SCP-6323
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SCP-6323がマフィンの配達を済ませている間、“人間観察”に従事しているSCP-6323-2。

アイテム番号: SCP-6323

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-6323に対する民間人の調査を制止するための財団偽装企業が設立され、アニマトロニクスを専門とする大学生グループがソーシャルメディア向けに運用している作品だという情報を流布しています。ロボット工学チームは、様々な場所にいるSCP-6323-2の捏造画像を掲載したブログを維持し、焼き菓子の配達はアニマトロニクス動物の可動域テストの一環であるという説明を添えます。表向き現在のSCP-6323-2テストラン区域とされている場所を民間人に特定されないように、ブログの更新は意図的に遅らせます。

SCP-6323が民間人と直接交流したことが確認された場合、フィールドエージェントが学生新聞の取材と称して、関与した人物へのインタビューを行います。必要に応じて記憶処理が行使されます。現時点では、SCP-6323が配布したマフィンを押収する必要はないと判断されています。

説明: SCP-6323は民族不明の中年男性のように見える実体であり、顔に目立った特徴はありません。SCP-6323は常に1頭の雄のマサイキリン (Giraffa camelopardalis tippelskirchii) (SCP-6323-2と指定) を同伴しています — 知性と人語への理解を示すことから、このキリンは異常存在だと推定されています。SCP-6323事案を担当するフィールドエージェントが収集した観察データに基づいて、現在、SCP-6323-2は約15%の観察者からしか認識されないと考えられています。

財団によるSCP-6323とその同伴者の追跡試行で有意義な移動パターンは確立されていませんが、現在、両実体は繰り返し一貫性のある行動を取っていることが確認されています。

  • SCP-6323は様々な個人の職場に焼き菓子 (典型的に様々な風味のマフィン) を配達し、“[受取人]にご褒美をあげても良いんじゃないかと思った人がいた”と説明します。
  • SCP-6323が配達する食品は非異常だと断定されています。
  • SCP-6323が配達する食品の受取人は通常、鬱病や不安障害の症状を示しています。
  • SCP-6323は将来の受取人に関してSCP-6323-2の意見を参考にすることが多く、両者はしばしば配達を終えた後に“人間観察”1を行います。
  • SCP-6323とSCP-6323-2は配達を終えて30分以内に視界から消失します。

補遺 SCP-6323-1: 21/12/25、サイト-17の財団工作員は、近隣のショッピングモールでSCP-6323を呼び止めることに成功しました。R・マーサー博士は、近くのパン屋で購入したマフィンをSCP-6323に提供した後、短いインタビューを行うことができました。

インタビューログSCP-6323-1より抜粋:

マーサー博士: 話に応じてくれてありがとう。同僚たちがしばらく前から君の仕事に興味を抱いていてね。

SCP-6323: マフィンをありがとう。

マーサー博士: どういたしまして。どういう流れで今の仕事を始めたんだ?

SCP-6323: そうだな… 気分転換と、今では後悔してるあれこれの埋め合わせがしたくなったとだけ言っとくよ。それで、例えおかしな形式だとしても、俺にそれを許可してくれる奴の所に行ったんだ。

マーサー博士: 一応確認するが、君は人間ではないね?

SCP-6323: 特にそんな事はない。

マーサー博士: しかし、人間とは頻繁に交流していたのか?

SCP-6323: ああ。言ってみれば、人間は俺の元々のクライアントだった。俺がもっと血生臭い仕事をしてた頃のな。

マーサー博士: 詳しく説明してもらえるかな?

SCP-6323: 誰も復讐に満足しなかった。誰も標的を1つ仕留めただけで止めようとはしなかった。俺はもっと充実した事をやりたくなった。

マーサー博士: だから新しい仕事を求めた?

SCP-6323: ああ。どんなのが俺に似合いかを知ってると噂の、権力構造の上の方にいる奴にな。最初のうちは腹立たしかったよ。血みどろの復讐を遂行する任務を負っていた不穏の権化であるこの俺の新しい信条が、落ち込んでる奴らに焼き菓子を届けることだって?

マーサー博士: 珍しい組み合わせだね。

SCP-6323: もっと自制心のある相棒を割り当ててくれりゃ良かったのにと今でも思う。

マーサー博士: つまり、君の支援者はキリンなのか?

SCP-6323: 多分、もっと普通な感じに堂々としてる動物は品切れなんだろうよ。

マーサー博士: 成程。

SCP-6323: でもまぁ、その、あのキリンのおかげで妻と会えたんだけどな。

マーサー博士: 説明してくれ。

SCP-6323: 妻は二階建てのアパートに住んでた。そこにはバルコニーがあった。手すり越しに植物や花が沢山垂れ下がってるから見逃しようがない。あいつは動揺するとそこに上がって独り言を言った。俺の手はそこまで届かなかったが、キリンなら届いた。

マーサー博士: じゃあ、彼女にマフィンを持って行ったんだね?

SCP-6323: そうだ。小さな籠に入れて、バルコニーまで持ち上げてもらった。それである日、あいつがどうにかしてバルコニーにアカシアの木の鉢植えを持ち込むのを見たんだが、それが全然萎れも枯れもしなかったのさ。俺が訪ねる度に、キリンの奴はそこから葉をむしって食ってたのに。それで俺は悟った。

マーサー博士: 君は幸せそうだ。

SCP-6323: 実際、俺たちは幸せだと思う。妻は時々、俺が菓子を焼くのを手伝ってくれるよ。多分、あれこそ、俺が何年もかけて目指した贖罪だったんだ。

補遺 SCP-6323-2: SCP-6323と2回目に遭遇した際、財団は彼及び彼の妻に対して活動支援を申し出ました。SCP-6323はこれを辞退し、「俺たちは“手”the Handと仲良く付き合ってるんだよ、でも申し出てくれてありがとう」とだけ述べました。

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