SCP-6207
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アイテム番号: SCP-6207

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-6207はサイト-8の標準的な低脅威度収容室に保管され、収容室の周囲には15mの立入禁止区域が設けられます。SCP-6207の実験と収容室の定期清掃は、遠隔操作機器を介してのみ行われます。SCP-6207の10m以内に接近する着衣の職員は、全身防護シールドの内部に留まらなければいけません。

22/6/14の事件以降、SCP-6207に対しては、より厳重な保安体制が敷かれています。

説明: SCP-6207は製造元・モデル不明の固定式オフィスチェアです。SCP-6207の外見の細部は、その上に被せられた多種多様な衣類の大きな山によって隠されています。衣類を取り除いても山の大きさや形状は変化しないため、SCP-6207は未知の手段で新たな衣類を内部に生成し、失った分を補填していると思われます。

SCP-6207の10m以内に持ち込まれたあらゆる衣類は、SCP-6207の内部層から現れる、1本のキチン質かつ多関節の体肢によって強奪されます。この体肢は、衣類が当初の影響範囲外へ持ち出されても延伸して追跡し、加圧空気砲から発射された衣類を回収するために0.9kmまで延伸した記録が残っています。回収された衣服はSCP-6207の最外層に取り込まれます。

SCP-6207は着用されていない衣類を無差別に狙いますが、服を着た被験者に直面した場合は、上着や靴などの必要不可欠ではないアイテムを回収するに留まります。この理由は不明確です — 特定の衣類を人間から脱がせると公然猥褻に繋がる場合、SCP-6207はそれを回収しないものと仮定されています。

不定期に、SCP-6207は破れた布の切れ端を荒々しく排出します。これらは明らかに裁断された衣類に由来します。

発見: SCP-6207はカナダ、アルバータ州のアパートから、ある入居者が不可解に失踪し、周辺地域で衣類の盗難が多発しているという通報に続いて回収されました。財団の潜入エージェントが捜査を行い、SCP-6207をアパートの寝室で発見しました。本来の入居者は特定されませんでした — 個人情報は住宅記録に残されておらず、市職員はこの矛盾を説明できませんでした。

回収当時、SCP-6207が存在したアパートの部屋は酷く荒らされた状態で、家具は横倒しにされ、大量の汚れた衣類が部屋全体に散乱していました。室内の全ての反射面は打撃で粉砕されているか、衣類で覆われていました。また、カメラに背を向けている正体不明の人物の額装された写真も回収されました — この写真が無傷であることは特筆に値します。

補遺: 22/6/14、SCP-6207に発見場所で回収された写真を提示する実験が行われました。SCP-6207は写真を体肢で拾い上げ、数秒間調べる素振りを見せましたが、やがて唐突に収容室の向こう側へ写真を放り投げ、額を破壊しました。

その後間もなく、SCP-6207は極めて非典型的な挙動を示しました。SCP-6207の襞の間からは10~12個の黒い複眼が現れ、同時に縞模様のアームウォーマーを着用したキチン質の体肢7本が伸びて、SCP-6207の中央塊から高速で衣類を投げ捨て始めました。これは約170枚の衣類が投げ出されるまで続き、その時点で全ての異常な部位はSCP-6207の内部へと引き込まれ、視界から消えました。

翌週を通して、サイト-8全域の職員が、寮から衣類が行方不明になり、併せてSCP-6207のそれに似た体肢が衣装箪笥や化粧箪笥の引き出しに引っ込んでいくのを目撃したと報告しました。同様の事件はサイト周辺の民間コミュニティ、とりわけ高級デザイナー衣類の販売店でも報告されました。

更に、SCP-6207は以前よりも頻繁に裁断された布地を排出し始めています。この重要性については現在調査中です。

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