SCP-6316-JP-J
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アイテム番号: SCP-6316-JP-J

オブジェクトクラス: None

特別収容プロトコル: 現在SCP-6316-JP-Jは財団機密サーバーに偽装した通常のサーバーにhtmlファイルとして保存されています。データのコピーや印刷による持ち出しは禁止していますが、セキュリティクリアランス1以上の職員は自由にアクセスし閲覧することができます。また新たなSCP-6316-JP-Jを追加するために管理担当職員にレポートを提出することが可能です。また特に必要では無い場合、情報流出の危険性を抑えるためレポート内の表記はアイテム番号ではなく製品名またはその略称に置き換えてください。現在SCP-6316-JP-Jの内容に閲覧制限はありませんが、登録された端末以外からのアクセスおよび編集作業は"博士"追跡のために全て解析されます。

説明: SCP-6316-JP-Jは要注意人物として知られる"博士"の死亡説の総称です。SCP-6316-JP-Jは一見デタラメで強引にこじ付けられた情報の羅列に見えますが、読んだ人物に「"博士"は既に死んでいる」という確信を持たせます。異常性に暴露した者は更なる死亡説に繋がる根拠をデッチ上げ、"博士"の関連するオブジェクトの全ての情報を「"博士"の死亡を示す」という一点に集約しようとします。過去に財団職員の間に流行した際にはクラスA記憶処理薬をサイト-81██全域に散布することで鎮静化を図りましたが、20██年1月現在までに1█回の再発生・流行が確認されています。

SCP-6316-JP-Jは現在までに各"博士"1が製作したとされているオブジェクトの報告書に基づき構成されており、SCP-6316-JP-Jによれば初代"博士"と2代目"博士"は死亡し、現在"博士"は3代目であると考えられています。なお、"博士"としての活動は依然停滞してはいないことに留意してください。それぞれの"博士"の特色により"初代死亡期(前期)"、"2代目台頭期(中期)"、"3代目台頭期(後期)"と分けられています。

初代の"博士"は2000年代中盤あたりに死亡したものと見られます。死亡理由については後述のSCP-6316-JP-Jで分析されたオブジェクトの性質などから、内臓疾患による多機能不全であるとされています。
2代目の"博士"は「博士のわくわく大ぼうけん毛布」のインタビューログに見られるような粗暴な人物で、初代の生命維持に使用されたとされる技術を製品に流出させた本人であると考えられています。初代の死亡した年と同時期からオブジェクトへの対応から粗暴な性格が見え隠れし、製品にはワンダーテインメント博士の模倣以外に要注意団体へのなりすましが多く見られるようになってきます。これらは代替わりした2代目の性格によるものと考えられます。2代目はその性格の粗暴さ・初代へのリスペクトの不足・向上心皆無・カリスマの無さなどから研究メンバーに見限られて殺害されたと考えられています。
3代目"博士"は幼女です。理由は後述のSCP-6316-JP-Jで説明します。


初代"博士"死亡期
ワンダーテインメント博士の偽物として博士のスパイなりきりセット!博士の大爆笑ギャグ250連発大図鑑!のようなオブジェクトを作成していた博士ですが、ある時期から生物の接合や分割保存、まるで高度な外科手術を行うような技術を開発し、製品の性質に偏りが生じてきました。これらは当初、"博士"が誰か近しい人物に施術するためだと考えられてきましたが、それが"博士"自身の死亡につながるものだと考えると途端に共通点が見出せるようになったため、財団職員の間で大流行し、SCP-6316-JP-J "死亡説"としてまとめられることとなりました。


2代目"博士"台頭期 〜 失脚から3代目"博士"への交代の根拠
この時期には"博士"が死亡したとされるメッセージが多く発信されています。これは初代の死を知っており"2代目"の所業を良く思わない関係者(後の"3代目"と推測されています)が外部に知ってもらおうと意図的に仕込んだメッセージであると考えられています。またこの時期にはワンダーテインメント博士の日本進出番組:ニセ博士をやっつけろ!(2015年)の放送もされており、2代目"博士"は内輪組織だけでなく各方面からも嫌われていたことが分かります。


3代目"博士"台頭期 〜 3代目の活動の根拠
2代目"博士"の没落後、3代目"博士"の製作物が台頭する時期に入ります。以下は2代目と3代目の作風の違いや3代目の特徴であるオブジェクトの性質についての検証になります。


補遺: "博士"を名乗る不審人物からのメッセージ

20██年8月に"博士"と見られる人物によるサーバーへのクラッキングが行われた形跡がありました。その折に"博士"はサーバー内にテキストファイルで一言だけメッセージを残しており、"博士"の追跡に繋がる貴重な痕跡として解読班によるメッセージの分析が行われました。メッセージの内容は以下の通りです。

ダメ。つまんね — Dr,

分析: もしこれが"博士"だったとして、アクセス解析のリスクを冒してまでこんな小学生並みの感想を残すためだけに証拠を残していくでしょうか。これにはオブジェクト群と同じように秘められた意味があり、我々に伝えたいメッセージがあると考えられます。
まず文章にミスタイプが見られます。文末の最後に句点が無く、「Dr.」の署名のピリオド(.)がカンマ(,)になっています。当然ただのミスではありません。これらをローマ字に分解してみると、

DA ME o TU MA NN NE D r ,

となります(途中の句点は不自然であるため、"。"ではなく"O"であると仮定します)。そしてこれらを並び替えると、

TUrN ME oN, DEAD MAN

"Turn me on, dead man(死人を生き返らせて8)"、つまり"博士"は死んでいるのだと、我々に確証を持たせました。


以下、上記分析を載せた後に再びサーバー上に投稿されたメッセージです。

おーっと! 博士の秘密のメッセージを見つけたみたいだね! 仕込んだ覚えないけどな!
なんと"博士のポックリ死亡説!"は財団のクソ野郎どもが流した悪質なデマなんだ! この博士の足元にも置けない成りすましの二番煎じ野郎だったとは恐れ入ったね!
そんで、東弊の奴らまで知ってるじゃねえか! 俺がニセモノなんじゃねーかって生産を止めやがって、再開させろっつったら足元見てきやがった! おまけに日創研までDNA鑑定させろときた!お前ら本当に賠償責任取らせるからな!!
みんなは嘘を嘘と見抜けられないバカにはならないようにね!

楽しね!

分析: "博士"に東弊重工や日本生類創研とのつながりが確認できました。

追記: これ以降、"博士"と見られる人物からのコンタクトはありません。以上で要注意団体監視用特別プロトコル: "博士死亡説" を終了します。今後はSCP-6316-JP-Jの噂による"博士"の情報の氾濫と混乱を防ぐため、SCP-6316-JP-J "博士のポックリ死亡説!"として公開し、虚偽の内容であることを明記した上で統括管理されます。


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