前に行方不明になっていましたが、彼女の失踪は賃貸契約が満了するまで報告されませんでした。

SCP-618の内装は、極めて雑然としてはいますが、概ね平凡です。しかしながら、キッチンのオーブンには特異な改造が施されています。オーブン内部の磁器パネルとスチールラックは分解され、枠から取り外されています。蝶番が固定されているため、オーブンドアは閉鎖できません。一筋の乾燥した血液がドアの内側に垂直に走り、オーブンの裏側にある床下空間へと伸びています。

床下空間はSCP-618の空間異常 — アパートメントを取り巻く、光源の無い広大な異次元 — への入口として機能します。この空間からは、アパートメントの壁が完全に透明に見えるため、観察者は室内を見ることができます。この効果は一方向にのみ働きます。即ち、特定の角度から見た、またはアパートメントの内部から見た場合、壁は不透明です。壁に掛けた物品、家具調度品、その他の視界を遮る要素もまた同じ影響を受けます。

巨大なクモの巣がSCP-618空間異常の上部に掛けられています。このクモ糸は不明確な距離まで、数キロメートルにわたって途切れずに広がっています。クモの巣には無数の写真が吊り下げられており、いずれも撮影日を手書きしたラベルが付属しています。これらの写真の内容は幅広く異なりますが、典型的にはSCP-618の元居住者、アナ・ルクレを被写体としています。

写真の大半は、SCP-618の壁の外側の見晴らしの良い位置から、アパートメント内にいるルクレを見下ろす角度で撮影しています。これらの写真は概してルクレの日常生活を写しており、ルクレ自身は撮影者の存在に気付いていないようです。特筆すべきは、顔の大写しやすぐ背後の視点など、一部の写真にルクレを至近距離から撮影した形跡がある点です。回収された写真の目録は補遺01で確認できます。

SCP-618空間異常の内部にある写真の正確な枚数は現在不明です。しかしながら、写真に添えられた日付の傾向分析は、少なくとも数年分の写真がこの空間内に存在することを示します。ルクレがSCP-618に居住していた時期を通して、毎日平均50~100枚の写真が撮影されていますが、ルクレの失踪以降の日付を記した写真は確認されておらず、写真がその時点で出現しなくなったことを示唆しています。

アナ・ルクレの失踪に関する調査が現在進行中です。

補遺01 - 回収された写真 (抜粋):

写真 説明
Image # 618-00617

ルクレはキッチンテーブルの前に座り、スープを飲んでいます。これに先行する一連の写真には、彼女が冷蔵庫からタッパー容器を取り出し、中身をボウルに空け、電子レンジで加熱する様子が写っています。

写真はキッチンの天井裏から見下ろす角度で撮影されています。吊り下げ式の照明器具は、撮影者の視点の正面、通常であれば天井が存在すべき位置で途切れています。

2019/04/13
Image # 618-05572

ルクレはベッドで眠っています。寝室の照明は消えています。

写真は目の高さで、ルクレの寝室のクローゼットから撮影されています。アパートメントの壁の外側から見る時、このクローゼットの内部は完全に不透明であることに留意してください。

2019/06/22
Image # 618-08651

ルクレは結露に覆われたガラス張りのシャワードアの向こうで身体を洗っています。

撮影者の視点の角度と位置は、この写真がバスルームの内部で撮影されたことを示します。ルクレは撮影者に気付いていないようです。

2019/09/10
Image # 618-10455

ルクレは窓のブラインドを引き上げて屋外を見ています。

この写真はルクレを背後から接写しています。

2019/11/30
Image # 618-11177

オーブンの内部。撮影状況は現在不明です。

この日付以降の写真の出現は確認されていません。

2019/12/08

補遺02 - 後続調査:

アナ・ルクレのかつての勤務先だった、バンクーバーに拠点を置くタブロイド新聞社の調査が行われました。同社の記録によると、ルクレが撮影した写真の大半は通常否定的に評価され、出版を拒否されていました。ルクレを解雇すると脅す内容のEメールが多数送信されているにも拘らず、社内メモは会社の資産としての彼女の価値を挙げ、雇用の継続を強く推奨していました。

この新聞社の事務所を徹底的に検査し、物品を目録化したところ、壁の裏側の隠し収納区画が発見されました。この収納区画には、クモの巣で厚く覆われた数冊の革張りのバインダーが保管されていました。どのバインダーにも、内容・被写体共にSCP-618で発見されたものと類似する数百枚の写真が収められていました。最も留意すべきことに、各バインダーに収められた一連の写真は、それぞれ異なる人物を被写体としています。

ブリティッシュコロンビア州における失踪事件の包括的調査に続いて、SCP-618の異常性の再評価が現在承認待ちです。


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